FXニュース:米雇用統計は移民影響も

2025年8月06日
今日2025年8月6日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円75銭付近から、円の高値でドルの安値の147円30銭付近の値幅約45銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円57銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年08月06日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米PMI改定値は上方修正
  • 米ISM非製造業景況低下
  • 米ISM企業価格指数上昇
  • 日実質賃金連続マイナス
  • 自民党河野議員利上げ圧
  • 日経平均株価指数が続伸
  • 米長期金利低下後の反発

今日2025年8月6日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円75銭付近から、円の高値でドルの安値の147円30銭付近の値幅約45銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円57銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の147円37銭付近の前東京終値比で約20銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-index) が上昇して始まり、英国主要株価指数の英国FTSE 100 (Financial Times Stock Exchange 100 Index) も連れて上昇した欧州英国株価影響のリスク選好のリスクオン (Risk-on) により、世界的な安全資産の米国債が売られて債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.220%付近に上昇した債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いと利益確定や持ち高調整でも低リスク通貨の円が売られたため、昨夜19時21分頃にドルは円相場で一時147円78銭付近にも買い戻されていた。

昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場も一時147円63銭付近の始値と147円台後半で、昨夜21時30分に発表された最新米国経済指標の6月米国貿易収支が前回の−715億ドルと前回下方修正の−717億ドルと市場予想の−613億ドルよりも堅調な−602億ドルであったことに続き、昨夜22時45分に発表された7月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値も前回と市場予想の55.2を上回る55.7に上方修正され、7月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 改定値も前回と市場予想の54.6を上回る55.1に上方修正されたことでは、米国ニューヨーク債券市場でも米国債売りが起き、昨夜22時50分頃に米国長期金利が一時4.227%付近に上昇したため、債券利回りの日米金利差を受けて、昨夜22時54分頃にドルは円相場で一時147円84銭付近と米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、先週末に大幅なドル下落の要因となった米国雇用統計の軟化について、米国人の失業保険申請数は比較的堅調な推移を見せていたことなどから、第二次ドナルド・トランプ米国政権による米国移民政策による米国外からの移民の雇用数の大幅減少なども一因であることなどが一部で専門家達に指摘されており、米国政府効率化省 (DOGE / Department of Government Efficiency) による米国政府職員の人員削減による人手不足の影響もあり、他のデータにも今後の修正値が出てくる可能性はあるものの、大幅な円高ドル安が進行した後の円の利益確定売りと持ち高調整のドルの買い戻しなども入っていた。

昨夜の米国CNBC (Consumer News and Business Channel) テレビのインタビューでは、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の次期議長に4人の候補者を検討していることについて発言し、これまでに有力候補の一人として考えられていたスコット・ベッセント米国財務長官については、「昨夜に本人に意向を尋ねたら、現職を続けたいとの回答だった」と議長指名を辞退したことを明らかにし、「次期FRB議長候補として、ケビン・ウォーシュ元FRB理事と国家経済会議 (NEC / National Economic Council) のケビン・ハセット委員長を含む4人を検討しているが、結論を急ぐつもりはない」としており、残りの2名は前回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で早期利下げを支持していたクリストファー・ウォラーFRB理事とミシェル・ボウマンFRB副議長の可能性があることが市場で意識されたことは抵抗になったが、米国雇用統計軟化が移民政策の影響である可能性などからは一時は90%台になっていた次回のFOMCにおける利下げ予想値が80%台に向けて上昇幅を縮小した。

一方、ドナルド・トランプ大統領が、「数日以内に決める」としていた8月8日に辞任するアドリアナ・クグラーFRB理事の後任候補については、一部報道では関係筋情報として米国投資会社アゾリア (Azoria) ・パートナーズの最高経営責任者 (CEO / Chief Executive Officer) でイーロン・マスクの米国政府効率化省 (DOGE / Department of Government Efficiency) で外部顧問を務めたジェームズ・フィッシュバック氏が自身のFRB理事への起用を求めてトランプ大統領と昨日会談したとされているが、ホワイトハウスはその是非についてはコメントしなかったが、彼はジェローム・パウエル議長への批判の訴えでは有名な人物であったことでは、FRBの政治からの独立性についての警戒感も燻っていた。

しかし、昨夜23時に発表された景気関連の最新米国重要経済指標である7月米国ISM (Institute for Supply Management / 米国サプライマネジメント協会 / 全米供給管理協会) 非製造業景況指数の総合が前回の50.8と市場予想の51.5を下回る50.1に下振れし、景気ボーダーラインの50はかろうじて上回る好景気側の指標に留まったが、先週金曜日の夜の7月米国ISM製造業景況指数は景気ボーダーラインの50を下回る48.0に下振れしていたことから米国景気懸念が燻り、発表の瞬間にドルは円相場で一時147円38銭付近と147円台前半に急落した。

ただし、7月米国ISM非製造業景況指数の個別項目では、企業活動の生産や新規受注と雇用などが悪化した一方で、企業が支払うコストを示す価格指数は2022年10月以来の高さとなり、米国関税政策の影響などもありインフレへの警戒感も燻り、米国における雇用最大化と物価安定 (Maximum employment and price stability) の二大責務 (Dual mandate) を掲げる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の次回9月16〜17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の市場予想で先日の米国雇用統計を受けて一桁に大きく後退していた次回の米国政策金利維持予想値が一時14.5%付近の二桁に向け始めていた。

米国ニューヨーク株式市場では、先行していた欧州英国株式市場に連れて一時はプラス圏から始まっていた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数(NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って反落してマイナス圏に転じ、米国ニューヨーク債券市場でも安全資産の米国債の買い戻しにより米国長期金利が反落し、深夜24時19分頃には米国長期金利は一時4.193%付近に低下したため、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響もあり、深夜24時15〜16分と20〜22分頃にかけてドルは円相場で一時147円31銭付近に下落し、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

一方、米国ニューヨーク債券市場では、午前2時に米国3年債の入札があり、他の種類の米国債にも影響が波及したため、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が再び4.1%台から4.2%台に戻し始めると、ドルも円相場で147円台前半から後半に戻し始めて、午前4時29分頃には米国長期金利は4.207%付近で推移し、午前4時30分頃には債券利回りの日米金利差売買によりドルは円相場で一時147円71銭付近に反発していた。

とはいえ、米国主要企業の決算報告シーズンの影響も続いている米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数(NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って前日比で安値の終値をつけた影響では、株引け後の午前5時45分頃に低リスク通貨の円に対してドルは一時147円50銭付近と147円台中盤付近になっていたが、米国ニューヨーク市場終盤の利益確定の円売りと持ち高調整のドルの買い戻しも入り、ドルは円相場で147円台後半に反発した。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の147円84銭付近から、円の高値でドルの安値の147円31銭付近の値幅約53銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円62銭付近と、前営業同時刻の147円9銭付近の前ニューヨーク終値比で約53銭の円安ドル高をつけた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間には、今日の日本市場に先行して厚生労働省による日本の最新経済指標の発表が今朝8時30分にあり、6月日本毎月勤労統計調査の現金給与総額の前年同月比は、前回の1.0%と前回上方修正の1.4%と市場予想の3.1%に対して2.5%の上昇率と市場予想以下になり、物価上昇率の影響を考慮した実質賃金では−1.3%と今年は6カ月連続でマイナス圏が続き、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が目標とする「物価と賃金の好循環」による早期の追加利上げ予想が後退したほか、石破茂首相は「物価高対策は賃上げ」としていたが、実質賃金でマイナスが続いたことで野党からの「物価高対策の減税要求」への圧力が増す可能性などが意識された円売りの影響がやや入り、今朝8時38分頃にドルは円相場で一時147円65銭付近に小幅に上昇していた。

ただし、今朝早朝の時間外の米国債券市場では、今朝8時44分頃に一時4.220%付近に上昇した米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時反落し、今朝8時49分頃に一時4.212%付近に上昇幅を縮小し、その後には再び反発を始めたものの、今朝9時頃の米国長期金利は一時4.218%付近と債券利回りの日米金利差の影響があり、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時147円52銭付近の始値となったが、今朝11時頃には米国長期金利は一時4.224%付近に反発上昇して高止まりしており、債券利回りの日米金利差拡大を受けて、今朝11時1分頃と11時15分頃にドルは円相場で一時147円75銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

今朝のニュースでは、日本政府の赤沢亮正経済財政・再生相が訪米し、「日本政府が、すでに関税が課せられている品目について上乗せ分を軽減する措置が適用される」と説明していた件について、米国政府が8月7日発動の対日の米国関税措置について公表した官報には記載されていないことを指摘し、「合意内容と異なる」と、修正を求める意向を明らかにしたことから警戒感による円の買い戻しが入り始めた。

また、今朝11時21分頃には、自民党の河野太郎議員が、「円高誘導のため利上げが必要」と発言したニュースが話題になり、昼頃には英訳でも報道されて世界ニュースでも話題となったことから、米国の利下げ要求の政治圧が意識される中で、日本では利上げ要求の政治圧があることなどが意識された円買いが入り、午後13時34〜35分頃にかけて対ドルの円相場が一時147円30銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今日の東京株式市場では、日経平均株価が続伸しており、午後13時台に市場高値圏で推移しており、高値引けが予想されていた株価影響のリスク選好のリスクオンでは、国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りも入って市場高値後の円相場が反落し、午後15時30分に今日の日経平均株価が4万794円86銭の終値をつけて前日比245円32銭高の+0.60%で大引けした後に、午後からの欧州市場に続き夕方からの英国ロンドン外国為替市場が参入すると米国長期金利が更なる上昇を見せ、夕方16時22分頃に一時4.239%付近に上昇したため、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響により、夕方16時23分頃にはドルは円相場で一時147円70銭付近と147円台後半に反発していた。

今日の夕方のフェドウオッチ (FedWatch) でも、昨日は一時90%台だった次回の米国利下げ予想値が、今日は一時80%台の推移を続けていたことなども、日米金利差予想による持ち高調整に影響を与えていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円57銭付近で、昨夜17時の147円37銭付近の前東京終値比では約20銭の円安ドル高になった。

今夜この後の欧米市場では、最新米国経済指標の発表予定と米国債入札予定に加えて、次回9月16〜17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜20時に米国MBA (Mortgage Bankers Association / 米国抵当銀行協会) 住宅ローン申請指数と26時に米国10年債入札、27時頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのリサ・クック理事の発言予定と、同時刻頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国ボストン連邦準備銀行のスーザン・コリンズ総裁の発言予定などを控えている。

また、明日8月7日に発動予定の米国関税政策への各国との交渉や合意内容の続報などを含めた世界ニュースや、米国主要企業の決算報告シーズンの影響が見られる世界の株式市場と債券市場と原油先物価格などのコモディティ市場などの為替相場への影響と、世界情勢や政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動きの予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は170円88銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の170円11銭付近の前東京終値比で約77銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の日経平均株価が続伸し、株価影響のリスク選好のリスクオンによる低リスク通貨の円売りや世界的に流動性が高い安全資産でもあるドル売りでは、欧州ユーロや英国ポンドなどが買われやすかった。

そのため、ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1579ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1543ドル付近の前東京終値比で約0.36セントのユーロ高ドル安であった。

英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は196円26銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の195円55銭付近の前東京終値比では約71銭の円安ポンド高であった。

ただし、明日の夜には英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) が英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) による英国政策金利発表のイベントを予定しており、市場予想では現在4.25%の英国政策金利に4.00%への0.25%の英国小幅利下げ予想が優勢さを保っていたことでは、今夜その後の欧州英国市場での欧州ユーロの円相場でのより大幅な上昇と比較すると英国ポンドの円相場での上値へのやや抵抗になっている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年8月6日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時57分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時57分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:57の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 147.57 〜 147.59 +0.20 (円安)
ユーロ/円 171.33 〜 171.34 +1.22 (円安)
ユーロ/ドル 1.1608 〜 1.1610 +0.0065 (ドル安)
英ポンド/円 196.55 〜 196.61 +1.00 (円安)
スイスフラン/円 182.90 〜 182.96 +0.90 (円安)
豪ドル/円 96.00 〜 96.04 +0.84 (円安)

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