FXニュース:米9月利下げ予想90%台
2025年8月05日
東西FXニュース – 2025年08月05日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米政策金利の先高観後退
- 欧米主要株価指数大幅高
- 日経平均株価も高値引け
- 銀行年内日銀利上げ備え
今日2025年8月5日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の146円62銭付近から、円の安値でドルの高値の147円49銭付近の値幅約87銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円37銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の147円87銭付近の前東京終値比で約50銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-index) が反発上昇し、米国主要株価の先物も反発上昇に向けていたことなどから、時間外の米国債券市場では欧米株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) により世界的な安全資産の米国債売りと低リスク通貨の円売りの抵抗が入ったことでは、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は昨夜17時38分頃に一時4.256%付近に下げ幅を縮小し、債券利回りの日米金利差トレードの円売りドル買いの影響があり、昨夜17時37分頃にドルは円相場で一時148円9銭付近にまで買い戻されていた。
しかし、先週金曜日の夜の米国雇用統計の軟化や大幅下方修正を受けて、米国の雇用最大化と物価安定 (Maximum employment and price stability) の二大責務 (Dual mandate) を掲げる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の次回9月16〜17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における0.25%の米国利下げ予想が、金利先物市場データから市場予想値を算出する米国フェドウオッチ (FedWatch) では市場で確定値と考えられている70%を超えた優勢さを続けており、一時90%台付近に向けて米国利下げ予想値が高まる中では米国政策金利の先高観の後退を受けて米国長期金利が再び低下し、昨夜20時56分頃の米国長期金利の一時4.229%付近への日米金利差縮小時の円買いドル売りにより、昨夜20時59分頃にドルは円相場で一時147円34銭付近と147円台に反落していた。
その影響から、欧州英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場も一時147円34銭付近の始値で、昨夜21時2分頃に米国長期金利が一時4.233%付近に反発して、昨夜21時8分頃まで一時4.230%付近で推移していたことを受けた昨夜21時14分頃の一時147円44銭付近が昨夜の米国市場における円の安値でドルの高値となり、その後には米国長期金利が再び低下し、昨夜22時14分頃の一時4.204%付近に向けたため、日米金利差縮小予想の影響もあって対ドルの円相場が再び上昇した。
米国市場では、昨夜23時に最新米国経済指標の発表があり、6月米国製造業新規受注は前回プラス圏だった8.2%と前回上方修正の8.3%と市場予想の−5.0%に対し、市場予想ほどの悪化ではないもののマイナス圏に転じた−4.8%に低下し、昨夜23時27分頃にドルは円相場で一時146円87銭付近と一時146円台に下落し、昨夜の米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、米国政策金利の先高観の後退を受けた金利警戒感の緩和の影響もあって、先週末の米国重要景気指標の下振れを受けて売られた後の米国主要株価の買い戻しが先物から入っており、米国ニューヨーク株式市場では米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数(NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏から始まり、プラス圏の推移のまま前営業日比の大幅高の堅調な推移を続けており、時差で先行していた欧州株式市場で前述の欧州主要株価指数の独DAXも前営業日比で大幅高の終値と、欧米株価上昇を受けたリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りが入り、同時進行中だった世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場でサマータイム (Summer Time) の深夜24時のロンドン・フィキシング (London Fixing) に絡む主要取引通貨のドル需要などもあったことでは、深夜24時22分頃にドルは円相場で一時147円36銭付近に買い戻されていた。
米国ニューヨーク債券市場では、米国利下げ予想を受けて米国長期金利が抵抗を交えながらも更なる低下に向けており、午前4時1分頃には一時4.199%付近と4.2%台割れの4.1%台への更なる低下に向け始めたことでは、午前3時58分頃にドルは円相場で一時146円91銭付近と再び146円台に下押ししたが、米国ニューヨーク株式市場では米国主要株価三指数が前営業日比で大幅高の終値になった株価影響では、安全資産の米国債売りや低リスク通貨の円売りの抵抗も混ざったためにドル円は147円台に反発し、市場終盤の今朝5時49分と5時58分頃の対ドル円相場は一時147円11銭付近であった。
ただし、米国のニュースでは、第二次ドナルド・トランプ米国政権が、今年2025年7月31日に公表したトランプ書簡での米国現地時間の同年8月8日までが期限の米国相互関税の新たな税率を日本時間の8月7日から貿易相手に課すと改めて公表したことでも関税インフレへの警戒感が意識されたが、先日にタカ派発言と米国政治圧の後に8月8日の米国関税発動時期に合わせた早期辞任が話題になった米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のアドリアナ・クグラー理事の後任には米国利下げ要求を続けているドナルド・トランプ大統領がハト派の指名を示唆しており、「数日以内に発表する」としていたことでは米国政策金利の先高観は後退しており、午前5時19分頃にも一時4.195%付近に低下した米国長期金利の反発幅は米国利下げ予想の中では弱く、今朝6時頃のニューヨーク終値時点の米国長期金利は一時4.197%付近と4.1%台に低下したままであったこともあり、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響は残っていた。
そのため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の147円44銭付近から、円の高値でドルの安値の146円87銭付近の値幅約57銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円9銭付近と、前営業同時刻の147円40銭付近の前ニューヨーク終値比で約31銭の円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間の世界ニュースでは、英国ロイター通信 (Reuters) が、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国サンフランシスコ地区連邦準備銀行のメアリー・デイリー総裁が、米国労働市場の軟化を示すデータが増えたことを意識していると明らかにし、米国関税インフレの不確実性では「あと1回待つつもりだった」としながらも、「永遠に待つことはできない」と発言し、次回9月16〜17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における0.25%の米国利下げ予想については、「利下げが確定したことを意味するものではない」とまだ何も決まっていないことは改めて示唆したが、「今後のFOMCは全て、米国政策の調整がその場で検討されるライブ決定の会合になると考えている」と発言し、ドナルド・トランプ大統領が新たに送り込むと考えられているハト派以外の既存の中道などのFRB関係者たちも、米国雇用市場の軟化データを受けては、米国利下げの時期が近いとの考えを示したことが話題になり、今朝8時18分頃にはドルは円相場で一時146円69銭付近と再び146円台に下落し、今朝8時35分頃の時間外の米国債券取引では米国長期金利は一時4.188%付近に低下した。
今朝8時50分に日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が6月16〜17日開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨を公表したが、早期の追加利上げ予想が後退していたことでは、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時146円79銭付近の始値となったが、今朝9時頃に一時4.190%付近に小反発した米国長期金利が今朝9時5分 頃に再び一時4.188%付近に反落したため、今朝9時5分頃にドルは円相場で一時146円62銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、日本市場では、今日は5日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい「5と10が付く日の五十日 (ごとおび / ゴトーび)」であったことなどから、今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要が優勢になり、今朝9時48分頃にはドルは円相場で一時147円4銭付近と147円台に反発した。
また、昨夜の欧米主要株価上昇の影響を受けて、今朝は東京株式市場でも今日の日経平均株価がプラス圏から始まり、プラス圏の推移を見せた日本株価上昇時のリスク選好のリスクオンによる国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りも入り、午前の部が高値引けした後にランチブレイクを挟んで午後の部が今日の株式市場の高値圏付近から始まったため、午後13時3分頃に株価上昇時の低リスク通貨の円売りが入り、またこの時間には時間外の米国債券取引で世界的な安全資産の米国債売りの影響による債券価格低下に伴う利回り上昇で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も一時4.209%付近と4.2%台に反発していたドル買いも入っていたため、ドルは円相場で一時147円27銭付近に下げ幅を縮小していた。
午後15時30分には、今日の日経平均株価は4万549円54銭の終値をつけ、前日比258円84銭高の+0.64%で大引けした。
一方、国内債券市場では、財務省の6カ月物の交付税及び譲与税配付金特別会計の一時借入金の入札があり、結果を受けて国内銀行は依然として日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の今年年内の追加利上げへの備えを崩していないことへの観測報道があったことでは円の買い戻しもあったが、市場では日銀の早期の追加利上げ予想は後退し、銀行の今年年内の早期の警戒でも10月29〜30日の日銀金融政策会合からと、次回9月18〜19日の日銀金融政策会合では金利維持予想が優勢であったことでは、新発10年物の日本国債の利回りが指標となる国内長期金利が一時1.470%に低下したため、 午後からの欧州市場に続き夕方から英国ロンドン外国為替市場が参入すると、国内債券市場での国内長期金利低下に対して夕方16時39分頃には時間外の米国債券市場で米国長期金利が一時4.216%付近に上昇したため、債券利回りの日米金利差トレードの円売りドル買いが起き、夕方16時51分頃にドルは円相場で一時147円49銭付近と、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録して下げ幅を縮小していた。
ただし、前日のこの時間にはドルは円相場で一時148円台付近にも上昇していたことと比較すると、今日の夕方の時点でもフェドウオッチ (FedWatch) では、次回9月の米国利下げ予想値が90.1%付近と9割付近の優勢さを続けており、ドルは円相場で147円台中盤付近から日本市場終盤の円の買い戻しの影響を受けて147円台前半に上昇幅を縮小した。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円37銭付近で、昨夜17時の147円87銭付近の前東京終値比では約50銭の円高ドル安になった。
今夜その後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、前日に続き欧州主要株価指数の独DAXがプラス圏で始まった株価影響では、英国主要株価指数の英国FTSE 100 (Financial Times Stock Exchange 100 Index) も連れて上昇した時間であったため、世界的な安全資産の米国債売りの影響で米国長期金利が一時4.220%付近になり、今夜19時21分頃にはドルは円相場で一時147円78銭付近にも買い戻されている。
今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に6月米国貿易収支、今夜22時45分に7月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値と7月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 改定値、今夜23時に重要景気指標の7月米国ISM (Institute for Supply Management / 米国サプライマネジメント協会 / 全米供給管理協会) 非製造業景況指数と、26時に米国3年債の入札予定などを控えている。
また、今月8日以前の期限が迫る米国関税交渉への各国との続報などを含めた世界ニュースや、米国主要企業の決算報告シーズンが続いている世界の株式市場と債券市場と原油先物価格などのコモディティ市場などの為替相場への影響と、世界情勢や政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は170円11銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の170円98銭付近の前東京終値比で約87銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、日米金利差縮小予想による円高ドル安やクロス円で円高ポンド安などの外貨影響が続き、欧州ユーロの円相場にも円高圧として波及したが、株価上昇時の低リスク通貨の円売りや国内長期金利低下時の抵抗などの影響では、前日よりも小幅域の円高になっていた。
そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は195円55銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の196円32銭付近の前東京終値比では約77銭の円高ポンド安であった。
なお、その後の今夜17時30分に発表された最新英国景気指標の7月英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値は、前回と市場予想の51.2を上回る51.8に上方修正された。
ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1543ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1563ドル付近の前東京終値比で約0.20セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、 前日の大幅な欧州ユーロ高ドル安の後の利益確定や持ち高調整の反発上昇が影響を及ぼしたほか、今日の夕方16時50分に発表された欧州ユーロ圏の最新欧州景気指標のフランスの7月仏サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値が前回と市場予想の49.7を下回る48.5に下方修正され、午後16時55分のドイツの7月独サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 改定値は前回と市場予想の50.1を上回る50.6に上方修正されたものの、今夜17時の欧州ユーロ圏総合の7月欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 改定値は前回と市場予想の51.2を下回る51.0に下方修正されていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年8月5日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時58分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時58分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 19:58の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 147.58 〜 147.59 | −0.29 (円高) |
ユーロ/円 | 170.38 〜 170.40 | −0.60 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.1544 〜 1.1545 | −0.0019 (ドル高) |
英ポンド/円 | 196.10 〜 196.16 | −0.22 (円高) |
スイスフラン/円 | 182.16 〜 182.22 | −0.75 (円高) |
豪ドル/円 | 95.30 〜 95.34 | −0.43 (円高) |
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