FXニュース:米パウエル議長発言控え

2025年6月18日
今日2025年6月18日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の145円44銭付近から、円の高値でドルの安値の144円85銭付近の値幅約59銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円97銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年06月18日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米小売売上高予想下振れ
  • 中東情勢米軍事介入警戒
  • 欧米株安・原油高・ドル高
  • 米銀自己資本規制見直し
  • 原油先物価格円買い戻し
  • 今夜の米FOMCイベント

今日2025年6月18日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の145円44銭付近から、円の高値でドルの安値の144円85銭付近の値幅約59銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円97銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の144円93銭付近の前東京終値比で約4銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨夜18時に発表された欧州経済研究センター (ZEW / Zentrum fur Europaische Wirtschaftsforschung) の最新欧州経済指標の6月欧州ZEW景況感調査が前回の11.6から35.3に上昇し、欧州ユーロ圏主要国ドイツの6月独ZEW景況感調査の期待指数も前回の25.2と市場予想の35.0を上回る47.5に上振れしたことでは欧州ユーロが円相場で買われたが、中東情勢の続報でイスラエルとイランの紛争の地政学リスクでは、世界的な安全資産でもある米国債買いの影響で、昨夜21時頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.414%付近に低下したため、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響では昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時144円61銭付近の始値であった。

米国市場では、昨夜21時30分に最新米国重要経済指標の5月米国小売売上高の発表があり、前月比は前回の0.1%が前回−0.1%に下方修正されたほか、市場予想の−0.7%を下回る−0.9%に下振れし、自動車を除くコアな前月比も前回の0.1%と前回下方修正の0.0%と市場予想の0.1%を下回る−0.3%に下振れしたことでは、米国景気懸念でも安全資産の米国債が買われて米国長期金利が更に低下したため、発表時の昨夜21時30分頃にドルは円相場で一時144円38銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、原因には米国に輸入される自動車や部品と鉄鋼・アルミニウム製品などへの米国関税政策の影響により、自動車販売関連が大幅に低下して全体を下押しし、2023年以来の2ヶ月連続減少となったほか、米国相互関税政策への米国消費者達の警戒感から3月の駆け込み購入後の買い控えが売上高に影響を与えたとの指摘もあり、米国国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) に反映される自動車とガソリンと建設資材などを除いたベースでは市場予想以上との観測報道もあったことでは、円相場ではドルの買い戻しが入り始めた。

また、昨夜21時30分に同時発表されていた5月米国輸入物価指数の前月比は、前回の0.1%と市場予想の−0.2%に対し0.0%と市場予想を上振れした一方で、5月米国輸出物価指数の前月比は前回の0.1%と市場予想の−0.2%を下振れした−0.9%であったこともあり、ドルは円相場で144円台後半に反発上昇していた。

ただし、昨夜22時15分に発表された最新米国経済指標の5月米国鉱工業生産の前月比は、前回の0.0%が前回0.1%に上方修正されたものの、市場予想の0.1%を下回る−0.2%と弱く、同時刻の5月米国設備稼働率も前回と市場予想の77.7%を下回る77.4%と軟調であったことはやや抵抗になっていた。

続いて、今夜23時発表された6月米国NAHB (National Association of Home Builders) 住宅市場指数も前回の34と市場予想の36以下の32と弱かったことでは、この時間のドル上昇には抵抗が混ざる値動きとなっていたが、同時刻の4月米国企業在庫の前月比で前回の0.1%に対し市場予想通りの0.0%に留まったことでは、抵抗を交えながらもドルは円相場で上昇していた。

この時間のコモディティ市場で中東情勢への警戒感などから原油先物価格が再び上昇しており、中近東のオイルマネーなども流入する世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場では、英国のサマータイム期間中は日本時間で深夜24時にあたる世界の安全資産の金価格値決めなどのロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けた主要取引通貨のドル買いフローが観測されており、同じく時間帯が近い欧州市場などからの世界市場でも地政学リスク回避のための避難通貨としての有事のドル買いがあったことなどから、深夜前の昨夜23時45分頃にはドルは円相場で一時145円29銭付近と、145円台に上昇していた。

深夜のロンドン・フィキシング後には、中東情勢の地政学リスク回避などで欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indexX / ドイツ株価指数) が安値引けした欧州市場終盤のドルの利益確定や持ち高調整の抵抗も入ったが、イスラエルとイランの交戦が続く中で、「米国軍が中東地域に戦闘機を追加配備した」というニュース速報があり、米国の軍事介入の可能性への警戒感も高まった。

米国ニューヨーク株式市場でも、イスラエルとイランの紛争激化の続報を受けた世界経済への影響懸念や米国の軍事介入の可能性への警戒感などから、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が深夜過ぎに短時間プラス圏をタッチした以外はマイナス圏の推移を見せ、米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) も揃ってマイナス圏で安値の終値に向けていた米国主要株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) では、原油価格上昇時には島国の日本の輸送コスト増加リスクにより低リスク通貨の円よりも世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルが避難通貨としても買われており、米国株式市場終盤の午前4時21分頃にドルは円相場で一時145円38銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、米国政府のドナルド・トランプ大統領の発言の影響もあり、自己運営のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS / Social Networking Service) のトゥルース・ソーシャル (Truth Social) の投稿で、「イランに無条件降伏を要求」したほか、爆撃はんでいないとしながらも、「我々はしびれを切らしている」とし、米国の軍事介入の可能性への警戒感や、中東情勢悪化懸念が高まり、世界的に流動性が高いドルの有事のドル買いが欧州ユーロや英国ポンドなどに対して勢いを増し、ポンドドルが欧米市場の前日比で一時1%のドル高騰を見せるなど、中東情勢緊迫化を背景にした欧米株安・原油高・ドル高が観測されていた。

とはいえ、世界的な安全資産の米国債買いの影響も続いており、米国ニューヨーク債券市場では、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が継続し、今朝6時頃のニューヨーク終値の頃の一時4.388%付近に向けて米国長期金利が4.4%台から4.3%台に低下した債券利回りの日米金利差縮小に伴う円買いドル売りは抵抗となり、米国市場の高値を記録後のドルは円相場で上昇幅をやや縮小していた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の144円38銭付近から、円の安値でドルの高値の145円38銭付近までの値幅約1円0銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は145円29銭付近と、前営業日同時刻の144円75銭付近の前ニューヨーク終値比で約54銭の円安ドル高をつけた。

今朝8時50分には日本の最新経済指標の発表があり、通関ベースの5月日本貿易統計は、季調前が前回の−1158億円と前回上方修正の−1156億円と市場予想の−8965億円に対し−6376億円と前回よりは赤字額が増額したが市場予想よりは堅調で、季調済も前回の−4089億円と前回上方修正の−3492億円と市場予想の−3590億円を上回る−3055億円といずれも市場予想よりは堅調であった。

一方、日本の対米貿易黒字額は4517億円で、今年4月に発表された日本に対する米国相互関税率の24%は、2024年の米国の対日貿易赤字の685億ドルを日本からの輸入額の1482億ドルで割り算出されたとされていたが、今年1〜5月の日本の対米貿易黒字額の3兆4729億円から相互関税率を算出すると約20%付近に低下する可能性が指摘されていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、中東情勢緊迫化を受けた有事のドル買いがリスク市場に比較的に弱いとされるオセアニア通貨などからも入っていたため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場も一時145円39銭付近と145円台の始値となり、今朝9時1分頃に対ドル円相場は一時145円44銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、今日のコモディティ市場では、昨夜から今朝早朝にかけて上昇していた原油先物価格が、今朝7時40分頃の一時74.01ドル付近をピークに反落し、上昇幅を縮小した影響があり、原油先物価格の上昇時には抵抗があった低リスク通貨の円の買い戻しが入り始めたことでは、円相場は対ドルでの下げ幅を縮小した。

今日の時間外の米国債券取引では、今朝早朝に一時4.382%付近にまで低下後の米国長期金利が反発し、今日の午後15時頃の一時4.415%付近に向けて下げ幅を縮小し始めたことはやや抵抗になったが、今朝のニュースでは米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) などが、 「米国金融規制当局が、米国銀行の米国国債取引を制約する自己資本規制の緩和を計画している」という報道が話題になり、規制の見直しにより、米国の大手銀行などによる米国債券への再投資が拡大すれば、米国債券価格上昇に伴う利回り低下の圧力になることから、米国長期金利が昨夜の下落幅を縮小する中でも、今日の日本市場時間には日米金利差トレードによる円売りドル買いの影響は限定的で、原油価格の上昇幅縮小に連動するように低リスク通貨の円の買い戻しが入っていた。

国内ニュースでは、北米カナダのG7首脳会議後の石破茂首相の記者会見があり、「物価高への対応は、消費税などの減税政策よりも物価上昇に負けない賃上げの実現こそが基本であり、急務であると考えている」と発言し、「賃上げが物価上昇を上回るまでの間の対応も必要であるため、給付金を参院選の公約に盛り込む検討を指示したところだ」と述べていた。

今日の東京株式市場でも、昨日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁が国内政策金利維持後に見通しが実現すれば追加利上げ方向を維持するものの、市場安定化を注視し追加利上げを急がない姿勢を見せていたことでは金利警戒感緩和の影響もあって今日も日経平均株価が続伸し、今日の午後15時30分に日経平均株価は3万8885円15銭の終値をつけ、前日比348円41銭高の+0.90%で大引けした。

一方、今夜この後の日本時間の明日未明に、米国の中央銀行にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の新政策金利と金利見通しの発表イベントを控えており、その後のジェローム・パウエル議長の要人発言のイベントリスクが世界的に意識される中では、今日の日本市場では持ち高調整と様子見のドルの買い控えと、原油価格低下時の低リスク通貨の買い戻しの影響などで、対ドルの円相場は、前東京終値比の下げ幅を縮小していた。

午後からの欧州市場の参入と、夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入では、午後15時に発表されていた5月英国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) が、前月比は前回の1.2%に対し市場予想通りの0.2%であったが、前年同月比は前回の3.5%と市場予想の3.3%に対し3.4%と市場予想以上で、物価基調の5月英国CPIコア指数の前年同月比は前回の3.8%に対し市場予想通りの3.5%と目標の2%を超えており、明日6月19日には英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) も控える中で、今夜のイベントリスクのある対ドルで英国ポンドが買い戻された外貨影響の対ドル円相場への波及もあり、夕方16時9分頃に対ドルの円相場は一時144円85銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円97銭付近で、昨夜17時の144円93銭付近の前東京終値比では約4銭の小幅な円安ドル高であった。

なお、今夜この後のドルのイベントリスクの影響もあり、今夜その後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、前東京終値比で小幅な円高ドル安に市場反転を見せている時間も観測されている。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定と世界的な注目を集める米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の発表と米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の要人発言のイベントの予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に前週分米国新規失業保険申請件数と前週分米国失業保険継続受給者数と5月住宅着工件数と5月建設許可件数の同時発表、27時にFOMCの米国政策金利と金融政策の声明の発表とFOMCメンバーによる米国政策金利と経済見通し (SEP / Summary of Economic Projections) が公開され、そして、27時30分頃からジェローム・パウエル議長の定例記者会見における要人発言のイベントがあり、29時には4月対米証券投資なども控えている。

世界市場では、FRBのジェローム・パウエル議長の発言とFOMC発表の今年年内の金利見通しなどに注目が集まっている。

また、中東情勢の続報の影響や、世界の株式市場や債券市場やコモディティ市場などの為替相場影響と、各国との米国関税交渉なども含めた世界の政治経済の影響に加え、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースも、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は166円91銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の167円5銭付近の前東京終値比で約14銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、中東情勢を受けた地政学リスクで欧州ユーロや英国ポンドが世界的に流動性の高い安全資産でもあるドルに対して売られやすかったことや、原油先物価格が今朝の上昇幅を縮小するにつれて今日の日本市場では今夜のドルのイベントリスクにより低リスク通貨の円の買い戻しが入った外貨影響が欧州ユーロや英国ポンドの円相場に波及していた。

その影響から、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は195円10銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の196円4銭付近の前東京終値比で約94銭の円高ポンド安であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1513ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1558ドル付近の前東京終値比で約0.45セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、昨日に続き、中東情勢緊迫化を受けた有事のドル買いの影響があり、比較するとリスク市場に弱いとされている欧州ユーロが地政学リスク回避により、世界的に流動性が高いドルと低リスク通貨の円に対して売られていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年6月18日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時3分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時3分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:03の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 144.85 〜 144.87 −0.08 (円高)
ユーロ/円 166.48 〜 166.49 −0.57 (円高)
ユーロ/ドル 1.1492 〜 1.1493 −0.0066 (ドル高)
英ポンド/円 194.67 〜 194.73 −1.37 (円高)
スイスフラン/円 177.08 〜 177.14 −0.82 (円高)
豪ドル/円 93.99 〜 94.03 −0.50 (円高)

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