FXニュース:今週米FRBのFOMC控え

2025年5月05日
今日2025年5月5日月曜日の日本の東京外国為替市場は「こどもの日」の祝日休場であるが、今朝9時頃から今夜17時頃までの日本市場相当時間の世界FX市場の対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円80銭付近から、円の高値でドルの安値の143円97銭付近の値幅約83銭で、...

 

東西FXニュース – 2025年05月05日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米雇用統計NFP予想以上
  • 米失業率は前月比横ばい
  • 米平均給与上昇予想以下
  • 日英連休控え持ち高調整
  • 米中関税交渉期待と警戒
  • OPEC+増産合意原油急落

今日2025年5月5日月曜日の日本の東京外国為替市場は「こどもの日」の祝日休場であるが、今朝9時頃から今夜17時頃までの日本市場相当時間の世界FX市場の対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円80銭付近から、円の高値でドルの安値の143円97銭付近の値幅約83銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は144円35銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の145円13銭付近の前東京終値比では約78銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週金曜日の夜17時に先週の日本市場が終了しや後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、米国雇用関連の最新米国重要経済指標の4月米国雇用統計の発表イベントを控えたイベントリスクのドルの利益確定売りや持ち高調整の影響などがあり、先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時144円56銭付近の始値であった。

欧州市場でも、先週金曜日の夜18時に発表された欧州インフレ関連の最新欧州重要経済指標の4月欧州消費者物価指数 (HICP / 英語: Harmonised Indices of Consumer Prices / 語: Harmonized Index of Consumer Prices) 速報値の発表があり、前年同月比が市場予想の2.1%を上回る前回と同じ2.2%であったほか、欧州HICPコア指数も前回の2.4%と市場予想の2.5%を上回る2.7%に上振れしたことでも、欧州ユーロに対してドルが売られた外貨影響が、イベントリスクによる安全資産の米国債買いの影響による米国長期金利低下時の円買いドル売りの値動きと共に対ドル円相場にドル下落圧として波及していた。

先週金曜日の夜21時30分には、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長や高官達が注視しているデータとしても知られ、市場の注目を集めていたその最新米国重要経済指標の4月米国雇用統計の発表が始まり、4月米国非農業部門雇用者数変化 (NFP / Non-Farm Payrolls) の前月比が前回の22.8万人と前回下方修正の18.5万人と市場予想の13.0万人を上回る17.7万人に上振れしたことでは、先週金曜日の夜21時31分頃にドルは円相場で一時144円95銭付近に反発した。

しかし、この4月の米国NFPは上振れ分と似たレベルに前月分が下方修正されていたことに加えて、4月米国失業率は前回と市場予想通りの4.2%の横ばいで、4月米国平均時給は前月比が前回と市場予想の0.3%を下回る0.2%の伸び率に鈍化し、前年同月比も市場予想の3.9%以下の前回と同じ3.8%に留まったことでは、ドルは円相場で反落した。

また、同時進行中であった世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場も、週明けの本日の月曜日はアーリー・メイ・バンク・ホリデー (Early May Bank Holiday) の祝日にあたるため、連休の週末を控えた市場流動性の高いドルの利益確定売りや持ち高調整が入り、先週金曜日の夜23時1分頃にドルは円相場で一時143円72銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、欧州市場ではこれに先立って先週金曜日の夜18時に発表されていた3月欧州失業率が前回と市場予想の6.1%に対し前回上方修正と横ばいの6.2%であったことや、欧州インフレ指標発表後も次回6月の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の欧州追加利下げ予想が優勢さを保っており、それに対する今週5月6〜7日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) でも米国政策金利の据え置き予想が市場で優勢さを保っていたこともあり、英国市場で深夜24時に世界の金価格の値決めなどがあるロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けては主要取引通貨に対するドルの買い戻しが入った。

また、米国政府が中国からの合成麻薬フェンタニル流入懸念を米国追加関税の理由に挙げていた経緯があったが、米国経済紙のウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) が、「中国は米国との通商協議開始に向けて、合成麻薬フェンタニルに関する提案を検討している」と報じたことに続き、英国ロイター通信 (Reuters) や米国ブルームバーグ (Bloomberg) などの欧米主要メディアもこのニュースを報じたため、米中関税交渉進展への期待感によるドルの買い戻しが入っていた。

米国ニューヨーク株式市場でも、この米中関税交渉進展への期待感が高まり、米国主要企業の決算報告の影響などでもプラス圏から始まっていた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って大幅高になり、前営業日比の大幅上昇のままで市場終盤の終値に向けた株価影響でも、米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円売りが起きてドルが買い戻されたため、先週土曜日の朝3時43分頃にドルは円相場で一時145円9銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

とはいえ、米中関税交渉進展への期待では、台湾ドルや韓国ウォンなどのアジア太平洋通貨が対ドルで上昇した時間のあった影響もあり、円相場にも影響が波及していたことや、日本のゴールデンウィークを控えた日本企業の週明けのドル需要減少の見込みなどもあった円の買い戻しも米国市場終盤の対ドル円相場の為替相場に影響を及ぼし、米国市場で一時145円台に再上昇後のドルは円相場で再び一時144円台への再反落を見せた。

このため、先週金曜日の夜21時頃から先週土曜日の朝5時55分頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の143円72銭付近から、円の安値でドルの高値の145円9銭付近の値幅約1円37銭で、先週土曜日の朝5時55分頃のニューヨーク終値は144円96銭付近と、前営業日同時刻の145円39銭付近の前ニューヨーク終値比で約43銭の円高ドル安をつけて、週末を迎えていた。

週明けの今日の世界市場では、日本市場が祝日休場であることに加えて、香港 (中国)、韓国と夕方からの英国ロンドン外国為替市場も休場であるため、世界FX市場全体の流動性減少による値動きが警戒される中で、今朝早朝のアジア・オセアニア市場が始まり、世界FX市場の今朝9時頃の今日の東京外国為替市場の始値相当時間の対ドル円相場は一時144円65銭付近で、今朝9時30分頃の一時144円80銭付近が今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値となった。

この値動きの影響には、今朝の世界ニュースで石油輸出国機構 (OPEC / Organization of the Petroleum Exporting Countries) に非加盟産油国を加えたOPEC+ (OPECプラス) が、日量約41万バレルの原油の6月増産に合意したこと報じられたことを受けて、米国WTI原油先物が一時4%以上も急落し、北米産油国のカナダドルが対ドルで売られていた外貨影響の対ドル円相場への波及などがあった。

しかし、今朝の日本市場休場中の日本企業のドル実需減少の影響だけでなく、今朝のニュースでは米国政府のドナルド・トランプ大統領が、「中国と公正な取引を望んでいるが、中国は米国を食い物にしている」と発言しており、先週末には高まっていた米中交渉進展への期待感が後退した影響が観測されており、今朝の日米株価先物では時間外の米国ダウ先物やシカゴ日経平均先物が大幅な反落を見せた時間があり、日米株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で低リスク通貨の円買い需要があったことで対ドルの円相場が反発上昇し、米国相互関税政策への警戒感の再燃では欧州ユーロなどの他の主要通貨に対してもドルが売られた外貨影響が対ドル円相場に波及したため、午後14時40分頃にドルは円相場で一時143円97銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、第二次ドナルド・トランプ政権の米国相互関税に対する警戒感では、アジア市場で輸出企業がドル売りで台湾ドルを買う大規模な値動きが観測され、先週金曜日にも観測されていた台湾ドル高ドル安の影響が今日も続いた後に、1980年第以来のおよそ25年ぶりの台湾ドル高ドル安を受けて、台湾中央銀行が午後3時30分に為替市場に関する会見を行うとの報道の影響があり、為替介入への警戒感が浮上した影響ではドルは円相場で反発した。

午後からの欧州市場の参入でもややドルの買い戻しが混ざったものの、夕方からの世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場も日本市場と同様に祝日連休で主要取引通貨としてのドル需要が弱かったことでは、ドルは円相場で一時144円台前半付近に留まり、一時の買い戻しの後には再び反落に向けていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は144円35銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の145円13銭付近の前東京終値比で約78銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標などの発表予定と米国債入札予定があり、日本市場の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時45分に 4月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値と 4月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 改定値と、今夜23時に最新米国重要経済指標の4月米国ISM (Institute for Supply Management / 米国サプライマジネジメント協会) 非製造業景況指数、そして26時に米国3年債の入札予定を控えている。

なお、今週5月6〜7日に次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) のイベントを控えているため、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長や高官達は要人発言自粛のブラックアウト期間中である。

また、日本のゴールデンウィーク中の市場流動性への注意が必要なほか、日本の祝日でも平日営業の海外市場もあることでは、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国関税交渉などを含む経済と政治影響に加えて、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値相当時間は163円33銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の164円37銭付近の前東京終値比で約1円4銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、今日は前述のリスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いがドルだけでなく、欧州ユーロや英国ポンドなどに対して起きており、ユーロドルにも外貨影響が波及した。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値相当時間は191円73銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の192円97銭付近の前東京終値比で約1円24銭の大幅な円高ポンド安であった。

またユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間は1.1315ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.1325ドル付近の前東京終値比では約0.10セントのユーロ安ドル高であったが、米中関税交渉懸念の影響などでは、今夜その後の欧州市場では小幅なユーロ高ドル安への市場反転も見せている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年5月5日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時15分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時15分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:15の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 143.95 〜 143.96 −1.18 (円高)
ユーロ/円 163.16 〜 163.17 −1.21 (円高)
ユーロ/ドル 1.1332 〜 1.1334 +0.0007 (ドル安)
英ポンド/円 191.33 〜 191.39 −1.64 (円高)
スイスフラン/円 174.64 〜 174.70 −0.79 (円高)
豪ドル/円 93.35 〜 93.39 +0.26 (円安)

注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。