FXニュース:日銀政策金利を据え置き

2025年5月01日
今日2025年5月1日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の142円88銭付近から、円の安値でドルの高値の144円74銭付近の値幅約1円86銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円33銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年05月01日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米重要経済指標強弱混合
  • 日経済物価展望下方修正
  • 日コアコアCPIは上方修正
  • 日銀早期利上げ予想後退
  • 日経平均株価指数大幅高
  • 世界市場メーデーの流動性

今日2025年5月1日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の142円88銭付近から、円の安値でドルの高値の144円74銭付近の値幅約1円86銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円33銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の142円80銭付近の前東京終値比で約1円53銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨日の日経平均株価上昇に続き欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) も一時上昇し、株価影響のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りが入った時間があったため、欧州英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時143円2銭付近の始値と、前東京終値比の円安ドル高から始まった。

米国市場では、昨夜21時15分に米国雇用関連の最新重要経済指標の4月米国ADP (Automatic Data Processing) 雇用統計の発表があり、前回の15.5万人が前回14.7万人に下方修正されたほか、市場予想の11.5万人を大幅に下回る6.2万人に下振れし、ドルは円相場で下落し、昨夜21時18分頃には一時142円76銭付近になった。

続いて、昨夜21時30分に発表された1〜3月第一四半期の米国雇用コスト指数の前期比は前回と市場予想通りの0.9%の横ばいで、同時発表の米国景気関連の最新重要経済指標の1〜3月第一四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) は前回の2.4%と市場予想の0.2%に対しマイナス圏の−0.3%に低下したが、同じく発表された1〜3月第一四半期の米国 GDP個人消費の速報値は前期比年率が前回の4.0%と市場予想の1.2%に対し1.8%と市場予想以上となり、1〜3月第一四半期の米国コアPCE (Personal Consumption Expenditures / 個人消費支出) 速報値は前回の2.6%と市場予想の3.2%を上回る3.5%に上振れするなど強弱混合であったことでは、反発と抵抗を交えながらも、昨夜21時47分頃にドルは円相場で一時142円69銭付近に反落した。

昨夜22時45分の4月米国シカゴ購買部協会景気指数は、前回の47.6と市場予想の46.0を下回る44.6と弱かった。

昨夜23時の米国インフレ関連の最新重要経済指標の3月米国個人消費支出 (PCE / Personal Consumption Expenditures) 物価指数の米国PCEデフレーターの前年同月比は、前回の2.5%が前回2.7%に上方修正された上で市場予想の2.2%を上回る2.3%に上昇したが、食品とエネルギーを除く物価基調の3月米国PCEコア・デフレーターは、前月比が前回の0.4%は前回0.5%に上方修正されたものの市場予想の0.1%を下回る0.0%に鈍化した一方で、前年同月比では前回の2.8%は前回3.0%に上方修正されたが、市場予想通りの2.6%と再び強弱混合となった。

3月米国個人消費支出 (PCE) の前月比は、前回0.4%が前回0.5%に上方修正された上で、市場予想の0.6%を上回る0.7%となり、それに対する3月米国個人所得の前月比は前回の0.8%が前回0.7%に下方修正されたものの、市場予想の0.4%を上回る0.5%%であった。

また、同時発表の3月米国住宅販売保留指数は、前月比が前回の2.0%が前回2.1%に上方修正され、市場予想の1.0%を大幅に上回る6.1%に上振れし、前年同月比は前回の−7.2%と前回上方修正の−7.0%と市場予想の−-5.7%を上振れする−0.1%であった。

昨夜23時に強弱混合の最新米国経済指標の数々が同時発表されたことへの為替市場の反応は、発表時の昨夜23時頃に一時142円57銭付近へドルは円相場で瞬時の下押しを見せた後に反発し、昨夜23時33分頃に一時143円4銭付近に上昇した。

一方、米国主要企業の決算報告時期が続いていた米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って前営業日比のマイナス圏から始まって推移していたことを受けては、マイナス圏になった米国GDPを受けた米国景気懸念の一方で、一部のインフレ指標は上方修正や上振れしていたことへの警戒感などもあり、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で低リスク通貨の円が買われた影響では、ドルは円相場で再び反落し、また同時進行中だった世界最大規模の英国ロンドン市場で深夜24時のロンドン・フィキシング後の月末要因の主要取引通貨のドル売りの影響もあり、深夜24時2分頃に対ドル円相場は一時142円50銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、市場安値後のドルの円相場での買い戻しも入り始めたほか、米国市場でも月末要因の自国通貨のドルの買い戻しが入ってドルは円相場で反発し、市場後半には米国主要株価三指数も利益確定後の買い戻しが入って下げ幅を縮小していき、米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) の二指数がプラス圏に転じて前日比で小幅高の終値をつけたほか、米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) も下げ幅を縮小して前日比で小幅安の終値をつけたことでは、株価影響の低リスク通貨の円売りドル買いが強まり、今朝5時39分頃にドルは円相場で一時143円19銭付近と米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の142円50銭付近から、円の安値でドルの高値の143円19銭付近の値幅約69銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は143円7銭付近と、前営業日同時刻の142円33銭付近の前ニューヨーク終値比で約74銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、シンガポールや香港および中国と韓国などがメーデー (MayDay) やレイバー・デー (Labour Day / 労働者の日) などの祝日休場で、世界FX市場全体の市場流動性が減少していたが、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時143円2銭付近の始値と、昨夜のニューヨーク始値と同額だった。

日本市場でも、ゴールデンウィークの大型連休時期を控えていることでは、今朝の仲値決済に向けて日本企業のドル余剰準備金が売られていた今朝9時32分頃の一時142円88 銭付近が、今日の日本市場の円の高値でドルの安値となった。

しかし、昨日から今日にかけて日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合が開催されており、市場予想では米国関税政策の経済への影響の様子見で、日本の政策金利据え置きされる予想が優勢であったことでは、金利警戒感緩和により今日の東京株式市場では日経平均株価がプラス圏から始まり、一時下押し後にも反発上昇トレンドになったことでは株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りが入り、円相場が反落した。

正午頃には、日銀が市場予想通りの日本の政策金利据え置きを発表し、日銀の経済・物価情勢展望リポートでは、2025年度の日本の実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の成長率の前年度比の中央値を+0.5%と、前回の1月時点の+1.1%から下方修正し、また、生鮮食品を除く日本の消賀者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) のコアCPIも前回の+2.4%から+2.2%に下方修正しており、その一方で参考の生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは前回の+2.1%から+2.3%に上方修正されていた。

日本のGDPとコアCPIの下方修正には、第二次米国ドナルド・トランプ政権の関税政策の影響による経済減速リスクと不確実性を反映したが、「金融政策運営については、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、以上のような経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている」と、今後の追加利上げ方向は維持し、しかし、「こうした見通しが実現していくかについては、各国の通商政策等の今後の展開やその影硼を巡る不確実性がきわめて高い状況にあることを踏まえ、内外の経済・物価間勢や金融市場の動向等を丁寧に確認し、予断を持たずに判断していくことが重要と考えている」と慎重な姿勢を示しており、「日本銀行は、2%の『物価安定の目標』のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく」としていた。

発表を受けて、市場ではややハト派とも取れる日銀の追加利上げに慎重な様子見の姿勢を受けて、日銀の早期の追加利上げ予想が後退し、こ追加利上げの先延ばしや追加利上げペース鈍化などの可能性が一時の市場予想で意識されたため、当面の間の日米金利差予想による円売りドル買いが優勢になり、ドルは円相場で大幅な上昇を見せ始めて、午後14時34分頃にドルは円相場で一時144円25銭付近と144円台への急伸を見せた。

また、今朝からの金利警戒感緩和が続いた日経平均株価は発表後に上昇幅を拡大し、午後15時30分頃に3万6452円30銭の終値をつけ、前営業日比406円92銭高の+1.13%の大幅高で大引けしたことも、株価影響によるリスク選好のリスクオンの国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りに影響を与えたことで、ドルは円相場で続伸した。

午後15時30分頃から、日銀金融政策決定会合後の植田和男総裁の定例記者会見がライブ中継で始まったが、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」という追加利上げ方向は維持したものの、不確実性については展望リポートと同様であったが「後ずれ」の可能性が示唆されたほか、特にタカ派発言は出なかったことから円売りドル買いが継続し、およそ一時間に及ぶ記者会見中の夕方16時12分頃に、ドルは円相場で一時144円74銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

今日の欧州市場ではドイツやフランスとポーランドと北欧スウェーデンやスイスなどもメーデーなどの祝日休場で市場流動性が減っていたが、日本市場の高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整の安値後の円の買い戻しの抵抗が日本市場終盤に向けて入っていた影響では、ドルは円相場で144円台後半から前半に上昇幅をやや縮小した。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円33銭付近で、昨夜17時の142円80銭付近の前東京終値比では約1円53銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標などの発表予定があり、日本市場の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に前週分米国新規失業保険申請件数と前週分米国失業保険継続受給者数、今夜22時45分に4月米国製造業購買担当者景気指数、今夜23時に4月米国ISM (Institute for Supply Management / サプライマネジメント協会) 製造業景況指数と3月米国建設支出などが発表される予定である。

また、明日早朝の米国株式市場の株引け後の時間になる予定であるが、米国主要企業の決算報告時期が続き、米国アップル社やアマゾンなどの決算報告を控えた世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国関税交渉などを含む経済と政治影響に加えて、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

また、日本の大型連休のゴールデンウィーク時期も控えた世界FX市場では、市場流動性にも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は163円31銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円32銭付近の前東京終値比で約99銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の日銀の金利据え置きと早期の追加利上げ予想の後退による金利差予想の円売りが主要通貨の為替相場に影響を及ぼし、ドルだけでなく欧州ユーロや英国ポンドに対しても円相場が下落した。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は192円7銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の191円7銭付近の前東京終値比で約1円0銭の大幅な円安ポンド高であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1314ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1372ドル付近の前東京終値比で約0.58セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、日銀の金利据え置きと同時に早期の追加利上げ予想が後退し、今後の追加利上げ方向は維持されたものの、経済と物価展望の一部の下方修正や不確実性のリスク要因から慎重な様子見により利上げ時期が後ずれ可能性などから、当面の間の日米金利差予想を受けた大規模な円売りドル買いの外貨影響がユーロドルに波及し、メーデーなどで実需が減っていた欧州ユーロに対してドルが上昇した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年5月1日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時6分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時6分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:06の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 144.25 〜 144.26 +1.45 (円安)
ユーロ/円 163.47 〜 163.48 +1.15 (円安)
ユーロ/ドル 1.1330 〜 1.1331 −0.0042 (ドル高)
英ポンド/円 192.37 〜 192.43 +1.30 (円安)
スイスフラン/円 174.52 〜 174.58 +1.55 (円安)
豪ドル/円 92.18 〜 92.22 +0.89 (円安)

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