FXニュース:米新政策金利発表を控え
2024年9月18日東西FXニュース – 2024年9月18日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米経済指標が予想上振れ
- 米景気懸念緩和受け調整
- 米大小利下げ予想拮抗か
- 米長期金利上昇と様子見
- 米パウエル議長発言予定
- 米利下げの見通しに注目
今日2024年9月18日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の142円2銭付近から、円の高値でドルの安値の141円22銭付近の値幅約80銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は141円90〜91銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の140円62〜63銭付近と比べると約1円28銭の大幅な円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、昨夜20時5分頃にはドルは円相場で一時140円74銭付近にまで買い戻されていたが、欧米の現地時間で今夜18日 (日本時間では時差により19日未明の午前3時頃) に米国の中央銀行制度にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が新政策金利と金融政策を決める米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) とジェローム・パウエル議長の記者会見での発言のイベントを控えており、米国利下げ予想やイベントリスク回避の安全資産の米国債買いによる米国債券価格上昇に伴う利回り低下の影響などで、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜20時45分頃には一時3.607%付近にまで反落したため、米国債券利回りを受けた金利差トレードによるドル売りとイベント前の持ち高調整などの影響で、ドルは円相場で一時140円44銭付近と昨日の東京終値時点よりもやや下げていた時間があったが、その後には高値圏の米国債の利益確定売りや持ち高調整が入り、米国長期金利が反発と上昇を始めたため、英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時140円61銭付近の始値と前東京終値付近と同じレベルに戻すという「往って来い」を見せていた。
昨夜の米国市場では、複数の最新米国経済指標の発表があり、昨夜21時30分の米国重要景気指標でもある8月の米国小売売上高は、前月比が前回の1.0%から1.1%に上方修正された上で、市場予想のマイナス圏の-0.2%に反しプラス圏の0.1%に上振れしたことでは、発表を受けたドルは円相場で昨夜21時30分の1分間の値動きの中で瞬時に一時141円0銭付近に急伸したが、米国利下げ予想のドル売りポジションで141円付近に観測されていたストップロスに引っ掛けたことでは瞬時に反落したほか、8月の米国小売売上高の自動車を除くコアの前月比は前回の0.4%と市場予想の0.2%を下回る0.1%と、同指標にやや強弱混合の部分があったことでは、昨夜21時31分頃にドルは円相場で一時140円54銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、米国小売売上高の総合的な前月比が市場予想のマイナス圏に反してプラス圏であっただけではなく、前日に発表されていた米国ニューヨーク連銀製造業景気指数の市場予想以上の大幅な上振れなど、最近の米国景気指標を受けては景気の底堅さが意識されたことなどでは米国景気懸念が緩和され、米国債券市場では安全資産の米国債売りが続き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は昨夜21時35分頃の一時3.632%付近に向けて上昇し、債券利回りを受けた金利差売買でドルが円や主要通貨に対して再び買われて反発上昇し、昨夜21時34分頃にドルは円相場で一時141円8銭付近と、一時抵抗を交えながらも再び141円台にタッチして上昇を始めていた。
続いて、昨夜22時15分に発表された最新米国経済指標の8月の米国鉱工業生産の前月比も前回マイナス圏だった-0.6%と前回下方修正の-0.9%と市場予想の0.2%を上回るプラス圏の0.8%に改善されて市場予想を上振れしたことに加えて、同時発表だった8月の米国設備稼働率も前回の77.8%と前回下方修正の77.4%と市場予想の77.9%を上回る78.0%に上昇したことでも、米国景気懸念緩和による安全資産の米国債売りが続き、主要通貨に対するドルの買い戻しを進めた。
さらに、昨夜23時に発表された7月の米国企業在庫の前月比も前回と市場予想の0.3%を上回る0.4%に上昇し、同時発表だった9月の全米住宅建設業者協会 (NAHB / National Association of Home Builders) 住宅市場指数も前回の39と市場予想の40を超える41に上昇したため、複数の米国経済指標が市場予想を上振れした影響が続き、昨夜23時台には米国長期金利は一時3.650%付近に上昇したことから、昨夜23時52分頃にはドルは円相場で141円90銭付近に上昇していた。
また、先日に米国大幅利下げ予想の可能性を指摘していた米国経済新聞のウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) や一部のアナリスト達などが、米国大幅利下げの可能性はあるものの米国小幅利下げの可能性と再び拮抗してきていることなどを示唆した影響もあり、米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、今夜この後の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅の市場予想値が、昨日の午後の英国ロンドン外国為替市場の参入時には0.25%の米国小幅予想値が一時33.0%付近だったものが今日の一時39.0%付近に向けた再上昇を始めており、一方で0.50%の米国大幅利下げ予想値も昨夕の一時67.0%付近から今日の61.0%付近に向けて低下を始めていたことも、日米金利差予想によりドル円の為替相場に影響を与えていた。
米国ニューヨーク債券市場で米国長期金利が上昇する一方で、米国ニューヨーク株式市場では米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が前日の史上最高値更新後の利益確定売りやイベント前の持ち高調整の影響も相まって小幅ながらもやや反落の終値に向けたが、世界的なハイテク企業比率の高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は小幅高の終値に向け、また米国S&P 500種 (Standard and Poor’s 500 index) も小幅ながらも続伸の終値に向けていたことでは、米国主要株価三指数中の二指数が上昇トレンドであったことでも、米国市場では安全資産の米国債売りの影響が続き、今週の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合のイベントリスクを控えていることでは米国株式市場では低リスク通貨の円買い需要は弱く、午前2時の米国20年債の入札後も米国長期金利上昇に伴う円売りドル買いの影響が続き、ドルは円相場で141円台後半を抜けて142円台へと上昇を続けた。
米国ニューヨーク債券市場では、今朝早朝の終値時点の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時3.648%付近と、前営業日同時刻比で+0.029の上昇に向けていたことから、米国ニューヨーク外国為替市場終盤の今朝5時49分頃には、債券利回りの日米金利差の円売りドル買いの影響やイベント前のドルの買い戻しで、ドルは円相場で一時142円47銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の140円54銭付近から、円の安値でドルの高値の142円47銭付近の値幅約1円93銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は142円41銭付近と、米国市場の前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の140円62銭付近と比べると約1円79銭の大幅な円安ドル高をつけていた。
今朝から始まったアジア・オセアニア市場では、アジアの香港と韓国市場が祝日休場であったが、今朝9時頃からの今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時142円1銭付近と前東京終値比で大幅な円安ドル高の始値で、今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時記録した一時142円2銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値となった。
ただし、今日の日本市場では、今夜この後の日本時間では明日未明の午前3時にあたる米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 終了後の結果発表である、米国の新政策金利と金融政策の声明と米国経済の見通しや、米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の記者会見での発言による今後の米国金利の見通しなどのイベントを控えていることから、イベントリスクの持ち高調整では国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しが優勢になったことで、対ドルの円相場は141円台前半に向けて反発した。
今日の東京株式市場では、昨日は大幅安で大引けしていた日経平均株価に買い戻しが入り、今朝は前日比で上昇して始まったが、今朝9時15分頃をピークに上昇幅を失い始めて、昼の13時過ぎから14時前にかけて前日比で一時マイナス圏に低下したことでも、今夜のドルのイベントリスクへの警戒感のドル売りの円の買い戻しに加えた日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で低リスク通貨の円が買われた影響で、午後13時57分頃にはドルは円相場で一時141円22銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、午後14時頃からは、午後15時頃までの東京株式市場の終盤に向けた安値後の株の買い戻しが入り始めたことでは、日経平均株価は再びプラス圏の転じ始めたことでは、市場高値後の円の利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めて、ドルは円相場で反発した。
午後15時頃には今日の日経平均株価は3万6380円17銭の終値をつけ、前日比176円95銭高の大幅高に転じて大引けしたことで、低リスク通貨の円には利益確定売りや持ち高調整が続いたほか、今日の日本市場の時間外の米国債券取引では昼前には一時3.640%付近まで反落していた米国長期金利が、午後からの欧州英国市場参入の影響もあり下げ幅を縮めて反発したことでも、ドルは円相場で再び一時141円台後半に向けていた。
このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は141円90〜91銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の140円62〜63銭付近と比べると約1円28銭の大幅な円安ドル高になった。
ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出する米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) で、今夜この後の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅の市場予想値が、0.25%の米国小幅予想値が日本市場時間の午後には一時39.0%付近だったものが再び35.0%付近にやや戻して推移しており、一方の0.50%の米国大幅利下げ予想値も今日の午後の一時61.0%付近から65.0%付近に戻しながら変動推移を続けているが、米国小幅利下げ予想の場合には年内の追加利下げ幅が市場で注目されてきていることでは、今回が大幅利下げであっても小幅利下げであっても今後の米国金利見通しが重要である点では、米国大幅利下げ予想が市場である程度は織り込み済みになってきていたことから、今夜この後で日本時間の明日未明の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 終了後の結果発表である米国新政策金利と金融政策の発表イベントと共に、米国政策金利の見通しや米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の発言イベントが注目されている。
今夜この後の米国市場では、米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントだけでなく、最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済市場カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に8月の米国住宅着工件数と米国建設許可件数、23時30分に週間米国原油在庫、そして、27時に米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 終了後の米国新政策金利と米国金融政策の声明文発表のイベントと、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国経済見通し (SEP / Summary of Economic Projections) に続き、27時30分頃から市場注目度の高い米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の定例記者会見のライブ中継での発言予定のビッグイベントを控えている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は157円95〜97銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の156円57〜59銭付近と比較すると約1円38銭の大幅な円安ユーロ高であった。
主な要因は、今週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 後に日銀金融政策決定会合のイベントリスクを控えており、欧州市場では今月の日銀金利据え置き予想が優勢で、先日の今年最大の円高ドル高を記録後の円の利益確定や持ち高調整などで対ドルの円相場が下落した外貨影響もあり、欧州ユーロに対しても円売りが波及していた。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1130〜1.1132ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1133〜1.1135ドル付近と比較すると約0.03セントの小幅なユーロ安ドル高であった。
主な要因は、米国景気懸念の緩和による米国長期金利上昇時の主要通貨に対するドルの買い戻しが影響を与えたが、米国大小利下げ幅のイベントリスクではドル売りや買い控えもあったことなどでは小幅域になっていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は187円28〜34銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の185円86〜92銭付近と比べると約1円42銭の大幅な円安ポンド高であった。
主な要因は、欧州ユーロと同様にドル円の外貨影響の波及があったほか、日米のイベントリスクが近づく中で英国市場でも持ち高調整の円売りで英国ポンドの買い戻しが起きていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年9月18日の日本時間(JST)20時4分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の12時4分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 20:04の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 141.66 〜 141.67 | +1.04 (円安) |
ユーロ/円 | 1.1124 〜 1.1126 | +0.31 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.1132 〜 1.1134 | −0.0009 (ドル高) |
英ポンド/円 | 187.11 〜 187.17 | +1.25 (円安) |
スイスフラン/円 | 167.95 〜 168.01 | +1.22 (円安) |
豪ドル/円 | 96.09 〜 96.13 | +0.96 (円安) |
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