FXニュース：米消費者物価指数を控え

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東西FXニュース – 2024年8月14日

文／八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点：

• 米卸売物価指数PPI鈍化
• 米大幅利下げ予想再上昇
• 米長期金利低下時のドル
• 岸田首相不出馬で円買い
• 日米主要株価上昇円利確

今日2024年8月14日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の146円7銭付近から、円の安値でドルの高値の147円43銭付近の値幅約1円36銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円41〜42銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の147円83〜84銭付近の前東京終値比では約42銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円35銭付近の始値で、世界市場で中東情勢への警戒感による地政学的なリスク回避のリスクオフ (Risk-off) や今週に発表される米国重要経済指標を控えたイベントリスクもあり、世界的な安全資産として米国債が買われた影響があり、債券価格上昇に伴う利回り低下を受けて、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下していたため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りが入り、米国市場の対ドル円相場ではドルは円相場で昨日17時の東京終値時点よりも安く始まっていた。

ただし、米国市場では、それまで低下を続けていた米国10年債の利回りが、米国主要株価三指数の上昇予想を受けたリスク選好のリスクオン (Risk-on) の抵抗などにより、債券価格上昇時の利益確定で売られたことなどでは、米国長期金利が一時やや小反発する時間があったため、今週のドル円のイベント前の持ち高調整のドルに買い戻しも相まって、昨夜21時27分頃にドルは円相場で一時147円51銭付近に反発し、昨夜の米国市場での円の安値でドルの高値を記録していた。

しかし、昨夜21時30分に発表されたインフレ関連の最新米国経済指標の7月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) は、前月比が前回と市場予想の0.2%を下回る0.1%に鈍化し、前年同月比も前回の2.6%と前回修正の2.7%と市場予想の2.3%を下振れする2.2%で、食品とエネルギーを除いて物価基調を測る米国PPIコア指数も、前月比が前回の0.4%と前回修正の0.3%と市場予想の0.2%に対し0.0%に低下し、前年同月比も前回の3.0%と市場予想の2.7%を下回る2.4%に鈍化していたため、米国卸売 (生産者) 物価指数の鈍化を受けて、それまでは今年9月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) での米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の小幅利下げ予想がやや優勢になっていた米国利下げ予想では再び大幅利下げ予想値が上昇して優勢に転じたため、米国長期金利低下を伴う主要通貨に対するドル売りが起き、発表時の昨夜21時30分頃にドルは円相場で一時147円6銭付近に急落した。

米国ニューヨーク債券市場では、昨夜21時20分頃には一時3.897％付近で推移していた米国10年債の利回りが、米国PPIコア指数鈍化の発表後の昨夜21時35分頃までに一時3.878％付近に急落した後も低下を続け、昨夜22時25分頃には一時3.856％付近に低下したことから、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りが続き、また、先述の米国大幅利下げ予想の影響を受けた日米金利差縮小予想の円買いドル売りに加えて、同時進行していた昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、昨日の英国雇用統計発表後に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の英国追加利下げ予想がやや後退した影響などもあり、米国ニューヨーク債券市場の米国10年債の利回りが指標の米国長期金利の低下を受けて、欧州ユーロや英国ポンドなどの他の主要通貨に対してもドルが売られてドル指数が低下し、外貨に対するドル下落の影響も円相場に波及したため、午前4時10分頃にドルは円相場で一時146円59銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

米国ニューヨーク債券市場では、米国長期金利の低下が続き、今朝早朝の終値時点には3.844%と前日比－0.061の低下に向けていたものの、同時進行していた米国ニューヨーク株式市場では、米国政策金利の先高感への警戒感が緩和された影響もあり、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) が揃って上昇し、特に金利に敏感な米国ダウが大幅高の終値に向けたほか、世界的なハイテク企業の比率が多い米国ナズダックも大幅高の終値に向かったことを受けては、米国主要株価三指数上昇時のリスク選好のリスクオンによる低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整の売りが抵抗となったことでは、市場安値後のドルは円相場で下げ渋った。

また、今朝未明の米国市場では、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国アトランタ連銀のラファエル・ボスティック総裁の発言のニュースもあり、「データをもう少し見てから、利下げを支持したい」との米国利下げへの慎重な姿勢を示したほか、「絶対的な確信を得たい」としており、その理由として、「一旦、米国利下げを開始した後で、後から米国利上げを再開するようなことは、実に不都合である」と、インフレ再燃リスクへの警戒感を見せていたことも、ややドルの抵抗要因になっていたが、「今年年内には、利下げの準備が整う可能性が高い」とも述べ、今年3月からのデータ重視の慎重な姿勢を維持していた。

先日の最新米国雇用統計が市場予想を下振れしたことで、米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の米国利下げ開始が後手に回っているのではないかと、一時は大幅利下げ予想値が市場で急伸したことについては、ラファエル・ボスティック総裁は今回の米国の失業率増加は、「問題であることに間違いはない」との見解を示しながらも、下振れした要因の大部分は、米国労働市場の需要低下による軟化というよりは、むしろ米国労働市場への参加者が増加したことが今回の失業率低下の一因である可能性を指摘し、これまでにも複数のFOMCメンバーが米国の利下げ開始が遅すぎるのではないかという世論に反論していたことを追従したことも、米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) 予想に影響を与えたことでも、米国長期金利低下時においても主要通貨に対するドルの買い戻しが混ざった。

本日8月14日の今夜この後には、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC ) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の中でも世界市場への影響力が強いジェローム・パウエル議長も重視している最新米国重要経済指標の7月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントを控えており、明日8月15日にも4〜6月四半期の日本の実質日本国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の速報値や7月の米国小売売上高などの日米の重要指標の発表のイベント予定があり、来週8月22〜24日にも、世界中の中央銀行の総裁達が出席予定のジャクソンホール会議の開催予定もあるため、イベント前の持ち高調整やイベントリスクの様子見の買い控えなども混ざり始めていた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の147円51銭付近から、円の高値でドルの安値の146円59銭付近の値幅92銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は146円84銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の147円21銭付近と比べて約37銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続いて、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時146円94銭付近であったが、日本市場のお盆休みシーズンの影響では、市場流動性の減少により少しのまとまった値動きでも値幅が増幅されやすい市場時間が続く中で、今朝9時55分の日本市場の仲値決済の頃に日本企業の輸入実需などの円売りドル買いが入った後の今朝10時6分頃には、ドルは円相場で一時147円19銭付近に反発した。

また、今朝の東京株式市場では、今朝早朝の米国主要株価三指数の上昇に続き、今日の日経平均株価が大幅続伸で始まっていたことや、今日の日本市場の時間外の米国債券取引で米国長期金利が早朝のニューヨーク終値比で反発上昇をしていたことも、この時間の日米株価上昇時の低リスク通貨の円売りドル買いに影響を与えていた。

今朝の日本市場の参入後も同時進行していたオセアニア市場では、今朝11時頃にニュージーランドの中央銀行にあたるニュージーランド準備銀行 (RBNZ / Reserve Bank of New Zealand) が新政策金利を発表し、従来と市場予想の5.50%に対し25 bp (25 basis points = 0.25%) の利下げを発表し、ニュージーランドドルの新政策金利を5.25%に決定したことを受けて、ニュージーランドドルがドルだけでなく円相場でも下落した影響が対ドル円相場に波及した。

また、今日の午前中の記者会見で、日本政府の岸田文雄首相が、今年の秋の自民党総裁選に出馬しない意向を表明し、岸田文雄首相の不出馬を受けて、９月の退陣で自民党の新総裁を選出する過程において、以前に日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) に追加利下げを求めていた河野太郎デジタル相や茂木敏充幹事長が次の総裁候補に挙がっているとの一部のニュース報道を受けて、新政権が円安是正に積極的になる可能性が市場で意識されたことや、日本の政治不透明感から低リスク通貨の円買いが入り始めると、今朝は一時前日比で大幅高だった日経平均株価が下げ始め、国内金利上昇への警戒感などもあり一時反落した。

今朝11時15分頃には、今日の日経平均株価は前日比でマイナス圏に転じ始め、今朝11時30分頃に前日比でマイナス圏のままで午前の部を引けたことを受けては、日本株価下落時の国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しが入り、午前11時37分頃に対ドル円相場は一時146円7銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、東京株式市場の午後の部では、政治的スキャンダルの影響や支持率低下などの影響もあり、今回の岸田文雄首相の不出馬は特にサプライズではないことも意識され、日経平均株価が再び前日比でプラス圏へと再上昇したため、再び低リスク通貨の円売りドル買いが入ったほか、市場安値後のドルの買い戻しなども続いていたことなどから、ドルは円相場で今朝の日本市場での下げ幅を午後には縮め始めた。

午後15時には、今日の日経平均株価は3万6442円43銭の終値をつけ、前営業日比209円92銭高の大幅高になって大引けしたことでも、日米株価上昇を受けたリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が主要通貨に対して売られた影響が、対ドル円相場に波及し、午後15時29分頃にはドルは円相場で一時147円20銭付近と、147円台を回復していた。

午後からの欧州市場の参入では、今日の午後の時点でも、米国金利先物のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、今年9月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国の中央銀行制度にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国利下げに転換する市場予想値は、0.5%の大幅利下げ予想値は一時52.5%付近に上昇して優勢に転じて推移しており、その一方で0.25%の小幅利下げ予想値は一時47.5%付近とやや劣勢になっていたことでは、ドルの買い戻しには今夜この後の米国重要インフレ指標の米国消費者物価指数 (CPI) 発表前のイベントリスクもあってやや抵抗も混ざったものの、世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の本格参入後の午後16時40分頃に米国長期金利が一時3.858％付近に再上昇したこともあり、債券利回りを受けた日米金利差による円売りドル買いがリスクオンの低リスク通貨の円売りに続いたため、今夜17時の東京終値直前の17時0分の1分間の値動きの中で瞬時記録した一時147円43銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値となり、ドルは円相場で今朝の大幅な下げ幅を小幅域へと縮めていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円41〜42銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の147円83〜84銭付近の前東京終値比では約42銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では世界的な注目を集めている最新米国重要経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に 7月の米国消費者物価指数 (CPI) と米国CPIコア指数の重要インフレ指標の発表イベント時間があり、続いて今夜23時30分頃に米国週間原油在庫が発表される。

また、米国債券市場の利回りの影響や、米国株式市場などからの為替相場への値動きの影響なども、引き続き注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円19〜21銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の161円55〜57銭付近と比較すると約64銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の日経平均株価が前日比大幅高で大引けしたことを受けたリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りで、欧州ユーロが円相場で買われたことが影響を及ぼしたほか、今日の午後15時45分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの最新インフレ指標の7月の仏消費者物価指数 (CPI) の改定値で、前月比が前回と市場予想の0.1%を上回る0.2%の上昇率で根強さを示していたことも、昨夜の米国卸売 (生産者) 物価指数の下振れの影響もあり、円相場だけでなく対ドルでの欧州ユーロ上昇の一因になっていた。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1002〜1.1003ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0927〜1.0928ドル付近と比較すると約0.75セントのユーロ高ドル安であった。

なお、今日の日本市場終了後の今夜18時には、欧州ユーロ圏総合の最新重要経済指標の発表があり、4〜6月の四半期の欧州域内総生産 (GDP) の改定値は、前期比が前回と市場予想通りの0.3%の横ばいで、前年同期比も前回と市場予想一致の0.6%であった。

ただし、今夜18時に同時発表だった欧州ユーロ圏総合の6月の欧州鉱工業生産は、前月比が前回の-0.6%と前回修正の-0.9%と市場予想の0.5%に対し-0.1%とマイナス圏に留まったほか、前年同月比では前回の-2.9%と前回修正の-3.3%と市場予想の-3.0%を下回る-3.9%に低下していた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は189円20〜26銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の189円28〜34銭付近と比べると約8銭の小幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、今日の日経平均株価の大幅続伸の大引けを受けたリスク選好のリスクオンでは低リスク通貨の円が売られたものの、今日の午後15時に発表された最新英国経済指標の7月の英国消費者物価指数 (CPI) が前月比で前回の0.1%と市場予想の-0.1%を下回る-0.2%に鈍化したことでは、日英金利差予想では英国の追加利下げの可能性から英国ポンドが売られていた。

ただし、7月の英国消費者物価指数 (CPI) は前年同月比では、前回の2.0%と市場予想の2.3%に対し2.2%と、市場予想以下ではあるものの、前回よりも英国インフレの根強さもやや示したことでは英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) が慎重な姿勢を示す可能性もあって小幅域に留まったが、英国CPIコア指数の前年同月比では、前回の3.5%と市場予想の3.4%を下回る3.3%に鈍化も見せたことでは、前日比で円高ポンド安の東京終値になった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月14日の日本時間（JST）19時49分（チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時49分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。（なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。）

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