FXニュース:日経平均株価が大幅上昇
2024年8月13日東西FXニュース – 2024年8月13日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 債券利回りの日米金利差
- 米大幅利下げ予想が後退
- 米ダウ工業株上昇後反落
- 米イベント前の調整続く
- 中東情勢警戒時の米国債
- 国内企業物価は想定通り
- 日本株高時のリスク選好
今日2024年8月13日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の147円0銭付近から、円の安値でドルの高値の147円95銭付近の値幅約95銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円83〜84銭付近と、日本市場の祝日連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円20〜22銭付近の前東京終値比で約63銭の円安ドル高であった。また、昨夜17時の世界FX市場も同価格帯の横ばいレンジの147円20〜22銭付近だったため、世界市場の前日同時刻比でも約63銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向と分析はまず、昨日の日本市場は祝日休場であったが、日本時間の午後から始まった英国ロンドン外国為替市場では、米国金利先物のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出する米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) で、今年9月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) において米国中央銀行制度にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB) が利下げに転換する市場予想値で、以前は優勢だった0.5%の大幅利下げ予想値が一時48.5%付近に低下した一方で、0.25%の小幅利下げ予想値が一時51.5%と優勢になり、米国の利下げ幅の市場予想が大幅から小幅に転じたことが日米金利差予想に影響を及ぼし、英国市場での時間外の米国債券取引で米国長期金利が一時3.965%付近に上昇するなど、債券利回りを受けた日米金利差トレードの円売りドル買いで円相場が下落していたため、昨夜20時28分頃の英国ロンドン外国為替市場でもドルは円相場で一時147円67銭付近に上昇していた。
その後には前日に続き、同時進行する欧州市場で中東情勢への警戒感などにより世界的な安全資産である米国債が買われた影響があり、米国長期金利には一時3.939%付近に向けた抵抗が混ざったため、英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円57銭付近の始値であった。
ただし、米国ニューヨーク債券市場では、米国ニューヨーク株式市場で前日に続伸後の米国主要株価三指数がこの日にもプラス圏で高く始まったことなどを受けたリスク選好のリスクオン (Risk-on) では安全資産の米国債が売られたこともあり、債券価格低下に伴う利回り上昇で米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が一時3.964%付近に急伸したため、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響により、昨夜23時32分頃に対ドル円相場は一時148円22銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、一時は前日比でプラス圏と高く始まった米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が反落してマイナス圏に転じると、リスク選好のリスクオンからリスク回避のリスクオフ (Risk-off) に転じ、上昇後の米国長期金利になったため、一時148円台を記録後のドルの利益確定売りや持ち高調整が始まり、ドルは円相場で再び147円台へと押し戻された。
また、深夜頃には米国ニューヨーク連邦銀行が7月の米国消費者調査を発表したニュースが話題になり始めており、米国消費者の期待インフレ率が、1年先は前月と同じ3.0%で、5年先も前回と同じ2.8%であったが、3年先後が前回より0.6低下の2.3%と、2013年の調査開始以降の史上最低レベルになったことを受けては、先述のフェッドウオッチで一時48.5%付近に後退していた0.5%の大幅な9月の米国利下げ予想値が一時49.5%付近へとやや上昇し、小幅な9月の米国利下げ予想値は一時50.5%付近と優勢ではあったものの、米国のインフレ鈍化が続けば、米国の利下げによる日米金利差縮小予想に影響を与える可能性があることからは、持ち高調整の値動きが勢いを増した。
午前3時には最新米国経済指標の7月の米国月次財政収支が発表され、前回の-660億ドルと市場予想の-2420億ドルよりも赤字額が悪化した-2437億ドルであったことも、米国長期金利低下を伴う主要通貨に対するドル売りの一因になった。
今夜この後にも米国インフレ関連の最新米国経済指標の 7月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) の発表を控えているほか、明日8月14日には次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長や高官達も注視している最新米国重要経済指標の7月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントが世界的な注目を集めており、翌8月15日にも4〜6月四半期の日本の実質日本国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の速報値と同日中に7月の米国小売売上高の発表予定という日米の重要指標の発表のイベントが続くことに加えて、来週の8月22〜24日には、世界の中央銀行の総裁達が出席する要人発言予定のジャクソンホール会議の開催日程などもあることから、イベント前の持ち高調整が続いていた。
イベントリスクの持ち高調整が続く中で、一部のニュース報道でイランが近くイスラエルを攻撃するとの観測が広がっていることが話題になり、中東情勢への警戒感や地政学リスク回避でも世界的な安全資産である米国債が再び買われたため、債券価格上昇に伴う利回り低下により、米国長期金利は午前2時45分頃には一時3.901%付近に急落したほか、今朝早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点の3.905%付近の前営業日比-0.038に向けた低下トレンドであったため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りと、米国ダウ反落後の低リスク通貨の円買いの影響も続いていたため、午前4時42〜43分頃にドルは円相場で一時147円4銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、米国ニューヨーク株式市場では、前日に続伸後の米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均は反落したものの、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) は揃って小幅ながらも続伸の終値に向けていたことを受けては、市場高値後の円の利益確定売りや持ち高調整と、イベント前のドルの買い戻しや、イベントリスクの様子見の値動きなども混ざり始めたことでは、市場安値後のドルは円相場でやや反発も見せ始めていた。
このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の148円22銭付近から、円の高値でドルの安値の147円4銭付近の値幅1円18銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円21銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の146円61銭付近と比べて約60銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、一部のニュース報道でイランがイスラエルに対し数日以内に報復攻撃を実施する可能性があるとの情報を受けた地政学的なリスク回避のリスクオフが一時高まり、低リスク通貨の円が買われたため、今朝8時45分頃に対ドル円相場は一時146円91銭付近と、円相場が一時146円台に一時急伸した時間があったが、すぐにドルの買い戻しも入り、147円台へと押し戻されていった。
今朝8時50分には日本の最新経済指標の発表があり、7月の日本国内企業物価指数は、前月比が前回の0.2%に対し市場予想通りの0.3%で、前年同月比も前回の2.9%に対し市場予想通りの3.0%と、いずれも想定範囲内であったことも、特に日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の追加利上げ予想を早めるほどの物価指標とは市場では受け止められなかった。
そのため、今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時147円3銭付近で、今朝9時1分頃の一時147円0銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となり、その後には一時低下後の米国長期金利が今日の日本市場の時間外の米国債券取引では再び上昇に向けたため、債券利回りを受けた日米金利差もあり、ドルが円相場で再び上昇を始めた。
今朝の日本市場では、今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要があり、市場は祝日連休明けではあるものの、一般的にはお盆休みの夏季休暇の時期でもあるために市場参加者が減り、市場流動性の減少により、少しの値動きでも値幅が大きく出やすくなっていたこともあり、ドルは円相場で147円台後半に向けて上昇した。
また、今日は東京株式市場で、日経平均株価で買い戻しが進み、前営業日比で大幅な上昇を見せたことでも、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られ安くなったため、今日の日本市場ではドルは円相場で上昇トレンドを形成していた。
午後15時には、今日の日経平均株価は3万6232円51銭の終値をつけ、前営業日比で1207円51銭高の大幅高で大引けしたことから、日本株価上昇時のリスクオンの低リスク通貨の円売りが続いた。
日本市場時間の時間外の米国債券取引で米国長期金利が上昇していたことも、日米金利差を受けた円売りドル買いに影響を及ぼしていたため、午後からの欧州市場の参入後にもドルは円相場で上昇を続けて、午後15時51分頃にドルは円相場で一時147円95銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
英国ロンドン外国為替市場の本格参入では、一時上昇して始まった欧州英国株式市場がその後に反落を見せ始めた影響などもあり、低リスク通貨の円買いの抵抗も混ざり、市場高値後のドルにも利益確定やイベントリスクの持ち高調整の抵抗が混ざったものの、今日の東京終値ではドルは円相場で日本市場および世界市場の前営業日比で円安ドル高になっていた。
このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円83〜84銭付近と、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の147円20〜22銭付近の前東京終値比で約63銭の円安ドル高で、世界FX市場の昨夜17時の同価格帯の横ばいレンジの147円20〜22銭付近と比較しても約63銭の円安ドル高になった。
今夜この後の米国市場では最新米国経済指標の発表予定や、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に7月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI) の発表予定と、26時15分頃から米国アトランタ連銀のラファエル・ボスティック総裁の発言予定などを控えているほか、米国債券市場の利回りの影響や、米国株式市場などからの為替相場への値動きの影響も、引き続きFXトレーダー達に注視されている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円55〜57銭付近で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の160円78〜79銭付近と比較すると約77銭の円安ユーロ高であったが、世界市場の昨夜17時の160円80〜82銭と比較すると約75銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、今日の日経平均株価の大幅な上昇を受けたリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りで、リスクオン市場で買われやすい欧州ユーロや英国ポンドが買われたことが影響を及ぼしていた。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0927〜1.0928ドル付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.0921〜1.0923ドル付近と比較すると、約0.06セントのユーロ高ドル安であったが、世界市場の昨夜17時の1.0923〜1.0925ドル付近と比較すると約0.04セントのユーロ高ドル安であった。
主な要因は、今朝までの米国市場で米国長期金利の低下時に欧州ユーロに対するドル売りが入った後に、今日の日本市場で日経平均株価上昇を受けたリスクオンでも欧州ユーロが買われたことで、小幅ながらもドルに対する欧州ユーロ高に影響を及ぼしていた。
ただし、今夜その後の18時に発表された最新欧州経済指標の欧州ユーロ圏総合の8月の欧州経済研究センターのZEW (Zentrum für Europäische Wirtschaftsforschung / Center for European Economic Research) 景況感調査は、前回の43.7から17.9に大幅な低下を見せたほか、同時発表だった欧州ユーロ圏主要国ドイツの8月の独ZEW景況感調査の期待指数も前回の41.8と市場予想の32.0を下回る19.2に低下したことでは、今夜19時台の英国ロンドン外国為替市場では前東京終値比で小幅な欧州ユーロ安ドル高に転じている時間も観測されている。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は189円28〜34銭付近で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の187円93〜99銭付近と比べると約1円35銭の大幅な円安ポンド高で、世界市場の昨夜17時の187円96銭〜188円2銭と比較しても約1円32銭の大幅な円安ポンド高であった。
主な要因は、欧州経済圏と地理的にも近いことから欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドも、今日の日経平均株価の大幅高を受けたリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円に対して買われて上昇した。
また、日本時間の今日の午後15時に最新英国経済指標である7月の英国雇用統計の発表があり、4~6月四半期の国際労働機関 (ILO / International Labor Organization) 基準方式の英国失業率が前回の4.4%と市場予想の4.5%に対し4.2%に改善され、想定外の英国労働需給の引き締まりにより、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) が追加の英国利下げに慎重になるとの市場予想が浮上したことも、今朝の日本の企業物価指数は想定範囲内で特に日銀の追加利上げ予想を高めなかったことから、日英金利差予想も英国ポンド買いの一因となっていた。
ただし、同時発表された単月の7月の英国失業率は前回の4.4%に対し4.7%に軟化し、7月の英国失業保険申請件数も前回の3.23万件と前回修正の3.62万件に対し13.5万件に増加しており、その後の英国ポンドにはやや利益確定売りの抵抗も混ざっている。
また、今夕の英国株式市場では、一時は上昇して始まった英国主要株価指数のFTSE100 (Financial Times Stock Exchange 100 Index) がその後に反落を見せたこともあり、低リスク通貨の円買いの抵抗も入ったことでも、一時の大幅な上昇幅は縮めている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月13日の日本時間(JST)19時46分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時46分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 19:46の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 147.61 〜 147.62 | +0.41 (円安) |
ユーロ/円 | 161.22 〜 161.24 | +0.44 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0921 〜 1.0923 | ±0.0000 (レンジ) |
英ポンド/円 | 188.69 〜 188.75 | +0.76 (円安) |
スイスフラン/円 | 170.24 〜 170.30 | +0.17 (円安) |
豪ドル/円 | 97.37 〜 97.41 | +0.28 (円安) |
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