FXニュース:今夜欧ECB新政策金利発表

2024年6月06日
FXニュース:今夜欧ECB新政策金利発表

 

東西FXニュース – 2024年6月6日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米ADP雇用統計は予想以下
  • 米ISM非製造業景況上振れ
  • 米利下げ予想年内2回以上
  • 米主要株価が最高値を記録
  • 来週日米金融政策イベント

今日2024年6月6日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の155円37銭付近から、円の安値でドルの高値の156円31銭付近の値幅約94銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は156円26〜27銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円13〜14銭付近の前東京終値比で約13銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) 市場のトレンド動向の分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時156円14銭付近の始値であったが、昨夜21時15分に発表された最新米国重要経済指標の5月の米国ADP (Automatic Data Processing) 雇用統計が前回の19.2万人と前回修正の18.8万人と市場予想の17.5万人を下回る15.2万人であったことを受けて主要通貨に対するドル売りが入り、発表時の昨夜21時15分にドルは円相場で一時155円92銭付近に瞬時下落した。

続いて、昨夜22時45分に発表された5月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値は、前回と市場予想通りの54.8で、5月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は前回の54.4と市場予想の54.2を上回る54.5であったが、米国ニューヨーク債券市場では安全資産の米国10年債が買われた影響で利回りが指標となる米国長期金利が4.306%付近へと低下を続けていたため、債券利回りを受けた金利差トレードで日米金利差縮小時の円買いドル売りが続いていたことでは、昨夜22時58分頃にドルは円相場で一時155円72銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、昨夜22時45分には、北米カナダ銀行 (BoC / Bank of Canada) が新政策金利をこれまでの5.00%から市場予想通りの4.75%に0.25%の利下げの決定をしたことも、北米の隣国の年内の米国利下げ予想を高めていたことで、この時間の米国長期金利が低下していた。

しかし、昨夜23時に発表された最新米国重要経済指標の5月の米国ISM (Institute for Supply Management / 全米供給管理協会) 非製造業景況指数の総合は、前回の49.4と市場予想の50.8を上回る53.8に上振れしたことでは、主要通貨に対するドルの買い戻しが入り、米国長期金利も一時4.350%付近に反発したため、昨夜23時15分頃にドルは円相場で一時156円48銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、米国ISM非製造業景況指数の個別項目では価格指数が低下していたこともあり、来週の6月11〜12日に予定されている次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) では米国金利据え置き予想が優勢ではあるが、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の今年後半の年内2回以上の米国利下げ予想が市場で高まってきており、米国金利先物市場の値動きから米国政策金利の市場予想値を算出する米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) では、年内に2回以上の米国利下げ予想が確定値と考えられる70%に近い一時7割弱と、1週間前の約35%から倍近くに増えてきていたため、米国長期金利低下による日米金利差縮小時の円買いドル売りは、対ドルの円相場の反発要因になっていた。

一方、昨夜の米国ニューヨーク株式市場では、米国政策金利の金利上昇警戒感の緩和などから米国主要株価三指数が軒並み上昇し、米国S&P500種株価指数 (Standard and Poor’s 500) が2週間ぶりに史上最高値を記録したほか、世界的なAI (Artificial Intelligence / 人工知能) ブームでAI向け半導体大手の米国エヌビディア (NVDA / NVIDIA) 株が好調で時価総額3兆120億ドルに達して米国アップル (Apple) を超え世界2位の規模になり牽引するというニュースがあり、ハイテク株比率が多い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も今年5月28日以来の史上最高値を記録し、米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) も続伸と堅調であったことでは、米国主要株価三指数上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) 市場では、低リスク通貨の円売りや投資実需のドル買いも混ざっていたことでは、米国ニューヨーク債券市場の米国10年債の利回りは終値時点には4.274%付近の低下していたものの、ドルは円相場で下げ渋った。

また、今夜この後に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) による欧州ユーロ圏の新政策金利発表のイベントを控えているため、一部では早ければ今月からの早期の欧州利下げ予想が出ており、欧州ユーロに対するドル上昇圧も対ドル円相場に波及していた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の155円72銭付近から、円の安値でドルの高値の156円48銭付近の値幅約76銭の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値は156円11銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の154円88銭付近と比べて約1円23銭の大幅な円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時155円91銭付近の始値であったが、昨夜の米国重要経済指標で米国雇用市場軟化や価格指数低下によるインフレ圧の鈍化を受けて年内2回以上の米国利下げ予想が市場で高まってきたことでは、先日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の国債買い入れ額の減額予想の影響もあり、日米金利差縮小予想の円買いドル売りが先行し、今朝10時30分頃に対ドル円相場は一時155円37銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、今朝の日本市場の仲値決済でも、国内輸出企業の円買いドル売り需要の方が、国内輸入企業の円売りドル買い需要よりも優勢であった。

しかし、今日の午前中の金融経済懇談会で、3月の日銀金融政策決定会合でマイナス金利解除等に反対姿勢を見せていた中村豊明審議委員が、「当面は、現状の政策維持が妥当」とハト派発言をしたニュースが伝わると、一時低下後の米国長期金利が4.303%付近に向けて上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いが入り始めて、ドルは円相場で反発した。

ただし、午後の参院財政金融委員会では、日銀の植田和男総裁は、国内金利抑制の国債買い入れ額について、「国債買い入れは、出口戦略を進めていく中で、減額することが適当であると考えている」と発言し、来週の日銀金融政策決定会合を控え、先日から市場で織り込み始められていた日銀の金融正常化予想が燻ったことは、この時間の対ドル円相場でドルの上値を抑えていたが、「現実のインフレ予想は、まだ2%に達するには少し距離がある」とハト派の発言もあったことでは、新発10年物国債の利回りが指標となる国内長期金利が低下したため、日米金利差の円売りドル買いが優勢に転じた。

一方、今日の東京株式市場では、昨夜から今朝早朝までの米国主要株価三指数が好調であった影響もあり、今日の日経平均株価も上昇トレンドで、午後15時台には38,703円51銭の終値をつけ、前営業日比で213円34銭高の大幅高で大引けしたことでは、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオンで、国内第一安全資産である低リスク通貨の円が売られてドルに対して下落した。

午後からの欧州市場の参入では、国内長期金利低下の一方で米国長期金利は上昇していたため、日米金利差拡大による円売りドル買いが続き、ドルは円相場で今朝の下げ幅を回復して午後15時35分頃には一時156円18銭付近になり、156円台で推移する様になった。

夕方からの英国ロンドン外国為替市場の本格参入後の16時台にもドルは円相場で156円台の上昇トレンドを続けており、午後16時56分頃に一時156円31銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円26〜27銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の156円13〜14銭付近の前東京終値比では約13銭の円安ドル高になった。

今夜この後の欧米市場の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜20時30分に最新米国経済指標の5月の米国チャレンジャー人員削減数の後に、今夜21時15分に欧州中央銀行 (ECB) 理事会が欧州ユーロ圏の新政策金利と金融政策の声明を発表するユーロイベントの予定があり、続いて今夜21時30分に 米国市場で4月の米国貿易収支と、1〜3月四半期の米国非農業部門労働生産性と米国単位労働費用の確報値と、前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数が発表されてから、今夜21時45分に同時進行する欧州市場で欧州中央銀行 (ECB) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の定例記者会見が予定されている。

なお、来週の6月11〜12日には米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国の新政策金利や金融政策を決める米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントを控えているほか、その翌日の来週6月13〜14日には日本銀行 (日銀 / BoJ) の日銀金融政策決定会合も予定されている。

欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は169円99銭〜170円0銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の169円71〜76銭付近と比較すると約28銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今夜この後の欧州中央銀行 (ECB) 理事会のイベントを控え、市場では早ければ今月6月の欧州利下げ予想が高まっているものの、その一方で欧州利下げペースは想定よりも穏やかなペースになるという市場予想も出ていることで、今日の午後から参入した欧州市場では、イベント前の欧州ユーロの買い戻しが入ったほか、日米株式市場の上昇の影響もあり、今日の午後からの欧州株式市場が反発して始まったことも、リスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りで欧州ユーロが買われやすくなっていた。

ただし、今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の4月の独製造業新規受注は、前月比が前回の-0.4%と前回修正の-0.8%と市場予想の0.5%に対し-0.2%で、前年同月比も前回の-1.9%と前回修正の-2.4%と市場予想の0.3% に対し-1.6%と、マイナス圏で前回よりはやや改善したものの、いずれもプラス圏を期待していた市場予想には届かなかったことでは、小幅域に留まっていた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0877〜1.0879ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0870〜1.0871ドル付近と比べると約0.07セントのユーロ高ドル安であった。

主な原因は、今夜の欧州中央銀行 (ECB) 理事会のイベントを控えた欧州市場では、自国通過である欧州ユーロの買い戻しが入っていたほか、欧米株式市場で先述の金利警戒感の緩和などにより日米欧株価上昇時のリスク選好のリスクオン市場では、低リスク通貨の円や世界的に流動性が高い安全資産のドルよりも、欧州ユーロや英国ポンドが買われやすかった。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は199円87〜93銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の199円45〜51銭付近と比べて約42銭の円安ポンド高であった。

また、今夜17時30分に発表された最新英国経済指標の5月の英国建設業購買担当者景気指数 (PMI) は、前回の53.0と市場予想の52.5を上回る54.7に上昇していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年6月6日の日本時間(JST)17時36分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の9時36分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 17:36の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 156.34 〜 156.35 +0.21 (円安)
ユーロ/円 169.99 〜 170.00 +0.28 (円安)
ユーロ/ドル 1.0871 〜 1.0873 +0.0001 (ドル安)
英ポンド/円 199.81 〜 199.87 +0.36(円安)
スイスフラン/円 175.04 〜 175.10 +0.18 (円安)
豪ドル/円 103.84 〜 103.88 +0.13 (円安)


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