FXニュース:日銀金融正常化予想と後退

2024年6月05日
FXニュース:日銀金融正常化予想と後退

 

東西FXニュース – 2024年6月05日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米雇用動態調査求人数低下
  • 毎月勤労実質賃金0.7%減
  • 国内CPIが名目賃金上回る
  • 今夜の米ADPとISMを控え
  • 明日は欧ECB理事会予定も

今日2024年6月5日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の155円9銭付近から、円の安値でドルの高値の156円18銭付近の値幅約1円9銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は156円13〜14銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円39〜40銭付近の前東京終値比で約74銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) 市場のトレンド動向の分析はまず、昨夕の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の氷見野日銀副総裁が、今年3月の日銀のイールドカーブ・コントロール (YCC / Yield Curve Control) 撤廃について、市場機能が「十分に良くなった」と評価する一方で、日銀の国債買い入れ額は依然として大きく、市場が依然として気にせざるを得ない状況であることから、国内長期金利は市場で決められることが「望ましい」ものの、日銀が市場に依然として関わっている現状から、「非連続・不測の変化は避けないといけない」と発言したことや、金融政策決定に関して、「為替変動の経済・物価への影響に十分注意する必要」があることなどの発言を受けた市場では、来週6月13〜14日に開催予定の次回の日銀金融政策決定会合で、日銀が国内金利抑制のための国債買い入れ額の縮小などについて検討するのではないかという市場予想が高まり、円がドルや主要通貨に対して買われる値動きが出始めていた。

そこに、昨夜18時台の米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) の日本語版が、「日本銀行は、早ければ来週に開く金融政策決定会合で、長期国債の買い入れの減額について、より具体的な方針を示すことの是非を含めて議論する可能性が大きい」と、複数の関係者筋の情報として報道し、「月間6兆円程度の国債購入額を継続するとしていた現在の政策の減額が適切かどうかを慎重に見極める。新たな方針の下で購入を縮小する場合でも、市場の大きな変動を回避する観点から、緩やかで段階的な減額の方向性が示される公算が大きい」と伝わったことで、日銀の金融正常化予想の高まりから円相場が主要通貨に対して上昇し、ドルは円相場で昨夜19時44分頃には一時154円70銭付近に下落していたため、英国ロンドン外国為替市場後半の昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時154円87銭付近の始値になった。

米国ニューヨーク外国為替市場では、昨夜23時に発表された最新米国経済指標の4月の米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数が、前回の848.8万件と前回修正と市場予想の835.5万件とに対し805.9万件と弱く、2021年2月以来の低水準であったことから、米国雇用市場の軟化懸念と賃金インフレ圧の鈍化予想により、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が年内の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で米国利下げ転換をする可能性が意識されて、米国ニューヨーク債券市場では世界的な安全資産でもある米国債が買われて米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.341%付近に低下したため、日米金利差縮小時の円買いドル売りが強まり、発表時の昨夜23時にドルは円相場で一時154円53銭付近の昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、昨夜23時に同時発表されていた最新米国経済指標の4月の米国製造業新規受注は、前回の1.6%と前回修正の0.7%と市場予想の0.6%に対し0.7%の前回修正の横ばいで、市場予想を上回ったことでは、米国長期金利の反発を伴うドルの買い戻しが入り始めたため、昨夜23時18分頃にドルは円相場で一時155円25銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、金利警戒感の緩和から、同時進行中だった米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の中の米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500) が揃って上昇の終値に向かったことでも、リスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円が利益確定や持ち高調整でも売られたが、明日6月6日の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) や来週6月11〜12日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントリスクを控えた市場では、世界的な安全資産でもある米国債買いの影響で債券価格上昇に伴う利回り低下が起きており、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は4.328%付近に低下したまま米国ニューヨーク債券市場の終値になったことでは、前日比で円高ドル安の今朝早朝のニューヨーク終値になった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の154円53銭付近から、円の安値でドルの高値の155円25銭付近の値幅約72銭の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値は154円88銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の156円8銭付近と比べて約1円20銭の大幅な円高ドル安をつけていた。

今朝8時30分には日本の最新経済指標の発表があり、厚生労働省の4月の日本毎月勤労統計調査の現金給与総額の速報値の前年同月比は、前回の0.6%と前回修正の1.0%と市場予想の1.8%に対し2.1%に上昇したが、物価変動の影響を除いた実質賃金では前年同月比で0.7%減少し、国内消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の上昇率が名目賃金の上昇率を上回るという25カ月連続のマイナスとなったため、先述の昨夜の日銀の金融正常化予想がやや後退したため、円の利益確定売りや持ち高調整のドルの買い戻しが入り始めた。ただし、今年の春闘の影響もあり、マイナス幅は3月の2.1%減からは縮小していた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時155円12銭付近の始値であったが、日本市場では今日は5日で日本の貿易企業の決算日が集中しやすい5と10が付く日の「五十日」(ごとおび / ゴトーび) であることもあり、輸入実需の円売りドル買いが優勢になったため、今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時に触れた一時155円9銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となり、ドルは円相場で前述の昨夜の大幅な下げ幅を縮め始めた。

また、今日の日本市場の時間外の米国債券取引では、米国長期金利が反発上昇したことでも、日米金利差拡大による円売りドル買いが続いた。

一方、今日の東京株式市場では、昨夜の日銀ニュースを受けた金利警戒感もあり、日経平均株価が下落し、午後15時に3万8,490円17銭の終値をつけ、前営業日比347円29銭安で大引けしたことでは、リスク回避のリスクオフ (Risk-off) の円買いの一時抵抗も混ざったが、新NISA(Nippon Individual Savings Account / 少額投資非課税制度)に伴う円売りドル買いも観測されたことでは、ドルは円相場で下げ渋った。

午後からの欧州英国市場の参入を受けて、米国長期金利が一時4.362%付近に上昇し、債券利回りを受けた金利差トレードでも日米金利差拡大による円売りドル買いが続いたため、ドルは抵抗を交えながらも円相場で156円台に向かって反発上昇を続け、日本市場終盤の夕方の16時56分頃にはドルは円相場で一時156円18銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録し、前東京終値比で円安ドル高に転じた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円13〜14銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円39〜40銭付近の前東京終値比では約74銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国ニューヨーク外国為替市場では、最新米国重要経済指標の発表予定などが注目されており、既に持ち高調整などが入り始めているが、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜20時に米国MBA住宅ローン申請指数、今夜21時15分に重要経済指標の5月の米国ADP (Automatic Data Processing) 雇用統計、今夜22時45分に5月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index)と5月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) の改定値、23時に今夜のもう一つの重要経済指標の 5月の米国ISM (Institute for Supply Management / 全米供給管理協会) 非製造業景況指数と、23時30分に週間米国原油在庫などが発表される予定である。

なお、来週6月11〜12日は、米国中央銀行制度にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国の新政策金利や金融政策を決める米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の重要イベントを控えているため、ジェローム・パウエル議長を含む米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達は今週からイベントまでは発言自粛期間のブラックアウト (Blackout) 入りをする。

また、欧州市場でも、明日の6月6日の夜には、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会を控えている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は169円71〜76銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の169円19〜21銭付近と比較すると約52銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、明日の欧州中央銀行 (ECB) 理事会を控えて、一部で今月6月の欧州利下げ予想が高まっているものの、その一方で欧州利下げペースは穏やかになる市場予想も出ていることで、イベント前の調整で欧州ユーロが買い戻される値動きがあったほか、日銀の金融正常化予想で買われた円が市場予想の後退を受けて利益確定で売られて欧州ユーロが買い戻される値動きも見られた。

また、今日の午後15時45分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の4月の仏鉱工業生産の前月比は、前回の-0.3%と前回修正の-0.2%と市場予想の0.2%を上回る0.5%であった。

同時発表だった5月の仏サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 改定値は前回と市場予想の49.4をやや下回る49.3であったが、午後16時55分に発表されたドイツの5月の独サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 改定値は前回の53.9を上回る54.2であった。

ただし、今夜17時の欧州ユーロ圏総合の5月の欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は、前回と市場予想の53.3にやや届かない53.2であったが、不景気と好景気の境界線の50を超えた好景気寄りの指標に留まっていた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0870〜1.0871ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0887〜1.0889ドル付近と比べると約0.17セントのユーロ安ドル高であった。

主な原因は、明日の欧州中央銀行 (ECB) 理事会の欧州ユーロ圏の新政策金利と金融政策の発表イベントを控えた市場では、欧州利下げ開始時期の方が米国利下げ開始時期よりも早くなるという市場予想が依然として優勢で、今日の日本市場の米国長期金利の反発上昇によるドルの買いの影響もあって、ドルがイベントリスクの欧州ユーロに対して上昇していた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は199円45〜51銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の198円67〜73銭付近と比べて約78銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、日銀の金融正常化予想と後退により、円がドルや欧州ユーロに対して利益確定売りや持ち高調整などで売られた影響が英国ポンドの円相場にも波及した。

なお、今夜17時30分に発表された最新英国経済指標の5月の英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は、前回と市場予想通りの52.9の横ばいであった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年6月5日の日本時間(JST)18時0分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の10時0分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 18:00の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 156.23 〜 156.24 +0.84 (円安)
ユーロ/円 169.91 〜 169.93 +0.72 (円安)
ユーロ/ドル 1.0874 〜 1.0876 -0.0013 (ドル高)
英ポンド/円 199.58 〜 199.64 +0.91 (円安)
スイスフラン/円 175.06 〜 175.12 +1.26 (円安)
豪ドル/円 103.90 〜 103.94 +0.40 (円安)


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