FXニュース:日銀が金利据え置きを決定

2024年4月26日
FXニュース:日銀が金利据え置きを決定

 

東西FXニュース – 2024年4月26日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米欧英豪主要通貨円安続伸
  • 米四半期GDP成長率は減速
  • 米四半期コアPCEは上振れ
  • 米PCEデフレーターを控え
  • 米労働指標も市場予想以上
  • 米長期金利一時4.73%台
  • 日銀国債オペ減額明言せず
  • 当面は緩和的金融環境継続
  • 日経平均株価が大幅に反発
  • ドル円156円台で介入警戒

今日2024年4月26日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の155円41銭付近から、円の安値でドルの高値の156円82銭付近の値幅約1円41銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は156円42〜45銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円62〜63銭付近の前東京終値比では約80銭の円安ドル高であった。

今日の日本の東京外国為替市場では、対ドル円相場は一時156円82銭付近と1990年6月以来のおよそ34年ぶりの今年最大の円安ドル高を連日で続伸したほか、昨日に続いて2008年以来の今年最大の円安ユーロ高、2015年以来の今年最大の円安ポンド高、2014年以来の今年最大の円安豪ドル高も連日で続伸するなど、他の主要通貨に対する歴史的な円安を再び更新したが、日本市場終了直後の今夜17時2分頃には為替介入警戒感が高まり、一時154円97銭付近にまで一時急落したが、すぐに反発し、今夜17時6分頃からは再び156円台に戻して推移している。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州英国市場の後半から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時155円56銭付近であったが、昨夜21時30分に発表された最新米国重要経済指標の1〜3月四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の前期比比率の速報値が、前回の3.4%と市場予想の2.4%を下回る1.6%の成長率に減速したことを受けては、発表時に一時155円31銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を瞬時記録した。

しかし、同1〜3月四半期の米国GDP個人消費の前期比年率は前回の3.3%と市場予想の3.0%に対し2.5%であったが、米国個人消費支出 (PCE / Personal Consumption Expenditures) の価格指数の基調を見る上でより重視される同四半期の米国コアPCE価格指数は前回の2.0%と市場予想の3.4%を上回る3.7%と前回より加速して市場予想を上振れしており、同時発表だった米国雇用市場関連の最新景気指標の前週分の米国新規失業保険申請件数も前回の21.2万件と市場予想の21.5万件に対し20.7万件に改善され、前週分の米国失業保険継続受給者数も前回の181.2万人と前回修正の179.6万人と市場予想の180.5万人よりも堅調な178.1万人と強かったため、すぐにドルの買い戻しが入って円相場で反発した。

今夜この後には、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が来週に控える米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で米国の金融政策を決める上で重要視している最新米国インフレデータの3月の米国個人消費支出 (PCE) 物価指数の米国PCEデフレーターなどが発表されるイベントを控えているが、単月データだけでなく長期データが影響を及ぼすため、米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) 誘導目標レートが米国インフレ再燃への警戒感から高金利のままで長期間維持される市場予想が高まり、米国政策金利の先高観などから米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が米国コアPCEの発表後に一時4.6%台から一時4.7%台に上昇したため、かねてからの円安要因だった日米金利差拡大による円売りドル売りが再燃し、昨夜21時57分頃にドルは円相場で一時155円75銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録し、この時点での今年最大の円安ドル高も更新していた。

昨夜22時15分頃には、米国ニューヨーク債券市場では米国長期金利は一時4.734%付近と今年最大の高利回りを記録しており、債券利回りを受けた日米金利差が意識されていた。

ただし、年内高値を更新後のドル円には、為替介入警戒感による早期の利益確定売りの抵抗が混ざったほか、同時進行中だった決算報告期の米国ニューヨーク株式市場では、米国政策金利の高金利長期化が企業のローン金利払いコストなどで決算や株価に影響を及ぼすことへの警戒感もあり、決算発表前の一部株売りもあって米国主要株価三指数が揃って下落に向かったため、リスク回避のリスクオフ (Risk-off) で今年最大の安値後の安全資産の米国債や低リスク通貨の円が買われる抵抗も混ざった。

また、昨夜22時38分頃には、日本の時事通信社 (Jiji Press) が、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) について、「日銀、国債購入縮小の方法検討=事実上の量的引き締めへ移行」というニュースを報道し、「日銀が4月26日に開く金融政策決定会合の二日目の議論で、国債買い入れ縮小の方法を検討することが25日、明らかになった。3月にマイナス金利政策の解除など大規模緩和の正常化に踏みだしたが、国債買い入れについては減額を見送っていた。縮小すれば、日銀が保有する国債の償還ペースは、新規買い入れを上回ることになりそうで、国債保有残高を減らしていく事実上の量的引き締め局面へ移行することになる」という内容であったことから、今日の日銀 (BoJ) イベントを控えた発表前の持ち高調整の円買いの抵抗も混ざっていたため、米国長期金利は高止まりをしていた時間であったが、散発的な円の買い戻しの抵抗がドルの上値を抑えていた。

続いて、昨夜23時に発表された最新米国経済指標の3月の米国住宅販売保留指数は、前月比が前回の1.6%と市場予想の0.4%に対し3.4%で、前年同月比は前回の-2.2%と市場予想の-3.0%に対し-4.5%であった。

米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業30種 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合 (NASDAQ Composite) が前日比で大幅安になったほか、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500) も前日比で小幅安と三指数揃っての下落の終値をつけたため、安全資産の米国債買いによるリスク回避のリスクオフの影響では、米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国10年債の利回りは4.699%と上昇幅を縮めており、低リスク通貨の円買いの影響で円相場も市場安値圏からの下げ幅はやや縮めていた。

なお、日本政府と日本銀行の為替介入への警戒感が続く一方で、米国政府のジャネット・イエレン財務長官は、為替介入については「まれな出来事であるべき」で、「過度な変動がある場合に限定され、事前に協議があることが期待される」と、国際容認との受け止め方にはやや慎重姿勢を示す発言もしていた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の155円31銭付近から、円の安値でドルの高値の155円75銭付近の値幅約44銭の値動きで、今朝6時前頃のニューヨーク終値は155円65銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の155円35銭付近と比較して約30銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今朝8時30分に日本の最新経済指標の4月の日本東京都区部消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) が発表され、天候条件などで価格変動の激しい生鮮食品を除き物価基調を見るコアな総合物価指数のコアCPIの前年同月比が、前回の2.4%と市場予想の2.2%を下回る1.6%に鈍化し、今日の日本銀行 (日銀 / BoJ) の日銀金融政策決定会合では金利据え置きの市場予想が優勢ではあったが、一部で警戒されていた追加利上げ予想が後退した。

ただし、日本の総務省の発表では、今回の東京都区部CPI下振れの原因は、東京都が高校授業料の無償化の所得制限を撤廃した影響が大きいとも報じられたため、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時155円62銭付近であった。

今朝も日本政府の鈴木俊一財務相は、歴史的な円安が進行した為替相場について、「動向をしっかりと注視し、万全の対応を取りたい」と口先介入を行っていたほか、昨夜の日本の時事通信社の一部推測報道は、今朝の日本市場でも今日の昼頃の日本銀行 (日銀 / BoJ) の日銀金融政策決定会合の結果発表前には話題になっており、今朝の国内債券市場では日本国債の利回りが指標となる国内長期金利が一時0.930%付近と、昨年2023年11月以来の今年最高の利回りを記録したため、今日の昼の日銀金融政策決定会合の結果発表の直前頃の12時22分頃には、対ドル円相場は一時155円41銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今日の昼の12時台には、日本銀行 (日銀 / BoJ) の日銀金融政策決定会合の結果発表があり、日本の政策金利の据え置きを決定し、日本の政策金利の無担保コールレートO/N誘導目標は0-0.1%で現状維持され、日米の金利差が開いた状況が継続するとの観測から、大規模な円売りドル買いが始まった。

リークニュースではと市場で話題になり注目されていた国債買い入れ額の減額についても、「今年2024年3月の会合で決定された方針に沿って実施する」との現状維持が示唆され、一部で報道された様な減額に関する明言がなかったことで、円売りドル買いの勢いが増した。

さらに、同時発表の日銀の「経済・物価情勢の展望」の展望リポートでは、前回の3月と同じく、「当面、緩和的な金融環境が継続する」との内容も据え置かれており、2024年度や2025年度の物価見通しは上方修正する一方で、新たに公表した2026年度の見通しでは、生鮮食品を除く消費者物価指数 (CPI) のコアCPIの上昇率が1.9%と、目標の2%を下回っていたことから、日銀の金利据え置きは市場予想でも優勢であったため、大方の市場予想通りではあったものの、市場の一部で警戒されていた追加利上げ予想が大幅に後退し、日米金利差が再意識され、ドルは円相場で12時31分頃から156円台への上昇を始めた。

一方で、インフレの影響や金利上昇への警戒感が緩和された東京株式市場では、今日の日経平均株価が大幅に反発し、一時前日比で400円以上も上昇し、その後の利益確定売りの抵抗をやや交えながらも、午後15時台には3万7,934円76銭の終値をつけ、前日比306円28銭高の大幅高で大引けしたことでも、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円が売られたため、ドルだけでなく欧州ユーロや英国ポンドや豪州オーストラリアドルなどの主要通貨に対する円安も進行した影響が波及し、156円台前半から後半へと円安ドル高が進行した。

午後15時3分頃からの日本銀行 (日銀 / BoJ) の植田和男総裁の定例記者会見での発言でも、先ほどと同じ当面の緩和的金融環境の継続が強調されたため、午後からの欧州英国市場の参入後も、日銀の金利据え置きや緩和的金融環境の継続による主要通貨との金利差が意識され、日米欧英豪金利差による低金利通貨の円売りが続き、他の主要通貨に対する円安の波及も対ドル円相場に波及していたため、午後16時29分頃にはドルは円相場で一時156円82銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録し、1990年以来の今年最大の円安ドル高の記録を連日で続伸した。

その後には、日銀イベント後の為替介入警戒感が高まり、抵抗も入り始めたが、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円42〜45銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円62〜63銭付近の前東京終値比では約80銭の円安ドル高であった。

日本市場終了直後の今夜17時2分頃には、先述の為替介入警戒感が高まり、大規模な利益確定や持ち高調整のより、ドルは円相場で一時154円97銭付近にまで瞬時急落したが、すぐに反発し、今夜17時6分頃からは再び156円台に戻して推移し、今夜19時27分頃の英国ロンドン外国為替市場では、再び156円台後半の一時156円79銭付近に上昇している。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に3月の米国個人所得と米国個人消費支出 (PCE) と、重要度の高い3月の米国PCEデフレーターと米国PCEコア・デフレーターの前月比や前年同月比が同時発表されるイベント時間があり、続いて、今夜23時に4月の米国ミシガン大消費者信頼感指数の確報値も発表される予定である。

来週の4月30日〜5月1日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) とその後の米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の要人発言予定などのビッグイベントを控えた週末を控えており、今週は米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達は、すでに発言自粛のブラックアウト期間 (Blackout Period) に入っているため発言の影響は少ないものの、米国ニューヨーク株式市場では、今朝早朝までの米国の株引け後に発表された、今日のグーグル (Google) の持ち株会社の米国アルファベット社 (GOOGL / GOOG / Alphabet, Inc.) や米国マイクロソフト社 (MSFT / Microsoft Corp.) の決算報告が市場予想を上回った影響や、他の米国主要企業の決算報告シーズンが続くため、週末を控えた利益確定やポジション調整に加えての為替市場へのリスク回避やリスク選好などの影響にも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は167円86~87銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の166円84~86銭付近の前東京終値比で約1円2銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、前述の通り、日銀が緩和的な金融政策を維持したことで、日欧金利差トレードでも低金利の円が売られており、さらに日経平均株価の上昇を受けた低リスク通貨の円売りと、ドルや他の主要通貨への円安の影響の波及もあったことで、今日も2008年以来の円安ユーロ高の記録を連日で続伸した。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0729〜1.0731ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0720〜1.0722ドル付近の前東京終値比では約0.09セントの小幅なユーロ高ドル安であった。

主な要因は、欧州景気懸念が後退する一方で、前述の昨夜の1〜3月四半期の米国国内総生産 (GDP) の成長率が市場予想よりも鈍化していたことを受けて、欧州ユーロがイベント前の対ドルで買い戻された影響が残っていた。

一方で、今日の午後15時45分には発表された欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の4月の仏消費者信頼感指数は、前回の91と市場予想の92を下回る90であったことでは、米国長期金利上昇に伴う欧州ユーロを含めた主要通貨へのドルの買い戻しの影響もあり、ユーロドルは小幅域になっていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は195円88〜94銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の194円61〜67銭付近の前東京終値比では約1円27銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、欧州ユーロ同様に、日銀が緩和的な金融政策と低金利を維持したことを受けた日英金利差トレードの低金利の円売りと日経平均株価上昇時のリスクオンの低リスク通貨の円売り、そして、ドルや他の主要通貨への円安の影響の波及もあったことで大幅域になり、英国ポンドの円相場も2015年以来の今年最大の円安ポンド高を今日も続伸している。

豪ドル円も一時102円台の2014年以来の今年最大の歴史的な円安豪ドル高を続伸しており、今日も主要通貨に対する一時全面円安を再び記録した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年4月26日の日本時間(JST)19時37分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時37分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:36の為替レート 前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 156.77 〜 156.78 +1.15 (円安)
ユーロ/円 168.17 〜 168.18 +1.33 (円安)
ユーロ/ドル 1.0726 〜 1.0728 +0.0006 (ドル安)
英ポンド/円 196.07 〜 196.13 +1.46 (円安)
スイスフラン/円 171.82 〜 171.88 +1.43 (円安)
豪ドル/円 102.42 〜 102.46 +0.91 (円安)


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