FXニュース:日経平均株価史上最高値更新

2024年2月22日
FXニュース:日経平均株価史上最高値更新

 

東西FXニュース – 2024年2月22日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米FOMC議事要旨利下げ慎重
  • 米長期金利が4.33%台に上昇
  • 米NVIDIA決算が市場予想以上
  • 日銀植田総裁「今はインフレ」
  • 欧ECB高官利下げに時期尚早
  • 欧英PMI受けた景気懸念緩和

今日2024年2月22日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の150円46銭付近から、円の高値でドルの安値の150円8銭付近の値幅約38銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は150円15~16銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の150円14~15銭付近の前東京終値比では横ばいレンジに近い約1銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨夜21時台の英国ロンドン外国為替市場では、世界的な安全資産の米国債買いによる債券価格上昇に伴う利回りの一時低下の影響から、米国10年債の利回りが指標になる米国長期金利が一時4.25%台にまで低下後の一時4.27%台付近への反発上昇でドルは円相場で一時の149円台から150円台に戻し、昨夜22時頃から米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場一時150円2銭付近で始まった。

昨夜の米国ニューヨーク外国為替市場前半には、市場後半の午前4時に前回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) 議事要旨の発表を控えていたため、イベント前の持ち高調整や様子見の買い控えの抵抗があったことでは、昨夜22時17分頃にドルは円相場で一時149円94銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

同時進行中の米国ニューヨーク株式市場も、この日の株引け後に昨年のAI関連株急成長の牽引が話題になった注目度の高い米国エヌビディア (NVIDIA) の決算報告のイベントを控えていたことで、今後の主要株価への影響の様子見があり、小幅な値動きになっていた。

しかし、米国ニューヨーク債券市場では、午前3時の米国20年債入札に向けた全般的な価格上昇後の米国債売りが入り、米国10年債も価格低下に伴う利回り上昇が続いたことで、日米金利差拡大による円売りドル買いが起き、ドルは円相場で150円台に反発し、米国長期金利上昇に伴って上昇を始めた。

米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、午前2時台の米国20年債の入札前に一時4.30%台に上昇していたほか、午前3時の米国20年債の低調な入札結果を受けて更に上昇して一時4.33%付近に向けたことで、日米金利差拡大による円売りドル買いの勢いが増し、午前3時1分頃にはドルは円相場で一時150円39銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

市場高値後のドルにはイベントリスクの早期の利益確定売りや持ち高調整の抵抗がやや入ったものの、午前2時頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のボウマン理事の発言があり、「米国の利下げ時期が、今ではないことは確かだ」と発言したことや、米国リッチモンド連銀のバーキン総裁も「市場予想以上の上昇率だった1月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) と米国卸売物価指数 (PPI / Producer Price Index) のインフレを受けて、新政策金利の決定がより困難になった」と発言したことも、米国政策金利が現在の高金利で長期間据え置きされる市場予想に影響を与えており、ドルは円相場で利益確定や持ち高調整の抵抗を交えながらも、市場高値圏で推移を続けた。

続いて、午前4時に公開された市場注目の今年1月30〜31日開催分の前回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事録と議事要旨の内容は、「ほとんどの参加者が急速な米国利下げのリスクを指摘」した利下げに慎重な姿勢が示されたことが話題に上がったほか、「米国政策金利がピークに達した可能性が高いとの認識」も示された一方で、「一部の参加者は、米国のインフレ抑制の進展が停滞する可能性を指摘」していたことも明らかになり、これまでに発表された米国重要経済指標の1月の米国雇用統計や米国消費者物価指数 (CPI) などが市場予想を上回り、早期の米国利下げ予想が後退していたが、それを更に後押しする形になったことで、再びドルが買われて上昇し、午前4時1分頃にも一時150円39銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を再び記録した。

しかし、先週の米国消費者物価指数 (CPI) 発表後には早期の米国利下げ予想が既に大きく市場予想値で減退していたことからは、市場では織り込み済みの部分もあり、市場高値を上抜けしなかったことでは、イベント経過後にはテクニカル分析的な2つの山のダブルトップ (Double Top) の毛抜き天井の売りサインを取引チャート上に描いたため、再び市場高値後のドルの利益確定売りの抵抗が入り始めた。

また、前述の米国主要AI関連株の決算報告前のイベントリスクでポジション調整や買い控えを交えていた米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株価 (Dow Jones Industrial Average) とS&P500 (Standard and Poor’s 500) は前営業日比で小幅高の終値をつけたが、エヌビディア (NVIDIA) を含むハイテク株の比率が高いナズダック総合 (NASDAQ Composite) は小幅安になったことでも、市場安値後の低リスク通貨の円買いのリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の値動きを交えることになった。

しかし、米国株式市場株引け後の午前6時台のニュースでは、米国エヌビディア (NVIDIA) の市場予想を大幅に上回る好調な決算報告が発表され、2023年11月〜2024年1月期の決算は、純利益が前年同期比8.7倍の122億8500万ドル (約1兆8400億円) で売上高も3.7倍の221億300万ドルと過去最高を記録し、生成AI向けの半導体需要の高まりから急成長が続いていることで先行きも市場予想以上と、時間外の株価先物が一時高騰したことでは、リスク選好のリスクオン (Risk-on) に転じ、低リスク通貨の円が売られる反動もあった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の149円94銭付近から、円の安値でドルの高値の150円39銭付近の値動きで、今朝7時前頃のニューヨーク終値は150円30銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の150円1銭と比べて約29銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時150円34銭付近から始まった。

日本市場では今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いがあったほか、日本の主要貿易先である米国の主要AI関連株牽引の先物の上昇の影響などを受けて、今日の東京株式市場でも日経平均株価 (Nikkei Stock Average) が上昇し、史上最高値を上回る勢いであったため、株価上昇時のブルマーケット (Bull Market / 強気市場) 特有のリスクオンで、低リスク通貨の円が売られた影響があり、今朝10時5分頃にドルは円相場で一時150円46銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、同時進行中のアジア市場では、中国でも株価上昇に伴うリスクオンが起き、世界的に流動性が高い安全資産としてのドルが売られたことは、円相場のドルに対する抵抗になった。

また、150円台では日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) による為替介入警戒感もあったことで、市場高値後のドルの利益確定売りと、市場安値後の円の持ち高調整や買い戻しが入り始めたほか、今朝は一時4.33%台に上昇していた米国長期金利が、日本市場の時間外の米国債券市場では一時4.30%台付近に向けた低下を見せたことも日米金利差縮小時の円買いドル売りで為替相場に影響を与えていた。

ただし、今日の日経平均株価は日本のバブル経済期だった1989年12月29日に記録した3万8915円台を上回り、初めて3万9000円台の史上最高値に乗せたことでは、リスクオンの低リスク通貨の円売りも続き、午後13時7分頃にも再び一時150円45銭付近にまで対ドルの円相場が下落したほか、今日の午後15時台には今日の日経平均株価は3万9098円68銭の史上最高値の終値を記録し、前営業日比で836円52銭高の大幅高で大引けした。

今日の午後の衆院予算委員会では、日本銀行 (日銀 / BoJ) の植田和男総裁が、現在の日本経済について「デフレかインフレか」と聞かれたこともあり、「デフレではなく、インフレの状態にある」、「基調的な物価上昇率は徐々に高まりつつある。基調的物価の上昇に合わせて、適切に金融政策を運営していく」と発言したニュースもあり、バブル以来の株価上昇のニュースと合わせて、早期の金融正常化に向けた圧力が意識され、さらなる円の買い戻しにつながり、午後16時40分頃にはドルは円相場で一時150円8銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、植田総裁の「為替はファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが重要」という発言も、為替介入警戒感を意識させていた。

しかし、午後からの欧州英国市場の参入では、アジア市場からのリスクオンムードもあり、安全資産の米国債が売られて債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、米国長期金利が再び一時4.33%台に向けて上昇したため、日米金利差拡大による円売りドル買いで、ドルが円相場で反発上昇したため、ドルは円相場で先ほどの一時円高ドル安の下げ幅分を回復し、前日の東京終値比で横ばいのレンジ圏付近に戻したところで今日17時の東京終値を迎えたが、その直後の英国ロンドン外国為替市場では円安ドル高に転じている。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円15~16銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の150円14~15銭付近の前東京終値比で横ばいレンジ圏に近い約1銭の僅差の円安ドル高であった。

今夜この後には、最新米国経済指標や次回の米国連邦公開指標委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言予定があり、日本時間での経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時半に 前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数、23時45分に2月の米国の製造業・サービス部門・総合の購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 、深夜24時に1月の米国中古住宅販売件数と、同時刻頃からFRBのジェファーソン副議長の発言予定、25時に週間の米国原油在庫、27時頃からFRBのボウマン理事の発言予定、28時頃から米国フィラデルフィア連銀ハーカー総裁の発言予定があるが、今夜の高官達の中でハーカー総裁だけは次回のFOMC投票権を持っていない。

一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は162円98銭~163円0銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円32〜34銭付近の前東京終値比で約66銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、先日から欧州中央銀行 (ECB) 高官達の発言を受けた日欧金利差予想の影響が継続していたが、昨夜も欧州ユーロ圏のベルギー中銀ウンシュ総裁が、「欧州の利下げを期待するのは、時期尚早」であることや、「欧州賃金は高く、労働市場は逼迫している」と発言し、市場の早期の欧州利下げ予想を牽制し、163円台に今年の円安ユーロ高が進行した。

また、日経平均株価がバブル経済期の史上高値を更新したリスクオンで、低リスク通貨の円や世界的に流動性が高い安全資産のドルが売られやすく、円安でも対ドルのような為替介入警戒感がない欧州ユーロや英国ポンドが買われやすかった。

これらの影響を受けて、ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0852〜1.0854ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0809〜1.0811ドル付近の前東京終値比で約0.43セントのユーロ高ドル安であった。

また、今夜17時15分に発表された欧州ユーロ圏の最新経済指標のフランスの2月の仏製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の43.1と市場予想の43.5を上回る46.8で、2月の仏サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の45.4と市場予想の45.6を上回る48.0であったが、続いての今夜17時30分のドイツの2月の独製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の45.5と市場予想の46.1を下回る42.3で、2月の独サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の47.7と市場予想の48.0以上の48.2とやや強弱入り混じり、18時の欧州ユーロ圏総合の2月の欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の46.6と市場予想の47.0に対し46.1に低下したが、2月の欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の48.4と市場予想の48.8を上回る50.0と好景気と不景気のボーダーライン (Borderline / 境界線) の50の中立値にまで回復したことを受けては、欧州景気懸念がやや緩和され、市場では好感された。

なお、英国ロンドン外国為替市場で今夜19時に発表された欧州ユーロ圏の最新重要経済指標の1月の欧州消費者物価指数 (HICP / Harmonized Index of Consumer Prices) 改定値は、前年同月比が前回の2.9%から市場予想通りに2.8%になったが、1月の欧州消費者物価指数 (HICP) コア指数の改定値は、前年同月比で前回と市場予想通りの3.3%の横ばいであった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は190円25〜31銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の189円59〜65銭付近の前東京終値比では約72銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、欧州ユーロ同様に、今日の日経平均株価のバブル以来の史上最高値更新のリスクオンムードでは、低リスク通貨通貨の円売りで英国ポンドが買われやすかった。

ただし、昨夜には英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) メンバーのディングラ氏が、「過度な利上げは、英国経済のハードランディング (Hard Landing / 硬着陸) につながる」と発言していたことを受けては、今年の英国の利下げ時期に関する市場予想も浮上していた。

今夜18時30分には最新英国経済指標の2月の英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値が発表され、前回の47.0と市場予想の47.5を下回る47.1であったが、2月の英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は市場予想の54.1に対し前回と同じ54.3で市場予想を上回り、好景気側の50を超える経済指標と、欧州同様に強弱が入り混じっていたが、英国も景気懸念があった中では、50以上の好景気側の指標は好感されていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年2月22日の日本時間(JST)21時00分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の12時00分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 21:00の為替レート 前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 150.21 〜 150.22 +0.07 (円安)
ユーロ/円 163.10 〜 163.11 +0.78 (円安)
ユーロ/ドル 1.0857 〜 1.0858 +0.0048 (ドル安)
英ポンド/円 190.47 〜 190.53 +0.88 (円安)
スイスフラン/円 171.13 〜 171.19 +0.75 (円安)
豪ドル/円 98.82 〜 98.86 +0.50 (円安)


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