FXニュース:米パウエル議長発言の影響
2023年8月28日
東西FXニュース – 2023年8月28日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米FRB年内利上げの可能性
- 米長期金利が一時4.28%に
- 今年の円安ドル高記録更新
- 日米株価上昇でリスクオン
- 欧州ECBもタカ派寄り発言
今日2023年8月28日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の146円58銭前後から円の高値でドルの安値の146円27銭前後の値幅約31銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円52~54銭付近と、前営業日同時刻の先週金曜17時の146円1~2銭付近の前東京終値比で約51銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、先週末の金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、先週金曜の夜23時に発表された最新米国経済指標の8月の米国ミシガン大学消費者態度指数の確報値が、前回と市場予想の71.2に対して69.5と、前回と市場予想を下回ったことでは、主要通貨に対するドル売りが先行し、先週金曜の夜23時頃に一時145円72銭付近の米国市場での円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、先週の金曜の夜23時5分頃から始まった注目の米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の経済シンポジウムのジャクソンホール会議での講演発言を受けては、ドルの買い戻しが始まった。
パウエル議長は、「今後の利上げはデータ次第」であり、「追加利上げの是非は、慎重に進めていく」という姿勢を保ちつつも、米国のインフレは依然として目標の2%と比較すると高水準に留まっていることもあり、「米国の追加利上げは、必要な場合には、実施する用意がある」と、米国の追加利上げの可能性と日米金利差拡大予想を高めるタカ派寄りの発言があったことや、「米国のインフレが、継続的な鈍化傾向を示すまでは、景気抑制的な金融引き締めの政策を維持する」と発言したことで、米国の高金利の長期化予想から米国長期金利が一時4.275%付近に向けて上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いでドルは円相場で146円台に上昇し、パウエル議長の発言後の先週金曜の夜23時45分頃には、今月8月17日に記録した円相場でのドルの年内高値の146円56銭付近を上抜けて、一時146円63〜64銭付近の昨年2022年11月以来の約9カ月ぶりの今年最大の円安ドル高を記録した。
また、パウエル議長は、米国のリセッション (景気後退) 引き起こさない様に、兆候には細心の注意を払っていることや、米国経済が想定以上の堅調さを維持すれば、「更なる、金融引き締めが適切になる可能性がある」ことに言及し、米国経済のソフトランディング (軟着陸) 期待や、米国利上げ長期化予想に影響を及ぼした。
同時進行中だった米国ニューヨーク債券市場では、米国長期金利の指標となる米国10年債の利回りが上昇し、先週金曜の夜23時55分頃に一時4.275%付近と、前日比0.05%高の4.28%台付近に上昇し、米国の金融政策の影響を受けやすいと考えられている米国2年債の利回りも一時5.09%付近と、今年の7月上旬以来の高利回りを記録しており、日米金利差拡大時の円売りドル買いが入っていた。
円相場で年内高値の記録を更新後のドルには、高値感から利益確定売りの抵抗が入り始めたことや、先週金曜の深夜24時頃からこれまでにハト派発言をしていた米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官で次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国フィラデルフィア連銀のハーカー総裁の再発言があり、「米国政策金利の誘導目標は、今ところは、十分に制約的な水準」にあり、「米国のインフレ鈍化に向けて、米国経済に圧力をかけている」ため、「今のところ、自身では追加利上げの必要性はないと考えている」と、以前と同じハト派発言を繰り返したことではドルは146円台前半に向けて一時下げ始めたが、ハーカー総裁も、「米国のインフレ圧の緩和が停滞した場合には、考え直す可能性がある」と、「今後のデータ次第」では、追加利上げの可能性も示唆したことではドルは下げ止まり、146円台前半付近でのやや横ばいに近い推移に転じた。
続いて、先週金曜の深夜24時半頃からは米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国クリーブランド連銀のメスター総裁の発言もあり、米国のインフレを目標の2%に回帰させるためには、「恐らく、まだやるべきことがある」と、追加利上げの可能性を示唆していた。
土曜の朝未明の25時半頃からは、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国シカゴ連銀のグールズビー総裁の「大規模な米国のリセッション (景気後退) を引き起こさずに、米国のインフレを低下させる黄金の道が見える」との発言も続き、米国利上げ長期化予想の傍らで、米国のリセッション懸念は回避できるソフトランディングへの期待が高まった。
一時は米国の金利上昇警戒感があった米国ニューヨーク株式市場では、高値後のドルの利益確定売りと金利上昇警戒のリスク回避の安値後の低リスク通貨の円買いの影響などで、ドルは円相場で午前3時半頃には一時146円20銭付近になっていたが、米国景気のリセッション懸念が緩和されたこともあり、その後の米国株価が反発して上昇に転じたことでは、リスクオンで低リスク通貨の円が売られたドル買いや、午前4時頃からの欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁にも欧州インフレ抑制のタカ派寄りの発言があり、日欧金利差拡大予想の円売りユーロ買いも入った影響などで、円相場でドルが146円44銭付近にまで戻していた。
また、今週に発表予定の「今後のデータ」の最新米国重要経済指標の米国雇用統計や、米国個人消費支出 (PCE) デフレーターも注目されており、週末を控えた持ち高調整も入っていた。
そのため、先週の金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の145円72銭前後から円の安値でドルの高値の146円63〜64銭付近の値動きで、先週末の土曜の朝6時頃のニューヨーク終値を146円44銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約61銭の円安ドル高でつけていた。
週が明け、今朝早朝のオセアニア市場でも、先週金曜の夜の米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長のジャクソンホール会議の講演で、米国追加利上げの可能性のタカ派寄りの発言があった影響で、米国利上げ長期化予想による日米金利差拡大予想の円売りドル買いが優勢になり、今朝8時15分頃にドル円は一時146円61銭付近になっていた。
ただし、今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場では、今朝9時頃に一時146円58銭付近の146円台後半の今日の日本市場の円の安値でドルの高値付近で始まったため、先週末の米国市場で今年最大の円安ドル高の記録を更新後ということあり、日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ) による為替介入への警戒感が燻っていたことでは、高値圏のドルの利益確定売りと持ち高調整の円買いが優勢になり、午後15時37分頃に一時146円27銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、午後15時台に今日の日経平均株価が大幅に上昇して3万2169円99銭の終値で、前営業日比545円71銭高で大引けしていたことでは、日本株高時のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られ始めており、午後からの欧州市場の参入では、今日は英国ロンドン外国為替市場が英国のサマー・バンク・ホリデー (Summer Bank Holiday) の祝日休場であったが、欧州市場では先週末の欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁のタカ派発言を受けた日欧金利差拡大予想の円売りユーロ買いも入っていたために、ドルや主要通貨に対しても円相場が再び下げ始め、午後16時58〜59分頃には、ドルは円相場で再び146円55銭付近に反発し上昇していた。
そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円52~54銭付近で、前営業日同時刻の先週金曜17時の146円1~2銭付近の前東京終値比では約51銭の円安ドル高になっていた。
今夜この後には、日本時間の23時半に米国ダラス連銀製造業活動指数、深夜24時半に米国2年債の入札予定、25時半頃から米国連邦準備制度理事会 (FRB) のバー副議長の発言予定、26時に米国5年債の入札予定などが予定されている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は158円39~40銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜17時の157円22~29銭付近の前東京終値比で約1円17銭の大幅な円安ユーロ高であった。
主な要因は、先週末の世界経済シンポジウムのジャクソンホール会議では、先週土曜の朝4時頃から欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁の発言があり、欧州のインフレ抑制のために欧州政策金利を「必要な限り、高水準に維持する」と発言し、次回9月のECB理事会での利上げもしくは据え置きについては言及しなかったものの、高金利高止まりもしくは利上げ継続の可能性も否定されていないことでは、日欧金利差拡大予想で円売りユーロ買いが起きていた。
また、日米株価上昇によるリスクオンでも、低リスク通貨の円売りや安全資産売りでリスク市場に強いユーロが買われた影響も見られた。
ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0808~1.0810ドル付近と、先週金曜17時の1.0766~1.0773ドル付近の前東京終値比で約0.42セントのユーロ高ドル安だった。
主な原因は、欧米ともに利上げ長期化予想があるものの、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオン市場では、安全資産のドルや低リスク通貨の円が売られてユーロが買われやすくなっていた。
なお、今夜21時頃からは欧州中央銀行 (ECB) 理事会メンバーのドイツ連銀のナーゲル総裁の発言予定もある。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は184円31~37銭付近と、先週金曜17時の183円60~66銭付近の前東京終値比で約71銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、米欧英の金利の先高感に比べて、日本の金利抑制の大規模緩和金融政策の継続予想による金利差で他の主要通貨のドルやユーロに対して円が売られた影響の波及に加えて、日英金利差拡大予想で対円のポンドも上昇していた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年8月28日の日本時間(JST)19時27分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時27分) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。
| 通貨ペア | JST 19:27の為替レート | 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比 | 
| ドル/円 | 146.51 ~ 146.53 | +0.50 (円安) | 
| ユーロ/円 | 158.46 ~ 158.48 | +1.24 (円安) | 
| ユーロ/ドル | 1.0813 ~ 1.0817 | +0.0047 (ドル安) | 
| 英ポンド/円 | 184.28 ~ 184.34 | +0.68 (円安) | 
| スイスフラン/円 | 165.87 ~ 165.93 | +1.16 (円安) | 
| 豪ドル/円 | 93.86 ~ 93.90 | +0.17 (円安) | 
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