FXニュース:今週の日米英の金融政策会合前の持ち高調整と金利差拡大予想

2022年9月19日
FXニュース:今週の日米英の金融政策会合前の持ち高調整と金利差拡大予想

 

東西FXニュース – 2022年9月19日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 最新米経済指標のミシガン大消費者信頼感指数が上昇するも市場予想に届かず
  • 米長期金利が一時3.49%超の日米金利差拡大と低下時のドル売り円買い抵抗も
  • 今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも大幅利上げ継続予想が優勢

本日2022年9月19日月曜日の日本市場は敬老の日の休場で、英国市場も女王国葬で休場であるが、通常通り開場中の世界FX市場では、日本時間の東京外国為替市場相当の9時から17時の外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、ドルの安値で円の高値が朝9時前の142円65銭前後から、ドルの高値で円の安値が17時前の143円54銭前後の値動き幅約89銭で、今夜17時の東京終値相当時間は143円49〜50銭前後で、前営業日の金曜17時の前東京終値の143円44〜46銭付近と比較すると、約5銭の円安ドル高であった。今朝は前営業日比で円高ドル安に転じていた時間もあったが、午後には逆転した。

市場の流れと値動きの原因はまず、先週末の金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、金曜の22時頃に米長期金利が一時3.49%を超えており日米金利差拡大でドル円は143円35銭付近の市場高値を記録していたが、23時に発表された最新の米国経済指標の9月の米ミシガン大学の消費者信頼感指数の速報値が前回の58.2と市場予想の59.9に対して59.5で、前回よりは改善されていたものの市場予想には届かず、また消費者の5年先のインフレ予想率が2.8%の今年初の低水準になったことで、米連邦準備理事会(FRB)が重視するデータであることから米長期金利が23時台に一時3.42%以下に急落し、日米金利差縮小時のドル売り円買いが起きた。

また、今週の20〜21日に控えた米連邦公開市場委員会(FOMC)と、21〜22日の日本銀行(日銀、BoJ)の金融政策決定会合を前にした持ち高調整でも、ドル売り円買いとイベントリスクのドルの買い控えが加わった。

米連邦準備理事会(FRB)は今週開催予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、前々回と前回に続いて3会合連続で通常の3倍の0.75%の大幅利上げをする市場予想が優勢で、また一部では先日の米CPI発表後に通常の4倍の1%のタカ派の大幅利上げ予想も出ていたために、ドルがそれまでに大きく上昇シフトを続けてきたことから、イベント前の持ち高調整が進む中で、FOMCの後に発表される米国の経済と政策金利の見通しを確認するための慎重な様子見の動きや、イベントリスクによる一時的なドルの買い控えなども入った。

一方で、日本銀行(日銀)は、21~22日の金融政策決定会合でも金利抑制の大規模緩和の金融政策を維持する市場予想が優勢で、為替介入への警戒はあるが日米協調介入ではない日銀の単独介入では効果薄も予測されていたことからは、ドルの買い戻し抵抗も入った。

ただし、日銀金融政策決定会合では-0.1%の政策金利据え置きの市場予想が優勢ではあるが、イールドカーブコントロール(YCC)変動幅や為替介入などは慎重に注視されている。

また、ニューヨーク市場の5時に発表された7月の対米証券投資は、前回の1218億ドルから241億ドルに激減しており、経済指標を原因としたドル売り円買いも円相場の値動きに影響を及ぼした。

そのため、先週末の土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場は142円85銭から143円35銭の値動きをし、土曜の朝6時には142円90銭~143円0銭付近で、前日同時刻比で約55銭の円高ドル安で終値をつけていた。

週末が明けて始まった今週の世界市場でも、今日の早朝には前ニューヨーク市場のトレンドを受けた持ち高調整のドル売り円買いが起きており、また今朝のFXニュースで米国CBSのテレビ番組の「60ミニッツ」に出演したバイデン米大統領が「中国が台湾に侵攻した場合には、米軍が防衛する」と発言したと伝わったことが原因で、米中関係緊張への警戒のリスク回避でドル売りから買える低リスク通貨の円買いが起き、今朝9時前に一時142円65銭の今日の市場のドルの安値で円の高値を記録した。

ただし、今日は米株指数先物が上昇していたために投資用の円からのドル買いもあり、日米金利差拡大予想も大幅利上げ予想が優勢だったので、11時前までには143円台にドルが再上昇し、午後には更に英国を除く欧州本土市場の参入があり、持ち高調整の一方で日米金利差拡大予想による円売りドル買いが入り、ドルは今朝までの円相場での下げ幅を午後には回復し、17時の東京終値相当時間には143円49〜50銭付近で、前営業日同時刻比で約5銭の円安ドル高になった。

今夜この後にも、米国ニューヨーク外国為替市場では、日本時間23時に最新米国経済指標の9月のNAHB住宅市場指数の発表が予定されている。

ユーロは、先週末の欧州英国市場で欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁がインフレ抑制のための利上げ継続で欧州ユーロ圏の経済成長が圧迫されて景気懸念があること関して、「経済の成長を圧迫する可能性についてはあり得るが、物価安定は根本的により重要で、我々が背負わなければならないリスクである」と発言したことが原因で、利上げ継続予想が優勢でユーロ買いドル売りが起き、その後の米国ニューヨーク市場の終値でユーロドルは1.0010~1.0020ドル付近で、ユーロは一時ドルとパリティ(等価)以上の終値をつけていた。

今日の日本の東京外国為替市場時間に該当する世界FX市場では、米株先物上昇と欧州景気懸念のユーロ売りのドル買いが入り、ユーロドルは0.9966ドル付近から1.0029ドル付近の値動きで、17時の東京終値該当時間には0.9973〜0.9975ドルで、前営業日同時刻比で約0.36セントのユーロ安ドル高になった。

今日のユーロ円は、日欧金利差拡大予想のユーロ買いがあり、142円80銭付近から143円31銭付近の値動きで、今夜17時には143円11銭〜143円13銭付近で、前営業日同時刻比で約2銭の円安ユーロ高であった。

その後の今夜18時には欧州ユーロ圏の最新経済指標の発表があり、7月の建設支出は、前月比が前回の-1.3%と前回改定の-1.2%に対して0.3%で、前年同月比では前回の0.1%と前回改定の1.3%に対して1.5%に増加していたが英国ポンドは、前回の東西FXニュースでもお伝えした通り、先週末の英国ロンドン市場で発表された8月の英小売売上高が前月から急減し悪化していたことで、記録的なインフレの英国のリセッション(景気後退)懸念が強まり、ポンド売りドル買いで一時1.13ドル台の1985年以来の約37年ぶりのポンド安ドル高を記録しており、円相場でも一時は大幅な円高ポンド安として波及したが、マイナス金利の日本よりも高金利の英国の方が世界からの投資が集まりやすいため、英国中央銀行のイングランド銀行(BoE)も今週の22日に予定の英中銀金融政策委員会(MPC)で利上げ継続予想が優勢で、利上げ後に2.25%の新政策金利になるという市場予想も出ており、日英金利差拡大予想の円売りポンド買いでポンドが上昇し、今夜17時の東京終値相当時間の円相場は163円24〜30銭で、前日同時刻比で約10銭の円安ポンド高であった。

オーストラリアの豪ドルは、比較的リスク市場に弱いと考えられており、今週のイベント前の市場では低リスク通貨の円に対して下げており、今夜17時の今日の東京終値該当時間には95円89〜93銭で前営業日比では約10銭の円高豪ドル安だった。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年9月19日の日本時間(JST)19時18分(英国夏時間(GMT+1)11時18分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:18の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 143.53 〜 143.55 +0.10(円安)
ユーロ/円 143.10 〜 143.11 +0.01(円安)
ユーロ/ドル 0.9968 〜 0.9970 -0.0041(ドル高)
英ポンド/円 163.02 〜 163.08 -0.12(円高)
スイスフラン/円 148.49 〜 148.55 +0.30(円安)
豪ドル/円 95.79 〜 95.83 -0.20(円高)


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