FXニュース: 今日一時137円台前半の円安ドル高記録を更新した原因とは
2022年7月11日
東西FXニュース – 2022年7月11日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米雇用統計が堅調でFRB利上げ加速予想のドル買い円売りが優勢に
- 米経済指標で景気懸念減退と米長期金利上昇時の日米金利差拡大円安
- 参院選で円安要因の日銀の金融緩和政策支持の自民党が勝利
- 日経株価上昇時の低リスク通貨の円売りなども今日の為替相場に影響
今日2022年7月11日月曜日の東京外国為替市場のFXの対ドル円相場の為替レートは、9時から17時の東京外為取引時間の円の安値が137円28銭前後から高値136円24銭前後の値動き幅約1円4銭で、17時の今日の東京外国為替市場の終値は136円81〜82銭前後の、同時刻の前営業日比で約98銭の円安ドル高であった。
今日は一時137円28銭付近に円までが売られ、先月の29日に記録した137円0銭付近の1998年9月以来の約24年ぶりの円安ドル高の記録を更新した。
原因はまず、今朝の日本の東京市場が開く前に終値をつけていた先週末の米国ニューヨーク外国為替市場で発表された最新の米雇用統計6月分が堅調で、市場予想を大きく上回っていたために、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げ継続の予想が強まって米債券市場で米長期金利が上昇し、日米金利差拡大によるドル買い円売りの円安要因が強まった。
最新の米雇用統計の速報では、非農業部門の雇用者数が前月比で37万2000人も増加しており、市場予想の25万人増を大きく上回った。また、平均時給も高い伸び率が継続し、米労働市場の堅調さから円安抵抗要因だった米景気後退懸念が弱まった。
米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めによる米景気減速懸念も減退したために、米株価も上昇し、リスク選好で低リスク通貨の円売りのドルの買い戻しが優勢で、日米の金融政策の方向性の違いからもドルが買われやすくなった。
その流れを受けて始まった今日の日本の東京外国為替市場では、兼ねてからの日米金利差の円安要因となっている日本銀行(日銀)の金利抑制の大規模緩和の金融政策を支持してきた自民党が、昨日の参院選で過半数議席を獲得し勝利しており、また、今日も黒田東彦日銀総裁が支店長会議で大規模金融緩和政策継続について発言をしており、円安要因が継続した。
先週末の米株上昇を受けて日経株価も上昇しており、株高時のリスクオンの低リスク通貨の円売りは、米トレンドを受けて今日の日本市場でも起きていた。
今朝10時頃の仲値決済では、原油価格の高止まりや、長期化している円安時の資源高などから、日本の貿易企業の輸入実需での円売りドル買いの需要が強く、円相場は10時台に137円台前半に達し、先述の約24年ぶりの円安ドル高の記録を更新した。
しかし、午後には欧州英国市場の参入もあり、時間外の米10年債の利回りが3.04%台付近に低下し、米株指数先物も下げてきたことから、朝11時前の137円28銭付近の今日のドルの高値の後には、高値のドルの利益確定売りや安値の円の持ち高調整買いなどの抵抗も少し入り始め、また、今週は米消費者物価指数(CPI)6月分の発表も控えているために、イベント前のドルの買い控えも加わってドル買い円売りが少し弱まったところで、17時に136円81〜82銭前後の前営業日比で約98銭の円安ドル安の今日の東京終値をつけた。
ユーロは、今夜17時の東京終値では138円34~37銭で、前営業日比で約1円4銭の円安ユーロ高であった。この原因には、先週は欧州ユーロ圏のエネルギー供給問題などから欧景気悪化懸念でのユーロ売りが続き、一時はドルとパリティ(対価)に近くなるという大幅なユーロ安が円相場にも波及していたために、今日の日欧株高時のリスクオンの低リスク通貨の円売りペアでは、高値のドルだけでなく安値のユーロの持ち高調整買いが優勢になったことが影響した。
日本の午後に時差で朝の欧州市場では欧州主要株価指数も上昇していたため、リスク選好で安全資産のドルが売られ安値のユーロが買い戻された影響で、ユーロは対ドルでも一時は前営業日比で横ばいレンジに近い値動きを見せ、17時の今日の日本市場の東京終値のユーロドルは1.0112~1.0113ドル付近で、前営業日の同時刻の東京終値比で約0.04セントの僅差でのドル安ユーロ高へと先週の下げ幅を縮めていた。
しかし、今夜その後の欧州市場のユーロドルは、18時台にはそれまでにもあった欧景気懸念などで安全資産のドルが再び買われる機会が増えており、ユーロドルは一時1.0103ドル付近に売られ、前東京終値比でドル高ユーロ安に市場反転した。
英ポンドは、17時の今日の東京終値は、163円63〜69銭の前営業日比で約11銭の円高ポンド安であった。先週末の英国ロンドン市場では、今週の猛暑予報の夏休み時期の週末を前に持ち高調整のポンド買いなども入ってはいたのだが、先日のボリス・ジョンソン辞任後の英保守党(トーリー)の次期党首候補は複数挙がってきたものの、まだ多数の候補の中からの党首決定に時間がかかりそうなので、記録的な現在9.1%英インフレの英景気懸念に加えて、英政治の先行き不透明感などでのポンド売りと、英中央銀行のイングランド銀行(BoE)が今日も目標としていると宣言していた2%のインフレ率に最も近い主要通貨の円買いが影響した。
また、日本時間の午後15時15分に大引けした今日の日経平均株価は26,812円30銭で前営業日比295円11銭増の上昇であったが、時差で朝の英国ロンドン市場では英株のFTSE100が一時下落しており、英ポンドのリスク回避売りの低リスク通貨の円買いの需要もあった。今夜その後の英国ロンドン市場では18時台に、円だけでなく安全資産のドルに対してもポンドが売られて安値をつけていた。
しかし、日英金利差と拡大予想から、円に対して英ポンドが買われる機会もあり、今夜その後の英国ロンドン市場では、現地投資系の実需もあり、19時台には前営業日比で横ばいレンジにも入っていた。
17時の今日の東京終値では、スイスフラン対円は139円68〜74銭の、前営業日比で約34銭の円安スイスフラン高であった。今日の日本市場では、欧州ユーロの円相場での一時の上昇などにつられた値動きなども見せていた。
オーストラリアの豪ドルは低リスク通貨の円よりも世界景気のリスク影響を受けやすいと考えられており、今夜17時の東京終値では93円6〜10銭で、前営業日比で約18銭の円高豪ドル安であった。
今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年7月11日の日本時間(JST)19時19分(英国夏時間(GMT+1)11時19分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。
| 通貨ペア | JST 19:19の為替レート | 東京外国為替市場前日比 | 
| ドル/円 | 137.08 〜 137.10 | +1.25(円安) | 
| ユーロ/円 | 138.54 〜 138.56 | +1.24(円安) | 
| ユーロ/ドル | 1.0105 〜 1.0107 | -0.0003(ドル高) | 
| 英ポンド/円 | 163.74 〜 163.80 | ±0.00(レンジ) | 
| スイスフラン/円 | 139.70 〜 139.76 | +0.36(円安) | 
| 豪ドル/円 | 93.08 〜 93.12 | -0.16(円高) | 
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