FXニュース: 米経済指標低下のリスクオフから日欧株価上昇時のリスクオンに

2022年7月04日
FXニュース: 米経済指標低下のリスクオフから日欧株価上昇時のリスクオンに

 

東西FXニュース – 2022年7月4日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米景気リスク回避で米長期金利が一時2.7%台の約1カ月ぶりの低水準に
  • 日経株価218円19銭上昇でリスクオンの低リスク通貨の円売りも
  • 欧消費者物価指数が8.6%上昇で景気懸念のユーロ売りと利上げ買いも

今日2022年7月4日月曜日の東京外国為替市場のFXの対ドル円相場の為替レートは、9時から17時の東京外為取引時間の円の安値が135円51銭前後から高値134円80銭前後の値動き幅約71銭で、17時の今日の東京外国為替市場の終値は135円40〜41銭前後の、同時刻の前営業日比で約10銭の円安ドル高であった。今日は一時円安抵抗もあり、その前の先週末の米国ニューヨーク市場と今夜の東京終値後の17時半頃の欧州英国市場では一時は前日比で円高ドル安に市場転換もしており、18時台の欧州市場で再び円安ドル高になった。

原因はまず、今日は米国の独立記念日の祝日で日欧などの他の世界市場での値動きが出やすく、今夜この後のニューヨーク市場は休場予定であるが、今朝の東京市場前に先週末からの終値をつけていた米国ニューヨーク市場で、最新米経済指標の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数6月分が、市場予想の54.3よりも低い53.0で、2020年6月以来と言われる低水準を記録した。特に新規受注数が急減したほか、同日発表の米建設支出5月分も市場予想に反して減少しており、アトランタ連銀の月次の米実質国内総生産(GDP)予想のGDP Nowも、4~6月期の経済成長予想率を前期比で年率2.1%減に下げており、米景気のテクニカル・リセッション(景気後退)の懸念が強まった。

そのため、米景気懸念のリスク回避での安全資産の米国債買いで米長期金利が低下し、一時2.79%付近の前日比で約0.22%減の約1カ月ぶりの低水準になり、日米金利差縮小時のドル売りの円買いで、低リスク通貨の円は135円15~25銭の、前日同時刻比で約55銭の円高ドル安の前ニューヨーク終値をつけていた。米国市場では先週に一時137円付近の約24年ぶりの円安ドル高を記録していたことで、先週末には今日の連休前の投資家の持ち高調整などの高値でのドルの利益確定売りや安値での円買い抵抗が入りやすかったことも影響した。

その流れを受けて始まった今日の日本の東京市場でも、早朝は米長期金利低下時の日米金利差縮小時のドル売りの円買いや、日系輸出企業のドル売りと円の買い戻しが優勢であった。しかし、その後には長期化する世界的な資源高と大きな流れでの円安継続で、日本の輸入実需などのドル需要も増えており、朝の仲値決済の頃の輸出企業のドル売り円買いに続いて、10時半すぎに134円80銭付近の今日のドルの安値を記録したことから、その後には安値でのドル買いが強まり、ドルは再び135円台に上昇し、今日の午後には日経株価上昇時の低リスク通貨の円売り抵抗もあったものの、日本市場時間17時の今日の東京終値では前営業日比で円安ドル高になった。

しかし、その後に時差で朝の欧州市場でも今日は欧州株価上昇で始まった際には、持ち高調整でリスクオンの低リスク通貨の円売りも出ており、17時の東京終値直後に一時市場転換をした原因となったが、朝のサージが落ち着いてきた18時台には再び円安ドル高に戻った。

ユーロは、先週末の欧州市場で欧州連合(EU)統計局が発表した速報値の欧州ユーロ圏の消費者物価指数(HICP)の上昇率が、前年同月比で前月の8.1から今回は8.6%に上昇し、市場予想の8.4%も超えており、過去最高のインフレ率と言われる一方で、一時は欧金利上昇予想のユーロ買いも起きたが、その後には欧州中央銀行(ECB)がインフレ対策を優先で金融引き締めを進めることでの欧景気懸念のユーロ売りが強まり、安全資産の欧債権買いで欧州債の利回りが低下し、ユーロ売りのドル買いや低リスク通貨の円買いが起きていた。

その影響で、今日の日本市場でも、ユーロ対円は17時の東京終値を141円18~20銭の前営業日比約14銭の円高ユーロ安でつけた。また、同時刻のユーロ対ドルも1.0426~1.0427ドルの前営業日比で約0.19セントのドル高ユーロ安であった。

しかし、今夜その後の欧州市場では、欧州中央銀行(ECB)関係者のミュラー・エストニア中銀総裁が「7月に0.25%で、9月には0.50%の利上げを予想」すると発言したほか、欧州実需や欧州株価上昇時のリスクオンのユーロの買い戻しで、19時台にはユーロ高に市場反転もしている。

英ポンドは、先週末の英国ロンドン市場で発表された最新英国経済指標の製造業購買担当者景気指数(PMI)6月分の改定値が前回と予想の53.4に対して52.8に低下していたことなどから、一時は英ポンドが安全資産のドルなどに対して大きく売られる機会もあったが、今日は米国ニューヨーク市場休場時に金利が高く資金の投資に向いている英国市場が開いていることからポンド買い投資実需や、持ち高調整の低リスク通貨の円売りなども入っており、今夜17時の東京終値は164円7〜13銭の前営業日比で約46銭の円安ポンド高であった。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年7月4日の日本時間(JST)19時20分(英国夏時間(GMT+1)11時20分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:20の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 135.34 〜 135.35 +0.04(円安)
ユーロ/円 141.39 〜 141.41 +0.07(円安)
ユーロ/ドル 1.0446 〜 1.0448 +0.0001(ドル安)
英ポンド/円 164.13 〜 164.19 +0.52(円安)
スイスフラン/円 141.05 〜 141.11 +0.14(円安)
豪ドル/円 93.13 〜 93.17 +0.97(円安)


注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。