FXニュース:米連邦公開市場委員会(FOMC)が通常の3倍の0.75%の利上げを決定

2022年6月16日
FXニュース:米連邦公開市場委員会(FOMC)が通常の3倍の0.75%の利上げを決定|


東西FXニュース – 2022年6月16日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米連邦準備理事会(FRB) のFOMC要旨では米インフレ高止まり懸念も
  • スイスも政策金利を0.5%利上げし欧州株安時の低リスク通貨円買いが
  • 明日17日に日本銀行(BoJ)も金融政策決定会合の発表予定

今日2022年6月16日木曜日の東京外国為替市場のFXの対ドル円相場の為替レートは、9時から17時の東京外為取引時間の円の安値が134円68銭前後から高値133円95銭前後の値動き幅約73銭で、今夜17時の東京市場終値時点は134円24〜25銭前後で、昨朝に米連邦公開市場委員会(FOMC)の0.75%の大幅利上げ加速予想で一時135円60銭付近の円安ドル高を記録した前日比では、今日は約46銭の円高ドル安の終値であった。

また17時の東京終値後の今夜19時前の欧州英国市場では、後述のスイス中銀利上げでのユーロリスクや欧米株安などのリスク回避で、低リスク通貨の円は対ドルで一時132円台前半付近に買われた時間もあった。ただし、大きな流れとしては、日米金利差による円安要因は大きく、ここ3ヶ月ほどで15円近い円安ドル高が進んでいた。

日本時間で今朝3時頃に、時差で15日付の米国では米連邦準備理事会(FRB)が、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の最新結果発表で、昨日の東西FXニュースでもお伝えした市場予想通りの、通常の3倍となる0.75%の利上げを決定した。これにより、米国の新政策金利の米フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は1.50%〜1.75%になり、日米金利差が拡大した。利上げの理由は、現在8.6%を超えているとも言われている米国の高インフレ対策が主な要因で、1994年以来で最大の利上げ幅になった。

この発表を受けて、昨夜から今朝のニューヨーク外国為替市場では、利上げ発表時のドル買いが一時活発になり、イベント前には134円台中盤だったドル円が、一瞬で135円寸前の134円96銭付近にまで跳ね上がった。

しかし、すぐに高値での利益確定のドル売りと、利上げ理由などで欧米の8〜9%の高インフレ率が再意識され、比較すると米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%のインフレ率に近い日本の低リスク通貨の円がドル売りのペアで買われ、対円のドルは利上げ時の一時急上昇後に急落し、一時は133円台中盤の133円51銭付近にまで売られ、わずか数時間で約1円近いイベント時特有のボラティリティの高い値動きを見せた。

原因は、米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が、会合後の記者会見で次回の7月の会合について「0.5%か0.75%の利上げを見込んでおり、0.75%の利上げが普通になるとは考えてはいない」と発言した影響が大きく、今月に続いて来月にも0.75%の積極的な利上げ継続の期待が市場で強まっていただけに、議長の発言が予想ほどのタカ派ではなかったことでインフレ警戒や米景気懸念のドル売りが再燃し、今後の日米金利差拡大予想が減退したことで、米債券市場では米長期金利が一時3.28%に低下し、前日終値の3.47%から大幅下落した際にドル売りと低リスク通貨の円買いが優勢になった。

米連邦準備理事会(FRB)に対しては、約40年ぶりの高インフレを予想できなかったことや、対応の遅さへの批判も浮上しており、今回のFOMCの声明は、「委員会はインフレ率を目標の2%に戻すことに強くコミットしている」と強調されたことで、ドル売りのペア先に、その目標に近い2.1%のインフレ率の低リスク通貨の日本円が再意識された。また、米景気懸念時のドルから買えるリスク回避用の低リスク通貨としては、最近の円安で円にはお買い得感が出ており、リスク回避や持ち高調整で買われる機会もあった。

また、米連邦準備理事会(FRB)が発表した2022年末の経済見通しが2.8%から1.7%に下がっていたが、米株式市場では今後の利上げペースが予想ほど加速されなければ、利子払いのある借入金での投資やレバレッジも扱う米株投資では、利上げ加速継続による米株景気減速懸念は減少し、ニューヨーク株式市場は主要三指数が上昇し、株安時のリスク回避用に買われていた安全資産のドルが売られた。

そのため、米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米インフレの高止まりによる大幅利上げが予想の範囲内で決定された日米金利差でのドル買いの一方で、米連邦準備理事会(FRB)議長の発言やFOMC要旨発表の内容が予想以下だったことで米長期金利が低下し、利上げ発表時のドルの一時上昇後には、利益確定のドル売りや持ち高調整の円買いが優勢になり、今朝までのニューヨーク外国為替市場の円相場は、米国では9営業日ぶりに大反発して、133円75~85銭の前日比1円70銭の円高ドル安だった。

その流れを受けて始まった、今日の日本の東京外国為替市場では、今朝の利上げのニュースによる日米金利差拡大ではドルが買われ上昇し、特に10時前の仲値決済では日本の輸入企業が円売りのドル買い注文が目立ち、11時過ぎには一時134円68銭付近で、昨日の円安ドル高の東京終値付近の横ばいレンジに近くなった。

原因は、今朝発表された最新の日本の5月分の貿易収支が、ロシアによるウクライナ侵攻の影響での原油資源高や長引く円安などで、市場予想を超えた2兆3847億円の大赤字で、1979年以降で2番目と言われる赤字額を記録した。そのため、日本市場では、貿易企業などが輸入用実需の外貨需要を意識し、円売りのドル買いが優勢であった。

午後になって時差で朝の欧州英国市場が参入すると、再びドル買い後のドル売りと円買いが起き、ドルは対円で急落した。先日の欧州中央銀行(ECB)の利上げ発表後の反応や米国市場の反応と似ており、利上げ直後は一時買われたが、利上げ理由が欧州同様にインフレで米景気懸念が同時浮上し、米国市場同様の反応だが、米利上げ時のドル買いと会見後の円買いの影響で、ユーロに対してはドル高と円高になっていたのだが、特に16時半にはスイス中央銀行のスイス国立銀行も政策金利を0.50%利上げすると発表し、市場ではスイスは政策金利を据え置くという予想がこれまでは優勢であったために、予想外に急な利上げで欧州景気への影響の懸念からユーロリスクが増え、ユーロに対しても低リスク通貨の円買いが優勢となった。

安全資産のドルも米インフレ景気リスクが意識されていたことでスイスフランに対して売られ、ドル売りが円相場にも波及した。

また、欧米の高インフレによる景気経済減速懸念から、今夜の欧州英国市場では欧州株や米株指数先物が大幅安になり、低リスク通貨の日本円買いが活発になった。そのため、今日の東京終値17時の後の18時台の欧州英国市場では円相場が一時急騰し、19時前に一時132円前半を記録した。

欧州ユーロは、欧州中央銀行(ECB)が臨時理事会を開き、ユーロ圏の一部の国債利回りの急上昇リスクへの対応を決定したことで利回りが低下し、ユーロがドルや円に売られていた。それに加えて、米利上げ時のドル買いや円買いでユーロが下げていたところに、今日のスイス中銀のユーロリスク売りで、ユーロは今日の円相場では大幅なユーロ安になっており、今夜17時の東京終値は139円50~53銭で、前日比1円47銭の大幅な円高ユーロ安であった。ユーロは対ドルでも下げており、17時の東京終値は1.0392~1.0393ドルで前日比0.73セントのドル高ユーロ安だった。

今日予想外に利上げしたスイスフランは、対ドルでも円相場でも急上昇し、17時の東京終値では137円0〜7銭で、前日比2円51銭の大幅な円安スイスフラン高であった。

英ポンドも、今夜この後の20時に英国中央銀行のイングランド銀行(BoE)が新政策金利を発表の予定で、執筆段階の19時時点では、まだ外貨波及のイベント前の値動きをしているが、今日17時の東京終値では162円30〜36銭で前日比52銭の円高ポンド安だった。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年6月16日の日本時間(JST)19時13分(英国夏時間(GMT+1)11時13分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペアJST 19:13の為替レート東京外国為替市場前日比
ドル/円133.21 〜 132.22-1.49(円高)
ユーロ/円138.52 〜 138.54-2.45(円高)
ユーロ/ドル1.0398 〜 1.0399-0.0067(ドル高)
英ポンド/円161.96 〜 162.02-0.86(円高)
スイスフラン/円135.76 〜 135.82+1.26(円安)
豪ドル/円92.87 〜 92.91-0.80(円高)


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