FXニュース:今日は米長期金利2.9%台に下落で日米金利差拡大の円安に抵抗が

2022年5月11日
FXニュース:今日は米長期金利2.9%台に下落で日米金利差拡大の円安に抵抗が

 

東西FXニュース – 2022年5月11日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • FRBの利上げに影響する重要指標の米CPIが今夜発表前でイベント調整も
  • ウクライナ長期化と株安リスク回避に一時原油安時には低リスク円も
  • 今日の欧州中央銀行(ECB)利上げ予定発言での調整売りの影響も

今日2022年5月11日の東京外国為替市場の円相場の為替レートは、9時から17時までの東京外為取引時間の円の安値が130円49銭前後から高値129円90銭前後の値動き幅59銭程で、今日17時の東京市場終値は129円92〜93銭で前日比では約42銭の円高ドル安であった。また、今夜その後に時差で朝の欧州英国市場では、日本時間18時過ぎに一時は129円60銭付近まで今日の円の高値を更新した。

原因は、今日は円安要因の日米金利差の指標となる米長期金利が一時2.92%台まで低下して一時的に弱まっており、また今夜21時半に米連邦準備理事会(FRB)の利上げに影響する米国の重要経済指標の4月分の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることからイベントリスクもあり、結果が分かるまでは積極的なドル買いを控えたり、持ち高調整での値動きの影響が出ていたことがまず大きい。

今日は原油価格も一時100ドル前後の時間帯もあったので、原油高が低リスク通貨の円の貿易赤字リスクと考えられている関係上、持ち高調整での円買いも入っていた影響もあり、今朝9時から15時頃までは横ばいレンジに近い値動きをしていたが、午後16時時頃から時差で朝の欧州英国市場が参入すると、持ち高調整のドル売りや低リスク通貨の円買いの値動きが顕著になった。

そして、今夜17時の東京外国為替市場終値の頃に、時差で朝の欧州ユーロ圏では、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁の発言があり、イベント調整のドル売りの値動きと朝の欧州実需もドルの一時下落と相対的な円一時上昇に影響した。

今日の午後には欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのフランス中央銀行のビルロワドガロー総裁が、ECBが今夏から段階的に利上げを開始するとの見解を表明しており、また、ドイツ連銀のナーゲル総裁も7月に利上げする必要があると発言したとの一部報道もあり、17時の欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁も今日の発言で、統一通貨を持つ欧州ユーロ圏のインフレ問題に言及し、欧州中央銀行(ECB)の利上げについても触れたために、日本時間で午後からの朝の欧州市場では現地実需に加えて、ドルが売られてユーロが買い戻される値動きで、ドル一時下落の影響がドル対円の夕方の為替相場に波及した。

また、長期深刻化するロシアのウクライナ侵攻での欧州エネルギー懸念や株安時のリスク回避で、これまでにユーロ売りで買われることが多かった第一安全通貨のドルが、今夜の米CPI発表前でイベントリスクがあるために今日は持ち高調整で売られたり、今日は原油価格が一時100前後時には低リスク通貨の円がリスク回避と持ち高調整などで買われたことも影響しており、ユーロ対円は今日の東京終値17時には137円10~12銭で、前日比では約50銭の円高ユーロ安であった。

ユーロ対ドルは、今日の債権市場では欧州長期金利低下時にはユーロは売られており、また先日のG7共同声明のロシア産原油禁輸措置合意に向けて、ロシア産エネルギー依存率の高い国のある欧州エネルギー懸念で、ユーロリスクに対する安全資産としてドルが買われてユーロが下がっていたものが、先述の今日のECB利上げ関係の一時ドル売りとユーロ買い戻しの影響と、今夜の米国CPI発表前のイベント前調整などで、ユーロが下げ幅を縮めてきており、今日の東京終値17時では1.0552~53ドルで、東京終値前日比ではわずか0.04セントのユーロ安ドル高であった。今夜18時台の欧州市場では、今夜21時半の米国CPI発表などのイベントリスクが近づくにつれてイベント調整の動きが強まり、一時はユーロ高ドル安に市場反転もしたが、直後の利益確定売りなどで19時には再び元のドル高ユーロ安に戻していた。

英ポンドは、先日に英国中央銀行のイングランド銀行(BoE)が公表した通り、今年の春の英国エネルギーショックの第二弾が秋に予定されているために年内10%超の英インフレ悪化懸念があり、英ポンドが売られ低リスク通貨の円がリスク回避で買われる機会があり、今夜17時には160円43〜49銭で前日比21銭の円高ポンド安であった。

今夜はこの後の21時半から発表予定の、米連邦準備理事会(FRB)の今後の利上げ予想に影響する米国の重要経済指標の4月の米消費者物価指数(CPI)や、バイデン米大統領のインフレ対応策なども政府発表が予定されており、今後の為替相場の値動きに影響を与える可能性が高いので、今後も最新のFXニュースには注意が必要である。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年5月11日の日本時間(JST)19時22分(英国夏時間(GMT+1)11時22分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:22の為替レートの為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 129.88 〜 129.89 -0.46(円高)
ユーロ/円 137.10 〜 137.12 -0.50(円高)
ユーロ/ドル 1.0554 〜 1.0557 -0.0002(ドル高)
英ポンド/円 -0.12(円高) -0.31(円高)
スイスフラン/円 131.28 〜 131.34 +0.34(円安)
豪ドル/円 90.89 〜 90.93 +0.38(円安)


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