FXニュース:連休明けの今日は日米金利差拡大での円売りドル買いが再燃

2022年5月06日
FXニュース:連休明けの今日は日米金利差拡大での円売りドル買いが再燃


東西FXニュース – 2022年5月6日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 今夜の米雇用統計発表とニューヨーク都銀総裁発言前のイベントリスク
  • 英国中央銀行(BoE)が1%に利上げと10%インフレ英景気減退懸念
  • 欧州中央銀行(ECB)理事会員ビルロワドガロー仏中銀総裁も利上げ発言

今日2022年5月6日の東京外国為替市場の円相場の為替レートは、9時から17時までの東京外為取引時間の円の安値130円81銭前後から高値130円10銭前後の値動き幅 71銭程で、今夜17時の東京終値は130円54〜55銭で、前日比44銭の円安ドル高であった。

原因は、日本時間で昨日の朝3時に米連邦準備理事会(FRB)が、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げと量的引き締め(QT)を決定し、米政策金利を0.75〜1%にしたことに加えて、今日は米長期金利が今朝に一時2018年11月以来の3.10%付近に上昇し、以前からも日本銀行の金利抑制の大規模緩和継続との金融政策の違いで円安要因となっていた日米金利差拡大での円売りドル買いの円安ドル高が再燃した影響が大きい。

また、今日の日本市場は連休明けで、朝10時頃の仲値決済で日本企業がまとまったドル買いをした他にも、今朝は日経平均株価も一時下がっていたため、午後に前日比プラスで引けるまでは、株安時のリスク回避で円からドルが買われたことも円安方向の動きに影響した。

しかし、今夜この後の日本時間21時半から米国の景気経済指標の雇用統計が発表予定で、米ニューヨーク都銀総裁発言も予定されているために、今日の午後からはイベントリスクが意識され、それらの結果が分かるまでは買い控えている様子見の投資家達の動きが影響し、朝に比べると午後は比較的小動きになっていた。そのため、イベント後の値動きには、再び注意が必要である。

一方、英国中央銀行のイングランド銀行(BoE)が日本時間の昨夜に、前回までに0.75%に利上げされていた英政策金利を今回さらに0.25%利上げし、新たな英政策金利を1%に決定した。英国ロンドン市場では特に予想以上ではなかったので大きな買いにはつながらず、むしろ、次回の利上げ継続予想を減退させるデータが同時発表され、現在7%の記録的な英インフレが、英国エネルギーショックの電気代大幅値上げの二回目が今秋にも予定されている影響で、年内10〜12月には10%を超える英インフレ景気減退懸念の2023年度マイナス成長予想を発表したことから、発表直後の昨夜には、英景気後退(リセッション)懸念から、ポンドが大きく売られて、対ドルや対円でも英ポンドが一時急落した。

しかし、今日の日本市場では、日英金利差拡大が確実なものとなり、今朝の東京市場では英ポンドは対円の円相場では買われて一時回復上昇もしていたが、今日の夕方16時頃に時差で朝の欧州英国市場が参入すると、再び英景気懸念で売られたオーダーで英ポンドが対ドルや対円でも一時急落し、その後に日英金利差で買い戻されて、一時は今朝のレベル近くまで戻るような値動きもあった。

再落時の原因は、米国が利上げ継続をすることに比べて、先行して利上げを行ってきた英国の景気後退懸念から次回の利上げがされない可能性が予想され、日本の夕方に時差で朝の英国投資系などが、ポンドからドルを大量に買ったオーダー等が影響していた。そのため、今日17時の東京終値の英ポンド対円は、160円71〜77銭で前日比13銭の円高ポンド安だった。ただし、その後は再び日英金利差で円安ポンド高に転じる時間もあった。

ユーロは、今夜17時頃の速報で、欧州中央銀行(ECB)理事会員のビルロワドガロー仏中央銀行総裁が今夜の講演で、欧インフレ対策で「年末までに金利をプラスに引き上げるのが合理的」と発言したためにユーロが買われ、直後に対ドルで一時1.0555ドル付近の今日の高値まで買い戻しが入ったほか、ユーロ円も137円73銭付近まで買われ、ユーロ対豪ドルも1.4903豪ドル、ユーロ対ポンドは0.8558ポンド付近までユーロが買われた。

また、仏中銀総裁は、「利上げはユーロ対ドルの上昇に寄与する可能性がある。ユーロの水準は輸入インフレに大きく影響する。過度なユーロ安はわれわれの物価安定目標に反する」とも発言し、17時頃からユーロが買われた原因となった。

そのため、今日のユーロは、17時の東京終値時点では、利上げ後のドルに対しては1.0520〜1.0522ドルで前日比0.13セントのドル高ユーロ安であったが、仏中銀総裁発言後の今夜19時には1.0570〜 1.0572で前日比0.37セントのドル安ユーロ高に市場反転した。ユーロ対円は、今日の日本市場時間中は136円74銭から137円65銭の間で値動きをしており、東京終値17時にも137円35〜36銭で前日比31銭の円安ユーロ高で、19時にも137円92〜94銭で前日比88銭の円安ユーロ高の幅が広まっていた。

オーストラリアドルは、豪準備銀行(RBA)の四半期金融政策報告で「さらなる利上げがインフレ抑制のために必要」なことや、「金利の正常化開始が適切」と発表はされたが、先日に利上げを実施した時と比べると今日は特に追加の利上げなどされたわけでもなく、今日の米長期金利上昇を受けて対ドルで売られた影響で、今日17時の東京終値では、92円32〜36銭で前日比24銭の円高豪ドル安であった。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年5月6日の日本時間(JST)19時19分(英国夏時間(GMT+1)11時19分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:19の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 130.36 〜 130.38 +0.26(円安)
ユーロ/円 137.91 〜 137.93 +0.87(円安)
ユーロ/ドル 1.0578 〜 1.0580 +0.0045(ドル安)
英ポンド/円 160.86 〜 160.92 +0.02(円安)
スイスフラン/円 132.40 〜 132.46 +0.28(円安)
豪ドル/円 92.44 〜 92.48 -0.12(円高)


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