FXニュース:世界経済懸念の米国債買いで米長期金利が一時低下しドル売りが

2022年4月26日
FXニュース:世界経済懸念の米国債買いで米長期金利が一時低下しドル売りが


東西FXニュース – 2022年4月26日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 原油先物価格低下で貿易赤字リスク軽減の低リスク通貨の円買いが復活
  • 明後日の日本銀行の金融政策発表を控えて持ち高調整の今日の為替の値動き
  • リスク回避のユーロとポンド売りと安全資産のドルと円買いの円相場の影響

今日2022年4月26日の東京外国為替市場の円相場の為替レートは、9時から17時までの東京外為取引時間の円の安値128円20銭前後から高値127円35銭前後の値動き幅85銭程で、今夜17時の東京終値は127円88〜90銭で前日比では31銭の円高ドル安であった。

今日の主な原因は、先週も国際通貨基金(IMF)が最新の今年の世界経済成長率の見通しを、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー資源高の世界的インフレ問題などで先月の予想から0.8%減の3.6%に下方修正していたが、今週は脱ロシアの影響を比較的受けにくいと考えられていた中国でも新型コロナ再流行による都市封鎖のロックダウンが上海市などで起きており上海株式相場が急落したため、昨夜から今朝未明のニューヨーク市場でも投資家達のリスク回避ムードが高まり、安全資産の米国債が好んで買われた影響で、前取引日終値が2.9%台であった米長期金利が一時2.76%にまで下がり、日米金利差縮小や拡大予測減退によるドル売りが起きたため、今朝は円に対してドルが下がっていたことが影響していた。

また、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めによるバランスシートの縮小で、コロナ経済支援で今までに買い上げられた株などが来月より売られて下がる可能性もあることから、ヘッジファンドなどが利益確定売りや調整でポートフォリオ縮小を行っていたために今週は株価が下がっており、商品先物取引(コモディティー)価格も下落したことで、原油先物価格もニューヨーク市場でも1バレル100ドル以下の95〜99ドル台に下がっていたので、低リスク通貨の日本円の原油高による貿易赤字リスク減退による復活で、今日は日本円もリスク回避で安全資産として買われるようになっていた。もちろん、世界的に流動性が高い安全資産のドルもリスク回避で買われ続けていたので大きなドル安とはならずに、米長期金利の下げ幅が一時的に狭まった時間にはドルの買い戻しもされたが、今朝のニューヨーク外国為替市場の終値でも128円10~20銭で、前日比35銭の円高ドル安であった。

その流れを受けて始まった今日の東京外国為替市場でも、今朝は同じトレンドを引き継いで米長期金利一時低下によるドル売り円買いや、低リスク通貨の日本円の買い戻しなどが起きており、またドルの高止まり感からの利益確定のドル売りや、明後日の日本銀行の金融政策発表を控えての持ち高調整の円の買い入れなども入り、今朝は一時は127円35銭付近まで円が買われていた。

今週金曜の「昭和の日」の祝日から来週にもゴールデンウィークの大型連休があり、ホリデー前の持ち高調整なども進むなか、来週の5月3〜4日には、米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、新たな金融政策が発表される予定なので、最近急速に進んだ円安を背景に、イベントリスク前の調整の動きも今日は出ていた。

今日、鈴木俊一財務相は閣議後会見で、先日の日米財務相会談で協調為替介入について議論したとの報道については事実と異なると否定したが、参院財政金融委員会で外国為替資金特別会計に於ける為替リスクについての質問には「将来の為替介入等に備えて、充分額の外貨準備を保有しておくことは重要」と回答したという報道があり、日本の将来の為替介入の可能性については、既存の予想範囲内で、否定はしていなかった。また、財務相は今日の参院財政金融委員会でも、最近の円安問題について「為替の安定は重要で、特に急速な変動は望ましくない」と、市場反応薄だった「口先介入」の時と同じ見解を繰り返していた。

今月中にまとめるとされてきた日本の緊急金融政策は、今日の夕方に政府がウクライナ情勢に伴う物価上昇への対策を発表したが、石油元売り補助金の拡張などの資源高対策や、中小企業支援の無利子無担保融資の9月末までの延長、政府系金融機関の融資の金利引き下げ、事業再構築補助金、生活困窮者支援で低所得子育て世帯に子1人5万円の補助金配布や、新たに住民税非課税になった世帯に10万円の現金給付案などが中心であり、円安の要因となっている日米金利差拡大予測の懸念に対しては、ここでも利下げで今後も円安要因が残る形となった。

なお、米国でも明後日に重要な経済指数の1~3月期の米実質国内総生産(GDP)の発表を控えており、投資家のイベント前の調整などの動きが見られた。

今日は欧州株式市場も下落しており、欧州の長期債の利回りも低下したので、ロシアのウクライナ侵攻の長期深刻化のリスクも加わってユーロが売られ、低リスク通貨の円が買われて、今日の東京終値17時は136円54〜56銭で前日比1円11銭の円高ユーロ安だった。

同様に、ユーロはリスク回避で安全資産の世界的に流動性の高いドルに対して売られて続落しており、今日は一時1.0673ドル付近まで下がり、2020年3月以来の安値を記録したほか、今夜17時の東京終値でも1.0676~1.0677ドルで前日比0.61セントのユーロ安ドル高であった。

欧州中央銀行(ECB)の金融政策よりも、米連邦準備理事会(FRB)の方が積極的な金融引き締めを加速させる予想が優勢だったのも、ドル買いとユーロ売りの原因になっていた。

今日の世界経済不安から安全資産を買うリスク回避の動きは、欧州と地理的に近く影響を受けやすい英国の記録的なインフレ懸念もあり、今日はユーロのみならず英ポンドも売ってドルや円を買う動きに繋がっており、今日17時の東京外為終値の円相場では英ポンドも162円56〜62銭で前日比65銭の円高ポンド安であった。

資源国のオーストラリアの豪ドルも、原油資源先物取引価格低下で売られており、前日比で円高と円安の境界付近を移動していたが、今夜17時の東京外為終値では91円86〜90銭で前日比13銭の円高豪ドル安だった。しかし、ロシアの核使用の懸念まであるウクライナ危機から、地政学的に離れた南半球の豪ドルも朝の欧州市場ではリスク回避で買われていた為、今夜19時頃にも前日比で円安豪ドルに市場反転する時があった。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年4月26日の日本時間(JST)19時18分(英国夏時間(GMT+1)11時18分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペアJST 19:18の為替レート東京外国為替市場前日比
ドル/円128.81 〜 128.82-0.38(円高)
ユーロ/円136.50 〜 136.52-1.15(円高)
ユーロ/ドル1.0678 〜 1.0681-0.0059(ドル高)
英ポンド/円162.38 〜 162.44-0.83(円高)
スイスフラン/円133.26 〜 133.32-0.22(円高)
豪ドル/円92.07 〜 92.11+0.08(円安)


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