FXニュース:日米金融政策の方向性の違いで金利差拡大予想ドル買い続く

2022年4月25日
FXニュース:日米金融政策の方向性の違いで金利差拡大予想ドル買い続く


東西FXニュース – 2022年4月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 朝の五十日決済後に米長期金利と原油価格低下で午後に円上昇の反発も
  • 欧州フランス大統領選挙はマクロン大統領再選で一時ユーロ買いが
  • ベイリー英中銀総裁の利上げ期待で買われた英ポンドが政治不安売り

今日2022年4月25日の東京外国為替市場の円相場の為替レートは、9時から17時までの東京外為取引時間の円の安値128円87銭前後から高値127円98銭前後の値動き幅89銭程で、今日17時の東京終値は128円20〜21銭で、前日比15銭の円安ドル高であった。

ただし、今夜その後に時差で朝の欧州市場では、米国長期金利高止まり後の一時低下と、以前は1バレル100ドルを超えていた日本の貿易赤字リスクに結びつく原油価格が午後に下がって一時96ドル台に達するまで下落しており、低リスク通貨としての円の価値が高まり、今夜18時21分頃に前日比0銭の横ばいレンジにまで円が買い戻される動きも出ており、東京17時の終値の前日比時点と時差で日付の区切りの違うグリニッジ標準時(GMT)の欧州ロンドン市場の前日比では、今夜は円高ドル安の一時反発のレンジにも達していた。

今日は昼前から原油価格が100ドル以下に徐々に下がるにつれて、低リスク通貨のリスクが軽減して、徐々に安全資産としてのリスク回避の円買いが午後に入り始めていた。また、今週は日本銀行の金融政策決定会合を控えており、持ち高調整らしき動きも、今日の午後になって出てきていた。

しかし、今朝10時頃には、今日は25日で日本の輸入企業の決済日が集中しやすい5と10日のつく日の「五十日」(ごとおび)のため、今朝の仲値決済では、3月初旬の114円台の頃と比べると先週末も一時129円台で15円近い急速な円安が進んでいた為に、輸入企業による実需での円からのドル買いの円安継続が午前中には目立っていた。また、円安要因の金利抑制の日銀の連続指し値オペのオファーも、明日まで開いている。

先週金曜のニューヨーク市場でも、日本銀行の黒田東彦総裁が米国ニューヨークにあるアイビーリーグ名門校のコロンビア大学での講演で、日銀は粘り強く金利抑制の大規模金融緩和を継続していくという発言を繰り返しており、発言直後に一時129円11銭付近の円安ドル高になった。理由は、対照的に米連邦準備理事会(FRB)では利上げを織り込んだ金融引き締め加速が期待されており、日本と米国の経済政策の方向性の違いから日米金利差拡大予想が強まり、ドル買い円売りが継続していた。そして、その流れを引き継いでの今朝の東京外国為替取引市場となっていた。

また、先週金曜午後の外国為替市場の円相場では、日本のTBSテレビの日米財務相会談で協調介入に関する議論がされたという報道が英語の国際ニュースにもなり、特に海外で日米政府介入の可能性から一時的な円買いドル売りが起きた件について、翌朝土曜の新聞などで「円買い介入、可能性低く」などと報道されたほか、昨日には日本の財務省幹部が「事実ではない」と否定的な見解を示す報道が広まっていた。鈴木俊一財務相は、イエレン米財務長官との日米財務相会談について、緊密に連携をしていくことは確認したが、為替介入の考え方について議論したかどうかはコメントしないとしており、もし日本が独自に政府介入をしても米国などと協調して行わないと比較的効果が低いことから、政府協調介入の可能性や期待値が減退してきており、週明けの今日は円売りドル買いが優勢であった。

政府協調介入の可能性に関しては、以前に日米双方合意で協調為替介入が行われた2011年の東日本大震災の頃とは現在の状況が大きく異なり、コロナ禍とロシアのウクライナ侵攻で加速した現在のインフレは、日本に限らず世界的なもので、米国でも記録的なインフレが問題になっている為に、双方が合意できる可能性は非常に少ないと考えられている。なぜなら、円安による日本の輸入インフレの傍らで、ドル高が米国の輸入インフレを抑制できる可能性もあることから、今回は双方での協調が難しく、賛同をもらえない可能性の方が高いことで、もし日本が単独で政府介入を行ったとしても、国際協調介入よりも効果が低くてコストが高くなるために、円安輸入インフレ理由だけでの日米政府協調介入の可能性については、一部の投資家には金曜からも既に懐疑的な意見が出ていた。そのため、週明けの今日は朝から円売りドル買いが起きやすくなっており、米長期金利やドル高が昼過ぎに高止まりしてきた時の高値でのドルの利益確定売りが反発のきっかけになっていた。

先週末のニューヨーク市場でも、米長期金利が2.9%台に上がり、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長発言で積極的引き締め予想から米株売りで三指数が急落し、株価下落時のリスク回避の安全資産ドル買いと利益確定売りや調整に続いて、安値で低リスク通貨の日本円も買われた時には一時反発が起きていた。

一方、欧州ユーロは、日本時間で今朝午前3時に締め切りのフランス大統領選挙の決戦投票は、中道のマクロン現大統領が再選した。そのため、今朝ユーロの円相場では、欧州の政治先行き不透明のユーロリスクが弱まり、円安ユーロ高への動きがあった。

選挙結果がニュースになった早朝に139円台にまで上昇した後、その後の利益確定売りや調整などもあり、今日の東京外国為替市場の17時の終値では、137円76~81銭で前日比63銭の円高ユーロ安だった。

ユーロは米ドルに対しても今朝はマクロン勝利で一時的に上がったが、ロシア産欧州エネルギーインフレ問題や、ウクライナ危機長期深刻化などの他のユーロリスクから、世界的に流動性の高い第一安全資産のドルに関しては、ドル高ユーロ安の範囲内での反発となり、今日の東京終値17時は1.0746~47ドルで前日比0.60セントのドル高ユーロ安であった。

また、東京終値17時と同じ頃に、景気経済指数の欧州連合(EU)ユーロ圏のドイツの4月IFO企業景況感指数が発表され、前回の90.8と予想の89.0よりも良い91.8であった後には、今夜の朝の欧州市場でユーロが買われる反発が起きていた。

英国ポンドは、今日の東京外国為替市場でも、今夜その直後に時差で朝の英国ロンドン外国為替市場でも、対ドルでも対円でも大きく下落していた。主な原因は、英国の政治スキャンダルによる先行き不透明感で、昨年のコロナ禍の外出制限のロックダウン中に、ナンバー10と呼ばれる英首相官邸内で開かれた違法パーティーの「パーティーゲート事件」が問題となり、最近の記録的なインフレでの社会不安とも相まって、ジョンソン英首相が辞任に追い込まれる可能性が高まっており、現政権の先行きリスクから、リスク回避のポンド売りと安全資産のドルや円買いが起きた。

リスク回避市場では、安全資産として流動性の高いドルに続いて低リスク通貨の日本円も買われる条件に、輸入大国の円の貿易赤字リスクとなる原油高が下がっている必要があるが、今日は原油価格も午後に下がっていた為に低リスク通貨の円も買われていた。

その為、先週までにベイリー英中銀総裁の利上げ期待で買われた英ポンドも、持ち高調整などで今日は大きく売られており、今日17時の東京外為終値は、163円45〜51銭で、前日比1円50銭の大幅な円高ポンド安であった。

オーストラリアとニュージーランド市場は、今日は「アンザック・デー」の祝日休場である。元々は第一次世界大戦時のオーストラリア・ニュージーランド軍の活躍を讃える祝日が起源で、現在は平和の為に戦没者を偲ぶ国の休日になっており、市場や銀行のみならず現地企業も休業で、今日は日本の輸入企業には五十日決済日でも先方がお休みのため、輸入企業の買いがなく、むしろ朝までに高値になっていたオーストラリアドルに日本側から利益確定売りが出ていた為に、原油価格低下による低リスク通貨の円の貿易リスク軽減とも相まって、今日17時の東京外国為替終値では92円3〜7銭で、前日比1円3銭の円高豪ドル安であった。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年4月25日の日本時間(JST)19時15分(英国夏時間(GMT+1)11時15分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペアJST 19:15の為替レート東京外国為替市場前日比
ドル/円128.20 〜 128.21+0.15(円安)
ユーロ/円137.60 〜 137.62-0.79(円高)
ユーロ/ドル1.0732 〜 1.0734-0.0074(ドル高)
英ポンド/円163.11 〜 163.17-1.84(円高)
スイスフラン/円133.68 〜 133.74-0.63(円高)
豪ドル/円91.70 〜 91.74-1.36(円高)


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