FXニュース:日米金利差拡大予想と金融政策の違いで121円台の円安ドル高が続く
2022年3月24日東西FXニュース – 2022年3月24日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米FRB関係者の利上げ加速予想期待値を高める発言続きドル買い優勢
- ユーロ圏のエネルギー価格高騰懸念抵抗と今日の首脳会議期待買い
- 日英金利金融政策差とインフレ景気対策がポンド円相場に影響
今日、2022年3月24日の東京外国為替市場では、十二日間連続の記録的な円安ドル高が継続した。今夜17時の東京外為終値の為替レートは、121円65~66銭で前日比59銭の円安ドル高だった。一時は121円74銭の2015年以来の円安水準にも達していた。
主な原因は、昨日もお伝えした通り、米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の利上げやインフレ対策の積極的な金融政策に関する発言が相次いでおり、投資家の期待値が高まっているために、欧米でも日米金利差拡大予想からの円売りドル買いが強まっていることが大きい。
また、昨夜から今朝のニューヨーク市場でロシアが「非友好国」認定をしている欧米日に、暴落したルーブルの価値を高めるために欧州の依存率の高い天然ガス代金などのエネルギーをルーブル建てて払う要求を突きつけてきた。
そのため、供給懸念で原油を含む商品取引先物(コモディティ)価格が高騰しており、リスクオフの米国債売買でニューヨーク時間に一時的に低下した米長期金利が今日の東京市場の取引中に上昇した影響で国内長期金利も上がり、日銀が指し値オペの発表をした2月の水準となったために、日銀が金利上昇を抑えるのではという予測があり、日米金利差拡大を見込んだ円売りドル買いが国内からも進んだ。
欧州中央銀行(ECB)も積極的な金融政策が期待されているために、ユーロに対しても円の為替相場は五日間連続で続落しており、17時の東京終値は133円55~57銭で、前日比18銭の円安ユーロ高であった。
しかし、先述の欧州ユーロ圏のロシア産の天然ガス依存率からのエネルギー懸念で、ニューヨーク時間でリスク回避のユーロ売りの安全資産のドル買いが起きていた影響で、ドルに続く安全資産の低リスク円も時折リスクオフの買いが入っており、そのために東京時間では時々円高ユーロ安にも切り替わることのある円安ユーロ高が観測された。
今日の北大西洋条約機構(NATO)の臨時首脳会議では、欧州ベルギーのブリュッセルでロシア軍の化学兵器対策を含めたウクライナ支援の他にも、欧州の脱ロシア産エネルギー救済策も米国や欧州や英国を含めた加盟三十カ国で協議される予定のため、欧州市場にはインフレ景気対策の期待値があり、今夜の東京外為17時の後に時差で朝の欧州市場では、ユーロが実需や投資で買い戻されて再び円に対してユーロが上昇し、日本時間18時から19時には一時は133円70銭を超える円安ユーロ高になっていた。
ドルに対してのユーロは、今朝のニューヨークと今日の東京のリスクオフのユーロ売りもあって、東京終値17時は1.0977~0978ドルで前日比0.4セントのドル高ユーロ安であった。今夜のその後の欧州市場では、実需と期待のリスクオン買いの1.10ドル近い小幅なユーロ安に戻る抵抗も日本時間18時頃にあったものの、19時半には1.09ドル台後半のドル高ユーロ安である。
今日の円相場では、英ポンドも再び160円台の円安ポンド高が目立っていた。東京外為17時の終値は160円45銭前後であったが、東京時間外も含むロンドン市場のグリニッジ標準時(GMT)の前日からの一日レンジは159円57.8銭から161円8.9銭で、一時は161円台の円安ポンド高にも達していた。
英国が高金利と積極的な金融政策で海外投資を集めてポンドが上昇した一方で、エネルギーを含めた原油原料高騰の影響もあり、記録的なインフレが加速することは、コロナ経済の景気回復の減退を不安視させるために、円安ポンド高の抵抗原因となっている。
しかし、米国だけでなく今後も英国中央銀行(BoE)や欧州中央銀行(ECB)も利上げをする可能性があり、欧米では政府の積極的な金融政策に今後も期待されており、英国政府は来月エネルギーショックの救済支援を、住民税還元などの形で低所得家庭を中心に配布する。
英国と距離的に近い欧州でのロシアのエネルギー資源問題やウクライナ懸念はあるものの、英中銀は利上げ済みで、コロナのワクチン普及率からも経済指数でコロナ禍からの回復を期待させるものが出てきており、期待値も含めて日英金利差や金融政策の違いが顕著である。
ウクライナ情勢については、日本でも昨日にゼレンスキー大統領が国会でオンライン演説をしていた通り、民間人の被害が相次いでおり、米国ではロシア軍の戦争犯罪を認定する動きが出ている。ロシアは日本や西側諸国との関係が悪化しており、今日の北大西洋条約機構(NATO)の臨時首脳会議での動向も、今後の世界景気経済や株式やコモディティや為替相場を含めた金融市場への影響も考えられるために、今後もファンダメンタル・ニュースには注意が必要である。
今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年3月24日の日本時間(JST)20時25分(英国時間11時25分)付近の、クロス円を中心とした東京前日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 20:25の為替レート | 東京外国為替市場前日比 |
ドル/円 | 121.65 〜 121.67 | +0.59(円安) |
ユーロ/円 | 133.67 – 133.68 | +0.30(円安) |
ユーロ/ドル | 1.0986 – 1.0988 | -0.0031(ドル高) |
英ポンド/円 | 160.48 – 160.54 | +0.50(円安) |
スイスフラン/円 | 130.64 – 130.70 | +0.49(円安) |
豪ドル/円 | 91.12 – 91.16 | +0.29(円安) |
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。
当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。
当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。