米欧英の新金融政策の円安への影響とは|東西FXニュース
2022年2月03日文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米民間雇用統計30万1千人減と米連邦準備理事会期待値
- 欧州中央銀行理事会の新たな金融政策へ向けてのユーロ買い
- 英国金融政策委員会の利上げ予想と記録的な国内インフレ問題
日本時間では昨夜の22時過ぎに報道された米国の企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスの今年1月の全米雇用報告では、米国の民間部門雇用者数が30万1000人減と予想よりも悪い結果であった為、時差で朝方にはすでに伝えられていたニューヨーク市場では反応を受けて一時はドルが更に下落した。
しかし、来月3月15〜16日の米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げへの期待があり、すぐに安値でのドルの買い戻しも入り始め、ADP統計についても新型コロナの変異株オミクロンの全米での感染再拡大による企業活動の影響への理解とドルショートを埋める形で、対円では抵抗を交えながらの緩やかな下降となり、反発も見せ始めた。
そのため、今日の東京外国為替市場では、円に対するドルの下落は緩やかな反発で一段落して、東京外為市場17時時点で円に対するドルは114円60~61銭前後で、前日同時間との比較で僅か2銭の円高ドル安だったが、その後もドルは更に持ち直して前日終値と同じ横ばい近くにまで戻り、19時45分には 1ドル114円76〜78銭で取引されており、ここ数日の大きな下降分ほどの回復はまだしていないとはいえ、今日に限っては円安ドル高に転じて来た。
一方、本日3日も日本時間の夜に報告を受ける予定の欧州中央銀行のヨーロピアン・セントラル・バンク(ECB)と、英国中央銀行のバンク・オブ・イングランド(BoE)の新たな金融政策の発表がこれから控えている。このことが、ユーロとポンドに対しての今日の円安要因となった。
欧州は昨日もお伝えした通り、景気回復が期待されユーロ買いの動きがあり、ドルに対しても円に対してもユーロ高になる動きがあった。今日も東京外為市場で17時時点で円に対するユーロは、129円43~45銭と、前日同時と比較して14銭の円安ユーロ高であった。今日もユーロはドルに対しても上昇を続け、東京外為市場17時時点でユーロは1.1294~95ドルのドル安ユーロ高だった。
英国は記録的な5.4%の国内インフレやブレキジット後の雇用状況とオミクロン高止まり中での規制解除などの国内不安もあり、以前は円高ポンド安であったが、0.50%への金利値上げ予想が期待されており、前日比の僅かな円安ポンド高で始まった今日のロンドン市場は、日本時間18時半に発表された英国の1月のサービス業購買担当景気指数(PMI)改定値が予想を上回って54.1に上方修正されたニュースも受けて、その直後の英国時間10時(日本時間19時)過ぎには、一時は前日終値よりも0.2%を超えるほどの円安ポンド高の上昇も見せた。
欧州と英国は日本との時差8〜9時間遅れで、現地でも朝にはまだECBやBoEの金融政策の公式報道がされていないので、欧州や英国では今日これからの様子を伺う形で朝の市場が始まった。
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