資産効果


「資産効果」とは、保有している金融資産や不動産などの資産価格が上昇し、消費や投資が活発になることを言う。

資産の保有が消費支出に及ぼす効果のことで,所得が同一であれば,保有する資産が多いほど消費者は消費支出を高めることになるというもの。これを流動資産である貨幣についてみてみると,かりに名目的な貨幣存在量が一定であるとしても,価格水準が低落すれば貨幣の実質価値は増大し,これが消費支出を高める方向に作用することになる。

この貨幣の実質価値の増大が消費支出の増加に及ぼす効果をD.パティンキンは実質残高効果と名づけた。この効果は先に A.C.ピグーによっても提唱された。この実質残高効果は消費関数論争において,流動資産仮説の中に取入れられている。