FXニュース:イラン情勢に一喜一憂
2026年3月25日
東西FXニュース – 2026年03月25日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- イスラエル高官悲観的
- ホルムズ海峡に航行料
- 米軍中東追加派遣報道
- 米トランプ「停戦交渉中」
- 米イラン交渉期待報道
- 日経平均株価大幅続伸
今日2026年3月25日水曜日の日本東京外国為替市場の今朝9時から今夜17時までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の158円57銭付近から、円の安値でドルの高値の159円17銭付近の値幅約60銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は159円15銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の158円48銭付近の前東京終値比で約67銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の週明けの欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨夜18時に発表された欧州ユーロ圏総合の最新経済指標の3月欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値が前回の50.8と市場予想の49.6を上回る51.4に上振れした一方で、3月欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の51.9と市場予想の51.1を下回る50.1に下振れし、昨夜18時30分の最新英国経済指標の3月英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の51.7と市場予想の50.0に対し51.4と市場予想以上であった一方で3月英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の53.9と市場予想の52.9以下の51.2と強弱混合であったため、中東イラン情勢のニュース続報と原油先物価格を受けたエネルギー・インフレ圧への警戒感が燻っていた。
昨夜18時台のニュースでは、イスラエル政府の高官が米国とイランとの停戦交渉について、「ドナルド・トランプ米国大統領は合意を望んでいるが、イランとの交渉が成功する見込みは低い」と発言したニュースが世界市場で話題になり、昨日の夕方17時台には一時1バレル89ドル台に反落していたWTI (West Texas Intermediate / ウエスト・テキサス・インターミディエート) 原油先物価格が昨夜18時台に一時1バレル91ドル台に反発したほか、一時の下押し後に再び上昇を始めたことから、世界的に流動性が高い基軸通貨で原油などのコモディティ (Commodity / 商品先物) 市場の主要取引通貨でもあるドルが「有事のドル買い」で買い戻されており、昨夜19時49分と20時53分頃にドルは円相場で一時158円80銭付近に反発した。
昨夜20時59分頃にWTI原油先物価格が一時1バレル90ドル台後半に下押ししたが、その1分後には1バレル91ドル台に戻すなど揉み合っていた欧州英国市場後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は、一時158円77銭付近と前東京終値よりも円安ドル高になっていた。
米国市場では、最新経済指標の発表が始まり、昨夜21時30分の10〜12月第4四半期の米国非農業部門労働生産性の改定値は、前期比が前回速報値の2.8%に対し市場予想通りの1.8%に下方修正されたが、生産単位あたりの費用を示す米国単位労働コストの改定値は前回速報値の2.8%と市場予想の3.5%を上回る4.4%の上昇率に上方修正され、前年同期比でも2.4%の上昇と、米国債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が発表数分前の一時4.369%付近から発表後の昨夜21時36分頃の一時4.382%付近に向けて上昇した。
コモディティ市場でも、中東産油国などのエネルギーの主要輸送ルートであるホルムズ海峡について、「イランが一部船舶にホルムズ海峡の安全航行の手数料を賦課」との報道などの影響があり、昨夜21時48分頃からWTI原油先物価格が一時1バレル92ドル台に乗せた再上昇を見せており、中東イラン情勢の影響による世界的なエネルギー・インフレ圧への警戒感などから、米国債券市場でも米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が原油先物価格に連れて上昇し、昨夜22時8分頃に米国長期金利が一時4.400%付近と4.4%台に乗せた更なる上昇に向けたため、債券利回りの金利差トレードの円売りドル買いなどが入り、昨夜22時30分にドルは円相場で一時158円96銭付近に上昇していた。
昨夜22時45分の米国市場では、先述の欧州と英国の景気指標と比較可能な米国景気指標の発表があり、3月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値が前回の51.6と市場予想の51.3を上回る52.4に上振れした一方で、3月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の51.7と市場予想の51.5に対し51.1と、欧州と英国同様に米国も製造業PMIが上振れてサービス部門PMIが市場予想以下となったが、数値的なデータを比較すると米国の製造業PMIの上振れ幅が52.3と欧州と英国の51.4よりも堅調で、サービス部門PMIでは英国の51.2に続き、米国が51.1で欧州の50.1の順番となり、産油国周辺の中東情勢を受けた世界的なエネルギー・インフレ圧の警戒感に加えて、景気要因による米国インフレ圧も意識されたことから、米国債券市場では米国長期金利が昨夜22時50分頃に一時4.418%付近に上昇し、この時間のドルは円相場で一時158円台後半の高止まりを見せていた。
ただし、中東情勢の影響を受けやすいWTI原油先物価格の上昇と米国長期金利上昇を受けた金利警戒感などにより、米国ニューヨーク株式市場では米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってマイナス圏に下落して始まったことは、原油高時には日本の貿易赤字リスク増加によりやや買いにくくなるものの、昨夜22時50〜55分頃に三指数が金利上昇時を受けて揃って下げ幅を広げた時間があったことも、低リスク通貨の円買いが為替介入への警戒感の燻りと共に抵抗として混ざる為替相場の値動きに影響を与えていた。
続いて、昨夜23時に発表された3月米国リッチモンド連銀製造業指数が、前回の−10と市場予想の−8に対し0に改善されたことを受けては、米国主要株価三指数が揃って下げ幅を一時縮小し、米国ダウとS&P500は一時プラス圏に反発した市場時間もあったため、先ほどの株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) が一時緩和された時間もあった。
しかし、先日に米国政府のドナルド・トランプ大統領が、イランの発電所などのエネルギー・インフラへの米国軍の攻撃を5日間延期すると発言し、イランとの停戦に向けた協議についても言及していたことに対し、イラン政府は否定し、イスラエル政府の高官も前述の様に悲観的であったことに加えて、米国経済紙のウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) が、その5日間延期の期限切れの日に、「米国政府は中東地域へ第82空挺師団の兵士約3000名を追加派遣する命令を下す方針を固めた」として、「数千人の米軍海兵隊が中東に到着する見通し」と報じたニュースが話題になり、中東情勢への警戒感を受けて、WTI原油先物価格が午前2時13分頃に一時1バレル93.34ドル付近に上昇したため、連れる様に「有事のドル買い」が起きてドルは円相場で159円台の上昇を見せ、午前2時13分頃に一時159円19銭付近と同米国市場における円の安値でドルの高値を記録した。
とはいえ、米国債券市場では、エネルギー・インフレ圧の警戒感を受けて、米国長期金利も上昇し、午前2時19分頃には一時4.424%付近に上昇したため、金利警戒感を受けて米国主要株価三指数が再び揃ってマイナス圏に下落した終値に向けたことは、市場高値後のドルの円相場での上値を抑えた。
また、前述の「イランが一部船舶にホルムズ海峡の安全航行の手数料を賦課」の件について、「タイのタンカーが通過したらしい」という前向きな話題が出始めたほか、米国紙ニューヨーク・タイムズ (NYT / The New York Times) が、「米国が仲介国パキスタンを通じて、イランに対し15項目の和平案を提出した」と報じたニュースの影響なども為替相場に影響を与えた。
米国政府のドナルド・トランプ大統領は、「我々はイランで適切な相手と協議している」と発言し、イラン政府の公式な交渉の否定について、「『新たなグループ』がイランを率いている」と説明し、「当初とは全く異なる人物が指導者になっているのだから、これは体制転換だ」、「イランで我々が話している相手は、合意を望んでいる」、「我々は勝った」とホワイトハウスで記者団に対して主張し、相手について詳細に言及しなかったことからクーデターや政権転換などの心理戦の可能性も意識され、先日にイランのマスウード・ペゼシュキアン大統領が、「イラン革命防衛隊 (IRGC / Iranian Revolutionary Guard Corps) が全軍事・戦略判断を握っている。私は何の権限もない」と、辞任を仄めかして実質的な停戦交渉相手を示唆していたことなどもあり、パキスタンなどの友好国が水面下で米国とのイランとの交渉のパイプ役を務め、週内にパキスタンの首都イスラマバードで米国とイランが会談する可能性への観測報道などもあったため、中東情勢の不確実性の中でも、停戦交渉に向けた市場期待感なども市場で燻った。
そこに、今朝5時台にイスラエルのテレビ局のチャンネル12が、「米国はイランとの1カ月間の停戦に向けて協議」と報じたニュースの影響があり、WTI原油先物価格が今朝5時27分頃の一時1バレル86.76ドル付近に向けて大きく急落したため、連動する様にドルも円相場で一時急落し、今朝5時26分頃に対ドル円相場は一時158円37銭付近と、同米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。
なお、ドナルド・トランプ米国大統領は、イランの適切な相手との和平交渉は進行中だと主張し、交渉にあたってはかねてからスティーブン・ウィトコフ中東担当特使とトランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が停戦に向けて取り組んでいることが知られていたため、先ほどの1ヶ月の停戦交渉についても彼らが関与との観測があったが、続報ではイランはトランプ政権の意向に沿う彼らとの交渉再開ではなく、ウクライナ交渉の際の外交下手で知られる「ジェームス・バンス副大統領を指名した」などの交渉混乱をもたらしかねない意向が伝えられたとの情報筋情報という観測報道なども米国CNNニュースなどであったことでは、市場安値後のドルの買い戻しも入り、午前5時47分頃にはドルは円相場で一時158円78銭付近に反発し、この時間にはWTI原油先物価格も一時1バレル89.12ドル付近に買い戻されていた。
また、イスラエルとイランのメディアによると、「イスラエルがイランの首都テヘランを攻撃」、イラン国営メディアは、「イラン革命防衛隊は、テルアビブやキリヤットシュモナを含むイスラエル各地、およびクウェート、ヨルダン、バーレーンの米軍基地に対し、新たな一連の攻撃を仕掛けたと表明」と報じるなど、中東イラン情勢の停戦交渉期待感の一方で、依然として紛争の継続と先行きの不透明感などが燻ったことでも、有事のドルの買い戻しが入り始めていた。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国夏時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の159円19銭付近から、円の高値でドルの安値の158円37銭付近の値幅約82銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は158円70銭付近と、前営業日同時刻の158円44銭付近の前ニューヨーク終値比で約26銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のオセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時158円71銭付近で、今日は25日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の「五十日」 (ごとおび / ゴトーび) であったことでは、今朝9時55分の仲値決済に向けて日本企業の輸入実需の円売りドル買いがまず先行し、今朝9時22分頃にドルは円相場で一時158円94銭付近に上昇したが、続いて国内輸出企業による円買いドル売りが優勢になった時間があったことでは、今朝9時54分頃にドルは円相場で一時158円57銭付近に上昇幅を縮小したため、これが今日の日本市場における円の高値でドルの安値となった。
一方、今朝早朝に米国とイランの1ヶ月の停戦交渉への期待感が高まった影響では、今朝の東京株式市場では今日の日経平均株価がプラス圏で始まり、今朝9時〜10時台にも一時反発後のWTI原油先物価格が一時1バレル86ドル台に一時下押しした時間があったため、原油コスト懸念がやや後退したことも日経平均株価の続伸に影響を与えていたことでは、前営業日比で大幅高の株価推移を受けたリスク選好のリスクオン (Risk-on) の国内第一安全資産で低リスク通貨の円売りに影響を与えたことでは、その後のWTI原油先物価格の一時89ドル台への再反発を受けた主要通貨に対するドルの買い戻しの外貨影響の波及もあり、午後15時27分頃にドルは円相場で一時159円5銭付近と再び159円台に上昇し、午後15時30分には今日の日経平均株価が5万3749円62銭の終値をつけ、前日比1497円34銭高の+2.87%の大幅高で大引けしていた。
夕方からの欧州市場の参入では、米国とイランとの停戦交渉を模索する観測報道が続く中でも不透明感と警戒感が燻り、夕方16時台のWTI原油先物価格が一時1バレル89ドル台後半に上昇後の戻りがまだ88ドル台であった高止まり感のあった今夜17時頃の東京終値に向かう1分間の値動きの中で値動きの中で、地政学リスク警戒感などの有事のドル買いの影響などにより、ドルは円相場で一時159円17銭付近と、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。
このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は159円15銭付近で、昨日17時の158円48銭付近の前東京終値比では約67銭の円安ドル高になった。
今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、今夜21時30分に10〜12月第4四半期米国経常収支と2月米国輸入物価指数と2月米国輸出物価指数、今夜23時30分に米国週間原油在庫、26時に米国5年債入札、29時10分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官のスティーブン・ミラン理事の発言などを控えている。
また、世界の株式市場と債券市場と中東イラン情勢影響の原油や天然ガスなどを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響と、米国とイスラエルの中東イラン戦争の行方や湾岸周辺国などのニュース続報と、米中関係やロシアとウクライナおよび日中などのアジアと北南米やイスラエルとパレスチナなどの世界情勢に加え、世界の政治・経済の最新ニュースとドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相と各国政府・中央銀行関係者等の要人発言などのファンダメンタルズ分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の為替相場の値動き予想材料になっている。
一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は184円52銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の183円96銭付近の前東京終値比で約56銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、中東イラン情勢の交渉への期待感では、今日の日経平均株価の大幅続伸に続き、夕方からの欧州株式市場でも欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-index / German Stock Index) も大幅なプラス圏から始まったため、株価上昇時のリスク選好のリスクオンで買われやすい欧州ユーロや英国ポンドが円相場で上昇した。
その影響から、欧州と経済圏が近い英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は213円10銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の212円84銭付近の前東京終値比で約26銭の円安ポンド高であった。
ユーロドルは、今日17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.1594ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1608ドル付近の前東京終値比で約0.14セントのユーロ安ドル高で、中東イラン情勢の地政学リスク警戒感と有事のドル買いの影響が見られた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2026月3月24日の日本時間 (JST / Japan Standard Time) の21時54分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場の12時54分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、英国では2026年3月29日日曜日〜2026年10月25日日曜日が英国夏時間のため、まだ英国冬時間であるが、米国では2026年3月8日日曜日〜2026年11月1日日曜日が米国夏時間で既に米国夏時間になり、日本時間との1時間の時差短縮の調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 21:54の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00東京終値比 |
| ドル/円 | 159.01 〜 159.02 | +0.54 (円安) |
| ユーロ/円 | 184.30 〜 184.31 | +0.35 (円安) |
| ユーロ/ドル | 1.1589 〜 1.1591 | −0.0017 (ドル高) |
| 英ポンド/円 | 212.99 〜 213.05 | +0.21 (円安) |
| スイスフラン/円 | 201.29 〜 201.35 | −0.17 (円高) |
| 豪ドル/円 | 110.60 〜 110.64 | −0.12 (円高) |
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