FXニュース:中東地政学リスク回避
2026年3月03日
東西FXニュース – 2026年03月03日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- イラン有事のドル買い
- 原油・ガス・貴金属高
- 米製造業PMI上方修正
- 米ISM製造景況上振れ
- 米軍事作戦長期化警戒
- 米株価二指数は小反発
- 日経平均株価大幅続落
今日2026年3月3日火曜日の日本東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の157円60銭付近から、円の高値でドルの安値の157円15銭付近の値幅約45銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円44銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円98銭付近の前東京終値比で約46銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州に近い中東イラン情勢を受けた地政学リスク警戒感の有事のドル買いが進み、イスラエルと米国軍の先行攻撃に対するイラン軍の報復でアラブなどの産油国の主要輸送ルートのホルムス海峡が封鎖されたほか、ドローン攻撃の影響によりカタールの液化天然ガス (LNG / Liquefied Natural Gas) 施設の生産が一時停止した影響でLNG価格が急騰するなど、コモディティ (Commodity / 商品先物) 市場で原油と天然ガスなどのエネルギー価格や安全資産の金などの貴金属・資源価格などが上昇したことから世界経済への影響とインフレ警戒感などもあり、世界的に流動性が高い基軸通貨のドルが買われ、影響地域からの原油輸入依存率が高い日本の貿易コストリスク増加の円売りも入り、昨夜17時38分頃にドルは円相場で一時157円25銭付近に上昇していた。
欧州株式市場では、中東の周辺国だけでなく欧州ユーロ圏付近の英米軍施設などもイランのドローン攻撃を受けるなど、エネルギー価格高騰懸念と共に地政学リスクが高まり、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-index / German Stock Index) が大幅な下落を見せる中では有事のドル買いだけでなく、為替介入への警戒感などもあることから低リスク通貨の円も買われた時間があったほか、世界的な安全資産である米国債も買われていたことでは、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下しており、昨夜18時台の一時3.98%台への反発後の抵抗が混ざり、昨夜19時台に一時3.96%台に下押しするなどの債券利回りの金利差トレードの影響もあり、昨夜19時45分頃などにドルも円相場で一時156円80銭付近に下押しする抵抗が入っていた。
しかし、米国市場に向けて、時間外の米国債券取引で米国債券価格上昇後の売りが入り始めたことでは、米国債券価格低下時の利回り上昇を受けて米国長期金利が反発上昇し、昨夜21時55分には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時3.999%付近から4%台方向に向けて急伸したため、債券利回りの日米金利差を受けた円売りドル買いが優勢になり、昨夜21時57分頃にドルは円相場で一時157円41銭付近に上昇した。
そのトレンドの影響から、欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時157円38銭付近で、昨夜22時台には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は4%台に乗せて上昇し、昨夜22時44分頃には一時4.021%付近になり、この時間のドルも円相場で一時157円54銭付近と、157円台後半に上昇したほか、昨夜22時57分頃には一時157円61銭付近に上抜けていた。
昨夜の米国市場では、最新米国経済指標の発表があり、昨夜23時45分に発表された2月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値は、以前の速報値と市場予想の51.2を上回る51.6に上方修正されたほか、深夜24時の最新米国重要景気指標の2月米国ISM (Institute for Supply Management / 全米サプライマネジメント協会) 製造業景況指数も前回の52.6と市場予想の51.7に対し52.4といずれも市場予想以上であったことから、エネルギー・資源価格のインフレ圧に加えて米国景気要因のインフレ影響も意識されて米国長期金利が更に上昇し、債券利回りの金利差トレードでもドル買いが続き、深夜24時36〜43分と46〜47分と51〜53分と59分頃と、午前1時8〜11分と13〜14分と16〜20分と22〜23分頃の複数回に渡ってドルは円相場で一時157円75銭付近に上昇した高止まりを見せ、中でも午前1時18分の一時157円75.4銭付近が、この日の米国市場の円の安値でドルの高値となった。
ドルが円相場で何度も上抜けしない天井感を見せた原因は、今年2月9日に記録した一時157円76銭付近がテクニカル分析的なレジスタンスライン (Resistance Line / 上値抵抗線) となり、また今年1月23日の日米レートチェック観測時の158〜159円台を前にした警戒感の利益確定や持ち高調整に影響を与えていたが、米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (CME FedWatch Tool) では次回3月17〜18日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国政策金利据え置き予想が90%台後半の高推移を続けており、その次の4月28〜29日も80%台後半に向けるなど早期の米国利下げ予想の後退を受けた金利先高観が米国長期金利上昇に繋がり、上値抵抗線の手前付近でドルは円相場で何度も高止まりしたが、何度も上抜けしない天井を打つ形ではその後には市場高値後の利益確定や持ち高調整と共に上昇幅の縮小を始めた。
米国ニューヨーク債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の上昇が続き、午前2時24〜32分頃にかけて米国長期金利は一時4.067%付近にも上昇したが、米国政府のドナルド・トランプ大統領の発言の影響があり、ホワイトハウスにおける演説でイランでの米国軍事作戦について、「当初は4〜5週間と見込んでいたが、我々にはそれよりもはるかに長く続ける能力がある」と主張し、「どれだけ時間がかかっても問題ない」と、無制限に継続する姿勢を見せたため、中東イラン情勢の長期化への警戒感が高まり、再び世界的な安全資産としての米国債買いが入って米国債券価格上昇時の利回り低下が起きて米国長期金利が上昇幅を縮小し始めたため、債券利回りの金利差トレードの影響でドルも円相場で午前4時42〜43分頃と午前5時1分頃に一時157円12銭付近に上昇幅を縮め、同米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、中東イラン情勢への警戒感からは有事のドル買いも入ったほか、米国よりも時差先行の欧州英国主要株価指数が大幅安で終了後の米国ニューヨーク株式市場では、先述の市場予想以上の米国重要景気指標を受けて、開場時は揃ってマイナス圏だった米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が反発して一時は揃ってプラス圏だった時間があったほか、米国ダウ工業株 (DJIA) はその後に反落して小幅安の終値をつけたものの、米国S&P500種株価指数 (S&P500) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ) の二指数は前日比で小幅高の終値をつけ、株価影響の低リスク通貨の円売りとドルの買い戻しが入り、ドルは円相場で二番底を下抜けしないダブルボトム (Double bottom) の底堅さを見せたテクニカル分析的な買いサインからも反発し、原油先物価格上昇時に貿易コスト増加リスクでも売られやすかった円は再び下落し、午前5時15分頃にドルは円相場で一時157円50銭付近に再上昇した。
米国ニューヨーク債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時の上昇幅を縮小したものの、米国ニューヨーク外国為替市場の終値直前の今朝6時54分頃にも一時4.040%付近と下げ渋り、4%台を維持していたことから、債券利回りの日米金利差も対ドル円相場に影響を与えていた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の157円75銭付近から、円の高値でドルの安値の157円12銭付近の値幅約63銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は157円39銭付近と、前営業日同時刻の156円5銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円34銭の大幅な円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のオセアニア市場では、ユーロドルなどの主要通貨全般に対するドルの値動きを示すドルインデックス (ドル指数) が上昇していた外貨影響などもあり、今朝7時頃の値動きの中ではドルは円相場で一時157円49銭付近に再上昇したが、昨日に第三の安全資産のスイスフラン高に対してスイス中央銀行のスイス国立銀行 (SNB / Swiss National Bank) が為替介入の可能性を示唆していた影響などもあり、日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入の可能性が意識され、世界的に流動性が高いドルにも上昇後の利益確定や持ち高調整が入った影響では、今朝8時22分頃にドルは円相場で一時157円18銭付近に上昇幅を縮小した。
今朝の日本市場に先行して、今朝8時30分に日本の最新経済指標の発表があり、1月日本失業率は前回と市場予想の2.6%に対し2.7%と小幅に上昇し、1月日本有効求人倍率は前回の1.19が前回1.20に上方修正されたものの市場予想の1.20を下回る1.18であったことではやや円売りが入り始めたが、依然として完全雇用状態に近い堅調さの数値であったことやハローワークにおける求職者1人に対し1件以上の求人がある人手不足感からは小動きとなり、続いて発表された今朝8時50分の10〜12月第4四半期日本法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額の前年同期比が前回の2.9%と市場予想の3.0%を上回る6.5%に上振れしたことなどから、発表時の対ドルの円相場は一時157円22銭付近と下げ渋っていた。
今朝9時頃から始まった今日の日本東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時157円27銭付近であったが、日本市場の今朝の仲値決済に向けてエネルギー資源価格の上昇を受けた日本企業の輸入実需のドル需要増加観測などによる円売りドル買いなどがあり、今朝10時14分頃にドルは円相場で一時157円60銭付近に上昇し、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、157円台後半への円安進行により為替介入への警戒感が意識されていたところに、日本政府の片山さつき財務相の発言が伝わり、中東情勢を受けた金融市場について「大きな変動が生じていると認識している」として、「市場の動向を極めて高い緊張感をもって注視している」と述べ、「海外当局などとも緊密かつ機動的に連携しながら万全の対応を取っていく」としたほか、「各国のカウンターパートと緊密に連絡を取って情勢を見極めながら必要であれば、必要な対応をとる」と強調したことから、輸入実需などの買いで上昇したドルには利益確定売りや持ち高調整が入り始めたほか、国内輸出企業の円買いドル売りが入ったことなどから、ドルは円相場で上昇幅を縮小した。
また、今朝の東京株式市場で今日の日経平均株価がマイナス圏から始まった後に、中東イラン情勢が長期化する場合には原油資源価格上昇による企業決算への警戒感などもあり、株価が下落幅をさらに拡大した大幅続落に向けたことも、日経平均株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いに影響を与えたため、午後15時30分に今日の日経平均株価が5万6279円5銭の終値をつけ、前日比778円19銭安の-3.06%の大幅続落で大引けしたことから低リスク通貨の円の買い戻しが進み、夕方16時9分頃には対ドル円相場は一時157円15銭付近と今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。
なお、今日の昼13時頃から日銀の植田和男総裁がフィンテック関連のイベントに参加しておる発言が注目されていたが、「ブロックチェーンを用いたシステム上で、日銀の当座預金による中央銀行マネーの決済を実現することを検証するプロジェクトを進めている」などのフィンテック関連の内容に留まり、特に今後の金融政策についての発言はなかったと報じられていた。
夕方からは欧州市場の参入があり、米国ニュースネイション (News Nation) の記者が、ソーシャル・ネットワーク・サービス (SNS / Social Network Services) の投稿で、「ドナルド・トランプ米国大統領はイランへの地上部隊の派遣が必要になるとは思わない」と発言したことがバズって話題にはなったものの、ドナルド・トランプ米国大統領本人はイランへの地上部隊は派遣しないとは公式には明言しておらず、可能性が排除されていないことでは、地政学リスク警戒感の影響の強い欧州市場で原油などのエネルギー価格上昇を受けた警戒感から再び有事にドル買いがあったことなどで、ドルは円相場で反発した。
また、今日の時間外の米国債券取引ではエネルギーや資源価格や景気要因などの米国インフレ圧が意識されており、米国金利据え置き予想を受けて米国長期金利が再上昇したことも、債券利回りの金利差トレードのドル買いに影響を与え、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は今夜17時頃の一時4.077%付近から、今夜その後の18時台の4.1%台に向けた上昇トレンドになったことでも有事に買われやすいドル買いが入りやすくなった。
このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円44銭付近で、昨日17時の156円98銭付近の前東京終値比で約46銭の円安ドル高となった。
今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、米国長期金利の上昇が続き、今夜20時22分頃には一時4.114%付近の高利回りになった債券利回りの日米金利差拡大があり、今夜20時24〜26分頃にかけてドルは円相場で一時157円97銭付近にも上昇している。
今夜この後の米国市場では、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時55分に米国ニューヨーク連邦準備銀行 (連銀) のジョン・ウィリアムズ総裁の発言予定と、25時45分に米国ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁の発言予定などを控えている。
中東イラン情勢の先行きが世界市場の注目を集める中で、世界の株式市場と債券市場や貴金属や原油などを含めたコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響と、中東や湾岸や、米中関係やロシアとウクライナおよび日中やアジアと北南米などの世界情勢に加え、世界の政治・経済の最新ニュースとドナルド・トランプ米国大統領と高市早苗首相や各国政府および中央銀行関係者等の要人発言などのファンダメンタルズ分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の為替相場の値動き予想材料になっている。
一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は183円31銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の183円95銭付近の前東京終値比で約64銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、欧州ユーロ圏に近い中東イラン情勢の長期化懸念の中で、地政学リスク警戒感による欧州ユーロ売りに対する世界的に流動性の高い安全資産の有事のドル買いの外貨影響がユーロ円相場に波及したほか、今日の日経平均株価が大幅に続落し、株価リスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いがあったことも欧州ユーロが下落した。
そのため、ユーロドルも、今日17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.1643ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1718ドル付近の前東京終値比で約0.75セントのユーロ安ドル高であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は209円94銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の209円78銭付近の前東京終値比では約16銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、原油やエネルギー価格上昇への警戒感の円売りに対し、北海油田を持つ産油・産ガス国でもある英国の英国ポンドは円相場で昨夜にも買われて反発していた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2026月3月3日の日本時間 (JST / Japan Standard Time) の22時1分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場の13時1分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。
| 通貨ペア | JST 22:01の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
| ドル/円 | 157.64 〜 157.65 | +0.67 (円安) |
| ユーロ/円 | 183.05 〜 183.07 | −0.88 (円高) |
| ユーロ/ドル | 1.1611 〜 1.1612 | −0.0106 (ドル高) |
| 英ポンド/円 | 210.01 〜 210.07 | +0.29 (円安) |
| スイスフラン/円 | 200.99 〜 201.05 | −2.21 (円高) |
| 豪ドル/円 | 110.79 〜 110.83 | +0.05 (円安) |
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