FXニュース:大晦日の世界市場の調整

2025年12月31日
今日2025年12月31日水曜日の日本の東京外国為替市場は大晦日で休場であったが、世界FX市場での今朝9時頃から今夜17時頃までの日本市場相当時間の対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の156円33銭付近から、円の安値でドルの高値の156円66銭付近の値幅約33銭で、...

 

東西FXニュース – 2025年12月31日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米経済指標のインフレ圧
  • 米長期金利一時4.14%台
  • 米FOMCインフレ懸念も
  • 米主要株価三指数小幅安
  • 中PMI好景気指標に改善
  • 今年の対ユーロ円安21円

今日2025年12月31日水曜日の日本の東京外国為替市場は大晦日で休場であったが、世界FX市場での今朝9時頃から今夜17時頃までの日本市場相当時間の対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の156円33銭付近から、円の安値でドルの高値の156円66銭付近の値幅約33銭で、本日17時の東京外国為替市場終値相当時間の対ドル円相場は156円56銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円90銭付近の前東京終値比で約66銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の年内最終の日本市場終盤の利益確定や持ち高調整のドル売りで円が買い戻されていたほか、日本市場終了後の昨夕の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場でも、クリスマス連休後も年末年始に向けたホリデームードの市場流動性の低下が続く中で、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.12%台から4.11%台に低下したことなどを受けた債券利回りの金利差トレードのドル売りが起きたため、昨夜19時42〜43分頃にかけてドルは円相場で一時155円75銭付近に下落していた。

しかし、年末を控えた市場流動性減少が続く中で、少しの値動きでも値幅が拡大しやすくなっていたことでは年末決算に向けた仕掛け売りなども起きやすくなっており、夕方からのドル売りで昨日のドルの日通し安値となる一時155円台を記録した後には、ショートカバーなどのドルの買い戻しが入り始めたことではドルは円相場で反発し、時間外の米国債券取引でも米国債が売られた影響により米国債券価格低下時の利回り上昇が起きたため、昨夜21時22分頃には米国長期金利が一時4.136%付近に上昇し、債券利回りの金利差トレードでもドルが買われたため、昨夜21時24分頃にドルは円相場で一時156円1銭付近に上昇した。

欧米と時間帯の近い世界市場でも、年末を控えた利益確定や持ち高調整などで世界的な主要取引通貨のドルからの自国通貨の買い戻しが入ったことでは、昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円95銭付近で、この時間が昨夜の米国市場における円の高値でドルの安値となっていたが、米国債券市場で年末を控えたポジション調整などで米国債が売られたことでは米国長期金利が更に上昇し、昨夜22時19分頃には一時4.145%になったため、ドルは円相場で再び156円台に乗せ、昨夜22時58分頃のドルは円相場で一時156円22銭付近に上昇した。

米国市場では、最新米国経済指標の発表が始まり、昨夜23時の10月米国S&Pケース・シラー住宅価格指数の前年同月比は前回の1.4%と市場予想の1.1%に対し1.3%と市場が予想していたほどの低下は見せておらず、10月米国住宅価格指数の前月比は前回の0.0%は前回−0.1%に下方修正されたものの市場予想の0.1%を上回る0.4%に上振れし、市場予想以上の米国住宅インフレの根強さが意識され、発表前の昨夜22時52分頃に一時4.132%付近に上昇幅を縮小していた米国長期金利が発表後に再び上昇を始めた。

続いて、昨夜23時45分に発表された12月米国シカゴ購買部協会景気指数も、前回の36.3と市場予想の39.8を上回る43.5に上振れし、景気要因のインフレ圧もあったことから、昨夜23時49分頃には米国長期金利は一時4.141%付近と再び4.14%台に上昇したことでもドルは円相場で156円台での上昇を続け、同時進行中だった世界最大規模の英国ロンドン市場で午前1時のロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けた主要取引通貨のドル買い需要もあった深夜24時44分頃にドルは円相場で一時156円57銭付近と、昨夜の米国市場における円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、午前1時の英国市場のロンドン・フィキシングの後には、主要取引通貨のドル売りによる自国通貨の買い戻しなどが再び入り始めた影響では、時間帯が近いアラブ諸国などのオイルマネーなどの投資資金も流入している世界的な大市場ということもあってドルは円相場で上昇幅を縮小し、米国ニューヨーク株式市場では開場時に米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って小幅安のマイナス圏だった株価影響のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による安全資産の米国債買いの影響もあり、午前1時19分頃に米国長期金利が一時4.123%付近に反落したため、午前1時23分頃にドルも円相場で一時156円23銭付近に反落した。

ただし、米国ニューヨーク株式市場では、米国長期金利の反落を受けた金利警戒感の緩和の影響では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA) が下落幅を縮小したほか、米国S&P500種株価指数 (S&P500) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は一時プラス圏に反発したため、株価影響による低リスク通貨の円売りの影響などが入っていたことでは、ドルは円相場で底堅く156円台で下げ止まった。

米国ニューヨーク債券市場では、午前1時52分頃には米国長期金利は一時4.121%付近にまで低下したが、その後には下げ幅の縮小を見せ始めた影響もあり、午前2時頃に時差先行の欧州市場が終了し、英国市場が午前3時を前にした終盤に向かう中で、一時はやや横ばいに近い値動きを見せていたドル円は、米国市場後半のドルの買い戻しの影響などもあってドルが円相場で反発し、米国主要株価三指数が再び小幅安に向け始めたことはやや抵抗になったものの、午前4時の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の前回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Open Market Committee) 議事要旨の公開前の午前3時56分頃に、先ほどの経済指標のインフレ圧を受けた市場予想の影響などもあってドルは一時156円44銭付近になっていた。

今朝未明の午前4時には、米国連邦準備制度理事会 (FRB) が前回の12月9〜10日開催分の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事要旨を公開したが、「ほとんどのFOMCメンバー達は、米国インフレ率が想定通りに、時間と共に低下した場合には、米国政策金利のさらなる引き下げが適切になると考えている」ことが明らかになり、インフレの定着懸念などから、前回にも「一部のFOMCメンバーは、当面の間の米国政策金利の据え置きが適切と指摘」して、先ほどの米国インフレの市場予想以上の根強さや景気影響のインフレ圧が意識された。

米国金利先物市場のデータを基に米国政策金利の市場予想値を算出する米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (CME FedWatch Tool) では、次回2026年1月28日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) における米国政策金利の据え置き予想値が市場で確定値と考えられている70%を超える80%台の優勢の推移となっており、前述の前回のFOMC議事要旨公開後の午前4時51分頃には米国政策金利の先高観などから米国長期金利が一時4.132%付近に再上昇したため、午前4時55分頃にドルも円相場で一時156円52銭付近に再上昇した。

一方、米国政策金利の先高観を受けては、米国ニューヨーク株式市場で一時は反発なども見せていた米国主要株価三指数が再び揃ってマイナス圏になっており、年末年始を控えた利益確定や持ち高調整の影響もあって、米国ダウ工業株 (DJIA) と米国S&P500種株価指数 (S&P500) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が揃って小幅安の終値となった株価影響はやや抵抗になったが、米国ニューヨーク外国為替市場終盤のポジション調整のドルの買い戻しもあったことでは、ドルは円相場で156円台に留まっていた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の高値でドルの安値の155円95銭付近から、円の安値でドルの高値の156円57銭付近の値幅約62銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は156円41銭付近と、前営業日同時刻の156円6銭付近の前ニューヨーク終値比で約35銭の円安ドル高をつけた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、今日はニュージーランド市場とオーストラリア市場が短縮取引となることもあり、年末に向けた利益確定や持ち高調整などが入った影響では今朝8時3〜4分頃にかけてドルは円相場で一時156円33銭付近に下押ししたが、今朝8時47分頃には一時156円47銭付近に反発上昇し、今日の日本市場は大晦日で休場であったが世界FX市場での今朝9時頃の東京外国為替市場の始値相当時間の対ドル円相場は一時156円40銭付近であった。

今朝9時6分頃にもドルは円相場で再び一時156円33銭付近に下押しし、今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録したが、先ほどのアジア・オセアニア市場で今朝8時3〜4分頃にかけても記録していた一時156円33銭付近を再び下抜けしない底堅さを見せたことでは、ダブルボトム (Double Bottom) の二番底からの買い戻しが入り始めて再び反発した。

時間帯が近いアジア市場では、今朝10時30分に中国の最新経済指標の発表があり、12月中国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) が前回と市場予想の49.2と景気ボーダーラインの50上回る50.1に上昇した影響があり、オフショア人民元がドルや円に対して買われた外貨影響が一時波及した。

しかし、今日は夕方からの欧州市場で欧州ユーロ圏主要国のドイツ市場が休場で、近隣のスイス市場や北欧スウェーデン市場も休場扱いで、フランス市場と英国市場も短縮取引となることなどから世界市場全体の流動性が減少しており、そこにアジアの大市場の日本市場が休場中ということで円の実需がなく、世界的な取引通貨として実需のあるドルは円相場で再び上昇し、小幅な値動きの中でも少しの値動きでも影響が出やすいため、午後15時17分頃にドルは円相場で一時156円66銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。

夕方からの欧州市場の一部市場に続き、英国ロンドン外国為替市場が参入した今夜17時頃の時間外の米国債券取引では、米国長期金利が一時4.121%付近に低下した金利差トレードの影響があり、ドルは円相場でやや上昇幅を縮小したが、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は156円56銭付近で、昨夜17時の155円90銭付近の前東京終値比では約66銭の円安ドル高になっていた。

今夜この後の米国市場では最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に前週分米国新規失業保険申請件数と前週分米国失業保険継続受給者数を控えている。

なお、1月1日の元旦当日は世界市場全体が休場扱いとなるが、日本に様に年始の正月三が日から週末にかけた連休ではない海外市場が多いため、1月2日から再開する海外市場が多いことでは、年末年始を超えるポジションを持っている場合には注意が必要である。

世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響や、ウクライナ情勢や中東や南米などの世界情勢に加えて、世界の政治・経済の最新ニュースやドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相などを含めた要人発言などのファンダメンタルズ分析は、世界市場での最新経済指標データやテクニカル分析と共に、引き続き、来年も世界のFXトレーダー達の今後の為替相場の値動き予想材料となる。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は183円77銭付近と、前営業日同時刻にあたる 昨日17時の183円54銭付近の前東京終値比で約23銭の円安ユーロ高であった。

なお、ユーロ円は今年2025年1月の始値は一時162円75銭付近であったため、年間を通して、今日12月31日の午後17時時点で約21円2銭の円安ユーロ高が進行したことになり、今年の欧州ユーロは円相場で1999年のユーロ制定以来の史上最高値を何度も更新するなど、2025年のFXの主要通貨では欧州ユーロへの円安進行が顕著な年であった。

また、米国政府のドナルド・トランプ大統領の今年の就任後の数々の発言を受けて、米国連邦準備制度理事会 (FRB) への政治圧などにより世界的な基軸通貨としてのドル信認懸念が浮上した時には、ユーロがドルの代わりに買われていた時期などもあったことなどから、ユーロドル相場でも今年2025年の年間を通じて欧州ユーロはドルに対して上昇していたが、欧米金利差がまだある中で今日はドルの買い戻しも入っており、ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1738ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1772ドル付近の前東京終値比では約0.34セントのユーロ安ドル高であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は210円72銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の210円59銭付近の前東京終値比で約13銭の円安ポンド高であった。

最近の円安の主な要因には、日本政府の財政懸念などの円売り要因などもあるが、欧州ユーロと経済圏が近く連れやすい英国ポンドも、今年2025円1月の始値は一時196円70銭付近であったため、今日2025年12月31日の午後17時時点までに約14円2銭の円安ポンド高が年内に進行していた計算になる。

日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入への警戒感や日銀の追加利上げ方向の維持は円安への抵抗要因となっているが、日本政府と日銀が直接の円買い為替介入を行えるのは対外純資産を最も多く持っているのはドルであることから、欧州ユーロや英国ポンドへの為替介入はドルに対する円買いの外貨影響を除けば難しい間接的なものになるとの市場観測なども、為替介入警戒時に他の通貨の円安がドルなどの他の主要通貨にも波及した際の一因となっていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月12月31日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の21時8分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場相当時間の12時8分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム後の時差調整があったことには注意が必要である。

通貨ペア JST 21:08の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 156.59 〜 156.61 +0.71 (円安)
ユーロ/円 184.00 〜 184.01 +0.47 (円安)
ユーロ/ドル 1.1748 〜 1.1750 −0.0022 (ドル高)
英ポンド/円 210.57 〜 210.63 +0.04 (円安)
スイスフラン/円 197.57 〜 197.63 −0.05 (円高)
豪ドル/円 104.73 〜 104.77 +0.20 (円安)

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