FXニュース:米FOMC議事要旨を控え
2025年12月30日
東西FXニュース – 2025年12月30日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 日銀利上げ継続予想燻る
- 米主要株価三指数が続落
- 金銀先物下落リスク回避
- 日市場年末最後の五十日
- 日経平均続落年末最高値
今日2025年12月30日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の156円34銭付近から、円の高値でドルの安値の155円89銭付近の値幅約45銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円90銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円10銭付近の前東京終値比では約20銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後のクリスマス連休明けの欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、現地のクリスマス連休から年末年始にかけて長期休暇を取る投資家や企業などがいたことから市場流動性の低下が続いていたが、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜21時44分頃の一時4.126%台に向けて下げ幅を縮小中であった債券利回りの金利差トレードの影響や、午前1時の連休明けのロンドン・フィキシングに向けた主要取引通貨のドル実需などがあり、昨夜21時頃にドルは円相場で一時156円43銭付近に上昇していた。
欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時156円33銭付近であったが、米国債券市場では昨夜22時2分頃に一時4.117%付近に反落した米国長期金利が昨夜22時26分頃に一時4.124%付近に反発したため、債券利回りの金利差トレードのドルの買い戻しが入った影響などにより、昨夜22時29分頃にドルは円相場で一時156円37銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、昨夜の米国ニューヨーク株式市場が始まると、年末を控えた利益確定や持ち高調整の影響などもあり、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってマイナス圏に続落して始まり、米国主要株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で低リスク通貨の円が買われて反発上昇し、昨夜23時40分と48分頃にドルは円相場で一時156円1銭付近に下落した。
また、この時間は時差により米国現地時間では朝にあたるため、昨日の早朝に日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が公開した前回の日銀金融政策決定会合の主な意見にあった追加利上げを示唆するタカ派寄りの発言を受けた市場予想の影響による円買いも入っていた。
深夜24時には最新米国経済指標の11月米国住宅販売保留指数の発表があり、前月比が前回の1.9%と前回上方修正の2.4%と市場予想の1.0%を上回る3.3%に上振れしたことを受けては、深夜24時2分頃にドルは円相場で一時156円24銭付近に反発したが、前年同月比は前回の−0.4%と前回上方修正および市場予想の0.1%に対して−0.3%とマイナス圏となり、市場予想以下であったことではやや強弱混合となり、深夜24時12分頃にはドルは円相場で一時156円9銭付近に反落していた。
同時進行中の世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場では、午前1時のロンドン・フィキシング (London Fixing) の値決めに向けた主要取引通貨のドル需要があった影響では、欧州ユーロや英国ポンドからドルが買われた外貨影響が対ドル円相場にも波及したほか、米国債券市場では欧州市場終盤に向けた米国債売りの影響などで米国債券価格低下時の利回り上昇により米国長期金利が深夜24時33〜39分頃にかけて一時4.129%付近に上昇したため、債券利回りの金利差トレードの影響もあり、深夜24時34〜35分頃にドルは円相場で一時156円29銭付近に反発した。
ただし、商品先物市場では、金や銀の先物価格が下落しており、余剰なドルが売られた影響では、深夜24時59分頃にドルは円相場で一時155円92銭付近に反落し、この日の米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。
一方、米国ニューヨーク株式市場では、時差先行の欧州市場終了後で英国市場終盤の午前2時30分前後に、揃ってマイナス圏で下落していた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA) と米国S&P500種株価指数 (S&P500) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が市場安値付近になり、その後は安値からの株の買い戻しにより下げ幅を縮小し始めた株価影響があったことでは、市場安値後のドルにも買い戻しが入った。
米国ニューヨーク外国為替市場よりも早く終了する米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数が揃って一時の市場安値から下げ幅を縮小していた株価影響では、低リスク通貨の円売りによるドルの買い戻しで午前4時10〜11分頃にドルは円相場で一時156円25銭付近に下げ幅を縮小したが、年末年始を控えており1月1日の元旦は世界市場全体が休場となることなどから、市場流動性低下の中では積極的な株の買い戻しには至らず、米国主要株価三指数が下げ幅縮小後も揃って前日比では小幅安の続落の終値となったことでは、株価下落時のリスク回避のリスクオフによる安全資産の米国債買いの影響などで米国長期金利が今朝5時16分頃に一時4.115%付近に低下し、低リスク通貨の円買いが入ったため、この時間のドルは円相場で一時155円99銭付近と再び反落していた。
米国ニューヨーク外国為替市場の終盤には、年末年始を控えたポジション調整などでドルの買い戻しも入ったことでは、ドルは円相場で156円台前半に戻したが、前ニューヨーク終値は156円台後半であったことと比較すると、円高ドル安のニューヨーク終値に向けていた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の156円37銭付近から、円の高値でドルの安値の155円92銭付近の値幅約45銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は156円6銭付近と、前営業日同時刻の156円57銭付近の前ニューヨーク終値比で約51銭の円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今朝8時29分頃にドルは円相場で一時156円14銭付近に買われていたが、今朝の日本市場に向けては、日本では明日2025年12月31日の大晦日から2026年1月3日までが祝日であるが翌日の1月4日が日曜日であることから来年の1月5日の月曜日までが年末年始の大型連休の休場となるため、開場直前からポジション調整などの円の買い戻しが先行した影響では、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円99銭付近であった。
ただし、日本市場では、今日が今年最後の市場かつ30日で年末最後の5と10がつく日の日本の貿易企業の決済日が集中しやすい五十日 (ごとおび / ゴトーび) にあたることもあり、今朝9時55分の仲値決済に向けては輸入実需などの円売りドル買いが入り、今朝9時54分頃にドルは円相場で一時156円33銭付近に上昇した。
今日は東京株式市場でも今年最後の取引の大納会となることでは、年末年始を控えた利益確定や持ち高調整の株売りが先行して今日の日経平均株価が前日比でマイナス圏から始まっていたが、今年は年間を通して日経平均株価が1万円以上も上昇したことでは、安値からの株の買い戻しも入り下げ幅を縮小したため、今朝の下落時に買われていた低リスク通貨の円売りが混ざったことでは、今朝11時29分頃にドルは円相場で一時156円34銭付近と、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、昼の13時35分頃には一時はプラス圏にまで買い戻されていた今日の日経平均株価が再び小幅域ながらもマイナス圏に反落して前日比で小幅安の終値に向けると、株価下落時のリスク回避のリスクオフによる国内第一安全資産で低リスク通貨の円の買い戻しが入り、今日の日経平均株価が午後15時30分の5万339円48銭付近の終値の前日比187円44銭安の-0.37%の大引けに向けてマイナス圏の推移を続けていた午後15時19分頃には、ドルは円相場で一時155円94銭と155円台への反落を見せていた。
とはいえ、今年の日経平均株価は年間では1万444円高と+26.18%上昇しており、今日の日本の株式市場の大納会の大引けの終値は、前日比では続落ながらも年末ベースでは史上最高値を2年連続で更新したため、来年の相場予想には楽観的な見解も見られた。
夕方からの欧州市場の参入後の時間外の米国債券取引では、午後16時35分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は今朝の一時4.11%台から上昇した一時4.123%付近になった債券利回りの金利差トレードを受けては、午後16時25分頃にドルは円相場で一時156円11銭付近に反発したが、日本市場終盤の円の買い戻しに加えて、今夜17時頃の世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の参入時には米国長期金利が一時4.116%付近に反落していたため、前東京終値比で円高ドル安に向けたほか、今夜17時0分の1分間の値動きの中でドルは円相場で一時155円89銭付近と、今日の日本市場における円の高値でドルの安値も瞬時に記録していた。
このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円90銭付近で、昨日17時の156円10銭付近の前東京終値比で約20銭の円高ドル安をつけて、日本市場の今年最後の取引を終えた。
なお、日本市場は大晦日から正月三が日とその翌日の日曜日までの大型連休となるが、世界市場では1月1日の元旦のみが世界市場全体が休場となる以外は、明日12月31日の大晦日や1月2日の金曜日から開場する海外市場が多いことには注意が必要である。
今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時に10月米国住宅価格指数と10月米国S&Pケース・シラー住宅価格指数、今夜23時45分に12月米国シカゴ購買部協会景気指数、そして28時には、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が前回12月9〜10日開催分の米国連邦公開市場委員会(FOMC / Federal Reserve Open Market Committee) 議事要旨を公開する予定である。
なお、欧米などの海外市場では明日の大晦日に取引可能な市場があるが、1月1日の元旦は世界市場全体が休場となるため、年末年始を控えた市場流動性には注意が必要である。
世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響や、ウクライナ情勢や中東や南米などの世界情勢に加えて、世界の政治・経済の最新ニュースやドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相などを含めた要人発言などのファンダメンタルズ分析は、世界市場での最新経済指標データやテクニカル分析と共に、引き続き世界のFXトレーダー達の今後の為替相場の値動き予想材料となっている。
一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は183円54銭付近と、前営業日同時刻にあたる 昨日17時の183円87銭付近の前東京終値比で約33銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、昨日発表の日銀金融政策決定会合の主な意見を受けた来年の日銀の追加利上げ予想の影響が円相場で燻っていたほか、今日の日本市場で日本の年末年始連休を控えたポジション調整の円の買い戻しの影響や、日米主要株価指数の下落を受けた株価リスク回避のリスクオフでも低リスク通貨の円が欧州ユーロに対して買われやすかった。
その外貨影響の波及などもあり、ユーロドルも今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1772ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1779ドル付近の前東京終値比で約0.07セントのユーロ安ドル高であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は210円59銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の210円50銭付近の前東京終値比で約9銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、かつては日英ともに政府の財政懸念があったが、クリスマス連休明けの英国市場が再開する中で、先日の日本政府の高市早苗政権の積極的な財政拡張の予算案の閣議決定を受けて、日本政府の財政懸念の円売り要因が燻っていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月12月30日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の20時58分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場相当時間の11時58分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム後の時差調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 20:58の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
| ドル/円 | 155.88 〜 155.89 | −0.21 (円高) |
| ユーロ/円 | 183.44 〜 183.46 | −0.41 (円高) |
| ユーロ/ドル | 1.1765 〜 1.1767 | −0.0012 (ドル高) |
| 英ポンド/円 | 210.50 〜 210.54 | +0.04 (円安) |
| スイスフラン/円 | 197.59 〜 197.65 | −0.35 (円高) |
| 豪ドル/円 | 104.43 〜 104.47 | −0.30 (円高) |
注意:
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