FXニュース:日政府日銀の介入警戒感

2025年12月23日
今日2025年12月23日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の156円93銭付近から、円の高値でドルの安値の155円91銭付近の値幅約1円2銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円7銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年12月23日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 片山財務相円安牽制継続
  • 休暇前欧英通貨買い戻し
  • 米主要株価三指数は続伸
  • 日経平均株価も小幅続伸
  • 米重要経済指標GDP控え

今日2025年12月23日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の156円93銭付近から、円の高値でドルの安値の155円91銭付近の値幅約1円2銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円7銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の157円44銭付近の前東京終値比では約1円37銭の大幅な円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、先週の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の市場予想通りの利上げ決定後に植田和男総裁が今後の追加利上げペースについて慎重な姿勢を見せたことや、日本政府の高市早苗政権の財政懸念で円安が進行した影響では、昨夜18時頃にドルは円相場で一時157円57銭付近と、前東京終値よりも上昇していた。

しかし、キリスト教国が中心の欧州英国市場では、クリスマス・ホリデーを前にした利益確定や持ち高調整で現地通貨の欧州ユーロや英国ポンドの買い戻しが入っていたことでは、昨夜18時頃に欧州ユーロが円相場で一時184円93銭付近と1999年のユーロ制定以来の史上最高値を続伸し、昨夜21時3分頃には英国ポンドも円相場で一時211円59銭付近と今年最大の円安ポンド高を記録したが、対円だけでなく世界的な主要取引通貨のドルに対しても欧州英国通貨が買い戻された外貨影響は対ドル円相場にも波及し、昨夜20時12分頃にはドルは円相場で一時157円34銭付近と前東京終値よりも円高ドル安に転じ始めていた。

その欧米市場のトレンドの影響から、欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から時差で始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時157円40銭付近で、この時間が昨夜の米国市場における円の安値でドルの高値となり、ドルは円相場で下落した。

また、それまでにも複数の日本政府関係者による円安牽制発言が続いていたが、欧米市場での週内のクリスマス・ホリデー時期に向けた市場流動性減少への警戒感が意識される中で、昨夜22時10分頃に米国ブルームバーグ (Bloomberg) ニュースが日本政府の片山さつき財務相の為替介入強調の円安牽制の再発言を報じ、インタビューで片山さつき財務相が「非常に短い時間での動き。完全にファンダメンタルズではなくて投機」と、9月の日米財務相共同声明の「為替介入は過度な変動への対応に限定」に対する過度な変動を示唆して為替介入の正当化を強調した上で、「断固として措置を取る。アクションを取る」、「フリーハンドがある」と発言し、年末年始などで市場流動性が減少する時でも、「常に万全の態勢が整っている」と円安牽制姿勢を強めたことから、為替介入への市場警戒感による円買いが起き、発表時の昨夜22時10分頃にドルは円相場で一時156円87銭付近と156円台に急落した。

米国ニューヨーク債券市場でも、為替介入警戒感による円相場上昇と同時に、世界的な安全資産でもある米国債に買いが入り、昨夜22時前には一時4.17%台だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下し、昨夜22時45分頃には一時4.159%付近と4.15%台に急落した時間があったことから、債券利回りの金利差トレードの影響により、円相場以外の主要通貨に対してもドルが売られた時間があった。

一方、欧州債券市場では、先週に欧州連合 (European Union) が地理的に近いウクライナに対し900億ユーロ規模の大型融資を決めたことなどから欧州国債売りが起きており、独連邦30年国債利回りが一時3.55%台の2011年以来の高利回りを記録後に影響が波及し、独10年債利回りが指標となる欧州長期金利が一時2.91%台に上昇するなど債券利回りの金利差トレードの影響もあり、米国長期金利が下押しした時間には債券利回りの金利差トレードの影響により為替介入警戒の円以外にも他の主要通貨に対するドル売りが入りやすかった。

午前2時頃には米国市場よりも時差先行の欧州市場が対ドルでのユーロ買い戻しが優勢のままで終了しており、続いて世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場も市場終盤の持ち高調整などから主要取引通貨のドル売りで英国ポンドが買い戻されていた外貨影響も対ドル円相場にドル下落圧として波及し、米国ニューヨーク債券市場で米国主要株価三指数続伸を受けて一時反発していた米国長期金利が、午前3時の米国債入札に向けた買い影響もあって下押しすると、為替介入警戒感が燻る円買い要因のあった対ドル円相場で午前2時40分頃にドルは一時156円71銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

米国ニューヨーク株式市場では、クリスマス・セールスやクリスマス・トレードの影響などもあって、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏で続伸して高値の終値に向けた株価影響では、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で安全資産の米国債に入札後の売りが入り、午前4時台には米国長期金利は一時4.176%付近と4.17%台に反発したため、債券利回りの金利差トレードによるドルの買い戻しの抵抗もが混ざった。

日本政府と日銀の為替介入への警戒感は燻るものの、米国市場終盤の利益確定や持ち高調整の影響では米国現地通貨のドルにも買い戻しが入り、ニューヨーク終値の頃の今朝7時0分の1分間の値動きの中でドルは円相場で一時157円8銭付近に下げ幅を縮小していた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の157円40銭付近から、円の高値でドルの安値の156円71銭付近の値幅約69銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は157円5銭付近と、前営業日同時刻の157円75銭付近の前ニューヨーク終値比で約70銭の円高ドル安をつけた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、日本政府の片山さつき財務相が為替介入を正当化した上で円安牽制を強めた発言への警戒感や、オセアニア市場ではニュージーランドやオーストラリアもキリスト圏でクリスマス前の持ち高調整が対ドルで入った影響もあり、今朝7時2分頃と8時51分頃にドルは円相場で一時156円82銭付近と156円台に下落したが、同市場時間内のテクニカル分析的なダブルボトム (Double Bottom) となったことではドルは小幅に反発し、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時156円92銭付近であった。

世界市場で為替介入への警戒感が高まっていたトレンドの影響もあり、今日は日本市場でも為替介入警戒感などによる円の買い戻しが入り始めたため、今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時に記録した一時156円93銭付近が今日の日本市場における円の安値でドルの高値となり、今日は円相場が対ドルだけではなく他の主要通貨に対しても上昇した。

今朝は日本政府の片山さつき財務相が、連日での円安牽制発言を続け、「当座の動きは、ファンダメンタルズを反映しているとは思えない」と、再び為替介入実施に向けた正当性を主張し、「9月の日米財務相共同声明の考え方を踏まえ、行き過ぎた動きには対応を取る」と再発言したニュースが日本市場でも話題になった。

今朝の東京株式市場では、円安時に買った日本株を円高時に売ることで利益拡大を狙う海外投資家達の日本株売りが先行していたことでは今日の日経平均株価が小幅なマイナス圏から始まったが、今朝早朝の米国主要株価三指数続伸の影響では国内外からの株の買い戻しも入りプラス圏に反発していた。

ただし、今日の日経平均株価が午後に再び一時反落した時間もあったことでは、日経平均株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが入った時間があり、午後14時台に一時反落中の今日の日経平均株価が底値付近になった株価影響などにより、午後14時13分と14時24分頃にドルは円相場で一時155円91銭付近と155円台に下落し、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、日本市場の取引時間中には日本企業への悪影響を防ぐためか日本政府と日銀の為替介入が起きにくいことや、為替介入の実施は160円レベルとの市場の一部見解などもあったことでは市場安値後のドルの買い戻しも入り、一時反落後の今日の日経平均株価が市場終盤の買い戻しで反発して小幅ながらもプラス圏に戻し、午後15時30分頃に5万412円87銭の終値をつけ前日比10円48銭高の+0.02%の小幅高で続伸して大引けした株価影響による低リスク通貨の円売りが市場高値後の利益確定と共に入った影響では、午後15時39分頃にドルは円相場で一時156円19銭付近と156円台に反発して今朝からの下げ幅を縮小していた。

とはいえ、夕方からの欧州市場の参入では、欧州の中でもホリデーが長いフランスなどはすでに早期のクリスマス休暇に入っている投資家達もおり、キリスト教国で交通機関まで休暇入りする英国市場ではクリスマスの翌日のボクシング・デーも祝日で連休前にあたるため、欧州英国市場の流動性が低下する中で、今夜この後の米国市場では最新米国重要経済指標発表を控えるイベントリスクもあったことでは、ドルは円相場で一時反発後も再び下落を始めた。

このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円7銭付近になり、昨日17時の157円44銭付近の前東京終値比では約1円37銭の大幅な円高ドル安になっていた。

また、今夜その後の欧州英国市場でも、今夜18時7分頃にドルは円相場で一時155円65銭付近と、再び155円台への下落を見せている。

今夜の米国市場では、先月までの米国政府機関の一部閉鎖の影響による改定値分反映の推計延期や変則公表などがあった最新米国重要経済指標の発表予定や米国債入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に 7〜9月第3四半期米国実質国内総生産 (GDP) と同四半期米国GDP個人消費と同3四半期米国コアPCEの初回推計値の発表があり、同時刻に10月米国耐久財受注と、続いて今夜23時15分に11月米国鉱工業生産と11月米国設備稼働率、深夜24時に12月米国リッチモンド連銀製造業指数と12月米国消費者信頼感指数、そして27時に米国5年債入札などを控えている。

また、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響や、ウクライナ情勢や中東などの世界情勢に加えて、世界の政治・経済の最新ニュースやドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相などを含めた要人発言などのファンダメンタルズ分析は、最新経済指標データやテクニカル分析などと共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は183円80銭付近と、前営業日同時刻にあたる 昨日17時の184円68銭付近の前東京終値比で約88銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、昨夜18時にユーロ円は一時184円93銭付近と史上最大の円安ユーロ高を更新後であったこともあり、高値後の欧州ユーロの利益確定売りや持ち高調整も入りやすくなったことに加えて、先述の通り、日本政府の片山さつき財務相が為替介入を正当化した円安牽制発言を強めたため、円買い為替介入で直接的な影響を受けるドルだけでなく、欧州英国市場のクリスマス時期の市場流動性の減少により外貨影響の波及拡大への警戒感などにより、欧州ユーロや英国ポンドなどの他の主要通貨に対しても円相場が反発上昇した。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は210円65銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の211円17銭付近の前東京終値比で約52銭の円高ポンド安であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1778ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1730ドル付近の前東京終値比で約0.48セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、前述の通り、キリスト教国を中心とする欧州市場で早期のクリスマス・ホリデーを前にした欧州ユーロの買い戻しが世界的に流動性の高い主要取引通貨の対ドルで入っていたほか、日米主要株価上昇時のリスク選好のリスクオンでも欧州ユーロが買われやすく、また日本政府と日銀の円買いドル売りの為替介入への警戒感では、直接的な影響を受けるドルの外貨影響波及への警戒感などからユーロなどの他の主要通貨に対してもドル下落圧があった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月12月23日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の21時9分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時9分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。

通貨ペア JST 21:09の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 155.93 〜 155.94 −1.50 (円高)
ユーロ/円 183.90 〜 183.92 −0.76 (円高)
ユーロ/ドル 1.1796 〜 1.1798 +0.0068 (ドル安)
英ポンド/円 210.59 〜 210.65 −0.52 (円高)
スイスフラン/円 197.89 〜 197.95 −0.24 (円高)
豪ドル/円 104.34 〜 104.38 −0.14 (円高)

注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。