FXニュース:11月米雇用統計発表控え
2025年12月16日
東西FXニュース – 2025年12月16日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 日銀短観受け利上げ観測
- 米FRB高官達の発言影響
- 米長期金利低下時のドル
- 米主要株価指数反落続落
- 日経平均株価が大幅続落
今日2025年12月16日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の155円12銭付近から、円の高値でドルの安値の154円69銭付近の値幅約43銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円92銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円26銭付近の前東京終値比で約34銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨日の早朝に日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が発表した日銀短観を受けた追加利上げ観測報道が続く中で、日米主要株価の下落を受けたリスク回避のリスクオフ (Risk-off) でも低リスク通貨の円買いの影響があった一方で、時間外の米国債券市場では世界的な安全資産でもある米国債買いによる債券価格上昇時の利回り低下が起きており、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜20時55分頃には一時4.165%付近に低下していたため、債券利回りの金利差トレードでドルが売られ、昨夜20時55分頃にドルは円相場で一時154円85銭付近に下落していた。
今週は12月18〜19日に日銀金融政策決定会合が予定されており、12月18日には欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会と英国中央銀行イングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) も控えるため、昨夜の欧州英国市場では米国長期金利低下時にはイベント前の持ち高調整でも主要取引通貨のドルから欧州ユーロや英国ポンドが買い戻されやすかった。
米国市場に向けては、世界最大規模の英国ロンドン市場における主要取引通貨としてのドル実需の買い戻しの抵抗があったほか、昨夜21時56分頃に米国長期金利が一時4.174%付近に下げ幅を縮小したため、時差先行の欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円8銭付近であった。
米国市場でも、同市場からは翌市場にあたる今夜この後に最新米国重要経済指標の11月米国雇用統計などの発表イベントを控えているためイベント前の持ち高調整のドルの買い戻しも入ったが、昨夜22時30分に発表された最新米国経済指標の12月米国ニューヨーク連銀製造業景気指数が前回の18.7と市場予想の10.0を大幅に下回るマイナス圏の−3.9に下振れしたため、米国景気懸念でも安全資産の米国債買いが起きたことでは、発表前の昨夜22時26分頃に一時4.176%付近に下げ幅を縮小していた米国長期金利が反落を始めたほか、発表後の昨夜22時35分頃にドルも円相場で一時154円97銭付近に下落した。
ただし、同じく昨夜22時30分に発表された北米カナダの最新経済指標の11月カナダ消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の前年同月比が市場予想以下であったことを受けては、米国と隣接する時間帯が近いカナダ市場でカナダドル売りの米国ドル買いが入った外貨影響の対ドル円相場への波及では、昨夜23時頃にドルは円相場で一時155円23銭付近に反発した。
しかし、昨夜23時30分頃から、米国大幅利下げ要求を続けているドナルド・トランプ米国大統領が指名した米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の中でもハト派で知られるスティーブン・ミラン理事の発言が始まり、前回と前々回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) において唯一の米国大幅利下げ支持の米国小幅利下げ反対票を投じていたが、「米国物価は再び安定し、実際の物価上昇率は目標の2%に近い水準で推移すると考えている。不必要に金融引き締め的な政策金利を維持すれば、米国雇用の喪失につながる」と、今後も米国利下げ支持を示唆するハト派発言をしたため米国長期金利は更に低下し、深夜24時3分頃には一時4.155%付近になっていた。
深夜24時に発表された最新米国経済指標の12月米国NAHB (National Association of Home Builders / 全米住宅建設業者協会) 住宅市場指数は、前回の38に対し市場予想通りの39に上昇したことは米国長期金利低下の抵抗となり、米国長期金利は再び下げ幅を縮小し始めたが、米国ニューヨーク株式市場では一時はプラス圏になっていた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って反落してマイナス圏に向けた株価下落時のリスク回避のリスクオフによる米国債の買い戻しの抵抗が混ざったほか、低リスク通貨の円が買われたため、深夜24時25分頃にドルは円相場で一時154円84銭付近と154円台に下落し、この日の米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。
深夜24時30分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁の発言があり、「来年2026年に向けて、米国金融政策は良好な状態にある」と、前回までの米国利下げにより、「緩やかに引き締め的だった米国金融政策スタンスが中立へと移行された」としており、雇用最大化と物価安定の二大責務のリスクバランスについても、「雇用市場のクールダウンで、米国インフレリスクも低下する」とやや楽観的で、「次回1月の米国金融政策への対応については、現時点で判断するのは時期尚早」と、今後のデータ重視の中道的姿勢を見せていた。
米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数が揃って前営業日比で安値の終値に向けていたが、市場後半には一時の下げ幅を縮小して小幅安に向け始めたことを受けては、債券価格上昇後の安全資産の米国債売りや低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整のドルの買い戻しが入ったため、市場後半には米国長期金利が一時4.188%付近に反発し、午前4時24分頃にドルは円相場で一時155円40銭付近と、この日の米国における円の安値でドルの高値を記録した。
とはいえ、翌米国市場の11月米国雇用統計の発表イベントを控えたイベンリスクは抵抗となり、米国政府機関の一部閉鎖時の延滞で先月に発表された9月分の米国雇用統計では米国失業率が4.4%に悪化した2021年10月以来の高水準であったことから、その後の統計は米国政府機関の閉鎖時の影響により手探りのデータとなる中で、この日の米国市場での市場予想では11月米国失業率が4.5%に達する可能性への警戒感があったことでは、日銀の利上げ観測に対する米国雇用市場軟化時の米国追加利下げの可能性が意識され、米国ニューヨーク終値前の今朝6時58分頃には米国長期金利は一時4.174%付近と再び低下したため、ドルも円相場において前ニューヨーク終値比で円高ドル安のニューヨーク終値に向けていた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の高値でドルの安値の154円84銭付近から、円の安値でドルの高値の155円40銭付近の値幅約56銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は155円23銭付近と、前営業日同時刻の155円81銭付近の前ニューヨーク終値比で約58銭の円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今週の日銀利上げ観測報道の影響や米国雇用統計発表のイベント前の持ち高調整の円買いドル売りがあり、今朝8時53分頃にドルは円相場で一時154円98銭付近に下落していた。
今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円4銭付近であったが、今朝早朝の米国主要株価三指数続落の影響もあって今朝の東京株式市場では今日の日経平均株価がマイナス圏から始まり下落幅を拡大したため、株価下落時のリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われた影響があり、今朝9時12分頃にドルは円相場で一時154円74銭付近と再び154円台に下落した。
ただし、日本市場では、今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いが154円台からは入りやすかったため、今朝9時53分頃にドルは円相場で一時155円10銭付近と155円台に反発した。
今朝はマイナス圏からの急落で始まった日経平均株価が一時下げ幅を縮小した株価影響や、時間帯が近いオセアニア市場で本日発表のニュージーランドの半期経済財政報告について、ニュージーランド政府のニコラ・ウィリス財務相が、「今後5年間は、ニュージーランドは財政黒字に回復しないであろう」という見通しを示したニュースを警戒したニュージーランドドル売りで世界的に流動性が高い安全資産でもある米国ドルが買われた外貨影響が対ドル円相場に波及したことなどから、今朝10時29分頃にドルは円相場で一時155円12銭付近と、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、一時は下げ幅を縮小していた今日の日経平均株価が再び下落し、大幅安となった株価下落時のリスク回避のリスクオフによる低リスク通貨の円買いが入ったほか、時間外の米国債券取引で世界的な安全資産でもある米国債にも買いが入り、米国長期金利が午後15時台の一時4.166%付近に向けた低下を見せ始めたため、債券利回りの金利差トレードの円買いドル売りが入り、午後14時24分頃にドルは円相場で一時154円69銭付近に下落し、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。
午後15時30分頃には、今日の日経平均株価は4万9383円29銭の終値をつけ、前日比784円82銭安の-1.56%の大幅安で大引けし、日経平均株価下落時のリスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いは、ドルだけでなく欧州ユーロなどのクロス円相場にも影響を与えたことでは外貨影響の波及もあり、世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルは円相場で市場安値後の下げ幅は縮小していた。
夕方16時からの欧州市場の本格参入の頃に、11月英国失業率の発表があったが、前回の4.4%は前回4.3%に修正されたことでは英国ポンド買いもあったものの、最新分は4.4%と前回修正前と横ばいで、9月米国失業率も4.4%と同レベルであったことから、同時発表された国際労働機関 (ILO / International Labour Organization) 方式の10月英国失業率は前回の5.0%から市場予想通りの5.1%に軟化しており、今夜この後の11月米国雇用統計の市場予想中央値の4.5%への警戒感は燻るものの主要取引通貨としてのドルの買い戻しも混ざり、ドルは円相場で下げ幅を縮小した。
また、夕方のニュースでは、日本の共同通信が、日本政府が編成を進めている2026年度当初予算案の一般会計歳出(支出)総額について、過去最大規模の「120兆円を超える見通しであることが分かった」と報じたことを受けた財政警戒による円売りも入った。
このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円92銭付近で、昨日17時の155円26銭付近の前東京終値比では約34銭の円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表イベント予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に注目の11月米国雇用統計と10月分の事業所調査も同時発表予定で、11月米国非農業部門雇用者数 (NFP / Non-Farm Payrolls)、11月米国失業率、11月米国平均時給などが発表されるほか、同時刻に景気指標の10月米国小売売上高もあり、続いて、今夜23時45分に12月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値と12月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値と12月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 速報値、深夜24時に9月米国企業在庫などの発表も控えている。
また、明後日18日には最新米国重要インフレ指標の11月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表予定や日欧英金融政策会合のイベントを控えるほか、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響と、ウクライナ情勢や中東などの世界情勢に加え、世界の政治・経済の最新ニュースやドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相などを含めた要人発言などのファンダメンタルズ分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。
一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は182円11銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の182円12銭付近の前東京終値比で約1銭の僅差の円高ユーロ安であった。
主な要因は、日経平均株価下落を受けたリスク回避のリスクオフでは低リスク通貨の円買いに対して欧州ユーロや英国ポンドが売られやすかったが、日本政府の財政懸念の円売りもあったことでは欧州ユーロは円相場で小幅域となっていた。
英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は207円24銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の207円50銭付近の前東京終値比で約26銭の円高ポンド安であった。
ただし、今夜その後の18時30分に発表された最新英国景気指標の12月英国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index)) 速報値は前回の50.2と市場予想の50.3を上回る51.2に上振れし、12月英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の51.3と市場予想の51.6を上回る52.1に上振れし、いずれも景気ボーダーラインの50以上の好景気指標であったことでは英国ポンドの買い戻しが入り、今夜20時台には前日比で円安ポンド高に転じている。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1755ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1730ドル付近の前東京終値比で約0.25セントのユーロ高ドル安であった。
主な要因は、今夜の米国雇用統計発表を控えたイベントリスクのドル売りや、米国長期金利低下時のドル売りに加えて、今週の欧州中央銀行 (ECB / European Cetral Bank) 理事会では欧州政策金利据え置き予想が優勢で、今月の米国小幅利下げ後の欧米金利差予想が意識されていた。
なお、日本市場終了後の今夜18時に発表された欧州ユーロ圏総合の最新景気指標の12月欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値は前回の49.6と市場予想の49.9を下回る49.2で、12月欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の53.6と市場予想の53.3を下回る52.6であったが、サービス部門は景気ボーダーラインの50以上の好景気側に留まっており、この後の米国市場で発表予定の同指標と比較可能となっている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月12月16日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の20時56分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時56分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 20:56の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
| ドル/円 | 154.80 〜 154.81 | −0.45 (円高) |
| ユーロ/円 | 182.08 〜 182.09 | −0.03 (円高) |
| ユーロ/ドル | 1.1760 〜 1.1762 | +0.0032 (ドル安) |
| 英ポンド/円 | 207.88 〜 207.94 | +0.44 (円安) |
| スイスフラン/円 | 194.55 〜 194.61 | −0.29 (円高) |
| 豪ドル/円 | 102.74 〜 102.78 | −0.42 (円高) |
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。
当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。
海外FX口座開設サポート
海外FX口座開設に必要な書類
海外FX口座開設メリットとは
海外FX会社ランキング
海外FX会社の特徴比較
東西FXタイアップキャンペーン実施中
海外FXキャンペーン実施中
FXニュース一覧
マーケットコメント覧
海外FXのお知らせ一覧
海外FXの初心者方向けの情報
FX週刊ニュース一覧
海外FXのキャンペーン情報一覧
FX中級者
FX中級者
FX上級者
NEW FX用語辞典
損益計算シミュレーション
最大単位数シミュレーション
証拠金シミュレーション
ピップ値計算機
ロスカットシミュレーション









Googleニュースでフォロー




