FXニュース:欧米日主要株価指数上昇

2025年12月03日
今日2025年12月3日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の155円82銭付近から、円の高値でドルの安値の155円51銭付近の値幅約31銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円69銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年12月03日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 露大統領が欧要求を拒否
  • 米長期金利4.0%台に反落
  • 米次期FRB議長来年発表
  • 日10年債利回り1.89%台
  • 今夜米ADP雇用とISM控え

今日2025年12月3日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の155円82銭付近から、円の高値でドルの安値の155円51銭付近の値幅約31銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円69銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円78銭付近の前東京終値比で約9銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、前日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の発言を受けた次回12月18〜19日の日銀金融政策決定会合における早期利上げ予想の円高後の利益確定や持ち高調整が進み、その後の日銀の追加利上げペースは比較的穏やかになる可能性への観測報道などもあり、昨夕の日経平均株価先物や欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-index) 上昇時の低リスク通貨の円売りも入り、昨夜18時26〜27分頃にかけてショートカバーの買い戻しも入っていたドルは円相場で一時156円9銭付近と156円台に上昇していた。

昨夜19時には欧州ユーロ圏総合の最新欧州重要経済指標の発表があり、11月欧州消費者物価指数 (HICP / Harmonised Index of Consumer Prices) 速報値)は、前年同月比が前回と市場予想の2.1%を上回る2.2%に上昇し、欧州HICPコア指数の速報値の前年同月比は前回と市場予想通りの2.4%の高止まりを見せており、10月欧州失業率は前回の6.3%が前回6.4%に修正された上で市場予想の6.3%に対し6.4%とやや悪化したが、欧州金利据え置き予想は優勢で、ユーロ円でも欧州ユーロが円相場で買い戻されていた。

昨夜には米国主要株価指数の先物にも買いが入っており、欧米主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) では低リスク通貨の円売りだけでなく、時間外の米国債券取引で世界的な安全資産の米国債が売られていた影響などもあり、昨夜21時50分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.119%付近に上昇したため、債券利回りの金利差トレードのドル買いも入ったことではドルは円相場で156円台に留まっており、米国よりも時差が先行している欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値も一時156円1銭付近と156円台であった。

米国ニューヨーク外国為替市場に続き、米国ニューヨーク株式市場が始まると、欧州主要株価指数上昇の影響もあって、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏に上昇して始まった欧米主要株価指数上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りが勢いを増したほか、米国債券市場でも世界的な安全資産の米国債売りの影響で米国長期金利が4.1%台の高止まりを続けていた金利差トレードの影響もあり、深夜24時8分頃の米国長期金利も一時4.115%付近の高利回りであったため、深夜24時11分頃に対ドル円相場は一時156円18銭付近と、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国市場の高値を記録後のドルには利益確定や持ち高調整の抵抗が入ったことに加えて、午前1時頃に英国ロイター通信 (Reuters) などのニュースが入り、ロシア政府のウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ和平交渉について、「欧州側の要求はロシアが受け入れられる内容ではない」として「妨害している」と欧州批判をしたほか、「ロシアにはその気はなかったが、欧州が戦争を望むのならば、我々は準備が出来ている」と好戦的な発言をしたことが話題になり、欧州ユーロ圏の欧州連合 (EU / European Union) 加盟国と隣接する地域もあり地理的に近いウクライナ情勢の修正和平案合意への期待感が後退し、地政学リスク警戒感の高まりにより欧米主要株価が上昇幅を縮小したほか、米国債券市場で世界的な安全資産でもある米国債の買い戻しが入り、米国債券価格上昇に伴う利回り低下により米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が反落し、午前1時31分頃には一時4.097%とそれまでの4.1%台割れを起こし、この時間にはドルも円相場で一時155円75銭付近と155円台に反落しており、昨夜から今朝までの米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、欧州周辺の地政学リスクの高まりを受けては、欧州ユーロが世界的に流動性の高い安全資産でもあるドルに対して売られた外貨影響の対ドル円相場への波及もあり、午前1時58分頃にユーロドルが一時1.1592ドル付近の米国市場のユーロの安値でドルの高値を記録したことは、市場高値後の円売りで市場安値後のドルの買い戻しが入っていたこともあり、午前2時19分頃にはドルは円相場で一時156円9銭付近と一時156円台に反発した。

しかし、現地時間で同日2日には、ロシア政府のウラジーミル・プーチン大統領はウクライナ和平案について協議するためにロシアを訪問中の米国政府のスティーブ・ウィットコフ中東担当特使とドナルド・トランプ大統領の娘婿のジャレッド・クシュナー氏とロシアのモスクワのクレムリンにあるロシア大統領府で会談しており、今回も合意には至らなかったもののこれまでの米国側とは友好的な雰囲気の写真などが公開されたことなどもあり、過去の旧ドイツのナチス侵攻の歴史からロシア側はドイツを含む欧州側にはこれまでも警戒した態度を取ってきた経緯などもあり、米国側との交渉への期待感は米国市場では燻っていた。

時差先行の欧州株式市場では、欧州主要株価指数は前日比の小幅高で終了し、米国ニューヨーク株式市場でも米国主要株価三指数がプラス圏で下げ止まって反発して小幅高の終値に向けたため、欧米株価上昇を受けて欧州ユーロの買い戻しが入り、ユーロドルで欧州ユーロがドルに対して反発上昇に向けた外貨影響も対ドル円相場に波及したことでは、欧米株価上昇に伴う低リスク通貨の円売りの抵抗を交えながらも、今朝7時頃にも米国長期金利は一時4.091%付近と4.1%台まで戻せなかったことでは、ドルも円相場で155円台後半に上昇幅を縮小していた。

また、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の次期FRB議長を2026年の年明けの「早い段階で公表する方針」を示したニュースがあり、最有力候補とされるアメリカ合衆国国家経済会議 (NEC / National Economic Council) ののケビン・ハセット委員長と同席した際に、「FRB議長になる可能性がある人物がここにいるようだ」と発言したという報道もあり、米国利下げ要求の政治圧を続けているドナルド・トランプ大統領の意向に沿う米国利下げに積極的なハト派の次期FRB議長候補が意識されたことも、来週12月9〜10日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) では米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ予想が優勢で、同時に日銀の早期利上げ予想もあった日米金利差予想があったことも、米国長期金利の低下に影響を与えていた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の156円18銭付近から、円の高値でドルの安値の155円75銭付近の値幅約43銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は155円88銭付近と、前営業日同時刻の155円46銭付近の前ニューヨーク終値比で約42銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円77銭付近と、ドルは円相場で前ニューヨーク終値時点よりも下落して始まった。

しかし、今朝9時30分にオセアニアのオーストラリアの最新重要経済指標の豪州国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の発表があり、最近の豪州のエネルギー価格高騰などのインフレ加速を受けて、景気状況にもインフレ圧があれば豪州利上げ再開の可能性などがあることも報じられていたことが今朝の対ドルなどでの値動きに影響を与えていたが、7〜9月第3四半期豪州国内総生産 (GDP) は、前期比が前回の0.6%と前回上方修正と市場予想の0.7%を下回る0.4%に下振れし、前年同期比も前回の1.8%と前回上方修正の2.0%と市場予想の2.2%に対し2.1%と市場予想以下であったことでは、豪州利上げ再開予想はやや後退した。今朝のドル円でドルが下落していた一因にはオーストラリアドルに対するドル買いの外貨影響の対ドル円相場への波及もあったが、ドルの買い戻しが入ったことからドルは円相場で反発した。

日本市場でも、今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需などの円売りドル買い需要があり、今朝9時54分頃にドルは円相場で一時155円82銭付近と、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。

また、東京株式市場でも、昨夜から今朝までの欧米主要株価指数上昇の影響などもあり、今日の日経平均株価が朝からプラス圏に上昇して始まった欧米日株価上昇時のリスク選好のリスクオンによる低リスク通貨の円売りの影響があった。

ただし、仲値決済の後には国内輸出企業の円買いドル売りも入り始めたほか、日銀の利上げ予想の影響を受けた国内債券市場では、新発10年物日本国債の利回りが指標となる国内長期金利が上昇して債券利回りの金利差トレードの円買いが入り、それに対する米国利下げ予想の影響では時間外の米国債券取引でも米国長期金利は午後15時29分頃にも一時4.082%付近に低下していたため、午後15時30分頃に今日の日経平均株価は4万9864円68銭の終値をつけて前日比561円23銭高の+1.14%の大幅高で大引けしたものの、株価影響の低リスク通貨の円売りが弱まった一方で、債券利回りの日米金利差縮小を受けた金利差トレードの円買いが優勢で、午後15時30分に対ドル円相場は一時155円51銭付近と、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。

来週12月9〜10日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) では米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ予想が優勢で、それに対する12月18〜19日の日銀金融政策決定会合で早期利上げが行われれば、日米金利差縮小となることから、前日の利益確定や持ち高調整の後には、株式市場終了時には再び円買いが入りやすかった。

今日の国内債券市場では、新発10年物日本国債の利回りが指標となる国内長期金利は一時1.899%付近と1.89%台に上昇し、2008年6月以来の高利回りを記録した。

日本市場では市場安値後のドルの買い戻しも入ったが、夕方からの欧州市場の参入では米国長期金利低下を受けて欧州ユーロに対するドル売りが先行したことではドルは円相場で一時反落し、しかし円相場では株価影響で低リスク通貨の円は欧州ユーロや英国ポンドなどには売られた外貨影響もあり、ドルは円相場で市場安値を下抜けしない底堅さ見せたことでは再び反発したものの、世界的な流動性の高さから安全資産で主要取引通貨でもあるドルの買い戻しは欧州よりも米国主導となる可能性はあるが欧州と地理的に近いウクライナ情勢の和平合意に向けた期待感もやや燻っており弱く、今夜17時の英国ロンドン外国為替市場参入時の米国長期金利は一時4.075%に低下していたが、夕方16時51分頃の一時4.072%付近からは反発を始めていたこともあり、ドルは円相場でやや反発して一時の下げ幅を縮小した。

このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円69銭付近で、昨日17時の155円78銭付近の前東京終値比では約9銭の小幅な円高ドル安であった。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時15分に米国重要経済指標の11月米国ADP (Automatic Data Processing Inc. / オートマチック・データ・プロセッシング社) 雇用統計と、今夜22時30分に先日までの米国政府の一部機関の閉鎖中に延期されていたデータの9月米国輸入物価指数と9月米国輸出物価指数と、23時15分の同9月米国鉱工業生産と9月米国設備稼働率、23時45分に最新米国経済指標の 11月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値と11月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 改定値、そして深夜24時に最新米国重要景気指標の11月米国ISM (Institute for Supply Management / 米国サプライマネジメント協会) 非製造業景況指数の発表を控えている。

来週12月9〜10日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を控え、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の現役高官達は金融政策に関する発言自粛のブラックアウト期間に入っているが、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響や、ウクライナ情勢や中東や中米などの世界情勢に加え、世界政治経済のニュースや要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は181円27銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の180円94銭付近の前東京終値比で約33銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨夜から午後までの欧米日主要株価上昇を受けたリスク選好のリスクオンでは、低リスク通貨の円売りに対して欧州ユーロや英国ポンドが買われた時間があったほか、米国長期金利低下を受けて欧州ユーロが対ドルで買い戻されて上昇した外貨影響が波及し、円相場でも欧州ユーロが上昇した。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は206円21銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の205円88銭付近の前東京終値比では約33銭の円安ポンド高であった。

ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1643ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1614ドル付近の前東京終値比で約0.29セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、昨夜の地政学リスク警戒感の高まりが一時的となり、株価影響などで欧州ユーロが買い戻されて反発上昇したほか、次回12月18日の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会では欧州金利据え置き予想が市場で優勢であることに対し、来週12月9〜10日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) では米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国小幅利下げ予想が優勢さを保ち、今夕には米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FewWatch) ツールで一時89.2%付近と更に上昇したことも、ユーロドルの為替相場に影響を与えていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月12月3日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の21時35分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時35分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。

通貨ペア JST 21:35の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 155.41 〜 155.42 −0.36 (円高)
ユーロ/円 181.34 〜 181.36 +0.42 (円安)
ユーロ/ドル 1.1667 〜 1.1669 +0.0055 (ドル安)
英ポンド/円 206.68 〜 206.74 +0.86 (円安)
スイスフラン/円 194.24 〜 194.30 +0.62 (円安)
豪ドル/円 102.39 〜 102.43 +0.29 (円安)

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