FXニュース:日積極財政と介入警戒感
2025年11月25日
東西FXニュース – 2025年11月25日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米FRB高官発言影響続く
- 米金利予想長期金利低下
- 米主要株価三指数は続伸
- 日経平均株価も小幅反発
- 米延期後の経済指標控え
今日2025年11月25日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の156円98銭付近から、円の高値でドルの安値の156円53銭付近の値幅約45銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円69銭付近と、世界FX市場の昨日17時の156円79銭付近と比較すると約10銭の円高ドル安で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の156円77銭付近の前東京終値比では約8銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場は連休であったが、昨夜18時の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新欧州経済指標の11月独IFO (Information and Forschung / 経済研究所) 企業景況感指数が発表され、前回の88.4と市場予想の88.5を下回る88.1に低下した影響では、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) の上昇を受けて対ドルで上昇していた欧州ユーロに抵抗が入ったユーロドルの外貨影響の対ドル円相場への波及があり、ドルは円相場で昨夜18時1〜2分頃にかけて一時156円94銭付近にまで買われていた。
しかし、先週金曜日の夜に世界市場で話題になった次回12月9〜10日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国ニューヨーク連邦準備銀行 (連銀) のジョン・ウィリアムズ総裁の発言を受けた次回の米国利下げ予想の再上昇の影響が続いていたことでは、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下し、昨夕16時35分頃には一時4.069%付近だった米国長期金利は昨夜18時31分頃には一時4.056%付近になったため、昨夜18時33分頃にドルは円相場で一時156円68銭付近に反落した。
米国提案の和平案修正などで一時期待感があったものの、現実的にはロシアのウクライナ侵攻が継続していた地政学リスクの燻りなどの影響もあり、世界的な安全資産である米国債が買われていたことも債券価格上昇に伴う利回り低下に影響を及ぼしており、昨夜21時47分頃には米国長期金利は一時4.044%付近に低下し、債券利回りを受けた金利差トレードは円相場でのドルの上値を抑えていた。
昨夜21時50分頃には、米国利下げ要求の政治圧で知られる第二次ドナルド・トランプ米国政権の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の任期終了後の次期FRB議長候補の一人として知られるFRBのクリストファー・ウォラー理事の発言があり、「懸念しているのは米国労働市場であり、次回12月の米国利下げを支持する」という市場予想通りのハト派発言があったことも次回の米国利下げ予想の上昇継続に影響を与えたが、「1月は多くの最新米国経済データが公表される時期で、米国利下げが妥当かどうかを判断するのが難しい」と、米国利下げの継続にはやや慎重な姿勢も見せていた。
時差先行の欧州英国市場では、明日11月26日に英国政府の秋季予算案公表予定を控えており、レイチェル・リーブス英国財務相が所得税率の引き上げなどの増税計画を撤回または延期という先日からの観測報道を受けた英国財政への警戒感などがあり、ユーロポンド相場で欧州ユーロ買いポンド売りが起きた外貨影響の波及が、ユーロドルでも欧州ユーロ上昇に伴うドル下落圧となって対ドル円相場にも波及していた外貨影響があり、日本政府の高市早苗政権の財政拡張への警戒感による円売りも入っていたものの、昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時156円85銭付近であった。
ただし、米国ニューヨーク株式市場では、先週金曜日の夜に次回の米国利下げ予想が優勢に転じた後にも、市場で確定値と考えられている70%超えから80%台に向けた堅調な推移を続けた金利警戒感の緩和を受けて、米国主要株価三指数が先物から上昇してプラス圏からの始まりに向けた株価影響では安全資産の米国債売りも入って債券価格低下に伴う利回り上昇を受けて昨夜22時27分頃には米国長期金利が一時4.063%付近に反発し、それを受けた一時抵抗を交えながらも米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏から始まり、続伸に向けて再上昇した米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の株価影響では、主要通貨に対する低リスク通貨の円売りが入り、深夜24時10分頃にドルは円相場で一時157円19銭付近と、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、それまで156円台で推移していたドルが円相場で157円台に上抜けしたことを受けては、テクニカル分析的なレジスタンス・ライン (Resistance line / 上値抵抗線) が先週の目前高値の157円台後半付近に位置していたほか、今年のドルの円相場での最高値が位置する158円台後半には日本政府の高市早苗政権の積極的な為替介入警戒域も意識されていたため、市場高値後のドルの早期の利益確定や持ち高調整が入り始めたことではドルは円相場で156円台に向けて上昇幅を縮小し、今朝4時27分頃に米国長期金利が一時4.037%付近に低下した債券利回りの金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りも入ったため、今朝4時59分頃にドルは円相場で一時156円71銭付近と、昨夜から今朝までの米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。
また、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国サンフランシスコ連銀のメアリー・デイリー総裁の発言の影響もあり、この日の米国経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) のインタビューで、「米国労働市場について、先手を打てるという確信が持てない」と後手になるリスクを懸念し、「採用も解雇も共に少なくなるという低採用・低解雇の均衡が、最終的に悪化するリスクが高まると見ている」と警戒感を見せた上で、企業による人件費削減などのコスト吸収努力などもあって「関税による価格上昇率が当初の予想よりも比較的抑制されていることを考えると、インフレ上昇リスクの方が低いのでは」と、雇用最大化と物価安定の二大責務におけるリスクバランスに言及し、「FRBは失業率を上昇させることなく、インフレ率を目標の2%に回帰させることができると、依然として考えている」とも述べたが、「米国利下げを控えるべきではない」というハト派発言の部分がより話題になったことも、市場予想の影響を受けて低下した米国長期金利に影響を与え、米国市場終盤の今朝6時54分頃には米国長期金利は一時4.032%付近と更なる低下を見せたことでは、今朝早朝に米国主要株価三指数が続伸して高値引けをしたほか、仮想通貨のビットコインが上昇するなどリスクオンの低リスク通貨の円買いの影響はやや限定的であった。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の157円19銭付近から、円の高値でドルの安値の156円71銭付近の値幅約48銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は156円89銭付近と、前営業日同時刻の156円41銭付近の前ニューヨーク終値比で約48銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、日本の連休明けとなる今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時156円91銭付近で、今日は25日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の五十日 (ごとおび / ゴトーび) で日本企業の輸入実需の円売りドル買いが先行したほか、今朝早朝に米国主要株価三指数が続伸して引けており、今朝の連休明けの東京株式市場でも今日の日経平均株価がプラス圏に上昇して始まった株価影響の低リスク通貨の円売りの影響などでは、今朝9時30分頃にドルは円相場で一時156円98銭付近と、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、月末を控えた五十日ということもあって、続いては国内輸出企業によるまとまった円買いドル売りが入り始めたほか、日本政府の高市早苗政権の21.3兆円規模に膨らむ総合経済対策の積極財政への警戒感による世界市場での円売り要因がある中でも、同時に積極的な為替介入への警戒感もあり、今朝も城内実経済財政相・成長戦略相が、「投機的な動向を含め、為替市場の動きを高い緊張感を持って見極めている」と発言したこともあり、157円台を前にした市場高値後のドルには利益確定や持ち高調整で円の買い戻しが入って対ドルの円相場が反発し、今朝10時35分頃にはドルは円相場で一時156円55銭付近に反落した。
世界的に流動性が高い主要取引通貨のドルの買い戻しも入った影響では、昼の13時17分頃にはドルは円相場で一時156円85銭付近に反発したが、今日の日経平均株価は午前の部ではプラス圏の堅調な推移を見せていたが、午後の部が始まると利益確定や持ち高調整の抵抗が入り始めて一時は小幅なマイナス圏にまで反落し、その後には反発してプラス圏に戻したものの今朝ほどの上昇幅には戻せずに、午後15時30分に4万8659円52銭の終値をつけて前営業日比33円64銭高の+0.07%の小幅上昇で大引けした株価影響もあって、国内第一安全資産の円の買い戻しが日本市場の終盤に向けて優勢になり、日本市場終盤で夕方からの欧州市場参入後の午後16時50分頃には、ドルは円相場で一時156円53銭付近と、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。
今夜17時頃からの英国ロンドン外国為替市場の参入では、今朝9時7分頃には一時4.025%付近にまで低下した米国長期金利が今日の日本市場時間と時差先行の欧州市場時間に下げ幅を縮小しており、今夜17時に一時4.048%付近になっていた債券利回りの金利差トレードの影響では、市場安値後のドルの円相場での買い戻しの抵抗も入った。
そのため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円69銭付近で、世界FX市場の昨日17時の156円79銭付近と比べると約10銭の円高ドル安となり、日本市場の連休前の前営業日同時刻の先週金曜日17時の156円77銭付近の前東京終値比では約8銭の円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場では、先日までの米国政府機関の一部閉鎖中に発表が延期されていた米国重要経済指標などの発表予定や米国債の入札予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、今夜22時30分に延期されていた景気指標の9月米国小売売上高と物価指標の9月米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) の発表があり、今夜23時に9月米国S&P/ケース・シラー住宅価格指数と9月米国住宅価格指数と7〜9月四半期の米国住宅価格指数が同時発表され、深夜24時に11月米国リッチモンド連銀製造業指数と11月米国消費者信頼感指数と10月米国住宅販売保留指数と8月米国企業在庫と、27時に米国5年債入札予定などを控えている。
また、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響と、中東やウクライナ情勢などの世界情勢に加え、世界政治経済のニュースや米国政府のドナルド・トランプ大統領や日本政府の高市早苗首相などを含む世界の政治や経済の要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。
一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は180円53銭付近と、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の180円51銭付近と比較すると約2銭の小幅な円安ユーロ高であったが、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の180円92銭付近の前東京終値比では約39銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、先週に一時182円付近の1999年の欧州ユーロ制定以来の史上最大の円安ユーロ高を記録後の欧州ユーロは日本の連休中には日本市場時間外が狙われやすい日本政府の円買い為替介入への警戒感と日銀の追加利上げ予想を上昇させた一部報道などを受けて昨日は円相場が上昇していたが、昨夜から今朝にかけての欧米主要株価の上昇に続き、今日は日経平均株価もプラス圏で始まり小幅高で終えており、リスクオンで買われやすい欧州ユーロは前日比では小幅高の今日の東京終値となっていた。
ユーロドルも同様に、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1522ドル付近と、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1514ドル付近と比べると約0.08セントのユーロ高ドル安であったが、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.1540ドル付近の前東京終値比では約0.18セントのユーロ安ドル高であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は205円59銭付近で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の205円26銭付近と比較すると約33銭の円安ポンド高で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の205円1銭付近の前東京終値比では約58銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、日英共に財政悪化懸念が燻るものの、日本の財政拡張規模への警戒感の方が優勢で、為替介入警戒感が直接的ではない英国ポンドは円相場で堅調な推移を続けていたが、今夜その後の欧州英国市場では主要通貨のドルだけでなく、欧州ユーロなどに対しても前日比で小幅な円高になった外貨影響の波及があり、小幅な円高ポンド安にも転じている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月11月25日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の20時57分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時57分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 20:57の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
| ドル/円 | 156.47 〜 156.48 | −0.31 (円高) |
| ユーロ/円 | 180.33 〜 180.35 | −0.16 (円高) |
| ユーロ/ドル | 1.1524 〜 1.1526 | +0.0012 (ドル安) |
| 英ポンド/円 | 205.07 〜 205.13 | −0.13 (円高) |
| スイスフラン/円 | 193.08 〜 193.14 | −0.46 (円高) |
| 豪ドル/円 | 100.86 〜 100.90 | −0.35 (円高) |
注意:
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