FXニュース:米次回金利維持予想上昇

2025年11月20日
今日2025年11月20日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の156円88銭付近から、円の安値でドルの高値の157円78銭付近の値幅約90銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円45銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年11月20日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日為替介入警戒感が緩和
  • 米10月NFP雇用発表延滞
  • 米FOMC議事要旨タカ派
  • 米エヌビディア決算好調
  • 日米主要株価指数が上昇
  • ユーロ円史上初181円台

今日2025年11月20日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の156円88銭付近から、円の安値でドルの高値の157円78銭付近の値幅約90銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円45銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円50銭付近の前東京終値比で約1円95銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、 昨夜18時10分頃から開催された日本政府の片山さつき財務相と城内実経済財政相と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の三者会談の後に、片山さつき財務相が「為替について、具体的な話は出なかった」と発言したことが話題になり、海外市場では日本政府と日銀による為替介入への警戒感が緩和された主要通貨に対する円売りが入り、昨夜20時3分頃にドルは円相場で一時156円30銭付近と156円台に上昇したほか、昨夜21時52分頃には欧州ユーロが円相場で一時180円98銭付近と、史上初の181円台を視野に入れるなどの円安が進行していた。

時差先行の欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時156円25銭付近であったが、時間外の米国債券取引で昨夜20時2分頃には一時4.132%付近に上昇していた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、米国株式市場に向けた安全資産の米国債買いの影響などで昨夜22時21分頃の一時4.109%付近に向けて反落した債券利回りの金利差トレードの影響では、昨夜22時16分頃に対ドル円相場は一時156円4銭付近と、昨夜の米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、先日までの米国政府機関の一部閉鎖中に発表が延期されていた米国経済指標の発表が再開されており、昨夜22時30分に発表された8月米国貿易収支は、前回の−783億ドルが−782億ドルに上方修正された上で、市場予想の−610億ドルよりも堅調な−596億ドルに赤字額が改善されたこともあり、再びドルが円相場で買われ始めて反発上昇に向けた。

また、米国政府機関の再開に伴い、米国労働省労働統計局 (BLS / Bureau of Labor Statistics) が今夜この後に9月米国雇用統計の発表を予定しているが、閉鎖中のデータ収集の問題などから、10月米国雇用統計を全て発表することができなくなり、一部発表可能な10月米国非農業部門雇用者数は、「11月米国雇用統計と一緒に12月16日に発表する」ことを明らかにしたため、それ以前の12月9〜10日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) は米国雇用市場のデータがないまま金融政策を決定することになり、雇用最大化と物価安定の二大責務における米国雇用データ軟化による追加利下げの決定が困難になるという観測報道などから、市場では先日にも一時40%台に後退していた次回の米国小幅利下げ予想がさらに後退して一時30%台に向け始めたことに対し、次回の米国政策金利据え置き予想が一時60%台後半に向けた一段の上昇を始めたことから、日本政府の財政拡張と金融緩和志向の高市早苗政権との綿密なコミュニケーションを持つための時間や、来年の春闘の様子見の可能性も意識されていた日銀が追加利上げを急がない姿勢などもあって日米金利差予想の円売りドル買いが入り、ドルは円相場で上昇トレンドになった。

米国ニューヨーク株式市場では、前日まで続落していた米国主要株価三指数に買い戻しが入って反発し、米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏に上昇した時間があったことでも、株価影響により低リスク通貨の円売りが入りやすくなっており、この日の米国株式市場の株引け後にAI (Artificial Intelligence / 人工知能) 半導体大手の米国エヌビディア (NVIDIA) の決算報告予定を控える様子見が混ざる中でも、深夜24時15分頃には米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) による安全資産の米国債売りも入り、米国長期金利が一時4.133%付近に反発していたことも、為替相場での株価影響も含めた円安ドル高に影響を与えていた。

さらに、米国政府のドナルド・トランプ大統領の特使のスティーブ・ウィトコフ氏のプライベートメッセージがSNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス) に短時間ではあるが投稿として流出しており、「第二次ドナルド・トランプ米国政権がロシア政府関係者とウクライナ間の戦争終結に向けた新たな計画を策定するために、ロシア政府の特使と秘密裏に協議していた」との一部のスクープ報道が話題になり、原油先物価格が一時急落した一方で世界的な安全資産の米国債にはその後の売りが入り、米国ニューヨーク債券市場では米国長期金利が今朝早朝の一時4.14%台に向けて一時の反落後に再上昇を始めた債券利回りの金利差トレードの日米金利差の円売りドル買いもあり、ウクライナと隣接する地域がある欧州周辺の地政学リスク緩和への期待感もあって、欧州ユーロも円相場で深夜24時3分頃に一時180円99銭〜181円0銭付近のこの時点での史上最高値を記録後の一時反落後に反発を見せ始めていた外貨影響もあり、ドルも円相場で一時156円台後半から157円台に向け始めていた。

午前4時には、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が前回10月28〜29日開催分の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) 議事要旨を公開し、内容に、「一段の米国利下げは高インフレが定着するリスクを強める可能性がある」として、「多くの参加者は12月の米国利下げは適切ではない可能性が高いと判断」とあったことなどから、次回の米国利下げ予想の後退によるドル買いが勢いを増し、ドルは円相場で一時157円台に乗せて上昇し、大幅な円安ドル高が進行した。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数が揃ってプラス圏の前日比の小幅高で終了し、米国株引け後に終盤に向かう米国ニューヨーク外国為替時間中に米国エヌビディア (NVIDIA) の決算報告があり、市場予想を上回る良好な決算であったことから、市場では最近のAI投資への過熱感による調整警戒やAIバブルへの警戒感が緩和された時間外の米国主要株価先物が上昇し、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りでドルは円相場で今朝6時46分頃に一時157円18銭付近と、この日の米国市場における円の安値でドルの高値を記録した。

今朝6時53時頃に米国長期金利が一時4.143%付近に上昇していた影響もあり、市場高値後のドルの利益確定や持ち高調整の抵抗が弱く、円相場でしばらく高止まりに近い値動きを見せたほか、リスク選好市場で低リスク通貨の円に対して買われやすい欧州ユーロも先述のウクライナ情勢を巡る地政学リスク緩和への期待感なども相まって円相場で181円台に乗せて上昇し、今朝6時58分頃には欧州ユーロは円相場で一時181円36銭付近と、この時点での1999年の欧州ユーロ制定以来の史上最大の円安ユーロ高を再び更新した外貨影響も対ドル円相場や主要通貨に対する円相場に波及していた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の高値でドルの安値の156円4銭付近から、円の安値でドルの高値の157円18銭付近の値幅約1円14銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は157円16銭付近と、前営業日同時刻の155円51銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円65銭の大幅な円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、大幅な円安ドル高の進行を受けた利益確定や持ち高調整の抵抗が混ざったことでは、今朝8時1分頃にドルは円相場で一時156円99銭付近に下押ししたが、前述の米国利下げ予想の後退を受けた米国長期金利上昇の影響によりドルは円相場で再び157円台に買い戻されたため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値も一時157円0銭付近であった。

日本市場が始まると、先ほどのアジア・オセアニア市場と同様に、大幅な円安進行を受けた利益確定や持ち高調整が先行した影響では、今朝9時15分頃に対ドル円相場は一時156円88銭付近と、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録したが、今朝早朝の米国エヌビディア (NVIDIA) の好決算の影響もあり、今朝の東京株式市場で今日の日経平均株価が大幅な上昇を始めた株価影響のリスク選好のリスクオンでは国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが入り、ドルは円相場で反発し、再び157円台に戻した上昇を始めた。

日本市場では、今日は20日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10がつく日の五十日 (ごとおび / ゴトーび) であったことでも、日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要があった。

国内ニュースの影響では、日本政府の高市早苗政権は明日11月21日にも物価高対策などを含む推定17兆円以上25兆円以内のおよそ21.3兆円規模とも言われる総合経済対策を閣議で決定する見通しであることなどが報じられ、積極的な財政拡張政策による財政悪化への警戒感の円売りも続き、同時に高市早苗政権のこれまでの金融緩和志向から綿密なコミュニケーションの追加時間に加えて、来年の春闘を様子見する可能性などから日銀の追加利上げ時期が後ずれするのではないかという市場予想の影響もあり、それに対して次回の米国利下げ予想が後退しているため、当面の間の日米金利差予想の円売りドル買いも入った。

今朝10時30分頃から日銀政策委員会の小枝淳子審議委員の発言があり、新潟県金融経済懇談会における挨拶で、「経済・物価の見通しが実現すれば、金融緩和度合いを調整していく」と、これまでと同様の日銀の追加利上げ方向維持に言及したが、具体的な時期などには特に触れられなかったこともあり、市場では日銀の早期利上げ予想は後退したままであった。

また、日銀の小枝淳子審議委員は、今日の午後からの記者会見でも再度発言したが、最近の円安進行について、「エネルギー価格上昇などを丁寧に見ていく。物価を取り巻く要因は総合的に見ていく必要がある」と発言するに留まり、市場では日銀の早期利上げ予想の後退と共に、円安を巡る為替介入への警戒感も緩和された円安の影響が続いた。

午後15時30分には、今朝早朝の米国エヌビディアの好決算を受けたAIバブル警戒感の緩和の影響が続いた今日の日経平均株価は4万9823円94銭の終値をつけ、前日比1286円24銭高の+2.65%の大幅高で大引けしており、日経平均株価上昇時のリスクオンの低リスク通貨の円売りで買われやすい欧州ユーロは円相場で今日の午後15時53分頃に一時181円73銭付近と、史上最大の円安ユーロ高を続伸していた。

その外貨影響の波及に加えて、日米金利差予想や日本政府の財政警戒の円売りなどが続き、夕方からの欧州市場参入後の夕方16時2〜3分頃にかけてドルは円相場で一時157円78銭付近の高止まりを見せて、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。

国内債券市場では、高市早苗政権の財政拡張による赤字国債発行への警戒感などで、日本国債売りが入っていた影響では、新発10年物日本国債の利回りが指標となる国内長期金利が今夜17時台の一時1.84%台付近に向けた上昇を始めていた影響では、債券利回りの金利差トレードの影響もあり、日本市場終盤に向けた円の買い戻しの抵抗も混ざったが、片山さつき財務相が、今日も「金利や為替は、様々な要因を背景に市場において決まるもの」と発言していたことでは、海外市場時間が狙われやすい為替介入への警戒感は緩和されており、対ドル円相場は前日比で大幅な円安ドル高が進行した157円台に留まっていた。

そのため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円45銭付近で、昨日17時の155円50銭付近の前東京終値比で約1円95銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に、前週分米国新規失業保険申請件数と前週分米国失業保険継続受給者数と同時に10月3日に発表予定だった9月米国雇用統計の発表が予定されており、9月米国非農業部門雇用者数変化 (NFP / Non-Farm Payrolls) と9月米国失業率と9月米国平均時給の発表と、同時刻に11月米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数があり、その後の今夜23時30分頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのマイケル・バー理事の発言予定と、深夜24時に10月米国中古住宅販売件数、25時頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRBのリサ・クック理事の発言予定と、26時40分頃から同様に次回FOMC投票権を持つFRB高官の米国シカゴ連邦準備銀行 (連銀) のオースタン・グールズビー総裁の発言予定などがあるが、今月13日に解除された米国政府機関の一部閉鎖中の影響では、今夜予定されていた米国景気先行指数の発表は延期される可能性がある。

また、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響と、中東やウクライナ情勢などの世界情勢に加えて、世界政治経済のニュースや米国政府のドナルド・トランプ大統領や日本政府の高市早苗首相などを含む世界の政治や経済の要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は181円38銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の180円19銭付近の前東京終値比で約1円19銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、先述の通り、日経平均株価上昇時のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響や、ドルなどの他の主要通貨に対する金利差予想や財政警戒の円安が進行する中で、欧州ユーロは円相場で1999年の欧州ユーロ制定以来の史上最高値を続伸しており、今日の日本市場時間の午後15時53分頃にも一時181円73銭付近と史上最大の円安ユーロ高を更新しており、その後の利益確定や持ち高調整の抵抗後の東京終値も大幅域であった。

欧州ユーロと経済圏が近い英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は205円79銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の204円43銭付近の前東京終値比では約1円36銭の大幅な円安ポンド高であった。

なお、今日の午後15時59分頃には、英国ポンドも円相場で一時206円4銭付近に上昇し、今日の日本市場における円の安値とポンドの高値を記録し、今年最大の円安ポンド高の更新に向けていた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1520ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1587ドル付近の前東京終値比で約0.67セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、次回の米国利下げ予想の後退に対し、次回の米国金利据え置き予想が上昇しており、日米金利差予想の円相場だけではなく、欧州ユーロなどの主要通貨に対してもドルが上昇していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月11月20日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の21時8分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時8分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。

通貨ペア JST 21:08の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 157.58 〜 157.60 +2.10 (円安)
ユーロ/円 181.44 〜 181.45 +1.25 (円安)
ユーロ/ドル 1.1512 〜 1.1514 −0.0073 (ドル高)
英ポンド/円 205.81 〜 205.87 +1.44 (円安)
スイスフラン/円 195.17 〜 195.23 +0.63 (円安)
豪ドル/円 102.05 〜 102.09 +1.13 (円安)

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