FXニュース:米政府再開経済指標警戒
2025年11月14日
東西FXニュース – 2025年11月14日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米FRB高官達の慎重発言
- 米次回利下げ予想が後退
- 米主要株価三指数大幅安
- 日経平均株価も大幅下落
- 外貨影響のユーロ高波及
- 英増税撤回報道財政懸念
今日2025年11月14日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の154円75銭付近から、円の高値でドルの安値の154円31銭付近の値幅約44銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円67銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の154円69銭付近の前東京終値比で約2銭の小幅な円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、 米国連邦議会の上院と下院を通過後の米国政府のみなし予算修正案にドナルド・トランプ大統領が署名し、米国政府機関の一部閉鎖が終了したが、政府再開と共にこれまで延期されていた米国重要経済指標が今後発表されることに対する市場警戒感が高まり、閉鎖中の一部データが未発表または不完全な形で発表される可能性に加えて、米国経済減速への懸念が燻る中で欧州主要株価指数と米国主要株価指数先物などの株価が軟調になり、時間外の米国債券市場で世界的な安全資産の米国債買いが起き、債券価格上昇に伴う利回り低下で昨夜18時30分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.077%付近に下したため、債券利回りの金利差トレードのドル売りの影響により、この時間のドルは円相場で一時154円32銭付近に反落していた。
ただし、前日までの次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言の影響に加えて、米国政府機関の一部閉鎖中の米国雇用統計の失業率などのデータが未発表または不完全になる可能性を受けた「霧の中の運転」では積極的な金融政策の変更が困難になるとの市場予想から次回の米国利下げ予想が後退しており、金利先物市場の動向から米国政策金利の市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールで次回の金利維持予想値が半分近くに上昇していたことを受けては、時間外の米国債券取引で米国長期金利は昨夜20時50分頃には一時4.101%付近に反発しており、金利差トレードのドルの買い戻しで昨夜20時53分頃にドルは円相場で一時154円76銭付近に反発した。
欧州ユーロに対する円安が進行していた外貨影響も対ドル円相場も波及しており、時差先行の欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時154円60銭付近であったが、昨夜22時45分頃には市場での次回の米国金利維持予想の上昇を受けて米国長期金利は一時4.116%付近に上昇したため、債券利回りの金利差トレードの影響により、昨夜22時46分頃にはドルは円相場で一時154円74銭付近と、昨夜の米国市場における円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、米国主要株価指数先物だけでなく時間外のナイト・セッションの日経平均株価先物も大幅安となった株価リスク回避のリスクオフ (Risk-off) ではドルからの低リスク通貨の円の買い戻しも入り始めたことでは円相場も反発し、米国ニューヨーク株式市場で米国主要株三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってマイナス圏から始まり、ダウ工業株 (DJI) とS&P500種株価指数 (S&P500) が米国利下げ予想後退時の金利警戒感で下げ幅を拡大し、AI (Artificial intelligence / 人工知能) 投資の過熱感への警戒感による株高調整なども起きていた米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ) も大幅安に向けたため、深夜24時55分頃にドルは円相場で一時154円13銭付近に下落し、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
また、深夜前にはアメリカ合衆国国家経済会議 (NEC / National Economic Council) のケビン・ハセット委員長が、「米国政府機関閉鎖の影響により、第4四半期米国国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) は1.5%の低下を予想している」と発言し、「利下げしないという議論にはあまり賛同できない」と米国景気懸念を後押しする発言をしたほか、「9月米国雇用統計を来週発表する可能性」に言及した一方で、「10月米国雇用統計は、失業率なしで発表する」と発言したことなどから米国経済指標が一部不明瞭または不完全な形で発表されることへの市場警戒感が高まっており、低リスク通貨の円だけでなく欧州ユーロなどの他の主要通貨にもドル売りが入っていた。
ただし、前日に米国ボストン連邦準備銀行 (連銀) のスーザン・コリンズ総裁と米国シカゴ連銀のオースタン・グールズビー総裁と米国カンザスシティ連銀のジェフリー・シュミット総裁と共に話題になった米国セントルイス連銀のアルベルト・ムサレム総裁の米国利下げに慎重なタカ派寄りの発言に続き、昨夜も次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国セントルイス連銀のアルベルト・ムサレム総裁の講演での再発言が午前2時15分頃からあり、「米国金融政策を過度に緩和的にせずに米国追加利下げを実施できる余地は限られるため、今後は慎重に対応を進める必要がある」としており、現在の米国金融政策について、「やや景気抑制的から中立の範囲にある」と指摘し、「2%の目標を上回るインフレに引き続き歯止めをかけつつ、労働市場には一定の支援を続ける必要があると考えている」と慎重さを保っていたことでは、市場安値後のドルは円相場で下げ幅を縮小した。
また、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言も市場で話題になっており、米国サンフランシスコ連銀のメアリー・デイリー総裁も、「12月の金利についてはまだ最終決定していない」としながらも、「米国インフレ率を目標の2%に引き下げるには、まだ努力が必要」と米国インフレ警戒の発言をしており、米国クリーブランド連銀のベス・ハマック米総裁も、「高インフレが依然として続いている」と警戒感を示し、「米国金融政策にはある程度の引き締め的な姿勢を維持する必要がある」と発言しており、米国ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁も、「米国インフレ率は3%と依然として高すぎる」と発言していた。
米国ニューヨーク債券市場では、午前3時に米国30年債の入札があり、入札時には一時の債券買いの影響が他の米国債にも波及したが、その後は市場での米国利下げ予想の後退を受けて米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、米国株式市場の開場中は米国主要株価三指数の下落を受けた安全資産の米国債買いの抵抗が混ざっていたが、米国主要株価三指数が揃って前日比の大幅安で引けた後にはその抵抗が弱まり、米国ニューヨーク外国為替市場終盤の今朝6時10分頃の米国長期金利は一時4.126%付近に上昇していたため、米国景気懸念によるドル売りが欧州ユーロなどに対しては入っていた外貨影響の波及はドルの円相場での上値を抑えたものの円安ユーロ高も進行していたため、この時間のドルは円相場で一時154円57銭付近まで下げ幅を縮小していた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の154円74銭付近から、円の高値でドルの安値の154円13銭付近の値幅約66銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は154円56銭付近と、前営業日同時刻の154円79銭付近の前ニューヨーク終値比で約23銭の円高ドル安をつけた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時154円64銭付近で、日本市場では明日の15日が週末となるため今日が実質的な日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の「五十日 (ごとおび / ゴトーび) 」となることでは、今朝は日本企業の輸入実需などの円売りドル需要が先行し、今朝9時13分頃にドルは円相場で一時154円75銭付近と今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、東京株式市場では、今朝早朝の米国主要株価三指数が大幅安で引けた影響があり、今日の日経平均株価も大幅に下落しており、日経平均株価下落時のリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円が対ドルで買い戻されており、株式市場の午前の部がマイナス圏の推移のままの大幅安で引けており、午後の部もマイナス圏からの安値引けの市場予想が高まる株価警戒感に加えて、米国政府機関再開に伴う政府系の米国重要経済指標データが来週以降に順次公表される見込みではあるが、一部不完全なデータとなることへの警戒感や米国景気減速懸念が燻る中では株の買い戻しが難しくなるため対ドルでの低リスク通貨の円買いが入り、正午12時33分頃にドルは円相場で一時154円31銭付近と、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。
午後15時30分には、今日の日経平均株価は、5万376円53銭の終値をつけ、前日比905円30銭安の-1.77%の大幅安で大引けした。
ただし、前述の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言の影響を受けて米国利下げ予想値の後退が進んでいたフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、今日の午後には次回12月9〜10日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国小幅利下げ予想値が一時49.6%付近と過半数割れを起こしたことに対して、米国金利維持予想が一時50.4%付近と過半数を超える逆転を起こしていたため、夕方からの欧州市場の参入では時間外の米国債券取引で米国長期金利が上昇し、午後16時11分頃に一時4.130%付近に上昇したほか、今夜17時頃から世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が参入すると、今夜17時8分頃の一時4.141%付近にも向け始めたため、ドルは円相場で154円台前半から後半へと下げ幅を縮小した。
このため、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円67銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の154円69銭付近の前東京終値比で約2銭の小幅な円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場では、特に注目度が高い最新米国経済指標の発表予定はないものの、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、深夜24時5分頃からの次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国カンザスシティ連銀のジェフリー・シュミット総裁の発言予定などを控えている。
また、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響と、中東やウクライナ情勢などの世界情勢に加えて、世界政治経済のニュースや米国政府のドナルド・トランプ大統領や日本政府の高市早苗首相などを含む世界の政治や経済の要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。
一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は179円95銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の179円65銭付近の前東京終値比で約33銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、前日に続き、米国景気懸念のドル売りや英国財政懸念の英国ポンド売りなどで欧州ユーロが買われた外貨に対する欧州ユーロ上昇のユーロ円への外貨影響の波及もあって、前日にも史上最大の円安ユーロ高を続伸していた欧州ユーロは今日も円相場で続伸しており、今日の夕方16時台の日本市場でも一時179円96銭付近に数回上昇していたが、今夜17時の東京終値の直後の17時1分頃にも一時179円97銭付近と、1999年の欧州ユーロ制定以来の史上最大の円安ユーロ高を更新したが、目前となった180円台の大台はレジスタンスライン (Resistance line / 抵抗線) となっている。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1634ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1614ドル付近の前東京終値比で約0.20セントのユーロ高ドル安であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は203円34銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の203円32銭付近の前東京終値比では約2銭の小幅な円安ポンド高であった。
主な要因は、地理的・経済的に近い欧州ユーロと連れ高になりやすい英国ポンドではあるが、欧州連合 (EU / European Union) を離脱後の英国政治要因は別で、今日は英国経済紙フィナンシャル・タイムズ (FT / Financial Times) が、「英国政府のキア・スターマー首相とレイチェル・リーブス財務相が、所得税率引き上げの計画を撤回」と報じたことなどをきっかけに、英国財政懸念が燻ったことで英国ポンドは円相場での上昇幅を縮小し、その後の今夜20 時台の英国市場では小幅な円高ポンド安への市場反転も見せている。
なお、欧州周辺の第三の安全資産とも知られるスイスフランは円相場で続伸しているが、世界的な株価下落の影響ではリスク市場に弱い豪ドルが低リス通貨の円相場で下落している。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月11月14日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の20時45分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時45分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 20:45の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
| ドル/円 | 154.68 〜 154.69 | ±0.00 (レンジ) |
| ユーロ/円 | 179.66 〜 179.67 | +0.02 (円安) |
| ユーロ/ドル | 1.1613 〜 1.1615 | ±0.0000 (レンジ) |
| 英ポンド/円 | 203.16 〜 203.22 | −0.10 (円高) |
| スイスフラン/円 | 195.29 〜 195.35 | +1.00 (円安) |
| 豪ドル/円 | 100.62 〜 100.66 | −1.11 (円高) |
注意:
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