FXニュース:史上最大の円安ユーロ高
2025年11月12日
東西FXニュース – 2025年11月12日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 欧英主要株価指数が上昇
- 欧ZEW景況感調査上昇
- 米ADP週間速報値が低下
- 米つなぎ予算案採決期待
- 日経平均株価上昇円売り
- 日財務相の円安牽制続く
- 高市トレードの円安燻る
今日2025年11月12日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の154円5銭付近から、円の安値でドルの高値の154円79銭付近の値幅約74銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円66銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の154円20銭付近の前東京終値比で約46銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析は、まず昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、 昨夕の英国雇用統計の軟化を受けた英国ポンドに対するドル買いが円相場に波及した影響では昨夜18時16分頃にドルは円相場で一時154円45銭付近に上昇していた。
ただし、今夜この後の米国連邦議会下院での米国政府のみなし予算採決に向けて米国政府機関の一部閉鎖後の再開予想による経済への影響懸念が緩和されていたことでは欧州株価が上昇したほか、次回の英国利下げ予想が意識された金利警戒感の緩和でも英国主要株価指数が上昇に向けており、昨夜19時に発表された最新欧州経済指標の欧州ユーロ圏総合の11月欧州ZEW (独語 : Zentrum für Europäische Wirtschaftsforschung / 欧州経済研究センター) 景況感調査が前回の22.7から25.0に上昇し、欧州主要株価指数も上昇したため、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で買われやすい欧州ユーロが低リスク通貨の円だけではなく世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルに対して上昇した外貨影響も波及し、ドルは円相場で上昇幅を縮小して前東京終値付近に戻していた。
昨夜の米国市場はベテランズ・デー (Veterans Day / 退役軍人の日) の祝日休場であったが、世界FX市場の昨夜22時頃の米国ニューヨーク外国為替市場の始値相当時間の対ドル円相場は一時154円20銭付近と前東京終値と同レベルで、この時間が昨夜の米国市場相当時間の円の安値でドルの高値になった。
昨夜は米国祝日であったが、一部の米国株式は時間外や先物取引が可能であったほか、日経平均株価先物も昨日の日経平均株価の反落後にやや軟調であった影響では低リスク通貨の円の買い戻しも入っていたが、史上最長となった米国政府の一部機関の再開に向けた市場期待感の中でも、前回の政府閉鎖も第一次ドナルド・トランプ米国政権下であったことなどもあり、米国空港職員の政府からの給与延滞による航空便の減便などで国民生活に不便が生じるなど米国では第二次ドナルド・トランプ米国政権の支持率が低下しており、その懸念の払拭のためか、この日の米国政府のスコット・ベッセント財務長官の発言は、「トランプ関税は、米国消費者に対する税金ではない」ことや、米国での「住宅ローンの金利は、大幅に低下している」などの政権支持の言い訳に近いものがあったが、世界市場ではドル売りが先行していた。
また、先週水曜日の夜に米国民間企業オートマチック・データ・プロセッシング社 (ADP / Automatic Data Processing) が発表した10月米国ADP全米雇用統計の前月比では前回の−3万2000人が−2万9000人に上方修正された上で市場予想の2万8000人よりも大幅に改善されたプラス圏の4万2000人に上振れしたが、昨夜22時過ぎに同ADP社が追加発表したその後の最新の米国ADP全米雇用報告の週次速報値では10月25日までの4週間の民間米国雇用者数は平均−1万1250人の減少となり、10月後半の米国雇用の減速示唆があった可能性が話題になり、米国政府の再開後には延期されていた米国雇用統計などの発表も再開されるため米国雇用指標軟化への警戒感が高まり、米国市場休場中の流動性の中で主要通貨に対してドルが一時急落して全面安になり、昨夜22時44分頃にドルは円相場で一時153円67銭付近と153円台の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
一方、その米国ADP社の週次速報値には今後の改定値での修正の可能性が残ることでは、米国現地企業の休業により米国現地でのドル実需が減少していても、同時進行中の世界最大規模の英国ロンドン市場での主要取引通貨でもある世界的な流動性の高さからは一時153円台の市場安値後のドルの買い戻しも入りやすく、午前1時のロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けていた深夜24時11分頃にはドルは円相場で一時154円13銭付近と154円台に反発していた。
しかし、米国における雇用最大化と物価安定の二大責務を掲げる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の次回12月9〜10日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) での米国小幅利下げ予想値は市場で60%台の優勢で推移を続けていたこともあり、それに対する米国金利維持予想値は30%台と劣勢であった市場予想の影響では、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の世界FX市場でのドルの円相場での買い戻し幅は、今朝6時45分頃の一時154円18銭付近までであったが、米国政府再開による経済懸念緩和への期待感もあったことでは前東京終値手前付近にまでドルは円相場で反発していた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の154円20銭付近から、円の高値でドルの安値の153円67銭付近の値幅約53銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値相当時間のドル円は154円16銭付近と、前営業日同時刻の154円15銭付近の前ニューヨーク終値比でほぼ横ばいレンジに近い約1銭の僅差の円安ドル高となっていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、昨夜の米国ADP全米雇用報告の週次速報値の低下を受けて、今朝7時59分頃にドルは円相場で一時154円4銭付近にまで売られていたため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時154円7銭付近になり、この時間が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となった。
今日の日本市場では、今夜に米国市場が現地の祝日明けとなることから、日本企業の輸入実需やドル準備金などの円売りドル買い需要があったことからドルが円相場で上昇した。
また、米国現地時間で本日11月12日 (時差先行の日本市場では今夜この後) に米国連邦議会下院でのみなし予算採決の市場予想により、米国政府機関の再開に向けた期待感から経済影響懸念緩和による株の買い戻しが入り、昨日は反落して先物でも一時軟調だった日経平均株価が今朝の東京株式市場ではプラス圏に上昇して始まり、その後には利益確定や持ち高調整などの抵抗などで一時マイナス圏に反落はしたものの、再び反発上昇してプラス圏になった日経平均株価上昇時のリスク選好のリスクオンでも低リスク通貨の円が売られて、それに対して株価リスクオンで買われやすい欧州ユーロや英国ポンドや豪ドルなどが買われて円相場で上昇し、ユーロ円が1999年の欧州ユーロ導入以来の史上最大の円安ユーロ高を更新するなど外貨影響も対ドル円相場に波及し、午後14時2分と8分頃にドルは円相場で一時154円79銭付近と、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。
主要通貨に対する円安進行を受けて、日本政府の片山さつき財務相が、「円安、マイナス面が目立っていることは否定できない」と発言し、「過度な変動や無秩序な動きを、高い緊張感を持ち見極めている」と、為替介入への見極めを市場に意識させる口先介入の円安牽制を繰り返したことでは市場安値後の円の買い戻しも混ざった。
ただし、今日も日本政府の高市早苗首相の発言があり、「消費者物価3%程度の上昇は食品高によるもの、デフレ脱却宣言には至らない」など、持論展開による高市トレードの円安要因もあったことでは、市場安値後の円の買い戻し幅はやや限定的となっていた。午後15時30分には今日の日経平均株価は5万1063円31銭の終値をつけて、前日比220円38銭高の+0.43%で大引けしていた。
夕方からの欧州市場の参入に続き、今夜17時頃から英国ロンドン外国為替市場が参入すると、昨夜に続き欧州主要株価指数の独DAXが続伸して始まった欧州主要株価上昇時のリスク選好のリスクオンによる低リスク通貨の円売りが再び入り始めたこともあり、今日の日本市場で午後15時13分頃にユーロ円が記録した一時179 円15銭付近の円安ユーロ高を今夜の欧州市場でも再び上抜ける勢いの値動きに向け始めた外貨影響も波及し、ドルも円相場で154円台後半の円安ドル高の今日の東京終値に向けていた。
このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円66銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の154円20銭付近の前東京終値比で約46銭の円安ドル高であった。
なお、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜18時33分頃にドルは円相場で一時154円91銭付近に上昇し、今日の日本市場でのドルの高値を上抜けしている。
今夜この後の米国市場は祝日明けとなり、米国連邦議会下院での米国政府再開に向けたつなぎ予算の採決が注目されるほか、最新米国経済指標と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定や米国債入札などを控えており、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、米国開場前の今夜21時に米国MBA (Mortgage Bankers Association / 米国抵当銀行協会) 住宅ローン指数と、今夜23時20分頃から次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国ニューヨーク連邦準備銀行 (連銀) のジョン・ウィリアムズ総裁の発言、深夜24時20分頃から同じくFOMC投票権を持つFRBのクリストファー・ウォラー理事の発言、26時30分頃から同じくFOMC投票権を持つFRBのスティーブン・ミラン理事の発言と、27時に米国10年債の入札予定を控えている。
また、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響と、中東やウクライナ情勢などの世界情勢に加えて、世界政治経済のニュースや米国政府のドナルド・トランプ大統領や日本政府の高市早苗首相などを含めた世界の政治や経済の要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。
一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は179円11銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の178円25銭付近の前東京終値比で約86銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、前述の通り、欧州主要株価指数や日経平均株価の上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) により低リスク通貨が円売りで欧州ユーロが買われて上昇し、今日は日本市場時間の午後15時13分頃にユーロ円は一時179円15銭付近と史上最大の円安ユーロ高を更新したほか、今夜その後の欧州市場でも今夜18時35分頃にユーロ円は一時179円29銭付近に続伸している。
ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1582ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1560ドル付近の前東京終値比で約0.22セントのユーロ高ドル安であった。
主な要因は、今夜この後の米国連邦議会下院での先日の上院に続くつなぎ予算案可決に向けた期待感はあったものの、昨夜の米国ADP全米雇用報告の週次速報値を受けた警戒感や欧日主要株価上昇を受けたリスク選好のリスクオンの欧州ユーロ買いの影響では対ドルでのユーロ買いに加えて、ユーロ円が史上最大の円安ユーロ高続伸の外貨影響が波及した。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は203円30銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の202円41銭付近の前東京終値比では約89銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、欧州と地理的にも経済圏が近い英国ポンドも円相場で欧州ユーロと連れ高となり、欧州主要株価や日経平均株価上昇を受けた株価リスク選好のリスクオン市場では買われやすかったほか、他の主要通貨に対する円安の外貨影響もポンド円に波及していた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月11月12日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の20時38分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時38分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 20:38の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
| ドル/円 | 154.82 〜 154.83 | +0.62 (円安) |
| ユーロ/円 | 179.17 〜 179.18 | +0.92 (円安) |
| ユーロ/ドル | 1.1572 〜 1.1573 | +0.0012 (ドル安) |
| 英ポンド/円 | 203.26 〜 203.32 | +0.85 (円安) |
| スイスフラン/円 | 193.74 〜 193.80 | +1.88 (円安) |
| 豪ドル/円 | 101.14 〜 101.18 | +0.61 (円安) |
注意:
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