FXニュース:米人員削減数が10月急増

2025年11月07日
今日2025年11月7日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の152円86銭付近から、円の安値でドルの高値の153円54銭付近の値幅約68銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円39銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年11月07日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 英政策金利維持票1票差
  • 英BoE総裁インフレ警戒
  • 10月米非農業雇用数減少
  • 米10年債利回り一時急落
  • 米主要株価三指数が下落
  • 日経平均株価も大幅下落

今日2025年11月7日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の152円86銭付近から、円の安値でドルの高値の153円54銭付近の値幅約68銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円39銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の153円76銭付近の前東京終値比で約37銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析は、まず昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、 公式には昨夜21時30分に発表が予定されていた10月米国チャレンジャー人員削減数の悪化が発表予定時刻の前からリークした影響などがあり、夕方の米国主要株価先物が下落し、株価影響のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の低リスク通貨の円買いが入り始めたほか、世界的な安全資産の米国債が買われて米国債券価格上昇時の利回り低下が起きて、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.130%付近に向けて低下していた昨夜17時57分頃にドルは円相場で一時153円53銭付近に下落していた。

ただし、その後には米国債券価格上昇時の売り抵抗もあって、米国長期金利が一時4.14%台への反発も見せた債券利回りの金利差トレードの影響では、ドルは円相場で昨夜19時41分頃には一時153円78銭付近に反発したほか、昨夜21時に英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) が市場予想で優勢であった通りに英国政策金利を4.00%で据え置きする決定をしたものの、インフレ警戒などによる英国政策金利維持の支持票5票に対して英国財政懸念などの警戒感もあり英国小幅利下げ支持票4票という、僅か1票差のハト派寄りの英国政策金利維持となっていたニュースの直後に英国ポンドに対するドル買いが先行した時間があり、その後にはアンドリュー・ベイリー総裁が、「物価上昇率の鈍化を確認するために、更なる証拠を待つ必要がある」と発言したことでは、英国利下げ時期を急がない姿勢が意識された英国ポンドの買い戻しもあり、対ドルなどでの反発上昇の外貨影響の波及もあったが、昨夜21時30分頃のドルは円相場で一時153円74銭付近だった。

米国政府機関の一部閉鎖が長期化し、政府系の米国雇用指標の発表延期の状況下では、民間系の米国雇用関連の最新経済指標が市場の注目を集めており、元々は昨夜21時30分に公式発表予定だったが、事前からリーク発表が出ていたが数値が悪過ぎたので一部ではシステムエラーではないかとの疑いもあった米国再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスの10月米国チャレンジャー人員削減数が、公式発表時間後にも想定外の悪化を示し続けており、前回の-25.8%に対して175.3%の人員削減数の増加で、前年同月比で約2.8倍の15万3074人に急増し、10月としては2003年以来の22年ぶりの記録的な悪化であったニュースが話題になり、前日には米国民間企業オートマチック・データ・プロセッシング社 (ADP / Automatic Data Processing) の10月米国ADP雇用統計の前月比の上振れを受けて一時後退していた米国雇用市場軟化による米国利下げ予想が再燃した。

その主な人員削減が、先日にも人工知能 (AI / Artificial Intelligence) 投資の過熱感から警戒感による株売りなども起きていたAIリストラのテクノロジー企業やロボット配送などの効率化システム採用の倉庫業などで、AIに関しては米国では訴訟問題などから開発側がデータを収集分析する必要性から、AI社員を採用時のデータ流出やAIによる自殺幇助事件の訴訟問題があった米国では倫理問題などへの懸念も燻っていたことなどもあり、関連の米国株式が先物などで売られており、この日の米国ニューヨーク株式市場が下落予想になった市場の警戒感もあり、昨夜21時25分頃には一時4.143%付近だった米国長期金利は安全資産の米国債買いの影響により、昨夜22時頃には一時4.137%付近への反落を始めていた。

昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時153円61銭付近で、この時間にはまだ米国長期金利は一時4.13%台で下げ渋っていたため、昨夜22時13分頃の対ドル円相場の一時153円64銭付近が米国市場の円の安値でドルの高値となっていたが、雇用最大化と物価安定の二大責務を掲げる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国利下げ予想の上昇が影響を及ぼし、その後には米国雇用市場への警戒感による安全資産の米国債買いの勢いが増し、昨夜22時30分頃には米国長期金利は一時4.12%台から、午前1時35分頃の一時4.082%付近に向けて急落し、米国長期金利の低下と共に主要通貨に対してドルが売られて急落した。

午前1時頃から始まった次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官米国ニューヨーク連邦準備銀行 (連銀) のジョン・ウィリアムズ総裁の発言の影響もあり、 前回のFOMCでFRBは保有資産のバランスシート縮小の終了を発表したが、FRBは「近い将来に債券購入を通じて保有資産を再拡大する必要が生じるかもしれない」と発言し、「バランスシート戦略の次のステップは、準備金が現在の十分な水準を幾分上回る状態から、いつ十分な水準になるかを評価すること」と指摘したことも、米国債買いに影響を与えていた。

また、米国ニューヨーク株式市場では、前日には一時揃って反発していた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って反落し、特にハイテク企業の比率が高い米国ナスダック総合株価指数は大幅安になったほか、米国S&P500種株価指数も大幅安となった株価下落時のリスク回避のリスクオフも安全資産の米国債買いによる米国長期金利低下時のドル売りに影響し、午前2時台にも米国長期金利はしばらく一時4.08%台の低利回りを続けていたため、債券利回りの金利差や低リスク通貨の円買いなどで、午前2時23分頃にドルは円相場で一時152円83銭付近と、一時152円台の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

この日の米国市場では、米国民間調査会社レベリオ・ラブズも10月米国非農業部門雇用者数を発表しており、前月比で9100人減と5カ月ぶりのマイナス圏になっていたことも、米国雇用市場への警戒感を燻らせた。

ただし、米国政府の一部機関の閉鎖後に職員をリストラする方針については、米国政府のドナルド・トランプ大統領が以前から示していたことなどもあり、前述の米国チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社の人員削減数の増加などはやや想定されていた部分もあり、人工知能(AI) の普及だけでなく、米国関税影響もあって米国の消費者や企業の支出軟化や物価上昇も人員削減数増加の背景にあると同社が説明したことでは、米国インフレへの警戒感も燻りを見せ、一時急落後の米国長期金利が下げ幅を縮小し始めたことでは、債券利回りを受けた金利差トレードのドルの円相場での買い戻しも入り、一時152円台の市場安値後のドルは円相場で一時153円台へと下げ幅を縮小し、米国株式市場が終盤に向かう中で安値の株の買い戻しの抵抗が混ざったこともあり、午前4時45分頃には米国長期金利は一時4.091%付近に下げ幅を縮小していたため、午前4時59分頃にドルも円相場で一時153円16銭付近と153円台に戻したが、前ニューヨーク終値のドル円は一時154円台であったため、前日比では円高ドル安のニューヨーク終値に向けていた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の153円64銭付近から、円の高値でドルの安値の152円83銭付近の値幅約81銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は153円6銭付近と、前営業日同時刻の154円12銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円6銭の大幅な円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、今朝7時40分頃にはドルは円相場で一時153円8銭付近であったが、今朝8時30分には日本の最新経済指標の発表があり、9月日本全世帯家計調査の消費支出は、前年同月比が前回の2.3%と市場予想の2.5%に反し、1.8%に低下し、今朝早朝の米国主要株価三指数の安値引けの影響により、今日の日経平均株価にも反落の予想が出ていた中で、国内消費支出の減少による日本企業の業績や株価への警戒感が意識されたことから低リスク通貨の円買いが入り、今朝8時42分頃の対ドル円相場は一時152円82銭付近と152円台への反落を見せた。

その影響から、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時152円95銭付近と152円台で、今朝の東京株式市場で今日の日経平均株価が市場予想通りのマイナス圏から始まると、株価下落時の国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いにより、今朝9時2分頃にドルは円相場で一時152円86銭付近と、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、前日に153円台で終えていたドル円が152円台になった割安感からは、今朝の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いに加えて、輸入準備金などの追加のドル買い注文が対円で入り始めたことでは、ドルは円相場で153円台に反発した。

また、日本政府の高市早苗首相は今日の衆院予算委員会の答弁で、2025〜2026度に日本の基礎的財政収支のプライマリーバランス (PB / Primary Balance) を黒字化するとの財政健全化の目標について、「数年単位でバランスを確認する方針に転換する」意向を表明し、「単年度のプライマリーバランスという考え方については取り下げると考えていただいて結構」と表明し、「戦略的に財政出動」の持論を展開したことでも以前の高市トレードの円売りの一因となった財政赤字悪化懸念が燻った。

今日の日経平均株価は昼頃には一時4万9640円56銭付近と、前日比で1243円12銭安の5万円台割れの市場安値にまで大幅に下落していたが、ドルが円相場で反発を始めていた為替の影響などもあり、安値からの株の買い戻しが入り始めて5万円台へと下げ幅を縮小したことも、市場高値後の低リスク通貨の円の利益確定や持ち高調整に繋がり、午後15時30分に今日の日経平均株価は5万276円37銭の終値をつけ、前日比607円31銭安の-1.19%で大引けしたため、株価影響による低リスク通貨の円買いが収束し、夕方16時に欧州市場が参入すると、今朝は一時4.09%台だった米国長期金利が夕方には一時4.10%台に上昇した影響からドル買いが入ったため、夕方16時にドルは円相場で一時153円54銭付近と、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、今夜17時頃からの英国ロンドン外国為替市場の参入を受けては、英国ポンドが対ドルで買われた外貨影響などもあり、ドルは円相場で153円台中盤から前半へとやや下押ししたため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円39銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の153円76銭付近の前東京終値比では約37銭の円高ドル安になった。

今夜この後の欧米市場では、米国政府機関の一部閉鎖の影響により米国雇用統計などの発表には延期が続くが、政府系以外の最新米国経済指標の発表予定があるほか、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定などもあり、今夜21時頃からFRBのフィリップ・ジェファーソン副議長の発言予定、深夜24時に11月米国ミシガン大学消費者態度 (信頼感) 指数の速報値、29時に9月米国消費者信用残高、29時頃からスティーブン・ミラン理事の発言などを控えている。

北米市場では、今夜22時30分にカナダの10月加失業率と雇用ネット変化などの発表もあり、隣国であることから、大きな変化があった場合には米国市場でも反応が出る可能性もある。

また、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響と、中東情勢やウクライナ情勢などの世界情勢に加え、世界政治経済のニュースや米国政府のドナルド・トランプ大統領や日本政府の高市早苗首相などを含めた世界の政治や経済の要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は176円92銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の176円98銭付近の前東京終値比で約6銭の小幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、今日の日経平均株価の大幅下落を受けた株価リスク回避のリスクオフ (Risk-off) による低リスク通貨の円買いがあったことでは、リスク市場に比較的弱いと考えられている欧州ユーロに対して円相場が上昇していた時間があったが、午後には日経平均株価が下げ幅を縮小して引けた後には、財政赤字警戒などの円売り要因や米国長期金利の下げ幅縮小に伴う円相場でのドルの買い戻しの外貨影響などもあったことでは小幅域になっていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は201円31銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の200円87銭付近の前東京終値比では約44銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、英国インフレヘの警戒感もあり、昨夜に英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) が英国政策金利を4.00%で据え置きし、利下げ支持との僅差のハト派寄りの決定かと思われたが、アンドリュー・ベイリー総裁が英国利下げを急がない姿勢であったことでは、今年年内の英国利下げ予想にやや不透明感も漂い英国ポンドの買い戻しが入っていた。

ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、米国長期金利が下げ幅を縮小する中で、ポンドドル相場でドルの買い戻しが進んでいた外貨影響のポンド円への波及や、ドル円やユーロ円の前日比での円高の外貨影響などもあり、今夜20時台には前東京終値比では小幅な円高ポンド安にも転じている。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1534ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1510ドル付近の前東京終値比で約0.24セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、先述の米国雇用市場軟化への警戒感と米国長期金利の一時反落を受けて、欧州ユーロがドルに対して買い戻された影響が残ったほか、米国政府の一部機関の閉鎖による政府系の最新米国重要経済指標の延期の中でドルの持ち高調整の欧州ユーロの買い戻しがあったことなどが為替相場に影響を与えていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月11月7日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の20時42分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時42分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になり、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:42の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 153.06 〜 153.08 −0.70 (円高)
ユーロ/円 176.88 〜 176.89 −0.10 (円高)
ユーロ/ドル 1.1555 〜 1.1557 +0.0045 (ドル安)
英ポンド/円 200.73 〜 200.79 −0.14 (円高)
スイスフラン/円 189.92 〜 189.98 −0.19 (円高)
豪ドル/円 99.21 〜 99.25 −0.89 (円高)

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