FXニュース：日銀早期利上げ予想後退

2025年10月23日

今日2025年10月23日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の151円98銭付近から、円の安値でドルの高値の152円65銭付近の値幅約67銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は152円48銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の151円84銭付近の前東京終値比で約64銭の円安ドル高であった。...

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東西FXニュース – 2025年10月23日

文／八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点：

米対中輸出規制で警戒感

露石油2社に米経済制裁

原油価格上昇の円安影響

米露首脳会談中止発言も

米主要株価三指数が下落

日経平均株価も大幅下落

今日2025年10月23日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の151円98銭付近から、円の安値でドルの高値の152円65銭付近の値幅約67銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は152円48銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の151円84銭付近の前東京終値比で約64銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、前夜に日本政府の高市早苗首相が、「マクロ経済政策の最終的な責任は政府が持つもの」とした上で、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の金融政策について、手法は「日銀に委ねられるべき」としながらも、「経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、日銀が政府と十分に連携を密にして意思疎通を図っていく、これが何より大事」と発言した影響が続き、来週10月29〜30日の日銀金融政策決定会合までに十分な意思疎通の時間を持つ連携のアコードが難しいとの市場予想から今月の日銀の早期利上げ予想後退による円売りがあったほか、欧州英国通貨に対するドル買いの外貨影響の波及などで、昨夜17時5分頃にドルは円相場で一時151円91銭付近に上昇していた。

昨日発表された最新英国インフレ指標の9月英国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) がインフレ上振れ警戒の市場予想以下となったことで英国ポンドが対ドルで売られた外貨影響があったほか、欧州ユーロ圏と地理的に隣接する地域などがあるウクライナ情勢へのロシア侵攻についての警戒感が再燃してきた地政学リスクの欧州ユーロ売りでも世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルが買われた外貨影響が対ドル円相場にも波及していた。

ただし、欧州市場の時間外の米国債券取引では、先日のフランス国債の格下げ後の影響もあって、世界的な安全資産の米国債が買われた債券市場からの為替相場の値動きへの影響もあり、昨夜17時過ぎに一時3.966%付近だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、昨夜20時台の一時3.942%付近に向けて低下したことを受けては、債券利回りの金利差トレードによるドル売りの抵抗も混ざったことでは、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時151円80銭付近であった。

米国市場では、来週10月28〜29日に米国の中央銀行にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) のイベントを控えているが、米国政府機関の一部閉鎖の影響による経済指標の発表延期が続く中でも、明日10月24日の金曜日の夜21時30分から特別に発表が予定されている最新米国重要経済指標の9月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index)　や、その後の10月米国購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index)　などの最新経済指標発表のイベントに注目が集まっていた。

その最新米国重要インフレデータの上振れへの警戒感などから、金利先物データの動向などから米国政策金利の市場予想値として世界的に有名なフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、次回の米国小幅利下げ予想値が96.7%付近と90%台の優勢さを保つ一方で、米国関税政策の影響などによる米国インフレ警戒感の燻りなどからは、次回の米国大幅利下げ予想値は0.0%に後退したことに対し、次回の米国金利据え置き予想値が3.3%付近で燻っており、時差先行の欧州市場の買いで米国債券価格が上昇した米国債に米国市場では売りが入り始めたことから米国長期金利が反発上昇し、昨夜22時9分頃には一時3.975%付近に上昇したため、債券利回りの日米金利差を受けた円売りドル買いが入り、昨夜22時25分頃にドルは円相場で一時152円5銭付近と152円台に上昇し、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

なお、同時進行中の欧州市場では、昨夜21時25分頃から欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の要人発言があったが、欧州ユーロ圏のドイツ政府のフリードリヒ・メルツ首相の構想による欧州の上場と経済成長を支えるための単一欧州証券取引所の設立案について、ドイツ政府のラース・クリンクバイル副首相兼財務相やECB理事会メンバーのドイツ連邦銀行のヨアヒム・ナーゲル総裁と同様に会議で支持する前向きな姿勢を見せた上で、その構想の実現に向け、「真剣に前進させたいのであれば、銀行同盟を完成させて同論理をより迅速に資本市場に適用する必要がある」とし、「単一のルールブックと監督機関、取引所の統合」が必要になると具体的な説明を加え、「この方向性を支持する独首相の発言は大いに歓迎する」と述べたが、欧州金融政策の先行きについての発言ではECBのルイス・デギンドス副総裁が、「欧州のインフレ動向は良好」で、「現在のECBの欧州政策金利の水準は適切である」と発言したニュースが話題になった程度であった。

しかし、英国ロイター (Reuters) 通信が、「第二次ドナルド・トランプ米国政権が、米国製ソフトウェアを搭載、または米国製ソフトウェアを含む製品の中国への輸出を制限する計画を検討中」と、重要ソフトウエアの幅広い分野を対象に中国への輸出を制限する措置を検討していることを「匿名の米国ホワイトハウス関係者が明らかにした」というリークニュースを受けては、一時は緩和されていた米中貿易摩擦警戒感が再び意識され始めたドル売りが入り始めた。

続いて、米国政府のスコット・ベッセント財務長官も、米国製ソフトウエア搭載製品の中国への輸出規制の検討報道についての質問に対し、「あらゆる選択肢がテーブルにある」とした上で、「ソフトウエア、エンジン、その他の分野で輸出規制が実施される場合は、G7 (Group of Seven / 主要7カ国）同盟国と協調して行う可能性が高い」と発言したため、米中貿易摩擦懸念の警戒感が再燃し、先日の中国のレアアース (Rare-earth) 輸出規制に対する報復などによる米中貿易対立激化の警戒感による株売りが起き、米国主要企業の決算報告シーズンの影響もあって米国株式市場開場時には一時プラス圏付近だった米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って反落してマイナス圏で下落幅を拡大した米国株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) では低リスク通貨の円の買い戻しが入り、午前1時32分頃にドルは円相場で一時151円51銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、米国政府のドナルド・トランプ大統領の発言の影響もあり、ロシアのウクライナ侵攻が続く中でウクライナ和平に向けた欧州での米露首脳会談中止発言の影響では、地政学リスク警戒感から欧州ユーロに対する世界的に流動性が高い安全資産でもあるドル買いが入った外貨影響が対ドル円相場に波及していたほか、米国財務省がロシアの石油最大手ロスネフチなど二社を対露経済制裁の対象に加えたニュースがあった影響では、コモディティ (商品先物市場) では、米国WTI原油先物価格などの原油価格が上昇し、原油高は島国の日本の貿易コスト増加による貿易赤字懸念による円売り要因となりやすいことでは低リスク通貨の円のリスク増加を受けて対ドルの円相場が反落を始めた。

先述の米中貿易摩擦懸念の警戒感が続き、米国主要株価三指数が揃って前日比で安値の終値をつけていたが、米国ニューヨーク外国為替市場の終盤に向けて、先に終了した米国ニューヨーク株式市場の株価影響の円買いが原油価格上昇の影響で売りに転じた影響もあり、午前5時2分頃にはドルは円相場で一時152円1銭付近に買い戻されていた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の152円5銭付近から、円の高値でドルの安値の151円51銭付近の値幅約54銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は151円98銭付近と、前営業日同時刻の151円93銭付近の前ニューヨーク終値比で約5銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、中国を主要貿易先に持つオーストラリア市場で米中貿易摩擦警戒感を受けたドル売りがあった影響では、今朝7時20分頃にドルは円相場で一時151円82銭付近に一時下押ししたが、原油先物価格上昇を受けた低リスク通貨の円の貿易赤字リスク増加による円売り要因もあった影響などでは、ドルの買い戻しが入ってドルは円相場で反発し、今朝8時59分頃にはドルは円相場で一時151円99銭付近に再上昇していた。

今日の日本市場に向けては、日本政府の高市早苗政権の金融緩和指向に対する綿密なコミュニケーション要求から来週の日銀金融政策決定会合までの時間的制限によるアコードへの難しさなどから、今月の日銀の早期追加利上げ予想後退の円売りドル買いが再開したほか、今朝の日本市場の仲値決済に向けて、原油先物価格上昇を受けた貿易コスト増加観測による輸入実需のドル需要増加の影響もあり、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時151円99銭〜152円0銭付近となり、この時間の1分間の値動きの中で瞬時に記録していた一時151円98銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となり、ドルは円相場ですぐに152円台に乗せ始めて上昇を続けた。

今朝早朝に米中貿易摩擦への警戒感などにより、米国主要株三指数が揃って前日比で安値の終値をつけていた影響もあって今日の東京株式市場では日経平均株価がマイナス圏から始まり、午後に下落幅を拡大した株価影響では国内第一安全資産の円の買い戻しの抵抗もやや混ざったが、前述のロシアの石油会社大手2社に対する米国追加経済制裁の発表を受けた原油先物価格上昇時の日本の貿易赤字リスク増加は低リスク通貨とされる円の買い戻しを限定的にしていたため、午後15時30分に今日の日経平均株価が4万8641円61銭の終値をつけて前日比666円18銭安の－1.35%の大幅安で大引けした後には、株価影響の円買い抵抗が収まったことに対し、午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場参入により世界的に流動性が高い主要取引通貨のドルが買われた影響で、夕方16時頃にドルは円相場で一時152円65銭付近と152円台後半に上昇し、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

今日の日本市場時間の時間外の米国債券取引では、米国債券価格上昇後の米国債売りの影響が起きて米国長期金利が反発上昇しており、夕方16時台には一時3.984%付近に上昇した金利差トレードのドル買いの影響もあったため、日本市場終盤に向けた利益確定や持ち高調整の円の買い戻しはやや限定的で、ドルは円相場で152円台中盤付近に留まった。

このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は152円48銭付近で、昨日17時の151円84銭付近の前東京終値比では約64銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では米国政府機関の一部閉鎖継続の影響で最新の前週分の米国新規失業保険申請件数と米国新規失業保険申請件数の発表は延期となる見通しであるが、今夜23時9月米国中古住宅販売件数の発表は予定通り行われるとされており、米国主要企業の決算報告シーズンも続いているが、世界市場では明日10月24日の金曜日の夜に予定されている最新米国重要経済指標の9月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) などが注目を集めている。

日本市場における来週10月29〜30日の日銀の日銀金融政策決定会合の前には、米国市場で来週10月28〜29日に米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の金融政策イベントを控えており、FRB高官達はイベント前の発言自粛のブラックアウト期間中だが、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響や、米中貿易交渉やウクライナ情勢などの世界情勢や世界政治経済のニュースに加え、米国政府のドナルド・トランプ大統領や日本政府の高市早苗首相などを含む世界の政治・経済の要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は176円85銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の176円12銭付近の前東京終値比で約73銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、高市早苗首相の発言を受けて、来週の日銀金融政策決定会合の早期追加利上げ予想が後退した円売りに対して、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 高官の発言では次回の欧州政策金利の据え置き予想が優勢さを保っており、原油先物価格上昇を受けた低リスク通貨の円の貿易赤字リスク増加時には日経平均株価下落によるリスク回避の円買いが限定的であったため、前日比で円安ユーロ高の東京終値をつけていた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1599ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1599ドル付近の前東京終値比で約0.00セントの横ばいレンジ圏であった。

主な要因は、米中貿易摩擦警戒感の再燃を受けてはドル売りがあったが、米国がロシアに追加の経済制裁をするに至ったウクライナ和平交渉期待感の後退を受けては地政学リスク警戒感による欧州ユーロ売りも入っており、円売りではドルもユーロも買われていた外貨影響などもあり一時拮抗していたが、今夜その後の欧州英国市場では米国長期金利上昇時のドル買いの影響があり、今夜20時台にはユーロ安ドル高となっている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は203円57銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の202円24銭付近の前東京終値比では約1円33銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、昨日の9月英国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) のコア指数の前年同月比は前回の3.6%と市場予想の3.7%を下回る3.5%であったが、英国のインフレ目標である2%を上回り続けている高インフレではあることでは、一時は英国中央銀行 (BoE / Bank of England) の今年年内の追加利下げ予想が意識されて売られた英国ポンドに買い戻しが入って円相場で反発したほか、米国の追加経済制裁の対象にロシアの石油大手2社が追加された影響で世界的に原油先物価格が上昇したため、北海油田を持つ産油国でもある英国ポンドは日本の貿易赤字リスク増加時には低リスク通貨としては買われにくかった今日の円相場で大幅な上昇を見せていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月10月23日の日本時間（JST / Japan Standard Time）の20時30分（チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時30分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されていることには注意が必要である。なお、欧州英国市場は今週末に英国夏時間から英国冬時間への1時間の時差調整を控えているが、米国市場の米国夏時間は週遅れの予定となる。

通貨ペア	JST 20:30の為替レート	日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円	152.75 〜 152.76	＋0.91 (円安)
ユーロ/円	176.98 〜 177.00	＋0.86 (円安)
ユーロ/ドル	1.1585 〜 1.1587	−0.0011 (ドル高)
英ポンド/円	203.74 〜 203.80	＋1.50 (円安)
スイスフラン/円	191.26 〜 191.32	＋0.58 (円安)
豪ドル/円	99.32 〜 99.36	＋0.60 (円安)