FXニュース:米中貿易摩擦懸念と緩和

2025年10月13日
今日2025年10月13日月曜日の日本の東京外国為替市場はスポーツの日で休場であったが世界FX市場の日本市場相当時間の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の151円72銭付近から、円の安値でドルの高値の152円38銭付近の値幅約66銭で、...

 

東西FXニュース – 2025年10月13日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日米仏政治不透明感警戒
  • 米FRBウォラー理事発言
  • 米トランプ大統領の発言
  • 米主要株価三指数大幅安
  • 仏ルコルニュ首相再指名
  • 中東地政学リスクは後退

今日2025年10月13日月曜日の日本の東京外国為替市場はスポーツの日で休場であったが世界FX市場の日本市場相当時間の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の151円72銭付近から、円の安値でドルの高値の152円38銭付近の値幅約66銭で、本日17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は152円30銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の152円88銭付近の前東京終値比で約58銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週金曜日の日本市場の午後に公明党の自民党との連立政権離脱のNHK報道を受けた高市トレードの円安の巻き戻しで主要通貨に対する円の買い戻しが入った後に、日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場でも、先週金曜日の夜20時台の時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下し、債券利回りの金利差トレードの影響により先週金曜日の夜20時45分頃にドルは円相場で一時152円54銭付近に買われていた。

この米国長期金利低下の原因は、米国CNBCテレビのインタビューで次回10月28〜29日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官のクリストファー・ウォラー理事が、「次期FRB議長職の面接に、政治的な要素は何もなかった」と述べた上で、米国政府機関の一部閉鎖中の政府統計の発表延期時には、「FRBは代替データを活用できる」と指摘し、先週に発表されていた米国民間企業ADP (Automatic Data Processing) 社の全米雇用報告のデータは、「米国労働統計局 BLS (Bureau of Labor Statistics) のデータ先行きと同方向と考えられる米国雇用市場のマイナス成長の方向性と一致している」と、米国雇用のリスクへの警戒感を示した米国小幅利下げ示唆の発言をした影響などがあった。

欧州英国市場の後半にあたる先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時152円63銭付近の始値であったが、先週金曜日の夜23時頃には10月米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値の発表があり、前回の55.1と市場予想の54.0を上回る55.0に上昇したことを受けては発表時のドルの買い戻しが入り、この時間のドルは円相場で一時152円72銭付近とこの日の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、米国政府の一部機関閉鎖などの日米仏政治懸念が燻る中で、先週金曜日の深夜前頃から米国政府のドナルド・トランプ大統領のソーシャル・メディアでの発言が話題になり始めており、中国商務省が一部のレアアース(Rare-earth)や関連技術等の輸出規制を発表したことに対して「中国はとても敵対的になっている」と非難し、「中国に対する多くの対抗措置を検討中」として、「中国製品への大幅な米国関税引き上げを検討中」と発言したほか、今月末から韓国で開催予定のアジア太平洋経済協力会議 (APEC / Asia-Pacific Economic Cooperation) での中国の習近平国家主席との会談について「今は会う理由がなさそうだ」とも言及しており、米中貿易摩擦懸念が再燃した。

これを受けて、米国主要株価三指数の反落とともに安全資産の米国債が買われた影響などにより、米国市場開場時にも欧州英国市場で一時4.105%付近と4.1%台に低下していた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が更に4.0%台へ低下し、債券利回りの金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りや株価下落時の低リスク通貨の円買いが入り、深夜24時31分頃にはドルは円相場で一時151円51銭付近と、一時151円台に急落した。

ただし、週末を控えた市場終盤の英国ロンドン外国為替市場では、欧州ユーロ圏のフランスで先日のセバスチャン・ルコルニュ仏首相の辞任意向表明後のエマニュエル・マクロン仏大統領による新仏首相指名が注目されていたが、新仏首相は来年度予算案を10月13日までに議会に提出する必要があるため、特に有力とされる他の候補者名が浮かばないまま一部の仏極右と仏極左の指導者を除く仏主要政党の代表者達とエマニュエル・マクロン仏大統領が大統領府のエリゼ宮で会談し、会談後にセバスチャン・ルコルニュ氏の仏首相への復帰を要請した再指名を発表し、これに対してセバスチャン・ルコルニュ氏も、「エマニュエル・マクロン仏大統領から託された使命を、義務感から受け入れる。年末までにフランスに予算を提供し、同胞の日常的な問題に対応するため、全力であらゆる手段を尽くす」と発言したが、白紙委任と考えられる仏政府の先行きには依然として政治不透明感が漂い、リスク市場で売られやすい欧州ユーロから世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルの買い戻しが入った外貨影響の対ドル円相場への波及では、先週土曜日の午前1時24分頃にはドルは円相場で一時152円19銭付近にまで買い戻されて反発した。

とはいえ、午前2時頃には時差先行の英国ロンドン外国為替市場が終了し、米国ニューヨーク株式市場では米国でも連休となる週末を控えた利益確定や持ち高調整が株売りも入る中で、先ほどの米中貿易摩擦懸念により反落後の米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って下落幅を拡大し、米国主要株価三指数が揃って大幅安の終値をつけたことでは米国主要株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で安全資産の米国債や低リスク通貨の円が買われ、米国長期金利低下に伴う日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響でドルは円相場で再び151円台になっていた。

さらに、米国ニューヨーク外国為替市場の終盤にも、ドナルド・トランプ米国大統領の追加発言があり、先ほどに続き、「11月1日から中国に100%の追加米国関税を課す」などの発言をしたことが話題になり、欧米株式市場よりも取引時間の長い世界仮想通貨市場でも主要な仮想通貨が下落し、先週土曜日の午前5時54分頃にドルは円相場で一時151円18銭付近に下落し、この日の米国市場の円の高値でドルの安値を記録し、安全資産の米国債買いに伴う米国債券価格上昇時の利回り低下の影響により、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も一時4.036%付近への低下を見せていた。

このため、先週金曜日の夜21時頃から先週土曜日の朝5時55分頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の152円72銭付近から、円の高値でドルの安値の151円18銭付近の値幅約1円 54銭で、先週土曜日の朝5時55分頃のニューヨーク終値は151円19銭付近と、前営業日同時刻の153円7銭付近の前ニューヨーク終値比では約1円88銭の大幅な円高ドル安をつけていた。

週明けの今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、日米ともに本日月曜日は祝日休場につき連休となることから世界市場全体の流動性減少を受けた値動きの中で、今朝早朝にドナルド・トランプ米国大統領の再発言が話題になり、「米国は中国を助けたいのであって、傷つけたいのではない」、「中国について心配しなくても良い」など、先週の中国に対する敵対的な態度を和らげた影響があり、中国の輸出規制に対する追加関税率定時後のディール交渉の可能性が意識され、世界市場ではトランプが以前にも大きなことを言った後に市場や有権者の反応に警戒して撤回する様な尻込みが何回もあったことからTACO(Trump Always Chicken Out)トレードの巻き返しが入ることがあったが、今朝早朝の週明けのTACOトレードでも今回の発言を受けて米中貿易摩擦懸念がやや緩和されたドルの買い戻しがあり、今朝6時過ぎに一時151円87銭付近へのドルの買い戻しの窓開きから始まった世界市場では、今朝7時32分頃にはドルは円相場で一時152円28銭付近と、152円台への反発を見せ始めていた。

今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場は連休であったが、開場中の世界FX市場でもこの時間の対ドル円相場は一時152円7銭付近と152円台の東京始値相当となったが、日本市場が祝日休場につき、日本企業の輸入実需などの円売りドル買いがなかった影響などではドルは円相場で151円台後半に戻してやや小動きになる時間などが観測された。

午後15時頃から欧州市場が参入すると、中東情勢の地政学リスク緩和の影響があり、イスラエル襲撃からおよそ2年を経て、イスラム組織のハマスが期限とされていた今日10月13日からパレスチナ自治区ガザのイスラエル人の人質48人中の生存者である20人の人質解放を始めたほか、28人の遺体も今後引き渡されるとされ、イスラエル側もパレスチナ人の約2000人の人質解放を始めると報じられたことから、欧州ユーロ圏の地政学リスクの一因となってきた中東情勢のイスラエル・ガザ停戦合意への和平への期待感が高まったことでは、欧州ユーロが低リスク通貨の円だけでなく世界的に流動性が高いドルに対しても買い戻された外貨影響が対ドル円相場にも波及し、今日の午後15時19分と22分頃にドルは円相場で一時151円72銭と今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今朝の米中貿易摩擦懸念緩和を受けては、ドルの買い戻しも入っており、また今夜この後の米国市場は米国コロンブス・デー(Columbus Day) 祝日休場予定であるものの今日の時間外取引で米国株式先物が反発を見せ始めた影響などによるドルの買い戻しも低リスク通貨の円に対して入り、ダブルボトムの2回目を下抜けしなかったドルは円相場で底堅く反発して再び152円台に向けており、夕方からの世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の参入後に主要取引通貨の需要もあって勢いを増し、夕方16時36分頃にドルは円相場で一時152円38銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。

このため、今日17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は152円30銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の152円88銭付近の前東京終値比では約58銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場と北米カナダ市場は祝日休場のため、最新米国経済指標の発表予定などは特にないが、欧州英国市場や時間帯が近い他の世界市場は平日のため、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響や、ウクライナ情勢などの世界情勢や世界政治経済のニュースに加えて、休日でもソーシャルメディアに投稿している米国政府のドナルド・トランプ大統領などを含む世界の政治・経済の要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値相当時間には176円70銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の176円99銭付近の前東京終値比で約29銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、先週に高市トレードよる大幅な円安進行後に、先週金曜日の午後の公明党の自民連立離脱表明を受けた巻き戻しにより円相場が主要通貨に対して反発したが、先週末の米国主要株価の大幅下落や仮想通貨下落を受けた低リスク通貨の円の買い戻しの影響が残っていたが、中東のイスラエルやガザの情勢により欧州周辺の地政学リスクがやや緩和されたことでは小幅域になっていた。ただし、欧州周辺ではウクライナ情勢への警戒感などは依然として続いており、欧州周辺の地政学リスクの一部緩和による値動きはやや限定的であった。

その影響から、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値相当時間には203円8銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の203円32銭付近の前東京終値比で約24銭の円高ポンド安になっていた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1603ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.1577ドル付近の前東京終値比で約0.26セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、先述の欧州ユーロ圏のフランス政府の政治懸念と中東イスラエル情勢による地政学リスクの一部緩和を受けた欧州ユーロの買い戻しが対ドルで入った一方で、先週末の米中貿易摩擦警戒感によるドル急落後の下げ幅縮小が、今朝のドナルド・トランプ米国大統領の発言を受けてやや緩和されたものの、米中通商関係が具体的にどう大丈夫になるのかの根拠がまだ不明なことでは警戒感もやや燻っており、今日の日米連休による現地のドル実需減少の影響によりドルの買い戻しが限られていたことなどが為替相場に影響を及ぼしていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月10月13日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時53分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時53分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されていることには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:53の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 152.13 〜 152.14 −0.75 (円高)
ユーロ/円 176.25 〜 176.27 −0.74 (円高)
ユーロ/ドル 1.1584 〜 1.1585 +0.0007 (ドル安)
英ポンド/円 202.89 〜 202.95 −0.43 (円高)
スイスフラン/円 189.21 〜 189.27 −0.51 (円高)
豪ドル/円 99.21 〜 99.25 −0.99 (円高)

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