FXニュース:米FOMC議事要旨は混合

2025年10月09日
今日2025年10月9日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の152円41銭付近から、円の安値でドルの高値の153円22銭付近の値幅約81銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円4銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年10月09日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 円安ドル高一時153円台
  • 仏大統領の首相指名控え
  • 米ハイテク株高日経反発
  • 今夜米パウエル議長発言
  • 明日自民公明党連立協議

今日2025年10月9日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の152円41銭付近から、円の安値でドルの高値の153円22銭付近の値幅約81銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円4銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の152円53銭付近の前東京終値比で約51銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場でも、連日の高市トレードによる円安が主要通貨に対して進行しており、昨日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の講演発言キャンセルを受けて日銀の今月10月の早期追加利上げ予想が欧州英国市場では後退したままであったため、昨夜19時頃の英国ロンドン外国為替市場でドルは円相場で一時153円0銭付近と153円台にタッチしていた。

ただし、短期間に急速に進んだ円安ドル高による一時153円台のドルの高値感からは利益確定売りや持ち高調整の売り抵抗も一旦入り始めたことではドルは円相場で152円台後半に戻したため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時152円69銭付近の始値となった。

米国債券市場でも、安全資産の米国債買いの影響があり、それまでは4.1%台の推移を続けていた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜21時33分頃に一時4.099%付近に低下した時間があったため債券利回りの金利差トレードの影響があったほか、同時進行中の欧州市場で、欧州ユーロ圏のフランスの政治懸念の中でもエマニュエル・マクロン仏大統領が次期首相を48時間以内に指名すると発表し、それまでは暫定的に首相を続けていた辞意表明後のセバスティアン・ルコルニュ仏首相が年内予算成立の見通しについて慎重ながらも前向きな姿勢を示したと報じられたニュースの影響により、欧州ユーロが対ドルで昨夜22時17分頃に一時1.1644ドル付近に買い戻された外貨影響も対ドル円相場に波及し、昨夜22時17分頃にはドルは円相場で一時152円37銭付近と152円台前半にまで反落し、昨夜の米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、昨夜22時20分頃から次回10月28〜29日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の中でも追加利下げに慎重な姿勢を見せてきた米国セントルイス地区連邦準備銀行 (連銀) のアルベルト・ムサレム総裁の発言予定があったことでは、挨拶ではあったが、米国長期金利がすでに4.1%台に反発していた影響もあって、市場安値後のドルも円相場で反発を始めていた。

昨夜22時半頃には米国ニューヨーク株式市場が始まっており、前日に反落後の米国主要株価指数が反発し、世界的なハイテク企業株の比率が高い米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) が先物からの上昇によりプラス圏から始まって史上最高値更新に向けたほか、米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) も反発後は上昇に転じてプラス圏になったため、米国主要株価三指数揃っての上昇を受けたリスク選好のリスクオン (Risk-on) で安全資産の米国債や低リスク通貨の円が売られやすくなり、米国長期金利が4.1%台に反発後の上昇を続ける中で、ドルは円相場で152円台後半へと反発した。

米国市場では、米国政府のつなぎ予算の期限失効後の政府機関の一部閉鎖は依然として続いており、いずれ再開するとの楽観的な観測がある中でも、午前2時頃の米国ニューヨーク債券市場での米国10年債の入札後の売りが強まり、米国債券価格低下に伴う利回り上昇を受けて米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は午前2時59分頃には一時4.134%付近に上昇していた。

今朝未明の午前3時には、市場が注目していた前回9月16〜17日開催分の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) 議事要旨を米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が公表し、参加メンバーの多くが今年年内の追加利下げが適切になる可能性が高いとしていたが、一方では関税影響などインフレ見通しの上振れリスクを強調した慎重な意見もあり、会合内での意見混在への警戒感が意識された発表時には、米国長期金利が午前3時22分頃の一時4.139%付近に向けた上昇を続けていた金利差トレードの影響もあり、午前3時頃にドルは円相場で一時152円95銭付近に上昇し、米国市場の円の安値でドルの高値をつけた。

ただし、世界市場で優勢だった次回の米国小幅利下げ予想値を大きく変えるほどの内容ではなかったことでは、昨夜の欧州英国時間に記録した一時153円0銭付近を前にした高値圏からのドルの利益確定や持ち高調整の抵抗が入り始めた。

米国株式市場では、米国主要株価三指数の中でも特に金利に敏感な米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が米国長期金利上昇を受けた反落により小幅安の終値に向けており、安全資産の米国債の買い戻しで米国長期金利が上昇幅の縮小に転じ始めた影響があったことでもドルは円相場で上昇幅をやや縮小したが、世界的なハイテク株牽引の米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) の二指数は史上最高値を更新後に前日比で高値引けの終値をつけた影響では、株価影響による低リスク通貨の円の買い戻しは限定的だった。

そのため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の152円37銭付近から、円の安値でドルの高値の152円95銭付近の値幅約58銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は152円69銭付近と、前営業日同時刻の151円90銭付近の前ニューヨーク終値比で約79銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、韓国市場は祝日連休休場である一方で中国市場は今日から大型連休明けとなるが、オセアニア通貨などに対する世界的なドル需要もあって今朝8時25分頃にドルは円相場で一時152円72銭付近に買われていたため、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場も同レベルの一時152円72銭付近の始値となった。

今日の東京株式市場では、今朝早朝の米国株式市場でハイテク株の牽引により米国ナスダックが史上最高値を更新後に高値引けをした日米株価影響があり、日本株でもハイテク株が買われて上昇しており、昨日には高市トレードの円安株高後の積極財政による財政赤字悪化懸念とインフレ時の政府責任の金融緩和によるバブル警戒感などがやや燻り、利益確定や持ち高調整が進み反落の安値引けをしていた日経平均株価が、今朝は先物から買い戻されて反発上昇しており、日経平均株価のプラス圏からの上昇で始まった株価上昇時のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円売りが入りやすくなっていた。

日本市場では、今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いも入ったため、今朝10時1分頃にドルは円相場で一時152円77銭付近に上昇したが、仲値決済後には、円安ドル高の進行を受けた国内輸出企業の円買いドル売りの抵抗も入ったことでは、今朝10時45分頃と11時53分頃に対ドルの円相場は一時152円41銭付近に下げ幅を縮小し、今日の日本市場における円の高値でドルの安値をつけた。

また、明日10月10日には、自民党の高市早苗新総裁と公明党の斉藤鉄夫代表が連立継続について協議する会談の予定を控えていることが国内ニュースになっており、選挙で敗退後に過半数票割れの自民党の新総裁が、「私は〜したい」と積極財政と金融緩和の志向や、以前の様なサナエノミクス的な方針を打ち出しても、以前に一部政策案の転換についての質問に、「あれは評判が良くなかったからやめたんです」と説明していた融通が効く面も見せていたことなどがあったため、自民党総裁の全ての主張のそのまま国内政治に反映されるとは限らないため、明日の連立会談の様子見などの持ち高調整も入っていた。

しかし、日経平均株価が朝からのプラス圏で大幅上昇し、史上最高値更新の株価上昇時のリスクオンの円売りが入る中で、二度目の市場安値を下抜けない底堅さを見せたドルはダブルボトムからの反発上昇を見せ始めており、午後15時30分に今日の日経平均株価は4万8580円44銭の終値をつけ、前日比845円45銭高の+1.77%で大引けすると低リスク通貨の円売りや為替ヘッジの円売りの影響が残り、午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場参入の影響もあり、ドルは円相場で昨日の欧州英国市場でもつけた153円台に向けて上昇し、夕方16時41分頃にドルは円相場で一時153円22銭付近と、153円台の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

時間外の米国債券取引では、米国長期金利が日本市場時間の今朝10時台には一時4.11%台に反落後していたが、午後には再び一時4.13%台に反発上昇していた影響などもあり、今日のドルは円相場で153円台に乗せた後にも短時間タッチするだけでなく、しばらくは153円台前半の上昇を続けた。

ただし、今夜この後の米国市場では米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の要人発言のイベント予定を控えており、米国政府機関の一部閉鎖に伴い今夜に予定されていた最新の週間米国新規失業保険申請件数などは発表延期になる中で、雇用最大化と物価安定の二大責務のリスクバランスについて、様子見とイベントリスクでは153円台に上昇後のドルの利益確定売りや持ち高調整も入り始めた。

このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円4銭付近で、昨日17時の152円53銭付近の前東京終値比では約51銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、米国政府機関の一部閉鎖が続いていることでは政府系の米国失業保険申請数の最新米国経済指標には発表延期が見込まれてはいるが、次回10月28〜29日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定と米国債の入札予定などはあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、今夜21時30分頃から次回のFOMC投票権を持つFRB高官の中でも市場への影響力が大きいジェローム・パウエル議長の要人発言予定があるほか、今夜21時35分頃と28時45分頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRBのミシェル・ボウマン副議長の発言予定もあり、25時45分頃から同じくFOMC投票権を持つFRBのマイケル・バーバー理事の発言予定と、26時に米国30年債入札予定などを控えている。

また、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響や、ウクライナや中東など世界情勢と日本やフランスなどの世界政治経済のニュースと、米国政府のドナルド・トランプ大統領などを含めた世界の政治・経済の要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に引き続き世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は177円69銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の177円39銭付近の前東京終値比で約30銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨日に続き、高市トレードによる主要通貨への円安の外貨影響が続く中で、欧州ユーロは円相場で1999年の欧州ユーロの通貨制定以来の史上最高値を続伸していたが、今日の日本市場では日経平均株価の史上最高値更新を受けたリスクオンの低リスク通貨の円売りで欧州ユーロが買われて上昇し、午後15時台にユーロ円は一時177円92〜93銭付近と史上最高値を続伸したが、その後には利益確定売りや持ち高調整で上昇幅を縮小している。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1611ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1630ドル付近の前東京終値比で約0.19セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、欧州ユーロ圏のフランス政府のセバスティアン・ルコルニュ首相の辞任表明後に、昨夜はエマニュエル・マクロン大統領が48時間以内に新首相を指名すると発表したが、その時のユーロのドルに対する買い戻しは長続きせずに反落し、誰になるか不明の仏政治不透明感を受けて世界的に流動性が高い対ユーロの安全資産でもあるドルが米国長期金利の上昇時に対ユーロで買われたほか、今朝未明の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の前回9月16〜17日開催分の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) 議事要旨に米国追加利下げに慎重なインフレ警戒の意見が出ていたことなどもあり、今夕の欧州英国市場では次回のFOMCで米国小幅利下げ予想が優勢さを保つ中でも、次回の米国大幅利下げ予想は0%以下に消失した一方で、次回の米国金利維持予想は5〜7%台付近にやや上昇している時間が観測されている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は204円36銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の204円66銭付近の前東京終値比で30銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、急速に進行した円安により、昨夜19時53分頃に英国ポンドが円相場で一時205円32銭付近の今年最大の円安ポンド高を記録したため、高値の後の英国ポンドの利益確定売りや持ち高調整が進んだほか、ポンドドルなどのポンド売りドル買いの外貨影響もポンド円に波及したため、小幅な円相場の反発となった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月10月9日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時23分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時23分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されていることには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:23の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 152.72 〜 152.73 +0.19 (円安)
ユーロ/円 177.38 〜 177.39 ±0.00 (レンジ)
ユーロ/ドル 1.1613 〜 1.1615 −0.0017 (ドル高)
英ポンド/円 204.18 〜 204.24 −0.48 (円高)
スイスフラン/円 190.64 〜 190.70 +0.19 (円安)
豪ドル/円 100.71 〜 100.75 +0.56 (円安)

注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。