FXニュース:日銀10月利上げ予想後退

2025年10月07日
今日2025年10月7日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の150円25銭付近から、円の安値でドルの高値の150円71銭付近の値幅約46銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円60銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年10月07日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 本田元内閣官房参与発言
  • 米ナズダック史上最高値
  • 加藤勝信財務相円安懸念
  • 日財政拡張赤字悪化警戒
  • 日経平均株価は小幅続伸
  • 仏政治不透明欧国債売り

今日2025年10月7日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の150円25銭付近から、円の安値でドルの高値の150円71銭付近の値幅約46銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円60銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の150円5銭付近の前東京終値比で約55銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場でも、先週末の日本の自民党総裁選で高市早苗新総裁が選出されたことを受けて、財源不明の給付金付き積極財政や軍事費拡張案などによる財政赤字警戒の円売りや、「財政政策にしても金融政策にしても責任を持たなきゃいけないのは政府」と発言していたことから金融緩和志向の自民党新総裁の政治圧で日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の早期の追加利上げ予想が市場で後退し、主要通貨に対する高市トレードの円売りで大幅な円安が主要通貨に対して進行していた。

欧州市場では、昨夕の欧州ユーロ圏のフランスのセバスティアン・ルコルニュ首相の辞意表明を受けた仏政治懸念のユーロ売りドル買いの外貨影響も対ドル円相場に波及していたが、昨夜18時44分頃の時間外の米国債券取引では世界的な安全資産の米国債買いによる債券価格上昇後の売りも入り、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.154%付近に反発上昇した債券利回りの金利差トレードのドル買いもあり、昨夜18時43〜45分頃にかけてドルは円相場で一時150円47銭付近に上昇して日本市場の高値を上抜けたが、数分間の高止まり中に150円台後半に上抜けしなかったことではやや天井を打つ形で利益確定や持ち高調整の抵抗が入り上昇幅を縮小したため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時150円37銭付近の始値であった。

昨夜21時頃のニュースでは、米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) のインタビューで、日本の自民党の高市早苗新総裁の昨年の著書で経済分野の執筆を担当し、経済政策などの助言もしているという経済ブレーンの本田悦朗元内閣官房参与が、「円安は一般論としては日本経済のサポート要因になる」としつつも、「過度な進行は物価を高止まりさせてしまう」と警戒感を示し、「円安が150円を超えたら、やや行き過ぎだろう」と発言したことが話題になり、150円台からのドルの利益確定売りと円の買い戻しの抵抗が入ったため、昨夜21時56分頃と昨夜22時5〜6分頃にドルは円相場で一時149円75銭付近と149円台に反落し、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、本田悦朗元内閣官房参与は、日銀の追加利上げの時期について、「高市氏が慎重に進めてほしいと考えており、いつならいいとか、今はだめだとか言うことはない」と指摘し、今後の日本経済が大きく悪化しない限りは、現在の0.50%程度の日本の政策金利を0.75%程度に0.25%の追加利上げをすることについては、「マクロ経済環境によるが、今の様な環境であれば、0.25%上げても問題ない。仮に12月にやるとしても、米国は心配だが、そんなに混乱しなければ大丈夫だろう」と述べた一方で、今月10月中旬頃とみられる新首相就任から間もなくの10月29〜30日の日銀金融政策決定会合では早期の追加利上げに踏み切ることは、「さすがに難しい」とも発言ししたため、今月10月の早期の日銀追加利上げ予想が後退し、昨夜22時5〜6分頃の後 の昨夜22時8分頃に再度の一時149円75銭付近の米国市場の安値を再記録したドルは円相場で下抜けしない底堅さを見せ、反発上昇を始めた。

昨夜22時30分頃には米国ニューヨーク株式市場が始まっており、この時間の米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) は揃ってプラス圏から始まった株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) による低リスク通貨の円売りも入ったため、昨夜22時31分頃にはドルは円相場で150円台に戻し始めていた。

前日の史上最高値を更新後の米国ダウ工業株は、米国債券市場で昨夜22時前に米国長期金利が一時4.169%付近に上昇していた金利警戒感の影響などもあり、その後の利益確定や持ち高調整などでマイナス圏への反落を見せたことは、今月10月の早期の日銀の追加利上げ予想後退後にも今年年内の12月の日銀の追加利上げ予想が燻っていたこともあって円買いの一時抵抗も混ざったが、一時反落後の米国ダウがマイナス圏の中でも小幅域に下げ幅を縮小したことに加えて、米国S&P500と米国ナズダックはプラス圏の推移で上昇幅を拡大しており、世界的なハイテク企業比率の高い米国ナズダックが史上最高値を更新した株価影響では低リスク通貨の円売りが続きやすくなった。

今朝早朝の米国株式市場の株引けでは、米国主要株価三指数中で米国ダウは史上最高値の前日比では小幅安の終値になったが、他の二指数の米国S&P500と米国ナズダックは高値の終値をつけた株価影響の低リスク通貨の円売りの影響などがあり、市場終盤のドルの買い戻しも入っていた今朝5時45分頃にドルは円相場で一時150円40銭と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、米国市場では、米国政府のつなぎ予算の期限失効後の米国政府機関の一部閉鎖の影響もやや燻っており、欧州英国市場でつけていたドルの高値は円相場で上抜けはしていなかったものの、昨日の日本市場や世界市場で起きた高市トレードの円安進行の影響があり、先週土曜日早朝の前ニューヨーク終値比では大幅な円安ドル高になっていた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の149円75銭付近から、円の安値でドルの高値の150円40銭付近の値幅約65銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は150円35銭付近と、前営業日同時刻の147円47銭付近の前ニューヨーク終値比で約2円88銭の大幅な円安ドル高をつけた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、中国、香港、韓国市場が祝日休場となる市場流動性の中でも、前日に大幅な円安進行後の利益確定や持ち高調整の買い戻し幅は、今朝6時16分頃の一時150円17銭付近までとなり、ドルは円相場で再び上昇に向けた。

今朝8時30分に日本の最新経済指標の発表があり、8月日本全世帯家計調査の消費支出の前年同月比が前回の1.4%と市場予想の1.2%を上回る2.3%に上振れした影響では、今朝8時44分頃に対ドルの円相場は一時150円28銭付近の反発抵抗も見せていたが、昨日から続く高市トレードの円安トレンドの影響では、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時150円36銭付近の始値と、ニューヨーク終値付近と同価格への「往って来い」に戻していた。

今朝の東京株式市場では、財政拡張案や日銀の追加利上げ先送り予想を受けて、昨日に円安を受けた株高で大幅続伸していた日経平均株価がプラス圏から始まり、9時10分頃に一時4万8527円33銭付近の市場高値圏になり、史上最高値の再更新が意識されたことでは、為替リスクヘッジや株価上昇時のリスクオンの低リスク通貨の円売りが入り、今朝9時17分頃にドルは円相場で一時150円62銭付近と、150円台後半への上抜けを見せ始めた。

ただし、今朝の閣議後の記者会見では加藤勝信財務相が、円相場について、「ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」と発言し、円安懸念を受けた円の買い戻しが入ったことは抵抗となった。

また、明日10月8日には、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の要人発言の予定を控えており、昨夜の高市経済ブレーンの本田悦朗元内閣官房参与の発言影響も燻る中で、今年年内の12月の日銀の追加利上げの可能性が市場で意識された。

今朝の市場高値後の日経平均株価が、利益確定売りや持ち高調整で反落して上昇幅を縮小した株価影響による低リスク通貨の円の買い戻しも入り、午後13時33分頃には対ドル円相場は一時150円25銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

とはいえ、日本の「責任ある積極財政」の財源不明の財政拡張案による財政赤字警戒感などを受けては、前日に続いて市場では高市トレードの円安進行の影響が燻っていたほか、今日の国内債券市場では財務省の30年債入札の影響があり、今朝は一時1.695%付近に上昇していた新発10年物日本国債の利回りが指標となる国内長期金利が反落した債券利回りの金利差トレードの円売りも入り、午後15時30分には今日の日経平均株価が上昇幅を縮小後も4万7950円88銭の終値をつけて前日比6円12銭高の+0.01%の小幅高で続伸して株引けした影響もあり、ドルは円相場で再び150円台後半に上昇した。

午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場参入後の夕方16時11分頃には、米国長期金利が一時4.169%付近に再上昇しており、欧州ユーロに対するドル買いの外貨影響の対ドル円相場への波及などもあって、ドルは円相場で一時150円71銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円60銭付近で、昨日17時の150円5銭付近の前東京終値比では約55銭の円安ドル高になった。

今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜17時台後半に米国長期金利は一時4.173%付近と更なる上昇を見せたため、今夜17時55分頃にドルは円相場で一時150円83銭付近にも上昇している。

今夜この後の米国市場では、米国政府の一部機関に閉鎖が続いているため最新米国貿易収支は発表延期予定であるが、非政府系の一部の最新米国経済指標の発表予定はある見通しで、また次回10月28〜29日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定もあり、日本時間の経済指標カレンダーの予定では、今夜23時5分頃からFRBのミシェル・ボウマン副議長の発言予定と、今夜23時45分頃からと今夜29時5分頃の2回に分けてFRBのスティーブン・ミラン新理事の発言予定、28時に8月米国消費者信用残高などの発表予定を控えている。

欧州市場でも、25時10分頃から欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の要人発言予定を控えており、そのほかにも世界の株式市場と債券市場とコモディティ (史上最高値更新後の金や原油先物などを含む商品先物) 市場などの為替相場への影響や、ウクライナや中東など世界情勢と日本やフランスなどの世界政治経済のニュースと米国政府のドナルド・トランプ大統領などを含めた世界の政治・経済の要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に引き続き世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は175円85銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の174円97銭付近の前東京終値比で約88銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、高市トレードによる主要通貨への円安が進行する外貨影響の中で、昨日の欧州ユーロ圏のフランスのセバスティアン・ルコルニュ首相の辞意表明後に売られた欧州ユーロが買い戻されており、今朝の日経平均株価の市場高値の頃にはリスクオンの低リスク通貨の円売りでは欧州ユーロ買いや英国ポンド買いも入り、今朝9時17分頃に欧州ユーロは円相場で一時176円34銭付近に買われて、昨日に続いて欧州ユーロ制定以来の史上最高値を円相場で更新した。

その影響もあり、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は202円37銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の201円68銭付近の前東京終値比で69銭の円安ポンド高であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1677ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1661ドル付近の前東京終値比で約0.16セントのユーロ高ドル安になった。

主な要因は、フランスの政治不透明感の影響によりフランス国債が売られ、欧州ユーロ圏主要国のドイツ国債にも売り影響が波及したことから、欧州利下げサイクル終了予想の影響もあって、独10年債の利回りが指標となる欧州長期金利が上昇し、対ドルでも欧州ユーロの買い戻しが入っていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月10月7日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時12分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時12分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されていることには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:12の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 150.83 〜 150.85 +0.78 (円安)
ユーロ/円 175.95 〜 175.96 +0.98 (円安)
ユーロ/ドル 1.1664 〜 1.1666 +0.0003 (ドル安)
英ポンド/円 202.40 〜 202.46 +0.72 (円安)
スイスフラン/円 189.05 〜 189.11 +1.30 (円安)
豪ドル/円 99.38 〜 99.42 +0.27 (円安)

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