FXニュース:日高市トレード円安進行
2025年10月06日
東西FXニュース – 2025年10月06日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米ISM非製造業予想以下
- 米ダウ工業株連日最高値
- 日自民党高市総裁円急落
- 日積極財政金融緩和予想
- 欧瑞に円相場史上最安値
- 日経平均株価最高値続伸
- 仏首相辞意表明政治懸念
今日2025年10月6日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の149円45銭付近から、円の安値でドルの高値の150円44銭付近の値幅約99銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円5銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円39銭付近の前東京終値比で約2円66銭の大幅な円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、先週金曜日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の要人発言では、日本の政策金利について、「もし将来、0.75%に上げれば、根拠になった経済・物価見通しとともに中立金利との関係を説明する」ことや、先週末の10月4日土曜日の日本政府の自民党総裁選に向けて、「どういう方が首相になっても、十分な意思疎通を図っていきたい」、「関税率15%での日米関税合意により、不確実性は後退した」などの発言があったことでは対ドルの円相場は先週金曜日の夜17時56分頃に一時147円28銭付近に反発したが、特に早期の追加利上げ予想を高めるほどの様な想定以上のタカ派発言がなかったことでは先週金曜日の夜18時11分頃にドルは円相場で一時147円44銭付近と、前東京終値よりも小幅に上昇していた。
ただし、その後の米国市場を控えていた欧州英国市場では、米国政府のつなぎ予算の期限失効による米国政府機関の一部閉鎖の継続を受けては、景気影響への懸念などから時間外の米国債券取引で安全資産の米国債が買われて、債券価格上昇に伴う利回り低下が起きており、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が先週金曜日の夜20時台後の一時4.082%付近に向けて低下したため、債券利回りの金利差トレードによるドル売りが入り、先週金曜日の夜20時48分頃にドルは円相場で一時147円22銭付近に反落し、先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円28銭付近の始値であった。
米国市場では、米国政府機関の一部閉鎖を受けて、この日に予定されていた最新米国重要経済指標の最新米国雇用統計の発表が延期されたため、データ重視で会合毎に米国金融政策を決めるとされている次回10月28〜29日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の最新データへの懸念の影響がある中で、閉鎖中の政府機関系以外の最新経済指標の発表が注目されていた。
先週金曜日の夜22時45分には、9月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の改定値の発表が始まり、前回と市場予想の53.9を上回る54.2に上方修正されたほか、9月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 改定値も前回と市場予想の53.6を上回る53.9に上方修正された上で、いずれも不景気と好景気を分ける景気ボーダーラインの50を上回り続ける好景気寄りの米国景気指標であったことでは、先週金曜日の夜22時57分頃に米国長期金利が一時4.106%付近に反発し、先週金曜日の夜22時58分頃にドルも円相場で一時147円38銭付近と、前東京終値付近に反発した。
しかし、続いて、先週金曜日の夜23時に発表された最新米国重要景気指標の9月米国ISM (Institute for Supply Management / サプライマネジメント協会) 非製造業景況指数は、前回の52.0と市場予想の51.7を下回る50.0に下振れしたことでは、発表の瞬間の先週金曜日の夜23時にドルは円相場で一時147円7銭付近に一時急落し、この日の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
とはいえ、景気ボーダーラインの50を下回らなかったことでは、好景気から不景気に転じるほどの下振れ幅でないとの見解や他国との比較によるドルの買い戻しが入り始めたほか、同時進行中の米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が史上最高値の連日更新に向けて上昇していたほか、米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) もこの時間には揃ってプラス圏の推移などを見せていた株価影響によるリスク選好のリスクオン (Risk-on) の安全資産の米国債売りと低リスク通貨の円売りの影響もあり、市場安値後のドルは円相場で反発し、先週金曜日の夜23時15分頃にドルは円相場で一時147円52銭付近に上昇していた。
米国ニューヨーク債券市場でも、安全資産の米国債売りの影響により、先週金曜日の夜23時33分頃には米国長期金利が一時 4.121%付近に上昇していた。
その後に米国長期金利が一時上昇幅を縮小した影響もあり、上昇トレンドだった米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が史上最高値を連日更新したほか、米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) も午前1時台には高止まりをしていたが、午前2時頃に時差選好の英国ロンドン外国為替市場が終了すると、米国主要株価三指数には週末を控えた高値後の利益確定や持ち高調整の抵抗が入り始めたことでは、米国ダウ工業株 (DJIA) と米国S&P500種株価指数 (S&P500) は上昇幅を縮小し、国際的なハイテク株価比率が高い米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ) は小幅域ながらも反落に向けた。
しかし、今年の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国シカゴ連邦準備銀行 (連銀) のオースタン・グールズビー総裁が米国CNBCテレビの番組に出演しており、この日に米国政府機関の一部閉鎖により発表延期になった最新の米国雇用統計について、「米国シカゴ連銀のスタッフによる推計によれば、9月の米国失業率は前月と変わらず、米国労働市場は安定を示していたはずだ」と述べ、「米国利下げを前倒しで実施してインフレの収束に期待することには慎重になるべきだ」と、過度な米国利下げ前倒しに慎重なハト派寄りの発言をしたことが、米国ブルームバーグ (Bloomberg) 通信などの主要メディアでも話題になったことでは、一時下押ししていた米国長期金利が再上昇を始めた。
また、先週土曜日の午前2時40分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のフィリップ・ジェファーソン副議長の発言もあり、米国フィラデルフィアのドレクセル経済フォーラムの講演で、「米国政府の政策変更が最終決定され、米国経済への影響を判断する時間が増えるにつれて、米国経済についての広範な不確実性の一部は和らぐと予想している」としたほか、雇用最大化と物価安定のFRBの二大責務については、「米国雇用動向には下振れリスク、米国インフレ動向には上振れリスクがある」と双方のリスクを指摘し、このリスクバランスに基づいて、「金融政策の適切なスタンスについて評価を続けていく」と、慎重な姿勢を示した。
米国連邦準備制度理事会 (FRB) のフィリップ・ジェファーソン副議長は、講演後の質疑応答において、「米国政府機関の一部閉鎖に伴う最新経済指標延期の影響は、FRBの政策判断を大きく妨げることはない」とし、「民間部門のデータや、企業・家計調査などの幅広い情報源を活用でき、それらによって経済の全体像を把握できる」と指摘し、「職務遂行に十分な情報を得られていると感じており、10月のFOMC会合に臨む前には十分な情報を把握できていることを期待している」としたことでは、市場で90%台の優勢さを保っていた米国小幅利下げ予想値に対し、数%だった金利据え置き予想値が5%台付近に向けて上昇し、市場前半に燻っていた米国政府機関の一部閉鎖を受けた最新データへの懸念がやや緩和された影響もあり、米国長期金利の上昇に伴う、債券利回りの金利差トレードの円売りドル買いが入った。
先週土曜日の午前3時20分頃には、米国長期金利は一時4.118%付近から4.12%台に向けた再上昇を見せており、ドルは円相場で一時147円54銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録していた。
一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が史上最高値を更新後に一時の上昇幅は縮小したものの終値ベースの史上最高値の連日続伸の終値をつけ、米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) も小幅続伸の高値引けであったが、米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) は小幅安の終値となったことでは、市場高値後のドルの利益確定や持ち高調整でドルは円相場で上昇幅を小幅に縮小していた。
このため、先週金曜日の夜21時頃から先週土曜日の朝5時55分頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の147円7銭付近から、円の安値でドルの高値の147円54銭付近の値幅約47銭で、先週土曜日の朝5時55分頃のニューヨーク終値は147円47銭付近と、前営業日同時刻の147円26銭付近の前ニューヨーク終値比で約21銭の円安ドル高をつけて、先週末を迎えていた。
週末中のニュースでは、10月4日の土曜日に投開票された日本政府の自民党総裁選で、決戦投票の末に、積極財政と金融緩和の姿勢を掲げる高市早苗氏が自民党29代新総裁に選任されたニュースを受けて、週明けの円安・株高・債券安の「高市トレード」の市場予想が高まっていた。
今朝早朝の週明けのアジア・オセアニア市場では、中国と韓国市場が祝日休場となる市場流動性の中で、週末のニュースを受けた高市トレードの円安が週末も開場していた中東バーレーン市場で進み、今朝6時頃に対ドル円相場は一時149円50銭付近と大幅な円相場急落の窓開けを見せて始まっており、高市早苗自民党新総裁の財源不明の給付金と積極財政や軍事費拡張などへの財政懸念や金融緩和志向の政治圧による日銀の早期の追加利上げ予想が後退した影響などがあり、ドルに加えて他の主要通貨に対しても高市トレードの円安が進行したため、今朝8時55分頃にドルは円相場で一時149円66銭付近に上昇していた。
その影響から、今朝9時頃から始まった週明けの今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時149円57銭付近の始値であったが、大幅な急落後の円の買い戻しの窓埋めの抵抗もやや入ったことでは、今朝9時10分頃の一時149円45銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となった。
しかし、市場予想通り、今朝の東京株式市場では円安の追い風に乗った日本株買いの影響があったほか、今日の日経平均株価は前営業日に続いての大幅続伸から始まり、また軍事費拡大や核融合などの高市政策を受けた関連株も買われたため、日経平均株価が大幅に上昇し、株価上昇時のリスク選好のリスクオンで売られやすい低リスク通貨の円売りが加速したため、日経平均株価が市場最高値続伸に向けた大幅上昇のプラス圏の推移を続けたため、対ドルや主要通貨への円安に加えて、リスクオン市場で買われやすい欧州ユーロに対してユーロ円が円相場の史上最安値を記録し、外貨影響の波及もあって低金利通貨のスイスフランに対しても円相場が史上最安値を記録するなど、主要通貨に対して円相場が全面安に向けたため、債券利回りの日米金利差の影響もあった対ドル円相場は150円台の大幅な円安ドル高の進行を見せており、午後14時36分頃に対ドル円相場は一時150円44銭付近と今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
また、今日は日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀全国支店長会議があり、10月の地域経済報告のさくらリポートを公表し、全9地域中1地域の景気判断の引き下げがあったことも、円売りの一因となっていた。
午後からの欧州市場の参入では、欧州ユーロ圏のフランス政府の新仏内閣発表後にセバスティアン・ルコルニュ仏首相が辞意を表明したニュースがあり、仏政治懸念により対ドルなどで欧州ユーロが売られたほか、日本市場で大幅な円安ユーロ高の後の利益確定売りや持ち高調整の抵抗も入り、午後15時30分には史上高値更新の日経平均株価が4万7944円76銭の終値をつけて前営業日比2175円26銭高の+4.75%の大幅高で大引け終了したため、この時間には株価影響による低リスク通貨の円売りの勢いが収まった影響もあり、夕方16時頃から参入した世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場でも日本市場で大幅に進行した円安ドル高や円安ユーロ高の後の利益確定や持ち高調整の抵抗が入ったため、ドルは円相場で上昇幅を一時縮小した。
このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円5銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円39銭付近の前東京終値比では約2円66銭の大幅な円安ドル高になった。 今夜この後の米国市場では、米国政府の一部機関に閉鎖が続いていることから最新米国経済指標の発表予定はないが、時間帯が近い世界市場では26時に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の要人発言予定があり、その後の27時30分には英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) のアンドリュー・ベイリー総裁の要人発言なども控えている。
また、世界の株式市場と債券市場とコモディティ (史上最高値更新後の金や原油先物などを含む商品先物) 市場などの為替相場への影響や、ウクライナや中東など世界情勢と日本やフランスなどの世界政治経済のニュースや、米国政府のドナルド・トランプ大統領などを含めた世界の政治・経済の要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に引き続き世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。
一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は174円97銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の172円92銭付近の前東京終値比で約2円5銭の大幅な円安ユーロ高であった。
主な要因は、前述の通り、高市トレードによる今日の円相場の主要通貨に対する全面安や、日経平均株価上昇時のリスクオンの低リスク通貨の円売りユーロ買いの影響などで、今日の日本市場では午後14時7分と10分頃に、欧州ユーロは円相場で一時176円25銭付近と史上最高値を更新していた。
ただし、欧州ユーロ圏のフランスのセバスティアン・ルコルニュ首相の辞意表明による仏政治懸念を受けては、夕方に欧州ユーロがドルに対して売られていた影響があり、欧州ユーロは円相場で上昇幅を縮小したほか、ユーロドルは今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1661ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.1732ドル付近の前東京終値比で約0.71セントのユーロ安ドル高になっていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は201円68銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の198円43銭付近の前東京終値比で3円25銭の大幅な円安ポンド高であった。
主な要因は、日経平均株価の大幅続伸を受けた低リスク通貨の円売りで英国ポンドが買われたほか、夕方16時35分頃に英国10年債の利回りが一時4.75%付近に上昇した金利差トレードの英国ポンド買いも大幅な円安ポンド高の為替相場に影響を与えていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月10月6日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時12分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時12分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されていることには注意が必要である。
通貨ペア | JST 20:12の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
ドル/円 | 150.36 〜 150.37 | +2.97 (円安) |
ユーロ/円 | 175.38 〜 175.39 | +2.46 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.1662 〜 1.1664 | −0.0070 (ドル高) |
英ポンド/円 | 201.75 〜 201.81 | +3.32 (円安) |
スイスフラン/円 | 188.28 〜 188.34 | +3.36 (円安) |
豪ドル/円 | 99.13 〜 99.17 | +1.76 (円安) |
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