FXニュース:米パウエル議長発言控え

2025年9月23日
今日2025年9月23日火曜日の日本の東京外国為替市場は「秋分の日」の祝日休場であったが、世界FX市場の日本市場相当時間の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円60銭付近から、円の高値でドルの安値の147円87銭付近の値幅約27銭で、...

 

東西FXニュース – 2025年09月23日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米FRB高官達の発言影響
  • 米ムサレムハマック慎重
  • 米ミラン理事ハト派発言
  • 米株価三指数連日最高値
  • 米トランプ国連演説予定
  • 欧景気PMIは強弱混合に
  • 英PMI予想以下も底堅く

今日2025年9月23日火曜日の日本の東京外国為替市場は「秋分の日」の祝日休場であったが、世界FX市場の日本市場相当時間の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円60銭付近から、円の高値でドルの安値の147円87銭付近の値幅約27銭で、本日17時の東京外国為替市場相当時間の対ドル円相場の終値は147円75銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の148円7銭付近の前東京終値比では約32銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の高官達の発言を控えた警戒感から持ち高調整のドル売りが入ったほか、時間外の米国債券取引で安全資産の米国債が買い戻されて債券価格上昇時の利回り低下が起き、昨夜20時20分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.126%付近に低下したため、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りも相まって、昨夜20時51分頃にドルは円相場で一時147円74銭付近に下落していた。

そのトレンドの影響から、時差先行の欧州英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円84銭付近の始値となった。

しかし、この時間は米国現地の朝にあたるため、米国経済紙のウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) の朝刊のインタビューで、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国アトランタ連邦準備銀行 (連銀) のラファエル・ボスティック総裁が、「長期間に渡って高すぎる米国インフレを懸念している」と語り、「現段階で米国追加利下げをする理由はほとんどない」とタカ派発言をしていおり、「そのため、現時点では利下げに賛成せずに動かないが、今後の展開を見守る」と慎重な様子見姿勢をしていた影響もあり、米国債券市場で価格上昇後の米国債売りの抵抗が入り、昨夜22時過ぎの一時4.135%付近に向けて米国長期金利が反発して下げ幅を縮小した時間があったことでは、金利差トレードに加えての現地実需のドルの買い戻しなども入り、昨夜22時頃にドルは円相場で一時147円97銭付近に反発していた。

また、昨夜23時頃から始まった次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を有する米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の高官の米国セントルイス連銀のアルベルト・ムサレム総裁の発言でも、「米国追加利下げは、雇用市場が一段と軟化した場合が条件」で、「追加利下げ余地は限定的」と述べ、「国民が米国インフレ率が目標の2%へ回帰できるかどうかを疑い始めると物価安定の回復がより困難になり、経済への負担が拡大する可能性がある」と警戒感を示し、「インフレリスクが高まった場合は、米国追加利下げを支持しない」と、米国追加利下げ継続にやや懐疑的なデータ重視の慎重な姿勢を示したため、米国ニューヨーク債券市場では昨夜23時38分頃に米国長期金利が一時4.144%付近に上昇し、昨夜23時37分頃にドルは円相場で一時147円99銭付近と昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

同じく、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国クリーブランド連銀のベス・ハマック総裁も、「米国の中立金利水準まであとわずかだと思うが、金融引き締め政策を解除すれば、再び米国経済が過熱し始める可能性があることを懸念している」と、米国インフレへの警戒感を示し、それに対して足元の4.3%の米国失業率は、米国の歴史上では、「完全雇用に近い水準」とやや楽観的で、「今年は若干上振れする可能性があるものの、まもなく再び低下する見通し」について語り、それに対しての米国インフレ率は、「目標から1%乖離」しており、「今後、数年近く乖離し続けると予想している」と悲観的で、「急速過ぎる米国追加利下げは、米国景気の再過熱とインフレの原因になり得る」、「金融政策の引き締め解除の際には、極めて慎重であるべき」と、急速な米国追加利下げへの警戒感を示すタカ派発言を連銀討論会でしていたが、ベス・ハマック総裁は来年の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権は持つ予定であるが、今年の次回にはまだ持たない予定であったことでは、以前からもタカ派として知られていたこともあって市場の反応はやや限定的で、市場高値後のドルの利益確定や持ち高調整の影響の方が大きかった。

ただし、米国ニューヨーク債券市場では、米国主要株価三指数上昇に伴うリスク選好のリスクオン (Risk-on) の安全資産の米国債売りの影響などで、午前1時頃には米国長期金利が一時4.153%付近に上昇した影響では、午前1時頃のドルは円相場で一時147円85銭付近から147円89銭付近に向けていた。

しかし、午前1時頃から、この日の世界市場が最も警戒していた先日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国小幅利下げ決定時に、唯一の米国大幅利下げ支持の反対票を投じた米国政府のドナルド・トランプ大統領指名のハト派で有名な米国大統領経済諮問委員会 (CEA / Council of Economic Advisers) 委員長で米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の新理事に就任したスティーブン・ミラン理事の発言が始まり、市場で警戒されていた以上のハト派発言が講演で飛び出し、「米国政策金利誘導目標のフェデラル・ファンド (FF / Federal Fund) レートの適切な水準は、約2〜2.5%」と、更なる大幅利下げを主張したほか、「今後数カ月で積極的な追加利下げを実施するべき」と連続利下げも主張したため、市場警戒感が高まりドル売りが起きた。

なお、スティーブン・ミラン理事は、以前に論文で拡散したことから提唱者として有名で世界の為替市場で警戒されていた多国間通貨協調によるドル高是正構想のマールアラーゴ合意 (Mar-a-Lago Accord) については、現在は「提唱や支持をしていない」と否定したほか、米国利下げ要求の政治圧を続けている米国政府のドナルド・トランプ大統領から金融政策についての具体的な指示を受けて動いているわけではないとも主張したが、市場反応ではドル売りが続き、発言終了後の今朝未明の午前3時1分頃にはドルは円相場で一時147円66銭付近と米国市場の円の高値でドルの安値をつけた。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、前日にも史上最高値を続伸していた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が市場前半に利益確定や持ち高調整で一時反落した始まった後に揃って反発上昇しており、米国主要株価三指数が揃って史上最高値の続伸の終値をつけた米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) では、市場高値後の低リスク通貨の円売りと安全資産の米国債売りの抵抗も入り、米国長期金利が午前5時19分頃に一時4.154%付近に反発上昇したことからドルも円相場で下げ幅を縮小したが、午前5時19分頃の一時147円78銭付近までの買い戻し幅となり、前ニューヨーク終値比では円高ドル安のニューヨーク終値に向けていた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の147円99銭付近から、円の高値でドルの安値の147円66銭付近の値幅約33銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円72銭付近と、前営業日同時刻の147円95銭付近のニューヨーク終値比で約23銭の円高ドル安をつけた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今日は今夜この後の米国市場で次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の中でも市場への影響力が最も強いジェローム・パウエル議長の要人発言の予定を控えていることもあり、今朝6時5分頃にドルは円相場で一時147円80銭付近に買い戻されていた。

ただし、世界ニュースでは、ドナルド・トランプ米国大統領が今夜22時50分頃から国連総会で演説の見通しという今朝のニュース報道があった影響もあり、低リスク通貨の円買いとドル売りも入った影響では、今朝9時頃の今日の日本の東京外国為替市場相当時間の対ドル円相場の始値は一時147円73銭付近になり、今朝10時43分頃に対ドル円相場は一時147円60銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。

とはいえ、今日の日本市場は「秋分の日」の祝日休場であるため、休業中の日本企業に輸入実需などの大規模な円売りドル買い需要がなかったことに対し、世界的な流動性の高さから世界市場の主要取引通貨でもあるドルの実需はあったため、外貨影響の波及もあってドルは円相場で反発し、正午12時9分頃にはドルは円相場で一時147円87銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。

午後15時頃からの欧州市場に続き、夕方16時頃から世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が参入すると、午後15時10分頃の時間外の米国債券取引では一時4.146%付近だった米国長期金利が、日本市場休場中の市場流動性低下の中での強弱混合の最新欧州経済指標の発表を受けて、夕方16時29分頃のまとまった米国債の買い戻しの影響で一時4.125%付近に急落した時間があった影響などがあり、市場高値後のドルは円相場で反落していたが、夕方16時50分頃には米国長期金利が一時4.143%付近に反発した影響では、ドルも円相場で下げ幅を縮小した。

このため、今日17時の東京外国為替市場相当時間の対ドル円相場の終値は147円75銭付近で、昨日17時の148円7銭付近の前東京終値比で約32銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定やドナルド・トランプ米国大統領の国連総会演説予定と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の中でも市場注目度が高いジェローム・パウエル議長の要人発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、今夜21時30分に4〜6月第2四半期米国経常収支、今夜22時頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのミシェル・ボウマン副議長の発言予定、今夜22時45分に9月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値と9月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値と9月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 速報値と、今夜22時50分頃からドナルド・トランプ米国大統領の国連総会演説予定、今夜23時に9月米国リッチモンド連銀製造業指数、そして、25時35分頃からFRBのジェローム・パウエル議長の要人発言を控えている。

また、世界の株式市場と債券市場と金 (ゴールド) や原油先物価格などを含めたコモディティ市場などの為替相場への影響と、ウクライナや中東などの世界情勢と日本やフランスなどの世界の政治経済のニュースや、米国政府のドナルド・トランプ大統領などを含めた世界の政治・経済の要人発言などのファンダメンタルズニュースの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共にFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場相当時間の今日のユーロ円相場の終値は174円16銭付近で、昨日17時の173円98銭付近の前東京終値比で約18銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の夕方16時15分から今夜17時にかけて欧州ユーロ圏の景気関連の最新欧州経済指標の発表があり、夕方16時15分のフランスの9月仏製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値は前回の50.4と市場予想の50.1を下回る48.1に下振れし、9月仏サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の49.8と市場予想の49.6を下回る48.9に低下したが、それに対して夕方16時30分に発表された主要国ドイツでは9月独製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の49.8と市場予想の50.0を下回る48.5であったものの、9月独サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値が前回の49.3と市場予想の49.5を52.5の想定外の景気ボーダーラインの50超えの好景気指標に上振れし、その後の今夜17時の欧州ユーロ圏総合でも9月欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回と市場予想の50.7を下回る49.5であった一方で、9月欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回と市場予想の50.5を超える51.4に上振れしており、欧州ユーロの買い戻しが入った。

ユーロドルも、今日17時の東京外国為替市場相当時間の終値は1.1788ドル付近で、昨日17時の1.1750ドル付近の前東京終値比でも約0.38セントのユーロ高ドル安になった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場相当時間の英ポンド円相場の終値は199円72銭付近と、昨夜17時の199円61銭付近の前東京終値比で約11銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、先週の一時201円台から英国財政懸念で199円台に反落した英国ポンドであるが、先日の英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策会合 (MPC / Monetary Policy Committee) の英国政策金利据え置き後の高金利通貨ということもあり買い戻しが入っており、今夜17時30分の最新英国景気指標の発表前であったことから今夜17時頃には前東京終値比で円安ポンド高になっていた。

ただし、今夜17時30分に発表された最新英国経済指標の9月英国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値は、前回の47.0と上昇の市場予想の47.1に反して46.2に低下し、9月英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の54.2と市場予想の53.5を下回る51.9と市場予想以下であったことでは、発表時の英国ポンドは円相場で反落したが、サービス部門が景気ボーダーラインの50を上回り続ける好景気寄りの指標に留まったことでは英国ポンドの買い戻しも入り始めて反発している。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年9月23日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時14分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時14分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されていることには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:14の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 147.74 〜 147.76 −0.33 (円高)
ユーロ/円 174.29 〜 174.30 +0.31 (円安)
ユーロ/ドル 1.1796 〜 1.1797 +0.0046 (ドル安)
英ポンド/円 199.62 〜 199.68 +0.01 (円安)
スイスフラン/円 186.40 〜 186.46 +0.26 (円安)
豪ドル/円 97.61 〜 97.65 +0.17 (円安)

注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。