FXニュース:米クック理事法廷闘争へ

2025年8月27日

 

東西FXニュース – 2025年08月27日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米耐久財受注額予想以上
  • 米消費者信頼感指数上昇
  • 米政治圧FRB独立性懸念
  • 米国債入札で利回り低下
  • 米主要株価三指数が反発
  • 日経平均株価も反発上昇
  • 欧ユーロ仏政治懸念影響

今日2025年8月27日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の147円41銭付近から、円の安値でドルの高値の147円97銭付近の値幅約56銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円76銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の147円65銭付近の前東京終値比で約11銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、米国政治圧による米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の独立性懸念の米国売りで米国債が売られた影響があり、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が日本市場終盤の夕方から4.3%台に上昇していたが、その後にはフランスの政治懸念による世界的な安全資産の米国債買いの影響などの買い戻しが入り上昇幅を縮小し始めたが、昨夜19時38分頃の一時4.300%付近に向けてまだ米国長期金利が4.3%台の推移を見せていた時間には債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いが入り、昨夜19時37分頃にドルは円相場で一時147円67銭付近に上昇したが、その後の米国市場における午前2時の米国債の入札を前にした米国債券価格上昇に伴う利回り低下を受けては、米国長期金利が昨夜20時44分頃には一時4.287%付近と4.2%台に低下し、昨夜20時50分頃の一時4.284%付近に向けた低下を続けたため、債券利回りの日米金利差縮小時の金利差トレードの円買いドル売りが入って円相場が反発し、昨夜20時48分頃にドルは円相場で一時147円40銭付近に反落し、欧州英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円46銭付近の始値となっていた。

米国市場では、最新米国経済指標の発表が始まり、昨夜21時30分の7月米国耐久財受注は、前月比が前回の−9.4%と市場予想の−4.0%よりも改善された−2.8%と市場予想より堅調で、輸送用機器を除くコアの前月比も前回の0.2%が0.3%に上方修正された上で市場予想の0.2%を上回る1.1%に上昇したことを受けては、昨夜21時49分頃にはドルは円相場で一時147円54銭付近に反発した。

昨夜22時に発表された6月米国ケース・シラー住宅価格指数は、前年同月比が前回の2.8%に対し市場予想通りの2.1%であったが、同時発表の6月米国住宅価格指数の前月比は前回の−0.2%が−0.1%に上方修正されたものの市場予想の−0.1%よりも弱い−0.2%と強弱混合で、4〜6月第2四半期米国住宅価格指数の前期比も前回の0.7%が0.8%に上方修正されたものの0.0%に鈍化するなど強弱混合となったが、続いて昨夜23時に発表された8月米国リッチモンド連銀製造業指数が前回の−20と市場予想の−10よりも改善された−7であったことと、同時刻の米国コンファレンス・ボードの8月米国消費者信頼感指数が前回の97.2が98.7に上方修正されたほか、市場予想の96.2を上回る97.4に上昇したことを受けては、米国景気懸念緩和によるドル買いが入り、昨夜23時16分頃にドルは円相場で一時147円72銭付近と、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、日本市場時間の昨日の朝にも一時警戒感が高まった米国政府のドナルド・トランプ大統領による米国利下げ要求の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) への政治圧が再び意識される発言があり、「米国連邦住宅金融局が、リサ・クック理事が米国ミシガン州とジョージア州の2カ所の住宅購入にあたり、いずれも居住用として申請し、両方を居住用の低金利の住宅ローンを契約した可能性があるとして、虚偽申告罪の疑いで刑事告発」をしたことを引用して、ドナルド・トランプ米国大統領が「金融規制当局者としての能力と信頼性に疑問」とすることを「正当な理由」にあたると主張してまだ法廷で立証されていない段階から理事解任通知のトランプ書簡を公開したことに対し、リサ・クック理事の弁護士が「ドナルド・トランプ米国大統領による解任措置に抗議し、訴訟を起こす構え」と発言したが、これに対してドナルド・トランプ米国大統領も、「法廷闘争の用意がある」と表明したほか、「FRBの過半数を近く掌握する」という更なる米国政治圧を警戒させる意味深な発言をしたことへの警戒感が高まった。

ドナルド・トランプ米国大統領は、「米国住宅価格のため金利を下げる必要がある」と米国利下げ要求を続ける発言もしており、先日に米国関税インフレ警戒のタカ派発言後に辞任した米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のアドリアナ・クーグラー元理事の後任として指名したハト派のスティーブン・ミラン大統領経済諮問委員会 (CEA / Council of Economic Advisers) 委員長について、「スティーブン・ミランを、FRBの長期ポストに切り替える可能性もある」と言及した米国政治圧により、本来は政治から独立した中央銀行制度としてのFRBの独立性懸念と共に、米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) のハト派転向に警戒したドル信認懸念のドル売りが起きた。

米国ニューヨーク債券市場では、前述の市場予想以上の米国経済指標の発表を受けては、米国主要株価三指数が反発を始めていたこともあり、安全資産の米国債売りの影響で昨夜21時8分頃に一時4.271%付近に低下していた米国10年債利回りが指標の米国長期金利が一時反発し、昨夜23時51分頃に一時4.291%付近と下げ幅を縮小していたものが再び低下し、午前1時21分頃には米国長期金利は一時4.268%付近へと更なる低下を見せたため、債券利回りの日米金利差縮小を受けた円買いドル売りが起き、午前1時24分頃にドルは円相場で一時147円10銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、米国ニューヨーク株式市場では、米国利下げ期待が高まり、前日には揃って安値引けをしていた米国主要株価三指数が反発し、午前2時の米国2年債入札を受けた全般的な米国債買いの影響で米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午前4時52分頃の一時4.257%付近に向けて低下を続けると、米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が金利警戒感緩和により、揃って反発後の上昇を見せて前営業日比で高値引けの終値をつけたことでは、米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) による低リスク通貨の円売りが入り、市場安値後のドルは円相場で下げ幅を縮小していた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の147円72銭付近から、円の高値でドルの安値の147円10銭付近の値幅約62銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円40銭付近と、前営業同時刻の147円80銭付近の前ニューヨーク終値比で約40銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、今朝6時8分に米国ドル信任懸念のドル売りの影響が残っていたドルは円相場で一時147円27銭付近に再び下落したが、世界的な流動性の高さから月末を控えたドルの買い戻しも入り始めたことでは、今朝8時50分頃にドルは円相場で一時147円51銭付近に反発し、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時147円48銭付近の始値であった。

今朝早朝に米国主要株価三指数が揃って反発上昇後の高値引けをしていた影響により、 今朝の東京株式市場でも今日の日経平均株価が小幅なプラス圏から始まったが、直後に一時反落して小幅なマイナス圏に転じた時間があった株価警戒のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いでは、今朝9時3分頃に対ドル円相場は一時147円41銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、日本市場では、月末を前にしたドル買い需要が強く、ドルは円相場で反発上昇後した。今日は今月のスポット取引 (直物取引) 締切にあたることもあり、国内輸入企業などの円売りドル買い観測があった。

また、米国政府のハワード・ラトニック商務長官が、「日本との関税交渉の合意に関する発表を週内に行う」と発言したニュースの話題もあり、対日米国関税に合意内容に基づいた修正が今週中に行われることへの期待感も高まり、一時はマイナス圏に転じていた日経平均株価が反発上昇してプラス圏になったことでも低リスク通貨の円売りが起き、今日の日経平均株価が上昇幅を拡大した昼頃に低リスク通貨の円売りの勢いが増し、午後14時6分頃にドルは円相場で一時147円97銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、今日は日本の国内債券市場でも、新発10年物国債利回りが指標となる国内長期金利が午後に一時1.63%付近に上昇し、2008年10月以来のおよそ17年ぶりと言われる高水準をつけたことは円相場の抵抗になり、市場高値後のドルは円相場で上昇幅を縮小したが、午後15時30分に今日の日経平均株価は4万2520円27銭の終値をつけ、前日比125円87銭高の+0.30%の高値で大引けしていたことでは、147円台後半に留まった。

午後からは欧州市場の参入もあり、今日の日本市場時間の時間外の米国債券取引では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午後15時58分頃に一時4.280%付近と再上昇を見せていた時間があったが、昨日も欧州ユーロ売りが起きていたフランスの政治懸念では、欧州ユーロに対する世界的な流動性の高さから安全資産の一種でもあるドル買いだけでなく、世界的な安全資産の米国債の買い戻しも入り始めた。

夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入では、欧州通貨に対するドル買いの先行後に、米国債買いの影響による米国債券価格上昇時の利回り低下が起き、米国政治圧による米国利下げ予想の影響もあって夕方16時52分頃に米国長期金利が一時4.265%付近へと再び低下したことでは、ドルも円相場で夕方16時35分頃に一時147円89銭付近に反発していた上昇幅を縮小し、今夜17時の東京終値の頃の一時147円76銭付近に向けた。

なお、今日の夕方のフェドウオッチ (FedWatch) では次回9月の米国利下げ予想値が一時87.3%付近への80%後半への再上昇を見せていたが、以前の様な一時90%台には上昇していなかった。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円76銭付近となり、昨夜17時の147円65銭付近の前東京終値比では約11銭の円安ドル高になった。

その後の欧州市場では、フランスの政治懸念などを受けた欧州通貨に対するドル買いの外貨影響の対ドル円相場に波及し、対ドル円相場は今夜20時台には一時148円台への上昇も見せている。

今夜この後の米国市場では、前日に続き、米国債の入札予定が続き、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、26時に米国5年債入札を控えるほか、明日早朝の米国株式市場終了後の時間になる予定であるが、米国エヌビディア (NVIDIA) の決算報告予定があることなども注目を集めている。

また、世界の株式市場と債券市場と原油先物価格などを含むコモディティ市場などの為替相場への影響と、ウクライナや中東などの世界情勢や政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共にFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は171円42銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の171円62銭付近の前東京終値比では約20銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、前日にも欧州ユーロ圏のフランス政府のフランソワ・バイル首相が来月9月8日付けでフランスの内閣信任投票を実施すると発表したことに対してフランスの野党が仏財政再建に反対票を投じると表明したニュースを受けた仏政治懸念の欧州ユーロ売りが世界的に流動性の高い安全資産のドルや低リスク通貨の円に対して起きていたが、今日の欧州市場でも欧州ユーロ圏で主要国ドイツに並ぶ大国であるフランスの政治および財政の先行き不安が影響を及ぼしており、ドルや円などの主要通貨に対する欧州ユーロ安が燻り続けていた。

そのため、ユーロドルも、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1602ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1624ドル付近の前東京終値比で約0.22セントのユーロ安ドル高であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は198円77銭付近と、昨夜17時の198円72銭付近の前東京終値比では約5銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、今日の日経平均株価の上昇を受けて、株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りでは、英国ポンドの買いも入っていたが、欧州政治懸念の影響は抵抗となり小幅域になった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年8月27日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時52分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時52分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:52の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 148.10 〜 148.12 +0.45 (円安)
ユーロ/円 171.53 〜 171.54 −0.09 (円高)
ユーロ/ドル 1.1581 〜 1.1582 −0.0043 (ドル高)
英ポンド/円 198.87 〜 198.93 +0.15 (円安)
スイスフラン/円 183.49 〜 183.55 +0.25 (円安)
豪ドル/円 95.74 〜 95.78 +0.13 (円安)

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