FXニュース:米長期金利反発4.3%台

2025年8月26日
今日2025年8月26日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の146円99銭付近から、円の安値でドルの高値の147円91銭付近の値幅約92銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円65銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年08月26日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米トランプFRB解任書簡
  • 米FRB理事は解任を否定
  • 日米欧主要株価指数下落
  • 日基調インフレ指標鈍化
  • 仏政治懸念のユーロ売り
  • 今週米PCE物価指標控え

今日2025年8月26日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の146円99銭付近から、円の安値でドルの高値の147円91銭付近の値幅約92銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円65銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の147円30銭付近の前東京終値比では約35銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場では、時間帯が近い世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が祝日休場で世界市場全体の流動性が減少している中でも欧州ユーロなどからドルの買い戻しが続き、昨夜19時58分頃の時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.285%付近に上昇し、この時間の対ドル円相場は一時147円45銭付近と先週金曜日の夜の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の発言後の下げ幅を縮小していたが抵抗も交えていたため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円32銭付近の始値であった。

米国市場でも、今週に雇用最大化と物価安定 (Maximum employment and price stability) の二大責務 (Dual mandates) を掲げる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) がインフレデータとして重視する最新米国重要経済指標の7月米国個人消費支出 (PCE / Personal Consumption Expenditures) 物価指標の米国PCEデフレーターなどの発表イベントを控えていることなどから、先週末に急速に進行した大幅なドル安後の利益確定や持ち高調整の買い戻しが入り、昨夜22時20分頃にはドルは円相場で一時147円55銭付近と147円台後半に上昇した。

ただし、米国ニューヨーク株式市場が始まると、前営業日には大幅高で引けていた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average)  が史上最高値更新後の利益確定や持ち高調整の影響に加えての米国長期金利上昇を受けた反落を見せ始まり下げ幅を拡大したことや、米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) も前営業日比のマイナス圏から始まったため、米国主要株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) でドルから低リスク通貨の円が買われた影響では、昨夜23時3分頃に対ドルの円相場は一時147円29銭付近に反発し、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、昨夜23時に最新米国経済指標の7月米国新築住宅販売件数の発表があり、年率換算件数は前回の62.7万件が65.6万件に上方修正された上で市場予想の63.0万件を上回る65.2万件に上振れしていたが、前月比は前回0.6%が4.1%に上方修正されたものの、市場予想の0.5%を下回る−0.6%とプラス圏からマイナス圏に下振れしたことの影響もあった。

しかし、米国ニューヨーク債券市場では、今週に米国債の入札予定が複数あることや、次回9月16〜17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における0.25%の米国小幅利下げ予想値が市場で確定値と考えられている70%を超えた80%台付近の推移を見せていたものの、その後の追加利下げ予想に関しては不確実性が高く、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の中には、米国セントルイス地区連邦準備銀行のアルベルト・ムサレム総裁の様に米国インフレデータを警戒した米国利下げに慎重で、「次回の米国利下げを支持するかどうかの決定前に、さらなるデータが必要だ」というタカ派寄りの発言が出たほか、米国アトランタ地区連邦準備銀行のラファエル・ボスティック総裁も先日に年内2回ではなく「1回の米国利下げの可能性のある自身の見通しを変えてない」などのタカ派発言があり、市場で一時起きていた連続利下げ予想や大幅利下げ予想が後退したことなどを受けて、昨夜23時48分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.296%付近に上昇し、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いを受けてドルは円相場で反発上昇し、先週金曜日の下げ幅を更に縮小した。

時差先行の欧州市場で欧州主要株価の独DAX (Deutscher Aktien-index) が前営業日比で安値の終値をつけたことに続き、米国主要株価三指数が揃って前営業日比で安値の終値に向けると、ロシアの時間稼ぎにより欧州ユーロ圏と地理的に近いウクライナ情勢の早期の地政学リスク緩和期待が後退していたこともあり、欧米株価下落時のリスク回避のリスクオフ市場で売られやすい欧州ユーロが対ドルで売られたユーロドルのドル上昇圧の外貨影響が対ドル円相場に波及し、午前4時9分頃にドルは円相場で一時147円94銭付近と米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国主要株価三指数の安値引けを受けては安全資産の米国債の買い戻しや低リスク通貨の円買いも入り、米国長期金利は今朝6時前には一時4.280%付近と上昇幅を縮小し、ドルも円相場も今朝6時頃には一時147円80銭付近と上昇幅を縮小した。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の147円29銭付近から、円の安値でドルの高値の147円94銭付近の値幅約65銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円80銭付近と、前営業同時刻の146円94銭付近の前ニューヨーク終値比で約86銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時147円81銭付近の始値で、日本市場でも欧米トレンドのドルの買い戻しが先行した影響では今朝9時1分頃にドルは円相場で一時147円88銭に再上昇していたが、今朝9時過ぎのニュースでは、ドナルド・トランプ米国大統領が自身のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS / Social Networking Service) で、先日にも「有利な条件で住宅ローンを受けるために書類を偽造したという疑惑」の記事を引用して辞任を要求していた米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のリサ・クック理事宛の解任通知書を公開したことが話題になり、FRBの独立性が政治圧に脅かされることへの懸念やハト派人事指名による米国利下げ圧が高まることへの警戒感などの低リスク通貨の円や主要通貨に対する米国売りが起き、今朝9時3分頃からドルが円相場で急落を始めたほか、米国債券価格と米国主要株価先物も一時トリプル安に向ける様相を見せ、マイナス圏から始まっていた今日の日経平均株価も更に下落したため、今朝9時49分頃にドルは円相場で一時146円99銭付近と今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、米国債も売られていたことでは米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起きており、一時146円台の市場安値後のドルは円相場で債券利回りの金利差トレードの影響などから反発し、また日経平均株価も市場安値後の反発でマイナス圏ながらも下げ幅を縮小したため株価影響の低リスク通貨の円買いが弱まったこともあり、ドルは円相場で147円台に戻した。

時間外の米国債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は今朝11時24分頃には4.300%付近と4.3%台に乗せて上昇を続けていた。

昼頃のニュースでは、米国紙ワシントンポスト (The Washington Post) などが、「米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のリサ・クック理事は辞任しないと明言」したことや「ドナルド・トランプ米国大統領に解任権限はないと指摘」と報じ、米国ブルームバーグ (Bloomberg) 通信や英国国営放送のBBCニュースなども、「リサ・クック理事は『辞任するつもりはない』とし、『自分を解任する権限はドナルド・トランプ氏にはない』とする声明を弁護士を通じて発表」したことを報じ、ドナルド・トランプ米国大統領が解任理由に挙げている住宅ローン申請書類偽造疑惑は裁判などで「正当な理由」であることを証明する必要がある可能性や、法律の定義では通常は職務怠慢、職務放棄、職務上の不正行為の3つのケースに言及しているが過去のケースでは大統領によるFRB理事解任のケースはこれまでに無く、解任通知書に対する法的な異議を申し立ての場合には訴訟期間中の職務復帰を求める仮処分を申請する方法などがあり、現時点で刑事告発も行われていないことなどから、リサ・クック理事のアビー・ローウェル弁護士は、「ドナルド・トランプ氏の違法行為を阻止するために必要なあらゆる手段を講じる」としていたことから、FRB理事解任否定を受けたドルの買い戻しが入った。

午後15時30分に今日の日経平均株価は4万2394円40銭付近の終値と前日比413円42銭安の-0.97%で大引けしたものの、午後からの欧州市場に続いて夕方から英国祝日連休明けの世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が参入すると、夕方16時11分頃には時間外の米国債券市場で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.314%付近へと上昇したため、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いが勢いを増し、夕方16時12分頃にドルは円相場で一時147円91銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、今日は日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が最新7月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」とデータを発表しており、上昇率分布の刈込平均値が前回の2.3%から2.0%に鈍化したほか、加重中央値も前回の1.4%から1.1%に鈍化していたことから、新発10年物の国債利回りが指標となる国内長期金利が一時上昇幅を縮小したが、夕方には反発上昇した影響もあり、市場高値後のドルには利益確定や持ち高調整の円の買い戻しの抵抗が入り始めた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円65銭付近と、昨夜17時の147円30銭付近の前東京終値比で約35銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に7月米国耐久財受注、今夜22時に6月米国ケース・シラー住宅価格指数と6月米国住宅価格指数と4〜6月第2四半期米国住宅価格指数、今夜23時に8月米国リッチモンド連銀製造業指数とコンファレンス・ボードの8月米国消費者信頼感指数の発表予定があり、26時には米国2年債の入札予定なども控えている。

また、世界の株式市場と債券市場と原油先物価格などを含むコモディティ市場などの為替相場への影響と、ウクライナや中東などの世界情勢や政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共にFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は171円62銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の172円35銭付近の前東京終値比では約73銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、今朝までの欧米主要株価下落や今日の日経平均株価下落を受けた株価リスク回避のリスクオフで欧州ユーロや英国ポンドなどが低リスク通貨の円に対して売られやすかったほか、欧州ユーロ圏のフランス政府のフランソワ・バイル首相が来月9月8日付けでフランスの内閣信任投票を実施すると発表していたニュースが世界市場で話題になり、今日の欧州ユーロ売りに影響を与え、フランスの野党が仏財政再建に反対票を投じると表明したことなどからフランスの政治懸念が高まり、低リスク通貨の円や世界的な流動性の高さことから欧州通貨に対する安全資産でもあるドルなどの主要通貨に対して欧州ユーロが下落した。

その影響から、ユーロドルも、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1624ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1701ドル付近の前東京終値比で約0.77セントのユーロ安ドル高になっていた。

欧州と経済圏が近い英国ポンドも連れており、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は198円72銭付近で、昨夜17時の198円94銭付近の前東京終値比では約22銭の円高ポンド安であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年8月26日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時49分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時49分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:49の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 147.63 〜 147.64 +0.33 (円安)
ユーロ/円 171.82 〜 171.83 −0.53 (円高)
ユーロ/ドル 1.1637 〜 1.1639 −0.0064 (ドル高)
英ポンド/円 198.92 〜 198.98 −0.02 (円高)
スイスフラン/円 183.15 〜 183.21 −0.42 (円高)
豪ドル/円 95.68 〜 95.72 +0.09 (円安)

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