FXニュース:日経平均株価最高値続伸

2025年8月13日

 

東西FXニュース – 2025年08月13日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米CPI下振れコア上振れ
  • 米9月利下げ予想再上昇
  • 米政治圧FRB独立性懸念
  • 米BLS月次統計停止提案
  • 米信認低下懸念ドル売り
  • 日米欧株上昇リスクオン

今日2025年8月13日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の148円17銭付近から、円の高値でドルの安値の147円40銭付近の値幅約77銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円50銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の148円29銭付近の前東京終値比では約79銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券取引で米国債売りが続き、米国債券価格低下に伴う利回り上昇が続き、昨夜20時27分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.293%付近に上昇していたため、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いの値動きを受けて、昨夜20時33分頃にドルは円相場で一時148円50銭付近に上昇していた。

欧州英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時148円44銭付近の始値であったが、昨夜21時30分の最新米国重要インフレ指標の発表を控えた米国関税インフレ圧による上振れ警戒の影響などもあり、昨夜21時8分頃にはイベントリスクの中でも安全資産でもある米国債売りの影響が続いて米国長期金利が一時4.299%付近と更なる上昇を見せたため、昨夜21時27分頃にドルは円相場で一時148円52銭付近と、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国市場では、昨夜21時30分に世界的な注目を集めていた米国インフレ関連の最新米国重要経済指標の7月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントがあり、前月比は前回の0.3%に対し市場予想通りの0.2%であったが、前年同月比は市場予想の2.8%を下回る前回と横ばいの2.7%に市場予想比で下振れしたことを受けては、米国関税インフレ圧による上振れ警戒で買われていたドルが売られて円相場が瞬時に急伸し、発表時の昨夜21時30分の1分間の値動きの中でドルは円相場で一時147円85銭付近に一時急落した。

しかし、天候条件などで価格変動の激しい生鮮食品などを除く基調的物価の重要インフレ指標である7月米国消費者物価指数 (CPI) のコア指数では、7月米国CPIコア指数の前月比が前回の0.2%を上回る市場予想通りの0.3%に上昇しており、前年同月比は前回の2.9%と市場予想の3.0%を上回る3.1%に上振れしていたことを受けては、一時反落していた米国長期金利が反発上昇し、昨夜22時27分頃には一時4.305%付近と4.3%台に上抜け始めたため、債券利回りの日米金利差を受けた円売りとドルの買い戻しが入り、昨夜22時32分頃にドルは円相場で一時148円45銭付近に反発した。

米国ニューヨーク株式市場では、市場で警戒されていたほどの関税インフレ圧の上振れではないとの受け止め方などから、米国における雇用最大化と物価安定 (Maximum employment and price stability) の二大責務 (Dual mandate) を掲げる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が次回9月16〜17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国利下げ予想値が再上昇した影響では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って上昇しており、米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の安全資産の米国債売りでも米国長期金利が上昇した。

一方、米国政府のドナルド・トランプ大統領は、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) への米国利下げ要求の政治圧を続けており、「ジェローム・パウエルFRB議長は、今すぐ金利を引き下げなければならない」と発言し、「FRB本部改修をめぐるFRB議長の提訴容認を検討」などの投稿まで始めたことなどから、本来は政治から独立した中央銀行制度であるはずのFRBの独立性が脅かされることへの警戒感とドル信認低下懸念による米国売りが入った影響では、米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が米国債売りの影響もあって昨夜23時21分頃には一時4.319%付近にまで上昇していたが、上昇幅を縮小して4.3%台から4.2%台に向けた反落を始めた。

ただし、昨夜23時30分頃から次回9月16〜17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国カンザスシティ連邦準備銀行のジェフリー・シュミッド総裁の発言では、「米国経済の勢いがなお持続し、企業の楽観的な見方が強まり、インフレがFRBの目標を上回る水準に留まる中では、緩やかな金融引き締め状態にある金融政策スタンスを当面維持するのが適切」と利下げに慎重なタカ派寄りの発言があり、「需要の伸びが著しく鈍化し始めた場合には、変更する用意がある」と中道的な発言もしていたが、「FRBは米国関税引き上げによる物価上昇の影響を打ち消すことはできないが、需要の伸びを注視して経済が調整する余地を与え、インフレを2%目標に向かわせることは可能だ」と述べたことはやや抵抗となっていた。

しかし、ドナルド・トランプ米国大統領の発言を受けた米国ドル信認低下懸念のドル売りも続いており、特にドナルド・トランプ米国大統領が先日の米国雇用統計の大幅修正を受けて、米国労働省労働統計局 (BLS / Bureau of Labor Statistics) の前局長の解雇通知後に次期局長に指名していたE.J.アントニー氏が先日の米国FOXニュースで、「米国雇用統計が速報値の発表後に大きく修正されることを問題視し、月次の米国雇用統計の公表停止を提案していた」とのニュース報道が市場で話題になり、米国政治影響によるデータの信頼性低下への懸念も高まったことなどからドルは主要通貨に対して一時全面安となって円相場でも下落し、深夜24時45分頃にドルは円相場で一時147円58銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

とはいえ、米国ニューヨーク株式市場では、米国利下げ予想を受けた金利警戒感の緩和の影響が続き、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って大幅高の終値をつけ、米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオンでは低リスク通貨の円売りが入っていたことでは市場安値後のドルは円相場で下げ幅を縮小していた。

米国ニューヨーク債券市場では、金利先物市場のデータを基に米国政策金利の市場予想値が算出されるフェドウオッチ (FedWatch) で米国利下げ予想値が再び90%台に上昇したことを受けた日米金利差縮小予想の影響もあり、株価影響の安全資産の米国債売りが株引け後に弱まっていた米国ニューヨーク外国為替市場終盤の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、午前5時16分頃に一時4.289%付近と4.2%台に低下したままであったため、日米金利差縮小予想と債券利回りの金利差トレードの影響もあり、ドル円は前日比で円高ドル安の今朝の米国ニューヨーク終値に向けていた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の148円52銭付近から、円の高値でドルの安値の147円58銭付近の値幅約94銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円84銭付近と、前営業同時刻の148円15銭付近の前ニューヨーク終値比で約31銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、米国の政治圧による中央銀行の独立性への懸念や米国政治影響で米国雇用指標などの経済指標データへの信頼性への懸念も意識されたドル信認低下懸念によるドル売りでは、今朝6時9分頃にドルは円相場で一時147円73銭付近に下落する窓開きから始まったため、今朝6時47分頃には一時147円86銭付近への窓埋めの反発はあったものの、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時147円77銭付近の始値となった。

日本市場は、お盆休みシーズンに入るが一部の貿易企業や投資系などは市場流動性の減少の中でも参加しており、今朝早朝に日本企業の貿易先を含む米国主要株価三指数が大幅高で引けていた影響から、東京株式市場では昨日に過去最高値を更新した日経平均株価の大幅続伸への期待感が高まっており、今朝の日経平均株価が市場予想通りに高値から始まり、過去最高値の再更新に向けると、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオンの国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが起き、午前11時19分頃にドルは円相場で一時148円17銭付近に上昇して下げ幅を縮小し、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、前述のフェドウオッチで次回9月16〜17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国政策金利の0.25%小幅利下げ予想値が今日の時点でも一時96.2%付近と90%台に再上昇していた影響により、次回の米国金利据え置き予想値が一時3.8%付近に後退した日米金利縮小予想に加えて、第二次ドナルド・トランプ政権の米国利下げ要求の政治圧が続く中、スコット・ベッセント米国財務長官も、「9月に0.5%の大幅利下げを検討すべき」と発言したニュースが話題になり、一時148円台の市場高値後ドルは円相場で147円台に反落した。

午後15時30分に今日の日経平均株価がプラス圏に上昇した推移のままで、4万3274円67銭の終値をつけ、前日比556円50銭高の+1.30%の大幅高で続伸し、連日で過去最高値を更新した株価影響により低リスク通貨の円売りの影響が東京株式市場終了後に弱まり、日本市場終盤に向けた利益確定や持ち高調整の円の買い戻しが入る中で、午後からの欧州市場に続き、夕方から世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が参入すると、今日の時間外の米国債券市場で米国利下げ予想を受けて米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が夕方16時35分頃には一時4.266%付近に低下したため、夕方16時39分位頃に米国長期金利低下時の主要通貨に対するドル売りの影響でドルは円相場で一時147円40銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、日本市場の国内債券市場では、今日の財務省の5年物日本国債入札が低調で、応札倍率が2.96倍と2020年3月以来の低さであった影響では、新発10年物の日本国債の利回りが指標となる国内長期金利も夕方に反落していたことはやや抵抗となり、市場安値後のドルは円相場で東京終値の17時頃には147円台中盤付近に留まっていたが、日本市場終了後の欧州英国市場でも、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-index) も上昇して始まったため、欧州主要株価上昇時のリスク選好市場で買われやすい欧州ユーロや英国ポンドに対するドル売りも入り、ドル円は今夜18時台の147円台前半に向けていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円50銭付近で、昨夜17時の148円29銭付近の前東京終値比では約79銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、26時に次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国シカゴ連邦準備銀行のオースタン・グールズビー総裁の発言予定などを控えている。

また、世界の株式市場と債券市場と原油先物価格などを含むコモディティ市場などの為替相場への影響や、世界情勢や政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動きの予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は172円70銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の172円31銭付近の前東京終値比では約39銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の日経平均株価が過去最高値を連日で更新して大幅高の続伸を見せ、株価上昇時のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円売りと、世界的な流動性の高さから対ユーロの安全資産でもあるドル売りによる欧州ユーロ買いや英国ポンド買いが優勢であった。

そのため、ユーロドルも、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1708ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1620ドル付近の前東京終値比で約0.88セントのユーロ高ドル安になった。

英国ポンドも欧州ユーロと同様に、日経平均株価最高値続伸のリスク選好の低リスク通貨の円売りの影響があり、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は199円79銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の199円57銭付近の前東京終値比では約22銭の円安ポンド高であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年8月13日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時54分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時54分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:54の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 147.37 〜 147.38 −0.92 (円高)
ユーロ/円 172.71 〜 172.73 +0.40 (円安)
ユーロ/ドル 1.1718 〜 1.1720 +0.0098 (ドル安)
英ポンド/円 199.95 〜 200.01 +0.38 (円安)
スイスフラン/円 183.38 〜 183.44 +0.30 (円安)
豪ドル/円 96.59 〜 96.63 +0.16 (円安)

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