FXニュース:米消費者物価指数を控え
2025年8月12日
東西FXニュース – 2025年08月12日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米関税インフレ予想燻る
- 米中関税交渉期限再延長
- 米FRB次期議長候補拡大
- 欧米主要株価指数小幅安
- 日経平均株価最高値更新
今日2025年8月12日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円23銭付近から、円の安値でドルの高値の148円45銭付近の値幅約22銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円29銭付近と、世界FX市場の昨日17時の147円40銭付近と比べると約89銭の円安ドル高で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円32銭付近の前東京終値比では約97銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場は祝日休場であったが、昨夜の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券取引で世界的な安全資産の米国債が売られて債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜17時1分頃の一時4.261%付近から昨夜20時50分頃の一時4.273%付近に上昇し、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いが入り、ドルは円相場で昨夜17時5分頃の一時147円35銭付近から昨夜20時50分頃には一時147円95銭付近へと反発上昇していた。
欧州英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円87銭付近の始値で、米国市場でも昨夜21時38分頃には米国長期金利が一時4.281%付近に上昇したが、価格低下時の米国債の買い戻しの抵抗も混ざったため、昨夜22時過ぎの一時4.268%付近へと下押しした債券利回りの日米金利差を受けては、昨夜22時頃にドルは円相場で一時147円79銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録したが、同市場からは翌市場にあたる今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標でインフレ指標の7月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントを控えているが、市場予想で米国関税政策の影響によるインフレ圧への警戒感が燻り、米国ニューヨーク債券市場でも米国長期金利が昨夜22時39分頃には一時4.285%付近に再び上昇したことでは、ドルは円相場で再び上昇トレンドになった。
米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏付近から始まったものの、金利に敏感な米国ダウ工業株が反落し、米国S&P500種株価指数と米国ナスダック総合株価指数も前日比で下落に向けた株価影響のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の安全資産買いの影響では、欧州英国市場終了後の午前2時過ぎにも米国長期金利は一時4.265%付近に反落した時間があった。
しかし、今週8月15日の米露首脳会談を前にした地政学リスク警戒感の緩和による持ち高調整ではドルの買い戻しが引き続き優勢であったほか、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、期限が迫っていた米中関税交渉中の一部関税の停止期限を90日間再延長する大統領令に署名したと米国CNBCニュースなどが報じた影響による米中貿易摩擦懸念の緩和による安全資産の米国債売りとドルの買い戻しも入ったため、ドルは円相場で上昇トレンドを形成していた。
ただし、第二次ドナルド・トランプ米国政権は次回9月16〜17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の現役高官達にも米国利下げ圧力の影響力を強めており、来年2026年5月に任期終了となるFRBのジェローム・パウエル議長の後任議長候補に、前日に次期FRB議長候補へのアピールとも受け取れるハト派発言をしていたFRBのミシェル・ボウマン副議長や、フィリップ・ジェファーソン副議長と米国ダラス連邦準備銀行のローリー・ローガン総裁も、有力候補のクリストファー・ウォラー理事の他の内部候補に検討していると米国ブルームバーグ (Bloomberg) ニュースなどの米国主要メディアが報じ、ドナルド・トランプ大統領の指名により次期FRB議長選考を主導するスコット・ベッセント米国財務長官が数週間以内に追加の候補者達との面談を行う予定で、その後にドナルド・トランプ大統領が今年の秋頃に後任の次期FRB議長人事を発表する見通しとの観測報道があったことでは、米国利下げ予想による米国政策金利の先高観の後退はやや抵抗になっていた。
とはいえ、米国国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) は、本来は政治からは独立した米国中央銀行制度として、米国における雇用最大化と物価安定 (Maximum employment and price stability) の二大責務 (Dual mandate) を掲げており、先日の米国雇用統計の軟化により、今年年内の米国利下げ予想が市場で既に優勢であったことでは、雇用最大化のもう一つの責務である物価安定が注目を集めており、米国関税政策の影響によるインフレ圧への市場警戒感が燻る中で、最新重要インフレ指標の7月米国消費者物価指数 (CPI) 発表のイベント前の持ち高調整では円相場でのドルの買い戻しが優勢であった。
今朝早朝にはイベントリスクの影響などがあり、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って前日比で小幅安の終値をつけ、株価影響のリスク回避のリスクオフの安全資産の米国債買いや低リスク通貨の円買いの抵抗が株引けと共に後退していたことでは、ドルは円相場で148円台に上昇しており、今朝5時1分頃に対ドル円相場は一時148円25銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
米国ニューヨーク債券市場では、今朝5時52分頃の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.286%付近に再び上昇していた。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の147円79銭付近から、円の安値でドルの高値の148円25銭付近の値幅約46銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は148円15銭付近と、前営業同時刻の147円74銭付近の前ニューヨーク終値比で約41銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、オセアニアのオーストラリアの主要貿易先である中国への米国対中関税交渉期限の再延長のニュースなどを受けて、今朝6時6分頃に一時148円2銭付近に下押ししていたドルは円相場で反発し、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が今朝6時過ぎの一時4.289%付近から今朝8時台の一時4.291%付近に向けて上昇した債券利回りの日米金利差拡大による円売りドル買いもあり、ドルは円相場で今朝7時46分頃に一時148円24銭付近とニューヨーク高値付近まで再上昇したため、今朝9時頃から始まった連休明けだが今週はお盆の夏休みシーズンでもある今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時148円16銭付近の始値となり、今朝9時1分頃の一時148円13銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となり、ドルは円相場で再び上昇を始めた。
日本市場では連休明けで週明けとなる今日の東京株式市場で先週の日米関税交渉合意内容に基づく修正の見通しを受けて大幅に上昇していた日経平均株価が今朝も続伸して始まり、前日比の大幅な上昇幅を拡大する中で過去最高値の更新に向けたことが話題になり、日本株価上昇を受けたリスク選好のリスクオン (Risk-on) による国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが優勢となり、正午12時55分と午後13時28分頃にドルは円相場で一時148円45銭付近と、昨夜の米国市場のドルの高値を上抜けた今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
なお、今日の昼の13時30分頃には、同時進行中のオセアニア市場でオーストラリアの中央銀行にあたる豪州準備銀行 (RBA / Reserve Bank of Australia) の豪州政策金利の発表があり、市場予想通りにこれまで3.85%から3.60%へと0.25%の豪州小幅利下げが決定されていた。
ただし、今夜この後の米国重要経済指標発表前のイベントリスクの時間が近づいてきた影響があり、今朝9時19分頃の時間外の米国債券取引では一時4.297%付近にまで上昇していた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇幅を縮小し、債券利回りの日米金利差縮小を受けては、ドルは円相場で二度目の市場高値を上抜けできずにテクニカル分析的なダブルトップ (Double top) の毛抜き天井を打つ形で反落して上昇幅を縮小していた。
午後からの欧州市場が参入した午後15時頃の時間外の米国債券取引で米国長期金利が一時4.279%付近に上昇幅を縮小したことはドルが円相場で下押しされる一因となったが、その一方で、今日の日経平均株価が一時の過去最高値の更新後にも上昇幅を利益確定や持ち高調整でやや縮小したものの、午後15時30分に今日の日経平均株価が4万2718円17銭の終値をつけて前営業日比で897円69銭高の+2.15%の大幅高で続伸して大引けし、終値ベースでも昨年2024年7月11日以来の過去最高値を更新した株価影響のリスク選好のリスクオンによる低リスク通貨の円売りの影響ではドルは円相場で今朝の市場安値を下抜けない148円台前半での底堅い値動きを見せており、夕方からの英国ロンドン外国為替市場参入後の夕方16時10分頃に米国長期金利が一時4.291%付近に反発するとドルも円相場で反発した。
なお、今日の午後15時に発表されていた英国雇用関連の最新英国経済指標では、7月英国失業保険申請件数が前回の2.59万件が前回−1.55万件に改善の修正された上で、今回も−0.62万件と堅調で、7月英国失業率も前回の4.5%が前回改善の修正値と同じ4.4%に改善されており、世界的な安全資産の米国債売りや低リスク通貨の円売りが英国ポンドに対しても入っていた外貨影響も対ドル円相場に波及していた。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円29銭付近で、昨夜17時の世界FX市場の147円40銭付近と比較すると約89銭の円安ドル高となり、日本市場の連休前の前営業日同時刻の先週金曜日の夜17時の147円32銭付近の前東京終値比では約97銭の円安ドル高になっていた。
今夜この後の米国市場では、世界的な注目を集めている最新米国重要経済指標の発表予定と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の発言予定などがあり、今夜21時30分に最新米国重要インフレ指標の7月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントと、今夜23時30分頃から次回のFOMCメンバーのFRB高官の米国カンザスシティ連邦準備銀行のジェフリー・シュミッド総裁の発言予定と、27時に7月月次米国財政収支の発表など控えている。
また、世界の株式市場と債券市場と原油先物価格などを含むコモディティ市場などの為替相場への影響や、世界情勢や政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動きの予想材料となっている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は172円31銭付近で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の171円66銭付近と比較すると約65銭の円安ユーロ高で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の171円77銭付近の前東京終値比では約54銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、今日の日経平均株価が大幅に続伸し、過去最高値を更新した株価上昇時のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円売りが優勢となり、ドルだけでなくリスクオン市場で買われやすい欧州ユーロや英国ポンドに対しても円安の東京終値となっていた。
そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は199円57銭付近で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の198円24銭付近と比較すると約1円33銭の大幅な円安ポンド高で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の198円5銭付近の前東京終値比では約1円52銭のより大幅な円安ポンド高であった。
主な要因は、先週の英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) がタカ派寄りであったことから次回の英国金利据え置き予想が上昇して前日にも円安ポンド高になっていたが、今日の日経平均株価が史上最高値を更新した株価影響による低リスク通貨の円売りと今日の午後の英国失業率の改善でも英国ポンドが買われたため、大幅な円安ポンド高になった。
ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1620ドル付近で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1647ドル付近と比較すると約0.27セントのユーロ安ドル高で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.1660ドル付近の前東京終値比では約0.40セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、今夜この後の米国消費者物価指数の発表イベントを控えて、米国関税政策の影響によるインフレ圧が市場予想で燻っていたことから米国長期金利上昇とドル買いが入っていたことが影響を及ぼしていたが、今夜この後のイベントリスクが抵抗になっていることでは様子見の動きもあり、ユーロドルは小幅域での推移となっていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年8月12日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時34分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時34分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 19:34の為替レート | 世界市場前営業日JST 17:00東京終値相当比 |
ドル/円 | 148.44 〜 148.45 | +1.04 (円安) |
ユーロ/円 | 172.34 〜 172.36 | +0.68 (円安) |
ユーロ/ドル | 81.1609 〜 1.1611 | −0.0038 (ドル高) |
英ポンド/円 | 199.79 〜 199.85 | +1.55 (円安) |
スイスフラン/円 | 183.06 〜 183.12 | +0.69 (円安) |
豪ドル/円 | 96.39 〜 96.43 | +0.36 (円安) |
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