FXニュース:日米関税合意修正見通し

2025年8月08日
今日2025年8月8日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の146円72銭付近から、円の安値でドルの高値の147円45銭付近の値幅約73銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円32銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年08月08日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 英利下げ賛成5に反対4
  • 米失業保険申請件数増加
  • 米消費者期待インフレ増
  • 米FRBウォラー議長候補
  • 米CEAミランFRB理事に
  • 日経平均株価が大幅続伸

今日2025年8月8日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の146円72銭付近から、円の安値でドルの高値の147円45銭付近の値幅約73銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円32銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の146円82銭付近の前東京終値比で約50銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の昨夜20時頃の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券取引で米国債が売られて米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜20時台の一時4.250%付近に向けて上昇し、ドルの買い戻しが円相場で進んでいたが、昨夜20時に英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) が市場予想通りに英国政策金利を4.25%から4.00%に0.25%の小幅利下げを発表したが、大幅利下げ支持1票と小幅利下げ支持4票と金利据え置き支持4票で再投票された後に、5対4の僅差のタカ派寄りの多数決で英国小幅利下げ決定されたことが話題になり、今後の英国政策金利高止まり予想の浮上により大幅な円安ポンド高になった外貨影響の波及があり、昨夜20時41分頃にドルは円相場で一時147円50銭付近になっていた。

その影響では、欧州英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円31銭付近の始値であったが、米国市場では先週金曜日の米国雇用統計の下振れと大幅下方修正後に他の米国雇用関連の最新米国経済指標が注目されていたため、昨夜21時30分に発表された前週分の米国新規失業保険申請件数が前回の21.8万件と前回修正の21.9万件と市場予想の22.1万件以上の22.6万件に悪化し、前週分の米国失業保険継続受給者数も前回の194.6万人と前回修正の193.6万人と市場予想の195.0万人よりも軟化した197.4万人と2021年11月以来の高水準だったことを受けては、米国における雇用最大化と物価安定 (Maximum employment and price stability) の二大責務 (Dual mandate) を掲げる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が次回9月16〜17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国利下げ予想が改めて意識され、昨夜21時9分頃には一時4.252%付近にまで上昇していた米国長期金利が昨夜21時33分頃には一時4.233%付近に反落し、昨夜21時36分にドルは円相場で147円2銭付近に下落した。

ただし、昨夜21時30分に同時発表された4〜6月第2四半期米国非農業部門労働生産性の前期比の速報値は、前回の−1.5%と前回下方修正の−1.8%と市場予想の2.0%を上回る2.4%に上昇し、同四半期の米国単位労働コストの前期比年率の速報値も前回の6.6%と前回上方修正の6.9%と市場予想の1.5%に対して1.6%といずれも市場予想以上であったことに続き、昨夜23時の景気関連の米国経済指標の6月米国卸売売上高の前月比も前回マイナス圏だった−0.3%と前回下方修正の−0.4%に対し市場予想の0.1%を上回るプラス圏の0.3%に改善されたことではドルは円相場で反発した。

また、昨夜23時台のニュースでは、雇用最大化と物価安定 (Maximum employment and price stability) の二大責務 (Dual mandate) のリスクバランスの物価安定の方について、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国アトランタ連邦準備銀行のボスティック総裁の発言があり、「米国労働市場のリスクが高まっているものの、向こう数カ月で米国関税政策の影響などでインフレ率上昇を予想するため、次回9月の早期の米国利下げを確約するにはまだ時期尚早」との考えを示し、「企業が関税変更に完全に適応するには2026年半ば頃までかかる可能性があり、インフレリスクは未解決のままである」と早期の利下げに慎重なタカ派寄りの警戒感を示したことが話題になった。

ただし、時を同じくして、米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) が、「ドナルド・トランプ米国大統領の陣営の次期FRB (Federal Reserve Board / 米国連邦準備制度理事会) 議長の最有力候補に、クリストファー・ウォラー理事が浮上」という観測報道もあったことでは、前回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) でもハト派の小幅利下げを支持していたクリストファー・ウォラー理事が段階的な米国利下げを進める市場予想が出たことはやや抵抗になっていた。

そこに深夜24時頃のニュースがあり、米国ニューヨーク連邦準備銀行が発表した最新の7月米国消費者期待調査によると、米国消費者の1年先のインフレ期待が前月の3.02%から3.09%に上昇し、3年先のインフレ期待は前月から横ばいの3.00%であったが、5年先が前月の2.61%から2.88%に上昇して5カ月ぶりの高水準となり、日本時間では昨日から発動した米国関税政策への日本や各国との見解の食い違いが話題になる中で米国関税インフレへの警戒感により、一時90%台だった次回9月の米国利下げ予想値が一時80%台へと上昇幅の縮小に向けたことを受けた円売りドル買いが入り、同時進行中の世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場でも深夜24時のロンドン・フィキシング (London Fixing) の主要取引通貨のドル買いフロー (Flow / 流れ) があったことから、深夜24時4分頃にドルは円相場で一時147円59銭付近と米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国ニューヨーク債券市場では、昨夜23時台には一時4.226%付近にまで低下していた米国長期金利が午前1時台には一時4.238%付近に反発し、午前2時の米国30年債入札が低調な結果となった影響が他の年度の米国債にも波及したこともあり、入札後の午前2時台には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.251%付近に上昇したが、米国主要企業の決算報告シーズンの影響が続いているニューヨーク株式市場では、米国雇用市場軟化の影響による決算への警戒感に加えて、米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) が反落して前日比でマイナス圏の推移に転じており、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) では低リスク通貨の円の買い戻しも入ったことでは対ドルの円相場は反発する抵抗も見せていた。

ただし、米国主要株価三指数の中では世界的なハイテク企業比率が高い米国ナスダック総合株価指数(NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) は一時の反落後にも反発してプラス圏の高値の終値に向けていたこともあり、午前3時59分頃にはドルは円相場で一時147円57銭付近に戻していた。

しかし、午前4時台のニュースでは、先日に8月8日付けで早期辞任を表明した米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のアドリアナ・クグラー理事の後任について、ドナルド・トランプ米国大統領は「数日以内に指名する」と言っていたが、「米国ホワイトハウスは、FRB理事に米国大統領経済諮問委員会 (CEA / Council of Economic Advisers ) のスティーブン・ミラン委員長を指名する準備をしている」との一部報道があったことに続いて、ドナルド・トランプ米国大統領が、「FRB理事候補にスティーブン・ミラン氏を選出した」と発言したことが話題になり、スティーブン・ミラン氏はあの金融市場を警戒されたマールアラーゴ合意構想の論文の提唱者だったことでも有名だが、以前に米国関税政策がインフレに長期的な影響を及ぼすとの見方を否定し、「米国政策金利は新型コロナウイルス禍以前の水準に戻せる可能性がある」などのハト派発言していたことがあり、米国政治圧によるハト派の利下げ要求の影響力が拡大することなどへの警戒感が高まってドルが急落し、午前4時46分頃に対ドル円相場は一時146円94銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、米国売りでドルが急落しただけでなく、米国政治影響の米国中央銀行の独立性への懸念や米国債への警戒感により米国債も売られたことでは米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起きており、午前4時22分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.253%付近に上昇したことに警戒したのか、ドナルド・トランプ米国大統領は、本来は来年2026年1月までが任期であったアドリアナ・クグラー理事の早期辞任につき、「2026年1月末までの残りの任期のみを引き継ぐ」ことを示唆したが、米国市場終了後の今朝早朝8時台の世界市場では米国債売りが続き、米国長期金利は一時4.262%付近にも向けており、市場終盤にはドルの買い戻しも入ったことでは、ドルは円相場で147円台へと下落幅を縮小した。

なお、午前4時の世界市場では、南米メキシコの政策金利の発表もあり、これまでの8.00%から市場予想通りの7.75%に0.25%の小幅利下げが発表されていた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の147円59銭付近から、円の高値でドルの安値の146円94銭付近の値幅約65銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円14銭付近と、前営業同時刻の147円37銭付近の前ニューヨーク終値比で約23銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも米国売りが先行したほか、日米関税合意内容との日米の認識の食い違いに基づき、米国関税負担軽減措置の15%を超える上乗せ分の修正を求めて渡米していた赤沢亮正経済財政・再生相が、米国政府が米国相互関税の大統領令を修正し、日本を措置対象に加えることを約束したと発表し、米国は過剰徴収分の関税も8月7日付けに遡って還付する見通しとなったとしたことでも円が買われたため、今朝8時50分に公開された日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の7月30〜31日開催分の「日銀金融政策決定会合における主な意見」でも、今後の日銀の追加利上げ方向維持が意識されたため、ドルは円相場で再び146円台に反落し、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時146円79銭付近の始値で、今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時に記録した一時146円72銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となった。

日本市場では、来週のお盆休みシーズンを控えていることもあり、今朝の仲値決済で日本企業の輸入実需の円売りドル買いに加えてのドル準備金の需要があったことに続き、今朝の日米関税合意内容に基づく修正の見通しを受けて今日の東京株式市場では株価が上昇し、東証株価指数 (TOPIX / Tokyo Stock Price Index) が過去最高値に向けたほか、今日の日経平均株価も大幅に上昇して続伸し、午後15時30分に今日の日経平均株価は4万1820円48銭の終値をつけ、前日比761円33銭高の+1.85%の大幅高で大引けしたため、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) でも国内第一安全資産の低リスク通貨の円が売られたためドルは円相場で反発し、午後15時頃の欧州市場の参入でも時間外の米国債券市場の米国債売りの影響で米国長期金利が午後15時49分頃の一時4.261%付近に向けて上昇したため、債券利回りを受けたドル買いも入ったため、午後15時42分頃に対ドル円相場は一時147円45銭付近と今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、今日の午後に自民党が両院議員総会を開催し、昼頃には石破茂首相の退陣や総裁選の前倒しを求める意見が出てくる見通しなどの観測報道が出ていたが、夕方には「石破茂首相が改めて続投に意欲を示した」と伝わったものの、一部の報道では「総裁選開催の有無について選挙管理委員会に一任することが決まった」と報じられたことなどでも国内政治の不透明感による円売りがやや混ざっていた。

夕方からの英国ロンドン外国為替市場参入後の16時55分頃には、米国長期金利は一時4.255%付近に上昇幅を縮小していたため、日本市場終盤の円の買い戻しの影響もあって、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円32銭付近で、昨夜17時の146円82銭付近の前東京終値比では約50銭の円安ドル高になっていた。

今夜この後の米国市場では、次回9月16〜17日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時20分頃から米国セントルイス連邦準備銀行のアルベルト・ムサレム総裁の発言予定などを控えている。

また、政治や経済などの世界ニュースや、米国主要企業の決算報告の影響が続く世界の株式市場と債券市場と原油先物価格などのコモディティ市場などの為替相場への影響や、世界情勢や政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動きの予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は171円77銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の171円65銭付近の前東京終値比で約12銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の日経平均株価の大幅な続伸を受けた日本株価上昇時のリスク選好のリスクオンなどで国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが入り、欧州ユーロや英国ポンドなどが買われやすかった。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は198円5銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の196円41銭付近の前東京終値比では約1 円64銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、昨夜20時の英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) が5対4と反対票が多いタカ派寄りの英国利下げであったことから昨夜にも大幅な円安ポンド高が起きており、それに加えての日米関税合意内容に基づく修正見通しを受けた日経平均株価の大幅続伸による低リスク通貨の円売りの影響で欧州ユーロよりも大幅域になっていた。

ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1660ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1690ドル付近の前東京終値比で約0.30セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、今朝未明に米国政府のドナルド・トランプ大統領が、米国大統領経済諮問委員会 (CEA / Council of Economic Advisers ) のスティーブン・ミラン委員長を米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 理事の後任に指名すると発表した時の米国利下げ要求の政治圧への警戒感などの米国売りでは円相場だけでなく欧州ユーロに対してもドルが一時急落したが、今日の日本市場の日経平均株価上昇時のリスク選好では低リスク通貨の円売りなどで欧州ユーロが買われた外貨影響が波及したほか、米国長期金利上昇時の金利差トレードによるドルの買い戻しが欧州ユーロの為替相場に影響を与えていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年8月8日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時22分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時22分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:22の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 147.79 〜 147.80 +0.97 (円安)
ユーロ/円 172.10 〜 172.12 +0.45 (円安)
ユーロ/ドル 1.1643 〜 1.1645 −0.0047 (ドル高)
英ポンド/円 198.72 〜 198.78 +2.31 (円安)
スイスフラン/円 182.95 〜 183.01 +0.50 (円安)
豪ドル/円 96.43 〜 96.47 +0.45 (円安)

注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。