FXニュース:今夜米雇用統計発表控え

今日2025年8月1日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の150円92銭付近から、円の安値でドルの高値の150円42銭付近の値幅約50銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円55銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年08月01日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日米金利差ドル150円台
  • 米PCEデフレーター上昇
  • 米雇用コスト指数上振れ
  • 米失業保険申請件数堅調
  • 株価下落時のリスクオフ

今日2025年8月1日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の150円92銭付近から、円の安値でドルの高値の150円42銭付近の値幅約50銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円55銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の149円44銭付近の前東京終値比で約1円11銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の昨夜の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、前日付けの米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) 後に米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の発言では早期の米国利下げに慎重なタカ派姿勢が観測されたことに対し、昨日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合後の植田和男総裁の発言では早期の追加利上げに慎重なハト派姿勢が観測されたことから、当面の間の日米金利差予想の影響による円売りドル買いが続き、昨夜20時26分頃にドルは円相場で一時150円10銭付近と150円台に上昇した。

今年2025年4月2日以来の大幅な円安ドル高が急速に進行したことを受けては、150円台からの利益確定と持ち高調整の抵抗により対ドルの円相場が反発して一時149円台後半に戻したため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時149円88銭付近の始値となり、昨夜21時15分頃にドルは円相場で一時149円81銭付近と昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、昨夜21時30分の米国市場では最新米国重要経済指標の発表が始まり、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が注視する物価指標の1つである6月米国個人消費支出 (PCE / Personal Consumption Expenditures) デフレーターの前年同月比が、前回の2.3%が前回2.4%に上方修正された上で市場予想の2.5%を上回る2.6%に上振れし、食品とエネルギー除く物価基調の6月米国PCEコア・デフレーターの前年同月比も前回と市場予想の2.7%が前回2.8%に上方修正された上で今回も2.8%と高止まりしており、前月比は前回の0.2%に対し市場予想通りの0.3%への上昇と米国関税によるインフレ圧の市場予想に一致したが、同時発表の6月米国個人所得の前月比も前回の−0.4%と市場予想の0.2%を上回る0.3%に上振れしていたことから、6月米国個人消費支出 (PCE) の前月比では前回の−0.1%が0.0%に上方修正されたものの市場予想の0.4%に対し0.3%の想定範囲内であったものの、米国関税政策によるインフレ圧が意識された。

さらに、同時発表だった米国雇用関連の最新米国重要経済指標の4〜6月第2四半期米国雇用コスト指数も市場予想の0.8%を上回る前回同様の0.9%の上昇率を見せた堅調さを保っており、前週分米国新規失業保険申請件数も前回の21.7万件と市場予想の22.3万件に対し21.8万件と市場予想以上の堅調さを示し、前週分米国失業保険継続受給者数も前回の195.5万人が前回194.6万人に改善の修正された上で市場予想の195.3万人より強い194.6万人の堅調さを保ったことから、雇用最大化と物価安定の二大責務を掲げる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における金利維持予想値が利下げ予想値を上回った推移を続けており、昨夜21時30分の発表時にドルは円相場で一時150円14銭付近と瞬時に再び150円台に上昇した。

米国市場では、昨日の午後の日銀の植田和男総裁の発言の中でも、「足元の為替の動き、物価見通しに直ちに影響あるとは見ていない」が意識されており、ドル円が150円台で上昇しても為替介入警戒感が後退していたため、ドルは円相場で150円台に乗せたまま上昇を続け、続いて昨夜22時45分に7月米国シカゴ購買部協会景気指数が発表されて前回の40.4と市場予想の42.0を上回る47.1に上振れ上昇すると、昨夜23時4分頃にドルは円相場で一時150円64銭付近と150円台後半に上昇した。

この日の欧米市場は7月の月末最終日であったことから、同時進行中の世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場では英国サマータイム中は深夜24時頃にあたるロンドン・フィキシング (London Fixing) に絡む主要取引通貨のドルからの月末決算用の各国の自国通貨の買い戻しのドル売りフロー (Flow / 流れ) が観測されたことはドル円の抵抗となり、深夜24時16分頃にはドルは円相場で一時150円35銭付近と一時150円台後半から前半へと下押ししていた時間があったが、その後にはドルは円相場で反発上昇して再び150円台後半に向け、午前1時17分頃と午前3時56分頃にも一時150円79銭付近に上昇した。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要企業の決算報告シーズンが続いており、米国マイクロソフト (Microsoft) が好調な決算報告を受けて一時3%超上昇し、時価総額が一時4兆ドルを超えるなど、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数(NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が開場時には揃ってプラス圏に上昇して始まったものの、月末を控えた利益確定売りや持ち高調整が入り始めたことに加えて、この日の米国株引け後に米国主要企業のアップル (Apple) やアマゾン (Amazon) などの決算報告予定もあったことなどから米国関税政策の影響への警戒感があり、米国政策金利高止まりへの警戒感も意識されたこともあり、米国主要株価三指数が揃ってマイナス圏に転じて前日比で安値の終値に向けたことは株価リスク回避のリスクオフ (Risk-off) の安全資産の米国債買いや低リスク通貨の円買いがやや抵抗となっていた。

しかし、今朝早朝の米国株式市場の終了後には株価影響の抵抗が終わり、早期の米国利下げ予想の後退と同時に日銀の早期の追加利上げに慎重な姿勢を受けた当面の間の日米金利差予想による円売りドル買の影響が再燃し、今朝5時1分頃にドルは円相場で一時150円84銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国ニューヨーク債券市場でも、深夜24時21分頃には米国債買いの影響で一時4.330%付近にまで低下していた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、今朝5時41分頃には一時4.384%付近に反発上昇したが、今朝6時頃のニューヨーク終値の頃には一時4.375%付近になったことでは、米国市場の高値後のドルは上昇幅をやや縮小した。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の149円81銭付近から、円の安値でドルの高値の150円84銭付近の値幅約1円3銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は150円75銭付近と、前営業同時刻の149円51銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円24銭の大幅な円安ドル高をつけ、ドルは円相場で大幅な続伸を見せた。

今朝早朝の米国株式市場の株引け後には米国主要企業の決算報告があり、米国アップル (Apple) 社のティム・クック最高経営責任者 (CEO / Chief Executive Officer) が電話会議では中国などで生産しているアイフォーン (iPhone) などの4〜6月の米国関税コストは約8億ドルで7〜9月は約11億ドルが予想されると話していたことなどから警戒感があったが、6月28日までの第2四半期の決算報告では、米国関税に警戒した消費者や小売業者達が米国関税回避で発動前に前倒しの駆け込み購入を想定以上にしていたことなどが明らかになり、売上高と利益が共に市場予想を大きく上回り、4〜6月売上高の上振れ幅は過去4年間で最大規模となり、今四半期の売上高の見通しも市場予想以上であったことから、時間外のサプライズでアップル株が一時高騰した。

一方、米国アマゾン (Amazon) の第2四半期の決算報告も市場予想以上ではあったものの、アマゾン・ウェブ・サービス (AWS / Amazon Web Services) の第2四半期の売上高が17.5%の増収益に留まり、クラウド事業でライバルの米国マイクロソフト (Microsoft) のアジュール (Azure) は39%の増収益で、米国グーグル (Google) のクラウドも32%の増収益が発表後で比較されたことでは、アマゾン株が時間外に売られて下落した時間があった。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今朝8時11分頃に一時150円64銭付近にまで下押ししていたドルが円相場で反発し、今朝8時23分頃には一時150円88銭付近に上昇した。

今朝8時30分には今日の日本市場に先行して日本の最新経済指標の発表があり、6月の日本失業率は前回と市場予想通りの2.5%と完全雇用に近い堅調な状態が続いていたことでは円の買い戻しも混ざったが、米国関税政策の日本経済への影響への警戒感などもあり、6月の日本有効求人倍率は前回の1.24と市場予想の1.25を下回る1.22に低下し、2022年2月の1.21倍以来の低水準になったが、米国関税の日本経済への影響への警戒感や持続的な賃上げなどの影響で企業の求人に雇い控えの可能性があることなどについて厚生労働省の担当者は、「引き続き1倍は上回っており、急速な悪化の兆候はみられていない」と発言し、1倍以上の間は求人数1に対し求職者1人以下の人手不足継続のため反応は限られていた。

今朝8時33分頃には、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.384%付近に再上昇し、債券利回りの日米金利差と当面の間の日米金利差予想でも円売りドル買いが入りやすかったことから、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場も一時150円81銭付近の始値と150円台後半で、日本市場時間にも今朝11時5分頃の一時4.388%付近に向けて米国長期金利が上昇したため、債券利回りの日米金利差トレードの影響もあって、今朝10時43分頃にドルは円相場で一時150円92銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルに高値を記録した。

しかし、今日は日本政府の加藤勝信財務相が午前中の閣議後の記者会見で、大幅な円安ドル高が進行していた為替相場について、「投機的な動きも含め、為替市場の動向を憂慮している」と発言したニュースがあり、昨日の日銀の植田和男総裁の発言では一時後退していた為替介入への警戒感がやや意識され始めたことでは市場高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整の抵抗が円相場で入り始めたほか、今日の東京株式市場では日経平均株価が下落してマイナス圏の推移を続けており、日経平均株価下落時の影響のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) でも国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しが入り、午後14時55分頃に対ドル円相場は一時150円42銭付近と150円台前半の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、午後15時頃からの欧州市場の参入では、日米金利差予想の円売りドル買いが再開したため、日本市場では午後15時30分に今日の日経平均株価は4万799円60銭の終値をつけ、前日比270円22銭安の-0.66%の安値で大引けした株価リスク回避のリスクオフによる低リスク通貨の円買いが入っていたものの、市場安値後のドルは円相場で反発しており、午後15時48分頃には一時150円65銭付近と150円台後半に戻していた。

夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入では、日銀の早期の追加利上げ予想の後退の影響などにより今朝は一時1.530%以下に低下していた新発10年物の日本国債の利回りが指標となる国内長期金利が夕方には1.560%以上と低下幅を縮小したが、夕方16時32分頃には早期の米国利下げ予想の後退により米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も一時4.393%付近に上昇したため、ドルは円相場で150円台中盤付近の揉み合いになった。

しかし、今夜この後の米国市場では最新米国重要経済指標の米国雇用統計の発表イベントを控えていることでは、雇用最大化と物価安定の二大責務の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の影響への警戒感からはイベントリスクの高まりが米国長期金利上昇の一方でドルの上値を抑えたほか、夕方の欧州株式市場で欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-index) がマイナス圏から始まり、米国主要株価先物も連れた株価影響のリスクオフでは低リスク通貨に円の買い戻しの抵抗も入り始めた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円55銭付近で、昨夜17時の149円44銭付近の前東京終値比では約1円11銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表予定のイベントなどがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に米国雇用関連の重要指標で注目されている7月米国雇用統計の7月米国非農業部門雇用者数 (NFP / Non-Farm Payrolls) と7月米国失業率と7月米国製造業雇用者数と7月米国平均時給などが発表され、続いて今夜22時45分には7月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値と、今夜23時に米国景気関連の重要指標の7月米国ISM (Institute for Supply Management / 米国サプライマネジメント協会 / 全米供給管理協会) 製造業景況指数と6月米国建設支出と7月米国ミシガン大学消費者態度指数の確報値の発表などを控えている。

また、各国との米国関税交渉の続報を含めた世界ニュースや、米国主要企業の決算報告シーズンの影響が続くなど世界の株式市場と債券市場と原油先物価格などのコモディティ市場などの為替相場への影響と、世界情勢や政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は171円91銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の171円8銭付近の前東京終値比で約83銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、日銀の早期追加利上げ予想の後退による大幅な円安ドル高が進行した外貨影響のユーロ円相場への波及が、為替相場に影響を及ぼしていた。

ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1419ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1449ドル付近の前東京終値比で約0.30セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、 昨日は米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の発言を受けて、次回9月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国利下げ予想が後退し、大幅なユーロ安ドル高が進行したが、昨夜は月末影響の欧州ユーロの買い戻しが入ったほか、今夜この後の最新米国雇用統計発表前のイベントリスクによるドルの持ち高調整の影響もあり、小幅域に留まった。

なお、今夜その後の18時の欧州市場では、欧州ユーロ圏の最新欧州重要インフレ指標の7月欧州消費者物価指数 (HICP / Harmonised Index of Consumer Prices) 速報値の発表があり、前年同月比は市場予想の1.9%を上回る前回と横ばいの2.0%で、同月の欧州HICPコア指数の速報値も前年同月比は前回と市場予想通りの2.3%であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は198円62銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の198円13銭付近の前東京終値比では約49銭の円安ポンド高だった。

主な要因は、東京終値時点では、昨日からの日銀の早期の追加利上げ予想後退の影響により、高金利通貨である英国ポンドに対しても低金利通貨の円相場が続落していた。

ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜17時30分に発表された最新英国経済指標の7月英国製造業購買担当者景気指数(PMI/ Purchasing Managers’ Index) 改定値が前回と市場予想の48.2を下回る48.0に下振れした景気懸念の影響では英国ポンド売りで低リスク通貨の円が買い戻されたため、今夜20時台には前東京終値比で小幅な円高ポンド安への市場反転も見せている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年8月1日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時14分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時14分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:14の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 150.29 〜 150.30 +0.85 (円安)
ユーロ/円 171.64 〜 171.66 +0.56 (円安)
ユーロ/ドル 1.1419 〜 1.1421 −0.0030 (ドル高)
英ポンド/円 197.93 〜 197.99 −0.20 (円高)
スイスフラン/円 184.31 〜 184.37 +0.37 (円安)
豪ドル/円 96.66 〜 96.70 +0.08 (円安)