FXニュース:米FOMCと議長発言控え
2025年7月30日
東西FXニュース – 2025年07月30日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米JOLTS求人件数下振れ
- 米消費者信頼感指数上昇
- 米中関税停止期間再延長
- 米中関税は「大統領次第」
- 米国債入札で利回り低下
- 日米主要株価が安値引け
- 明日日銀金融会合発表も
今日2025年7月30日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の148円45銭付近から、円の高値でドルの安値の147円80銭付近の値幅約65銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円5銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の148円58銭付近の前東京終値比で約53銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州連合 (EU / European Union) と米国との関税枠組み合意が米国側に有利で欧州経済の下振れリスクになることへの警戒感が続く中で、欧州ユーロからの巨額のドル投資の見通し予想などの欧州ユーロ売りでもドルが買われて上昇していた外貨影響が対ドル円相場に波及し、昨夜20時51分頃にドルは円相場で一時148円76銭付近に上昇していた。
しかし、昨夜7月29日から欧米現地時間の今夜30日 (日本時間では時差で翌31日未明) にかけて米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国政策金利発表とFRBのジェローム・パウエル議長の要人発言のイベントを控えたイベントリスクの影響では、時間外の米国債券取引で世界的な安全資産の米国債が買い戻されて米国債券価格上昇に伴う利回り反落が起き始めており、昨夜18時20分頃には一時4.421%付近だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は昨夜20時54分頃には一時4.395%付近に低下しており、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時148円72銭付近の始値と上昇幅を縮小していた。
ただし、米国市場では昨夜21時30分に最新米国経済指標の発表が始まり、6月米国卸売在庫の前月比は前回マイナス圏だった−0.3%と市場予想の−0.1%を上回るプラス圏の0.2%に上振れの改善が示されており、昨夜22時の5月米国S&Pケース・シラー住宅価格指数 (S&P CoreLogic Case-Shiller Home Price Indices) の前年同月比は前回の3.4%と市場予想の2.9%に対し2.8%とやや下振れしたものの、同時発表の5月米国住宅価格指数の前月比は前回の−0.4%が前回−0.3%に上方修正された上で市場予想通りの−0.2%に留まっていたことでは、昨夜22時30分頃には米国ニューヨーク株式市場で米国主要株価三指数が揃ってプラス圏付近から始まった株価影響もあり、昨夜22時36分頃には対ドル円相場は一時148円81銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
また、先日にも観測報道があった通り、一部報道で、「中国政府によると、スウェーデンで開催されていた米中閣僚級協議で米中政府が互いに一時停止中の関税措置について停止期間をさらに延長することで合意」と報じられたリークニュースの影響もあったが、米国政府のスコット・ベッセント財務長官は、「対中関税休止の最終決定は、ドナルド・トランプ大統領が決定する」としており、「対中関税延長の決定はトランプ大統領次第」と公式発表を待つことを勧告し、「米中は、米中関税導入の停止期限を延長する条件をめぐり協議を継続する」と説明していた。
米国ニューヨーク債券市場では、時差で先行する欧州市場時間から意識され始めていた昨夜から今夜にかけての米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) のイベントリスクの高まりもあって、安全資産の米国債買いが続いており、昨夜22時16分頃の一時4.402%付近への反発後には米国長期金利が一時の4.4%台から4.3%台に再低下し、イベントリスクを受けた警戒感などから米国主要株価三指数も揃って反落を始めた株価影響のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) もあって、米国長期金利は昨夜22時49分頃には一時4.377%付近に低下し、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りで低リスク通貨でもある円相場がドルに対して反発を始めていた。
さらに、昨夜23時に発表された6月米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数が、前回の776.9万件が前回771.2万件に下方修正されたほか、市場予想の750.0万件を下回る743.7万件に下振れした影響もあり、安全資産の米国債買いが強まると、深夜24時27分頃の一時4.352%付近に向けて米国長期金利が急落したが、昨夜23時に同時発表された米国コンファレンス・ボードの7月米国消費者信頼感指数は前回の93.0が前回95.2に上方修正された上で市場予想の96.0を上回る97.2に上振れしていたことでは抵抗も混じったほか、深夜24時8分頃の一時148円35銭付近からはドルは円相場で一時反発も見せ、深夜24時57分頃には一時148円62銭付近と下げ渋っていた時間があった。
とはいえ、米国ニューヨーク債券市場では、世界的な安全資産の米国債の買い戻しが続いており、午前1時頃に一時4.366%付近に反発後には再び急落し、午前2時の米国7年債入札が堅調な結果になった米国再建価格上昇に伴う利回り低下の影響の波及により、他の年度の米国債買いが勢いを増し、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午前2時13分頃には一時4.331%付近に急落し、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響が強まり、午前2時22分頃にドルは円相場で一時148円34銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
米国主要企業の決算報告シーズンの米国ニューヨーク株式市場では、米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) のイベントリスクに加えて、米国主要企業の決算報告シーズンのイベントリスクもあり、米国主要株価指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数が揃って反落後にマイナス圏の推移となり、前日比で安値の終値に向けていたことも米国株価下落時のリスク回避のリスクオフによる安全資産の米国債買いと低リスク通貨の円買いに影響を与えていた。
米国ニューヨーク債券市場では、先述の6月米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数の下振れを受けて、各国との米国関税交渉の進展を踏まえて米国関税政策をめぐる不確実性も減少していく中で、今年年内の米国利下げ予想が再び意識され、日本時間では時差で明日未明にあたる今夜この後の翌米国市場での米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の金融政策発表と米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の要人発言での今後の見通しに注目が集まり、イベントリスクによる警戒感もあってドルが買いにくくなった様子見の一方で安全資産の米国債は買われており、午前5時13分頃には米国長期金利は一時4.325%付近と、前日の一時4.42%台からの4.32%台と大幅な低下を見せており、今朝6時頃のニューヨーク終値時点も米国長期金利は一時4.326%付近と、FOMCの後には日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) も7月30〜31日の日銀金融政策決定会合のイベントを控えているが、債券利回りを受けた金利差トレードが為替相場に影響を及ぼしていた。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の148円81銭付近から、円の高値でドルの安値の148円34銭付近の値幅約47銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は148円46銭付近と、前営業同時刻の148円53銭付近の前ニューヨーク終値比で約7銭の円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、時間外の米国債券取引でも米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利低下の影響が続き、今朝8時32分頃の一時4.320%付近と更なる低下を見せたため、今日から日本で始まる明日までの日銀金融政策決定会合や月末を控えた円の買い戻しもあって、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時148円42銭付近の始値となり、今朝9時3分頃の一時148円45銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値となって、対ドルの円相場が反発上昇を始めた。
日本市場の今朝の仲値決済では、今日は30日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい五十日 (ごとおび / ゴトービ) であることに加えて、円建ての月末決算に向けて国内輸出企業や投資系などの円買いドル売りが優勢になったことや、今夜この後の日本時間の明日未明の米国政策金利イベントとパウエル議長の発言による今後の見通しへのイベントリスクのよる利益確定や持ち高調整のドル売りでも円が買い戻されており、今朝9時55分頃の仲値決済後の今朝10時16分頃にはドルは円相場で一時147円94銭付近に下落していた。
また、今日の東京株式市場では、今朝早朝までの米国主要株価三指数の反落後の安値引けの反落パターンと同様に、今朝プラス圏から始まっていた今日の日経平均株価が反落し、マイナス圏に転じ、今朝9時5分過ぎ頃からはマイナス圏になった日経平均株価下落時のリスク回避のリスクオフによる国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いも対ドルでの円の買い戻しを強めており、今朝9時50分頃の底値付近からの下げ幅は小幅域に縮小したものの、午後15時30分に今日の日経平均株価が4万654円70銭の終値をつけ、前日比19円85銭安の-0.05%の小幅安で大引けしていた。
午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場が参入すると、時間外の米国債券取引では夕方16時6分頃にも安全資産の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.327%付近と、今朝の下げ幅からの縮小が鈍く4.32%台に留まっていた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響もあり、夕方16時8分頃にドルは円相場で一時147円80銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、金利先物市場のデータを基に米国政策金利の市場予想値を算出するフェドウオッチ (FedWatch) では、今夜この後の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国政策金利の据え置き予想値は今日の夕方の時点でも97.9%付近と市場で確定値と考えられている70%を超えた優勢さを保っており、その一方で今日から明日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合でも金利据え置き予想が優勢であったことからドルの買い戻しも入り始めた影響では、ドルは円相場で148円台に反発して下げ幅を縮小した。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円5銭付近で、昨夜17時の148円58銭付近の前東京終値比では約53銭の円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表予定や米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) と世界的な注目を集めている米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の要人発言のイベント予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時15分に7月米国ADP (Automatic Data Processing) 雇用統計、今夜21時30分に4〜6月の第二四半期米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の速報値と同四半期の米国GDP個人消費の速報値と米国コアPCE (Personal Consumption Expenditures / 個人消費支出) と、 今夜23時に6月米国住宅販売保留指数、そして、27時に米国FOMC終了後の米国政策金利発表と声明文が出てから、27時30分頃からFRBのジェローム・パウエル議長の定例記者会見でのライブ中継の要人発言を控えている。
また、各国との米国関税交渉の続報を含めた世界ニュースや、米国主要企業の決算報告シーズンの影響もあり、世界の株式市場と債券市場と原油先物価格などのコモディティ市場などの為替相場への影響と、世界情勢や政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。
なお、明日早朝の米国株式市場の株引け後の時間になると伝えられているが、フェイスブック (Facebook) などで有名な米国メタ・プラットフォームズ (Metas) と米国マイクロソフト (Microsoft) の米国主要企業の決算報告予定も控えている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は171円7銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の171円68銭付近の前東京終値比では約61銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、昨日に続き、先週末の欧米関税交渉合意後の欧州景気下押しリスクの欧州ユーロのドルや円への下落の影響が燻っていたが、日米金融政策決定会合を控えたイベントリスクでは昨日の大幅域と比較すると小幅域になっていた。
ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1555ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1555ドル付近の前東京終値比で約0.00セントの横ばいレンジ圏になった。
主な要因は、今年年内の米国利下げ予想が意識される中でイベントリスクなどにより安全資産の米国債が買い戻されて米国長期金利が低下した影響があり、昨日のユーロドルは大幅なユーロ安ドル高であったが、今日のユーロドルは前東京終値比で横ばいレンジになっていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は197円84銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の198円9銭付近の前東京終値比では約25銭の円高ポンド安だった。
主な要因は、昨夜にも英国ポンドが対ドルで売られて下落していた外貨影響があったほか、米国長期金利低下の影響が波及して英国10年債の利回りが指標となる英国長期金利も低下した時間があったことなどが為替相場に影響を及ぼし、株価影響のリスクオフでも低リスク通貨の円に対して英国ポンドが売られた時間が観測されていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年7月30日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時49分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時49分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 19:49の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 148.20 〜 148.22 | −0.38 (円高) |
ユーロ/円 | 171.01 〜 171.03 | −0.67 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.1538 〜 1.1539 | −0.0017 (ドル高) |
英ポンド/円 | 198.02 〜 198.08 | −0.07 (円高) |
スイスフラン/円 | 183.82 〜 183.88 | −0.54 (円高) |
豪ドル/円 | 96.21 〜 96.25 | −0.41 (円高) |
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