FXニュース:米中関税交渉への期待感

2025年7月29日
今日2025年7月29日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円16銭付近から、円の安値でドルの高値の148円75銭付近の値幅約59銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円58銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年07月29日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 欧米合意後も警戒感燻る
  • 欧株価プラス圏から反落
  • 米S&Pナズダック最高値
  • 対米投資予想のドル買い
  • 米長期金利一時4.42%台
  • 日経平均株価下げ幅拡大
  • 今夜から明日の米FOMC

今日2025年7月29日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円16銭付近から、円の安値でドルの高値の148円75銭付近の値幅約59銭で、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円58銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の148円31銭付近の前東京終値比で約27銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、先週末の欧米関税枠組み合意に続き、米中関税交渉など各国との合意に向けた進展への期待感が高まり、時間外の米国債券取引で世界的な安全資産の米国債が売られて債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、昨夜20時2分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.402%と4.4%台に再上昇し、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いや欧州ユーロなどの主要通貨に対するドル買いが入っていたため、昨夜20時2分頃にはドルは円相場で一時148円45銭付近に上昇していた。

ただし、欧州株式市場では、先週末の欧州連合 (EU / European Union) と米国との関税枠組み合意を受けて夕方にプラス圏から始まっていた欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-index) が上昇幅を縮小し、欧州ユーロが利益確定や持ち高調整などで売られる中で、これまでには関税対象外であった欧州から米国に輸出される品目別金額ベースで最大規模にあたる医薬品にも15%の一律の米国関税率が適用される可能性があることなどを受けては、欧州製薬業界に最大190億ドル相当の追加コストが発生する可能性があることなどを複数の欧州アナリスト達が指摘したため、一部項目ではまだ欧米関税交渉継続となるなど欧米間の見解の相違にも警戒感が燻り、欧州主要株価指数が反落してマイナス圏に転じ、世界的な安全資産の米国債も買い戻された影響では昨夜20時8分頃には一時4.411%付近に上昇していた米国長期金利が昨夜20時56分頃には一時4.397%付近と4.3%台に戻した。

その影響から、欧州株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の欧州ユーロ売りでは世界的に流動性が高いドル買いだけでなく、昨日の朝に今年最大の円安ユーロ高を記録後の利益確定や持ち高調整でも買い戻されていた低リスク通貨の円も買われたため、対ドルの円相場は反発し、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時148円14銭付近の始値となり、昨夜22時2分頃には対ドル円相場は一時147円94銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、昨夜22時過ぎには、北欧スウェーデンの米中閣僚級貿易協議の会場に米国政府のスコット・ベッセント財務長官と米国通商代表部 (USTR / United States Trade Representative) のジェミソン・グリア代表が到着した模様がニュースになり、米国ニューヨーク株式市場では、欧米関税枠組み合意に続き米中関税交渉などの各国とのディールにも期待感が高まる中で、米国主要株価指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃ってプラス圏から始まり、昨夜23時10分頃にナスダックが史上最高値を更新し、昨夜23時15分頃にはS&P500も史上最高値を更新し、ドルは低リスク通貨に対して反発上昇した。

米国ニューヨーク債券市場では、深夜24時30分に米国2年債入札と午前2時に米国5年債入札を控えており、一時4.4%台に反発後に昨夜22時3分頃にも一時4.396%付近に再低下した米国長期金利が再び4.4%台に反発上昇し、米国株価影響の安全資産の米国債売りの影響もあって、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いになった。

深夜半を過ぎて時差で先行していた欧州株式市場が終了し、独DAXが前営業日比で-1.02%の大幅安の終値をつけた後には、欧州株価下落時のリスク回避のリスクオフから米国株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りドル買いに転じており、安全資産の米国債売りの影響と米国債入札などに絡む債券売りで米国長期金利は更に上昇し、午前3時58分頃の一時4.423%付近に向けた上昇の中で債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル売りが続き、米国債の入札後の午前3時54分頃にはドルは円相場で一時148円58銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、日米関税合意での大規模な対米投資案に続き、欧米関税合意でも大規模な対米投資案があったことから、日欧通貨からのドル買い予想が出ていたことでもドルが買われていた。

ただし、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、「個別交渉をしていない貿易国に対する米国関税率は、15〜20%になる可能性が高い」と発言した影響では、今夜7月29日までの米中閣僚級会議での米中関税交渉の様子見の抵抗もやや入った。

しかし、今夜7月29日から米国現地時間の30日 (日本時間では時差で31日未明) にかけて開催予定の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) では、金利先物市場のデータを基に市場予想値を算出するフェドウオッチ (FedWatch) で今日の時点でも米国政策金利の据え置き予想が96.9%付近と、市場で確定値と考えられている70%を超える高水準の優勢さを保っており、その一方で日本の自民党の石破政権の支持率低下の中で国内政治の先行き不透明感もあり、今月7月30〜31日に開催予定の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) でも金利維持予想が優勢で、当面の間の日米金利差予想もあってドルは円相場で底堅さを見せ、抵抗を交えながらも米国主要株価三指数の中で金利に敏感な米国ダウ工業株 (DJIA) は反落して小幅安の終値をつけたものの、米国S&P500種株価指数 (S&P500) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ) は史上高値更新後の利益確定の抵抗後も前日比で小幅高の終値で高値引けした株価影響もあり、今朝5時9分頃にもドルは円相場で一時148円58銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を再記録した。

ドルが円相場で二度目の米国市場の高値を上抜けできなかったことでは、テクニカル分析的なダブルトップ (Double Top) の毛抜き天井を打つ形で一時反落したが、今月の日米金融政策決定会合のイベントを控えた米国市場終盤の持ち高調整のドルの買い戻しもあって、ドルが底堅さを見せていた米国市場では148円台での上昇幅の小幅な縮小となった。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の147円94銭付近から、円の安値でドルの高値の148円58銭付近の値幅約64銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は148円53銭付近と、前営業同時刻の147円69銭付近の前ニューヨーク終値比で約84銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、日米と欧米に続く米中関税交渉への期待感が高まっており、今朝8時33分頃にドルは円相場で一時148円64銭付近に上昇し、今朝までの米国市場の高値を上抜けたが、今夜から二日間の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を控えたイベントリスクでは、月末を控えた日本市場で輸出企業の円の買い戻しが始める前に早期の利益確定や持ち高調整も入りやすく上昇幅を一旦縮小したため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時148円46銭付近の始値となっていた。

今朝は日本政府の内閣府が2025年度の日本経済財政報告の経済財政白書の「令和7年度年次経済財政報告―内外のリスクを乗り越え、賃上げを起点とした成長型経済の実現へ―」を公開し、赤沢亮正経済財政・再生相が今朝の閣議に提出したが、賃金と物価上昇の好循環が「定着しつつある」と指摘し、デフレ脱却に向けた認識を示した一方で、米国関税政策が日本経済の下振れリスクになり得る可能性を指摘し、「十分注意が必要な状況」と警戒感を示しており、今朝の東京株式市場では日経平均株価がマイナス圏から始まり、下落幅を拡大していた。

また、この日本経済財政白書では国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) における個人消費の回復は、賃金や所得の伸びに対して「緩やかにとどまっている」と分析され、その要因は家計がまだ賃金上昇を持続的と見なしていないことや物価上昇によるインフレ継続への警戒感などが節約志向として支出を抑制しており、将来のための貯蓄率を上げる傾向により国内消費を抑制しているとの調査結果が示されており、個人消費の回復には、「安定的な物価上昇とこれを上回る持続的な賃金上昇などが不可欠」とされ、「持続的な社会保障制度を確立し、老後の生活に関する不確実性をできるだけ解消し、安心感を高めるといった政策的観点が重要」と指摘していた。

今朝9時55分の仲値決済に向けた国内輸出企業の円売りドル買いでは、今朝9時58分頃にドルは円相場で一時148円71銭付近に上昇したが、月末を控えた国内輸出企業の円買いドル売りの抵抗が入ったことに加えて、今朝からの日経平均株価の下落幅が午後に拡大したことを受けた日本株価下落時の株式市場終盤のリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買い戻された影響では、午後15時11分頃に対ドル円相場は一時148円16銭付近と今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録し、午後15時30分頃に今日の日経平均株価は午後の底値からの買い戻しはやや混ざったものの4万674円55銭の終値をつけ、前日比323円72銭安の-0.79%で大引けした。

一方、今日の国内ニュースでは、自民党の森山裕幹事長が役員会で近く重要事項を決める自民党両院議員総会を開催することを明らかにしたことが話題になり、先日の参議院選挙の敗北や最近の支持率低下についての石破政権や自民党の執行部への責任が問われており、日本の国内政治の先行きの不透明感が燻っていたことではる市場高値後の円売りが入った。

午後からの欧州市場に続き、夕方から世界最大規模の英国ロンドン外国市場が参入すると、時間外の米国債券取引で今日の夕方16時頃に一時4.410%付近だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、夕方16時48分頃の一時4.423%付近に向けた債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いが入り、夕方16時38分頃にドルは円相場で一時148円75銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

今夜この後から始まる2日間の米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) や明日から開催予定の同じく2日間の日本銀行 (日銀 / BoJ) の日銀金融政策決定会合の日米イベントを控えたイベントリスクによる持ち高調整の買い戻しと様子見はやや抵抗になったが、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円58銭付近で、昨夜17時の148円31銭付近の前東京終値比で約27銭の円安ドル高になっていた。

今夜この後の米国市場では、最新経済指標の発表予定と米国債入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に6月米国卸売在庫、今夜22時に5月米国S&Pケース・シラー住宅価格指数 (S&P CoreLogic Case-Shiller Home Price Indices) と5月米国住宅価格指数、今夜23時6月米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数と、同時刻に7月米国消費者信頼感指数、26時に米国7年債入札予定などを控えている。

また、米中貿易協議や各国との米国関税交渉の続報を含めた世界ニュースや、米国主要企業の決算報告シーズンの影響もあり、世界の株式市場と債券市場と原油先物価格などのコモディティ市場などの為替相場への影響と、世界情勢や政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は171円68銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の173円20銭付近の前東京終値比では約1円52銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、先週末の欧米関税交渉合意後に昨日の朝11時11分頃には欧州ユーロは円相場で一時173円89銭付近と今年最大の円安ユーロ高を更新したが、その後の欧州ユーロの利益確定売りや持ち高調整や日経平均株価下落時の低リスク通貨の円買いが入って欧州ユーロが円相場で反落した円高ユーロ安に加えて、欧米関税交渉の枠組み合意には大規模なエネルギーや軍事用品購入などの欧州から米国への投資案が含まれていたため、欧州ユーロから巨額のドルが買われることへの便乗利益の市場予想などによる欧州ユーロ売りでもドルが買われて大幅に上昇したほか、欧米間の合意内容の相違点から一部の交渉継続時に欧州経済下押しリスクへの警戒感も燻った欧州ユーロ売りの一方で、米中関税交渉への期待感などから米国長期金利が上昇したドル買いもあり、ユーロドルの大幅なユーロ安ドル高の外貨影響が円高ユーロ安に転じた対ドル円相場に波及して大幅域になった。

そのため、ユーロドルも、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1555ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1679ドル付近の前東京終値比で約1.24セントの大幅なユーロ安ドル高だった。

経済圏が近い欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は198円9銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の198円91銭付近の前東京終値比では約82銭の円高ポンド安だった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年7月29日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時1分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時1分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:01の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 148.54 〜 148.55 +0.23 (円安)
ユーロ/円 171.92 〜 171.94 −1.28 (円高)
ユーロ/ドル 1.1573 〜 1.1575 −0.0106 (ドル高)
英ポンド/円 198.28 〜 198.34 −0.63 (円高)
スイスフラン/円 184.59 〜 184.65 −1.08 (円高)
豪ドル/円 96.68 〜 96.72 −0.06 (円高)

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